製造業サプライチェーンマップ
素材が部品になり、部品が完成品になる。製造業13業種が、どこから仕入れてどこへ届けているのかを1枚の地図にしました。気になる業種をクリックすると、その業種の分野・工程・関わる職種と、ほかの業種との間で何が行き来しているかが表示されます。
業種をクリックして、つながりを見てみましょう
調達元(仕入れる業種)供給先(届ける業種)設備の納入
STEP 1素材ものづくりの出発点
STEP 2部品・加工素材を部品の形にする
STEP 3完成品最終製品として世に出す
SUPPORT設備・インフラ工場そのものをつくり、各業種に設備を納める
HOW TO READ
サプライチェーンの読み方
製品は、素材をつくり、部品や加工品に変え、完成品に仕上げる流れの中で生まれます。設備・インフラは、その各段階の生産を支えます。業種だけでなく「何をつくるか」「どの工程を担うか」にも注目してみてください。
3つの流れと、支える設備・インフラ
川上|素材をつくる
鉄、樹脂、セラミックスなど、製品のもとになる材料をつくります。材料の性質や品質を安定させる技術が、その先の加工や製品性能を支えます。
景気・価格の影響原料やエネルギーの価格、販売先の需要の変化が、仕入れや販売条件、収益に影響することがあります。
川中|部品・加工品にする
素材を加工し、製品に使う部品や加工品に変えます。加工精度、品質の安定性、設計への対応などが、取引先から選ばれる理由になりやすい役割です。
景気・価格の影響取引先の生産計画や製品の切り替えに加え、材料費の変化とその価格への反映が、受注や収益に影響することがあります。
設備・インフラ|各段階の生産を支える
素材、部品、完成品をつくるための機械や設備、生産を支える仕組みを提供します。生産性や品質、安定稼働を支え、導入後の保守や改善まで関わる場合もあります。
景気・価格の影響顧客の新設・増設・更新の判断によって受注の時期が変わり、保守や改修の需要は新しい設備とは違う動きをすることがあります。
仕事・取引先の見方を開く
この層に多い仕事
機械設計電気・電子設計ソフトウェア・組込み設備保全技術営業・FAE
取引先を探すときの見方
対象の工程と解決したい課題を整理し、設備単体の供給から設計・導入・保守まで、どこを任せられるかを確認します。
関連する業種を地図で見る
役割は企業全体ではなく、事業や製品によって変わることがあります。1つの会社が複数の役割を担うこともあります。
例でたどる:製品ができるまで
製品を選ぶと、関わる業種の例を順に地図の上で光らせます。実際の材料や工程、関わる企業は製品や製造方法によって異なります。
- 1
素材
鉄鋼や樹脂、ガラスなどが、車体やさまざまな部品の材料になります。
- 2
部品・加工
材料を成形・加工し、車体の部品や機械部品、電子部品などをつくります。
- 3
完成品
部品を組み合わせ、検査を経てクルマとして仕上げます。
- 4
支える設備
加工・組み立て・搬送・検査などの機械や自動化設備が、各段階の生産を支えます。
- 1
素材
金属、樹脂、ガラスなどが、筐体や電子部品などの材料になります。
- 2
部品・加工
半導体や受動部品、センサーなどをつくり、製品に組み込める形にします。
- 3
完成品
部品を組み込み、検査を経てスマートフォンとして仕上げます。ブランドを持つ企業と組み立てる企業が別のこともあります。
- 4
支える設備
部品の製造や組み立て、検査に使う装置が、各段階の生産を支えます。
- 1
素材
有効成分のもとになる化学品や、錠剤の形・性質を整える材料を用意します。
- 2
中間工程・加工
原薬(有効成分)などを使い、製品に応じた工程で錠剤の形にします。
- 3
完成品
必要な品質確認や包装を行い、出荷できる製品に仕上げます。製剤から包装までを同じ企業が担うこともあります。
- 4
支える設備
製造・包装・品質確認の機械や、工場そのものの建設が生産を支えます。
つながりを読み解く5つの視点
1ティア構造誰に納めるかを見る
完成品メーカーへ直接納める企業をTier1、その企業へ納める企業をTier2と呼ぶことがあります。同じ企業でも、製品や取引先によって位置づけは変わるため、「どの取引関係の話か」を確認するとつながりが見えてきます。
注意:Tierは企業の格付けではありません。また、川上・川中・川下とは別の見方です。
2商社の役割ものの流れと取引の流れを分ける
商社は、材料や製品の売買を仲介したり、調達先の開拓、在庫、物流などに関わったりします。ものをつくる企業と取引の窓口が違うこともあるため、「誰がつくり、誰から買うか」を分けて見ると理解しやすくなります。
注意:商社が担う役割は取引によって異なり、すべての取引が商社を通るわけでもありません。
3設備投資の波及工場の変化から見る
工場の新設や増設、設備の更新は、機械、制御、施工などの仕事につながることがあります。同じ設備投資でも、計画・製作・据え付け・保守で仕事が動く時期は異なるため、何をどこまで担う企業かに注目してみてください。
注意:設備投資が関連する業種すべての受注増に直結するとは限りません。新しい設備と保守・改修も分けて考えます。
4需要の伝わり方売れ行きと発注を分けて見る
完成品の売れ行きや生産計画の変化は、部品や材料の発注にも伝わります。ただし、在庫の積み増し・取り崩しや発注のまとめ方によって、変化が伝わる時期や大きさは異なります。
注意:「川上ほど変動が大きい」と一律には言えません。販売・生産・発注は同じ動きをするとは限りません。
5内製と外注企業の境界を見る
同じ製品でも、自社で担う工程と外部に任せる工程は企業によって異なります。企業名や業種名だけで判断せず、「設計する」「加工する」「組み立てる」など担当する工程を見ると、強みや取引の接点を探しやすくなります。
注意:内製が優れていて外注が弱い、ということではありません。範囲は製品や時期によっても変わります。
用語ミニ辞典(9語)
- 川上・川中・川下
- 製品ができる流れを、素材、部品・加工、完成品という役割で捉える見方。
- Tier1・Tier2
- ある完成品メーカーへ直接納める企業がTier1、そのTier1へ納める企業がTier2。取引関係ごとの呼び方。
- 商社
- 材料や製品の売買を担い、取引に応じて調達、在庫、物流などにも関わる企業。
- 内製・外注
- ある工程や業務を自社で担うのが内製、外部の企業に依頼するのが外注。
- OEM
- 相手先のブランドで販売される製品を製造すること。また、その製造を担う企業。
- EMS
- 電子機器の製造を受託するサービス。設計や部品の調達を含む場合もある。
- EPC
- プラントなどの設計(Engineering)・調達(Procurement)・建設(Construction)をまとめて担う方式。
- SIer(FA)
- ロボットや制御機器、搬送装置などを組み合わせ、自動化ラインを設計・構築する会社。
- マザーマシン
- 機械の部品を削り出す工作機械のこと。「機械をつくる機械」という意味で呼ばれる。
気になる業種を、もう一歩詳しく地図で業種を選ぶと、分野・工程・関わる職種まで見られます。自分に合う業界を知りたい人は業種診断へ(18問・登録不要・約3分)