Nm3(ノルマルリューベ)とは?m3との違いと換算式・早見表・都市ガスの計算例

工場の壁沿いを通るガス配管と流量計・圧力計

Nm3(ノルマルリューベ)とは、気体の体積を0℃・1気圧(101.325kPa)の状態に換算して表す単位で、実際の温度・圧力での体積m3とは、温度の比と圧力の比を掛けて換算します。

たとえば20℃・0.5MPa(ゲージ圧)の配管の中では、1Nm3の空気は約0.18m3しかありません(早見表の係数0.181)。取り違えると、配管やコンプレッサーの大きさが数倍ずれます。

この記事では、Nm3の意味と読み方、換算式と早見表、Sm3・ANRなど基準の違いを順に整理します。後半では、圧縮空気・排ガス・都市ガスの計算例と、よくある質問に答えます。

Nm3とm3の違いと換算方法は、動画でも解説しています。

目次

Nm3(ノルマルリューベ)とは

Nm3(ノルマルリューベ)は気体の量を表す単位で、大気圧・0℃のときの体積のことです。体積を表すm3(立方メートル)に、標準という意味のN(ノルマル)を付けて表します。

読み方は「ノルマルリューベ」のほか、「ノルマル立米(りゅうべい)」「ノルマル立方メートル」とも言い、リューベは、立米(立方メートル)の読みから来た現場の呼び方です。

表記の仕方に特に決まりはなく、m3N(リューベノルマル)と書かれることもあります。1時間あたりの流量ならNm3/h、1分あたりならNm3/minです。

基準をそろえる理由は、次の理想気体の状態方程式で分かります。ボイル・シャルルの法則と同じ関係を表す式です。

PV = mRT
P:圧力(絶対圧) V:体積 m:質量 R:ガス定数 T:絶対温度

空気量を考えるときは分かりやすい体積を使う場合が多いのですが、体積は温度や圧力によって変わります。そこで、基準の状態にそろえたNm3が用いられるわけです。例えば、次のような場合を考えてみます。

1Nm3の空気の体積が0℃大気圧で1m3、100℃で1.366m3、2気圧で0.5m3になる図

大気圧・0℃の状態では、1Nm3の空気の体積は1m3です。この1Nm3の空気を100℃に温めると膨張し、約1.366m3になります。

同じ空気量でも、温度が上がるほど体積は増えます。逆に、温度を変えずに圧力を2倍にすると、体積は0.5m3に小さくなります。

3つの状態のどれでも、中身の空気の量は同じで、つまりNm3は、その場の大きさではなく「どれだけの量の気体があるか」を表しています。

量に直すと、1Nm3は約44.6mol(モル)で、0℃・101.325kPaの理想気体1molの体積は約22.414Lと決まっているためです(CODATAの値)。

図1:Nm3とm3の違い

Nm3は「量」、m3は「その場の大きさ」を表します。

Nm3(ノルマルリューベ)
m3(リューベ)
表すもの
Nm3:気体の量(物質量・質量に比例)
m3:その温度・圧力での実際の体積
基準の状態
Nm3:0℃・101.325kPa(1気圧)、乾いた気体
m3:その場の温度・圧力
温度・圧力が変わると
Nm3:数字は変わらない
m3:温度で増え、圧力で減る
主な使い道
Nm3:燃焼空気量、燃料ガスの量と熱量、排ガスの基準、送風機・ガスの能力表示
m3:配管・ダクトの流速、タンクの容量、実際に動く風量
流量の書き方
Nm3:Nm3/h、Nm3/min、NL/min
m3:m3/h、m3/min、L/min

※「乾いた気体」はガスの熱量の定義(0℃・101.325kPaの乾燥したガス1m3)にならったものです。空気圧機器のANRなど、湿度を含む基準もあります。

Nm3は業界で広く使われる慣用の書き方で、厳密にはNがニュートン(力の単位)と同じ記号なので、「ニュートン・立方メートル」とも読めてしまいます。

国際単位系(SI)の書き方では、測定の条件は単位ではなく量の側に書くのが原則です(NISTのSI利用ガイド SP 811)。法令も「温度が零度であつて、圧力が一気圧の状態に換算した」と言葉で条件を書いています。

Nm3(ノルマルリューベ)とm3(リューベ)の換算

Nm3とm3は、温度の比と圧力の比を掛けるだけで換算できます。温度は℃に273.15を足し、圧力はゲージ圧なら101.325kPaを足してから比をとります。Nm3(ノルマルリューベ)とm3(リューベ)は、次の式で換算します。

Q[m3] = Q’[Nm3] × 273.15 + T273.15 × 101.325101.325 + P
Q’[Nm3] = Q[m3] × 273.15273.15 + T × 101.325 + P101.325
Q:実際の体積[m3] Q’:標準状態の体積[Nm3] T:温度[℃] P:ゲージ圧力[kPa](大気圧との差。絶対圧ではありません)

1本目はNm3から実際のm3を、2本目は実際のm3からNm3を求める式なので、手元の値がどちらかを先に決めてから選びます。

温度を絶対温度(273.15を足す)に、圧力を絶対圧(101.325kPaを足す)に直して計算しているのに注意が必要です。101.32や101.3と丸めても、結果はほとんど変わりません。

分かりにくい場合は、温度・圧力を変えてみて、どちらがどう変わるかを考えると理解しやすくなります。温度が上がればm3は増え、圧力が上がればm3は減ります。

流量でも同じ式を使い、Q’にNm3/hの値を入れればm3/hで、Nm3/minを入れればm3/minで答えが出ます。

図2:Nm3とm3を換算する5つのステップ

式に入れる前に、表示の基準と圧力の種類を確かめるのが先です。

STEP 01表示を確かめる仕様書・流量計・カタログの値が、Nm3か実際のm3か、ANRなど別の基準かを見る
STEP 02圧力の種類を確かめるMPaG・kPaGはゲージ圧、MPa(abs)は絶対圧。単位はkPaにそろえる
STEP 03絶対温度・絶対圧にする℃+273.15、ゲージ圧+101.325kPa
STEP 042つの比を掛けるNm3→m3は温度比×圧力比。逆向きは分子と分母を入れ替える
STEP 05桁を検算する圧縮空気ならm3はNm3より小さく、高温の排ガスなら大きくなるはず

※圧力計の読み(ゲージ圧)は大気圧を0とした値です。真空側(マイナス)のときも、101.325kPaに足し引きして絶対圧にします。

いちばん多い間違いは、ゲージ圧に大気圧を足し忘れることです。0.5MPaGの空気で、圧力の比の求め方を3通り並べます。

0.5MPaG(500kPaG)の圧力の比 101.325 ÷(絶対圧)
正しい:101.325 ÷(101.325 + 500) ≒ 0.1685
大気圧の足し忘れ:101.325 ÷ 500 ≒ 0.2027(約20%大きい)
圧力の補正忘れ:1(正しい値の約5.9倍)

補正を丸ごと忘れると、圧縮空気の体積を約6倍に見積もり、配管なら必要以上に太い口径を選ぶことになります。ゲージ圧と絶対圧の関係は、連成計・圧力計の目盛の読み方でも整理しています。

次の早見表は、この式で計算した係数で、流量に掛ければ、そのまま換算できます。

図3:Nm3とm3の換算早見表(ゲージ圧×温度)

左の3列は「1Nm3が何m3になるか」、右の3列は「その条件の1m3が何Nm3か」です。

ゲージ圧1Nm3 → m31m3 → Nm3
0℃20℃40℃0℃20℃40℃
0(大気圧)1.0001.0731.1461.0000.9320.872
0.1MPa0.5030.5400.5771.9871.8511.733
0.3MPa0.2520.2710.2893.9613.6913.455
0.5MPa0.1690.1810.1935.9355.5305.177
0.7MPa0.1260.1360.1457.9087.3696.898
0.8MPa0.1120.1210.1298.8958.2897.759
1.0MPa0.0920.0990.10510.86910.1289.481

※大気圧101.325kPa、理想気体として計算し、小数第3位に丸めました。湿度は考えていません。例:0.5MPaG・20℃で100Nm3/hなら、100×0.181≒18.1m3/hです。

表の見方の例です。0.7MPaG・20℃の圧縮空気なら、1m3の中に約7.37Nm3が詰まっています。係数を大きく動かすのは圧力で、温度の影響は20℃の差で約7%です。

まず絶対圧が大気圧の何倍かを見ると、桁を外しません。

換算の計算例

例えば、圧縮空気100Nm3/hが、温度40℃・圧力0.5MPaG(500kPaG)の配管の中を流れているとき、実際の体積流量は次のようになります。

条件:Q’=100Nm3/h、T=40℃、P=500kPa(ゲージ圧)
Q = 100 × 273.15 + 40273.15 × 101.325101.325 + 500
≒ 100 × 1.146 × 0.1685 ≒ 19.3[m3/h]

圧縮されている分、実際の体積はNm3の約5分の1になるため、配管の流速を計算するときは、この19.3m3/hを使います。

逆向きの例も計算してみます。25℃・0.7MPaG(700kPaG)の配管で、実際の流量が5m3/minと分かっているとします。

条件:Q=5m3/min、T=25℃、P=700kPa(ゲージ圧)
Q’ = 5 × 273.15273.15 + 25 × 101.325 + 700101.325
≒ 5 × 0.9162 × 7.908 ≒ 36.2[Nm3/min]

配管の中の5m3/minは、0℃・1気圧に戻すと約7.2倍の36.2Nm3/minです。エアを使う機器の消費量(Nm3/min)と比べるときは、こちらの値を使います。

Nm3とSm3の違い

Nm3は0℃・1気圧を基準にしますが、15℃や20℃・1気圧を基準にしたSm3(スタンダードリューベ)が使われることもあり、基準の温度は、業界や会社、メーカーによって違います。

たとえば大阪ガスの単位換算表では、Nを0℃、Sを15℃としており、この場合、1Nm3は1.055Sm3です(288.15÷273.15)。

基準が15℃違うだけで約5%、20℃違えば約7%、同じ気体の数字が変わります。名前が同じ「標準状態」でも、中身の条件は1つではありません。

Sm3との換算も同じ形の式で、0℃・101.325kPaの代わりにその基準の温度・圧力を入れます。湿度を含む基準では、水蒸気の分も差が出ます。

空気圧機器のカタログには、別の基準のANRもよく出てきて、SMCの資料では、20℃・絶対圧力100kPa・相対湿度65%の空気の状態をANRとしています(ISO 8778、JIS B 8393)。

コンプレッサーの吐出し空気量も、多くは吸込み状態の体積です。アネスト岩田の資料では、吸込み状態を20℃・0.1013MPa・相対湿度65%としています。同じ資料には、0℃・乾燥の500NL/minに同社の係数1.079を掛け、540L/min以上の機種を選ぶ例があります。

図4:よく出てくる基準状態の比較

どれも「標準」と呼ばれますが、温度・圧力・湿度がそれぞれ違います。

Nm3(ノルマル)温度0℃/圧力101.325kPa/乾き。燃焼空気量、燃料ガスの熱量、排ガスの基準、送風機の風量表示
Sm3(スタンダード)温度15℃や20℃/1気圧が多い。会社や業界ごとに定義(例:大阪ガスのSは15℃)
ANR(空気圧機器)温度20℃/絶対圧力100kPa/相対湿度65%。L/min(ANR)など、単位の後ろに付けて書く
コンプレッサーの吸込み状態温度20℃/0.1013MPa/65%などメーカーが示す条件。カタログの吐出し空気量
都市ガスのメーター(低圧用)温度15℃/103.325kPa(ゲージ圧2kPa)。検針票の使用量m3はこの状態の体積
実際の状態その場の温度・圧力。配管・ダクトの流速、タンクやボンベの内容積

※ANRはSMC、吸込み状態はアネスト岩田、Sは大阪ガス、ガスメーターは中小機構(J-Net21)の資料によります。同じ名前でも資料ごとに条件が違うことがあります。

カタログや仕様書の数値を比べるときは、どの基準の値なのかを必ず確認しましょう。単位の後ろの(ANR)、N・Sの添え字、注記の温度を見れば分かります。

ダクトの流速計算には、実際の体積に直した値を使い、手順は空気ダクトの流速計算方法で解説しています。

Nm3(ノルマルリューベ)とm3(リューベ)の使い分け

実際に空気ダクトや通風機、空気圧縮機(コンプレッサー)などを設計・選定するとき、どちらを使えばいいのか分かりにくいことがあります。

例えば、空気ダクトの空気流速を計算するときは、実際にダクトを通る空気の温度や圧力を考えたm3(リューベ)で計算します。一方、物を燃やすのに必要な空気量などを計算するときは、Nm3(ノルマルリューベ)を使います。

燃焼に要る酸素は、体積ではなく量で決まるからで、燃焼で出る排ガスの量もNm3で計算します。求め方は排ガス量の計算方法にまとめています。

イメージとしては、体積を知りたい場合はm3を用いて、絶対量(質量)を知りたい場合はNm3を用いるという考え方です。

図5:どこでm3を使い、どこでNm3を使うか

同じ空気でも、機器の大きさを決める場所ではm3、量を数える場所ではNm3です。

コンプレッサー配管・ダクトバーナー煙突 吸込み状態の量実際のm3で流速Nm3で空気量Nm3換算で濃度

※コンプレッサーの吐出し空気量は、メーカーが示す吸込み状態(20℃・65%など)の体積で表示されることが多く、Nm3とは数%違います。

取引や法令の数字がNm3になっているのも同じ理由です。都市ガスの熱量は0℃・101.325kPaのガス1m3あたりで示され、ばいじん・NOxの排出基準も0℃・1気圧換算の排ガス1m3あたりです。

排ガスの濃度を酸素濃度でそろえる計算は排ガスのO2換算で扱っています。燃料ガスのNm3に発熱量を掛けて入熱を出す計算は、ボイラー効率の計算式で使います。

空気関係の機器仕様書を書くときは、Nm3(ノルマルリューベ)と温度・圧力の情報を忘れないように注意しましょう。受け取った資料では、次の場所で条件を確かめます。

  • 仕様書・データシート:流量の単位(Nm3/h、m3/h)と、運転温度・運転圧力の欄
  • 流量計:銘板や取扱説明書の「温度圧力補正あり(Nm3/h表示)」か「補正なし(実流量)」か
  • カタログ:単位の後ろの(ANR)や、「吸込み状態に換算」などの注記
  • ガスの検針票:メーターが低圧用か中圧用か(圧力補正の有無)

条件が書かれていないときは、そのまま比べずに発行元に確かめます。2〜7%の差は、コンプレッサーやブロワーの機種が1段変わる差になりえます。

ファン・ブロワ・コンプレッサーは扱う圧力の範囲が違い、風量の表し方も変わります。違いはファンとブロワとコンプレッサーの違いで整理しています。工場の圧縮空気そのものは計装空気と雑用空気の違いが参考になります。

Nm3とm3の換算例(燃焼空気・排ガス・都市ガス)

圧縮空気のほかに、現場でよく出る3つの例を同じ手順で計算し、大気圧に近いところでは、ゲージ圧をほぼ0とみなして温度だけ補正すれば足ります。

燃焼空気(30℃)の場合

ボイラーの燃焼に1,000Nm3/hの空気が要るとします。送風機が吸い込む空気が30℃なら、送風機が実際に動かす風量は次のとおりです。

条件:Q’=1,000Nm3/h、T=30℃、P≒0kPa(大気圧付近)
Q = 1,000 × 273.15 + 30273.15 ≒ 1,000 × 1.110 ≒ 1,110[m3/h]

0℃のときと比べて、同じNm3でも約11%多くの体積を動かすため、夏と冬で吸い込む空気の温度が変わると、送風機の負担も変わります。

排ガス(200℃)の場合

同じ1,000Nm3/hの排ガスが、200℃で煙道を流れているとします。

条件:Q’=1,000Nm3/h、T=200℃、P≒0kPa(大気圧付近)
Q = 1,000 × 273.15 + 200273.15 ≒ 1,000 × 1.732 ≒ 1,732[m3/h]

高温の排ガスは体積が約1.7倍になるため、煙道やダクトの太さは実際のm3/hで決めます。

図6:1,000Nm3/hは条件しだいで何m3/hになるか

量は同じでも、圧縮空気と高温の排ガスでは実際の体積が10倍以上違います。

0.7MPaG・20℃(圧縮空気)約136m3/h
大気圧・0℃(基準の状態)1,000m3/h
大気圧・30℃(燃焼空気)約1,110m3/h
大気圧・200℃(排ガス)約1,732m3/h

※理想気体として計算。0.7MPaG・20℃の値は早見表の係数0.136を掛けたものです。

都市ガスの検針値の場合

都市ガスの検針票のm3は、ガスメーターを通った体積で、0℃・1気圧のNm3ではありません。中小機構(J-Net21)の解説では、低圧用のガスメーターは15℃・103.325kPa(ゲージ圧2kPa)の状態の体積を表示しています。

中圧用のメーターは、15℃・102.306kPaの状態の体積で、圧力の条件が違うので、Nm3に直す係数は低圧用で0.9667、中圧用で0.9571と分かれます。

J-Net21の解説は、東京ガスの熱量の定義を前提にしているため、ほかのガス事業者では、メーターの条件を契約先の資料で確かめてください。この係数は、換算式に15℃と各圧力を入れた値と一致します。

低圧用で検算すると次のとおりです。

条件:T=15℃、絶対圧103.325kPa(101.325+2)
273.15273.15 + 15 × 103.325101.325 ≒ 0.9479 × 1.0197 ≒ 0.9667

例として、低圧のガスメーターで1か月に1,000m3使ったとします。13Aの標準熱量45MJは、0℃・101.325kPaのガス1m3あたりの値です(東京ガス)。

条件:検針値1,000m3(低圧用メーター)、標準熱量45MJ/Nm3(13A)
1,000 × 0.9667 ≒ 966.7[Nm3]
966.7 × 45 ≒ 43,500[MJ](約43.5GJ)

検針値に45MJをそのまま掛けると45,000MJで、約3%多く見積もることになるため、熱量や燃料の原単位を正しく出すなら、Nm3に直してから掛けます。

図7:都市ガスの検針値から熱量を出す流れ

検針票のm3に係数を掛けてNm3にし、標準熱量を掛けます。

検針値 m3低圧用は15℃・ゲージ圧2kPaの体積
×0.9667中圧用(圧力補正あり)は×0.9571
標準状態 Nm30℃・101.325kPaの乾いたガス
×45MJ/Nm313Aの標準熱量。1,000m3なら約43.5GJ

※係数はJ-Net21の解説、標準熱量は東京ガスの値です。熱量やメーターの条件はガス事業者・契約で違うことがあるため、契約先の資料で確かめてください。

省エネ法の定期報告の換算係数は、検針票の値をそのまま使う形式です。一方、東京都などの条例の様式は標準状態に換算するので、同じ使用量でも両者で係数の分だけ差が出ます(J-Net21)。

報告では、それぞれの制度の様式と注記に従い、工場のエネルギー管理の全体像は、工場の省エネの基本で紹介しています。

Nm3とm3のよくある質問

Nm3の読み方は?

「ノルマルリューベ」と読むのが一般的で、「ノルマル立米」「ノルマル立方メートル」とも言い、m3Nと書いて「リューベノルマル」と読むこともあります。

ノルマル換算とは?

実際の温度・圧力で測った気体の体積を、0℃・1気圧の体積(Nm3)に直す計算です。式は上の換算式の2本目(Q’を求める式)を使い、Sm3やANRに直すときは、式の273.15と101.325を、それぞれの基準の絶対温度と絶対圧に置き換えます。

Nm3/hとm3/hはどう換算する?

流量も体積と同じ式で換算します。0.5MPaG・20℃なら、Nm3/h×0.181でm3/h、m3/h×5.53でNm3/hです。ほかの条件は早見表を使ってください。

都市ガスのm3をNm3に換算するには?

検針票のm3に、低圧用ガスメーターなら0.9667、中圧用なら0.9571を掛け(J-Net21)、これはメーターが15℃などの状態の体積を表示しているためです。

Nm3からkg(質量)に換算するには?

1Nm3は約44.6molなので、気体の分子量(g/mol)×44.6で、1Nm3あたりの質量(g)が出ます。乾いた空気(平均分子量28.97)なら約1.29kg/Nm3で、100Nm3/hの空気は約129kg/hです。

湿った空気や別のガスでは、その分子量で計算し直します。

NL/minとL/min(ANR)の違いは?

NL/minは0℃・1気圧・乾き、L/min(ANR)は20℃・100kPa・65%RHの状態の体積です。1m3(ANR)に含まれる乾いた空気を、20℃の水の飽和蒸気圧(約2.34kPa、NIST)から当サイトで試算すると、約0.91Nm3です。

つまり、同じ空気ならANRの数字のほうが約1割大きく出ます。メーカーによって湿度の扱いや係数(例:アネスト岩田のコンプレッサー選定の1.079)が違うので、選定ではカタログの注記に従います。

高い圧力でも換算式は使える?

換算式は、気体を理想気体として扱っています。NISTのデータで窒素の圧縮係数Zを計算すると、20℃・0.7MPa(絶対圧)で0.9984で、理想気体との差は0.2%以下です。

工場の圧縮空気(1MPa程度まで)なら、この式で十分ですが、もっと高い圧力のガスや、プロパンのように液化しやすいガスでは、圧縮係数Zで補正します。

Nm3とm3の違いは一言でいうと?

Nm3は「0℃・1気圧にそろえた量」、m3は「その場の大きさ」です。同じ気体でも、m3は温度と圧力で変わり、Nm3は変わりません。

まとめ

この記事のまとめ
  • Nm3(ノルマルリューベ)は大気圧(101.325kPa)・0℃のときの体積で、気体の量を表す
  • 圧力と温度の条件があれば換算できる。温度は+273.15、ゲージ圧は+101.325kPaにしてから比を掛ける
  • 体積が知りたい場合はm3を用いて、絶対量(質量)が知りたい場合はNm3を用いる
  • Sm3・ANR・コンプレッサーの吸込み状態は基準が違うので、数値を比べる前に条件を確かめる
  • 都市ガスの検針値は、低圧用メーターで0.9667、中圧用で0.9571を掛けるとNm3になる

Nm3(ノルマルリューベ)とm3(リューベ)を間違えると、同じ空気量でもダクト径が全く変わったりするので、間違えないように注意しましょう。

配管・ダクトや燃焼設備を扱う仕事は、設備保全の記事でも紹介しています。プラントの設備全般はプラントエンジニアリングの業種ページから関連記事をご覧ください。

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プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

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