線間電圧と相電圧の違いとは?相電流・線電流とY・Δの√3倍【早見表・計算例】

受変電室で碍子に支えられた三相の銅母線

線間電圧とは、三相交流で電線と電線の間にかかる電圧で、相電圧は1相(Y結線では中性点と電線の間)にかかる電圧です。

Y結線では線間電圧が相電圧の√3倍になり、三相200VをY結線と見れば相電圧は約115.5Vです。Δ結線では線間電圧と相電圧が同じで、代わりに線電流が相電流の√3倍になります。

この記事では、4つの言葉の違いを早見表で押さえたあと、Y結線・Δ結線の順にベクトル図で√3と30°の理由を確かめます。後半は200V・400V・6.6kVの計算例、三相電力やスターデルタ始動など現場で使う場面、よくある質問の順に整理します。

√3倍を暗記するだけだと、どちらが大きいのか、位相がどちらにずれるのかが混ざりがちなので、結線図とベクトル図から導けるようにしておくと、試験でも現場でも迷いません。動画でも解説しています。

目次

相電圧・線間電圧、相電流・線電流の違い

相電圧・線間電圧、相電流・線電流の違いを一言で表すと次のようになります。

  • 相電圧:一相にかかる電圧
  • 相電流:一相に流れる電流
  • 線間電圧:電源と負荷を結ぶ電線間の電圧(一般に「三相200V」「6.6kV」と言うときの電圧は線間電圧です)
  • 線電流:電源と負荷を結ぶ電線に流れる電流

ここでいう「相」は、電源の巻線や負荷のインピーダンス1つ分のことで、どこを1相と数えるかは、Y結線とΔ結線で場所が違います。

図1:「1相」と「線間」はどこか

Y結線では中性点と電線の間が1相、Δ結線では隣り合う2本の電線の間がそのまま1相です。

abcN相電圧線間電圧Y結線abc相電圧=線間電圧Δ結線

※太線が1相(電源の巻線や負荷1つ分)、点線が線間電圧の区間。Nは中性点。

それぞれの特性はY(スター)結線かΔ(デルタ)結線かによって変わるため、結論を先にまとめると次の表のとおりです。

図2:Y結線とΔ結線の早見表

√3倍になるのは、Yでは電圧、Δでは電流です。

Y(スター)結線
Δ(デルタ)結線
電圧
線間電圧=√3×相電圧
線間電圧=相電圧
電流
線電流=相電流
線電流=√3×相電流
位相
線間電圧は相電圧より30°進む
線電流は相電流より30°遅れる
中性点
あり(中性線を出せる)
なし
そうなる理由
電線1本に1相だけがつながるので電流は同じ。線間には2相分の電圧がかかる
1相の両端がそのまま電線2本なので電圧は同じ。電線1本に2相分の電流が集まる

※位相は相順 a→b→c の場合。√3の関係は、3相の大きさがそろい120°ずつずれた平衡三相で成り立ちます。

表のとおり、√3が付くのは「2相分が合わさる側」で、Yでは線間に2相分の電圧が、Δでは電線に2相分の電流が集まります。ただし、√3で換算できるのは3相がそろった平衡三相のときだけです。負荷が相ごとに違う不平衡のときの扱いは、後半の「√3で換算できないとき」で触れます。

Y結線の場合

Y結線を一言でまとめると、電圧が√3倍(線間電圧=√3×相電圧)、電流は同じ(線電流=相電流)で、理由を回路図とベクトル図で確かめます。

Y-Y結線の場合、相電圧・線間電圧、相電流・線電流の違いを図に表すと次のようになります。電源の3つの巻線は中性点で1か所にまとまり、反対側の端子から電線が出ています。

Y-Y結線の回路図(相電圧・線間電圧・相電流・線電流)

相電圧と線間電圧

Y結線の線間電圧は相電圧の√3倍になり、位相は相電圧より30°進みます。

V = √3 × E
V:線間電圧[V](例:Vab) E:相電圧[V](例:Ea) √3≒1.732
位相:Vab は Ea より30°進む(相順 a→b→c)

理由は作図で確かめられ、a相とb相に着目すると、線間電圧Vabは端子aと端子bの電位差なので、Vab=Ea−Ebです。

Y結線の相電圧Ea・Ebと線間電圧Vabの位置

相電圧Eaと相電圧Ebは120°位相がずれているので、Ebを反転させた−Ebを描き、Eaと−Ebを足し合わせます。

図3:Vabを作図する3ステップ

Eaと−Ebでつくる平行四辺形の対角線が、線間電圧Vabです。

STEP 01EaとEbを描く同じ長さで120°開く。相順a→b→cなのでEbはEaより120°遅れEaEb120°
STEP 02−Ebを描くEbを反対向きにする。−EbとEaのなす角は60°EaEb−Eb60°
STEP 03平行四辺形の対角線がVab長さはEaの√3倍で、向きはEaより30°進むEa−EbVab30°
対角線の半分=E×cos30°=(√3/2)E なので、Vab=2×(√3/2)E=√3E

Vabの大きさは、次のような直角三角形が現れることからEaの√3倍となり、位相がEaに比べて30°進むことが分かります。

Y結線の線間電圧Vabを作図した直角三角形のベクトル図

Eaの長さを1とすると、Eaと−Ebは60°で開くので、ひし形の対角線は2本の矢印をちょうど30°ずつに分けます。

対角線の半分は1×cos30°=√3/2で、全体は√3です。線間電圧が相電圧の2倍ではなく√3倍になるのは、2つの電圧が120°ずれて足し合わさるからです。VbcとVcaも同じ形になり、3つの線間電圧はそれぞれ対応する相電圧より30°進んだ、大きさのそろった三相電圧になります。

相電流と線電流

Y結線の場合、相電流と線電流は同じになります。キルヒホッフの第一法則のとおり「電気回路の任意の分岐点について、そこに流れ込む電流の和は、そこから流れ出る電流の和に等しい」からです。

Y結線では1相の巻線と1本の電線が途中で枝分かれせずにつながっているため、巻線を流れた電流がそのまま電線を流れるので、線電流=相電流です。

相電流の大きさは、相電圧を1相の負荷のインピーダンスで割って求めます。負荷にコイルやコンデンサが入ると電流の位相も電圧からずれるため、計算にはインダクタンスとインピーダンスの考え方が要ります。

中性点に集まる3つの電流は、平衡なら足すと0になります。中性線を引き出す三相4線式でも、平衡していれば中性線に電流はほとんど流れません。

Δ結線の場合

Δ結線はYと逆で、電圧は同じ(線間電圧=相電圧)、電流が√3倍(線電流=√3×相電流)です。Δ結線では、3つの巻線(負荷)を輪のようにつなぎ、つなぎ目の3点から電線を出し、中性点はありません。

Δ-Δ結線の回路図(相電圧・線間電圧・相電流・線電流)

相電圧と線間電圧

Δ結線の場合、相電圧と線間電圧は上の図により同じになります。1相の巻線の両端が、そのまま2本の電線の付け根です。巻線にかかる電圧と、電線どうしの間の電圧は同じ2点の電位差なので、値も位相も一致します。

国際電気標準会議(IEC)の用語集でも、多角形(Δ)結線では相の電圧が線間電圧に等しいと注記されています。

相電流と線電流

Δ結線の線電流は相電流の√3倍になり、位相は相電流より30°遅れます。

I = √3 × Ip
I:線電流[A](例:Ia) Ip:相電流[A](例:Iab)
位相:Ia は Iab より30°遅れる(相順 a→b→c)
Δ結線の相電流Iab・Icaと線電流Iaの位置

線電流Iaを求める場合、上の図より線電流Iaは相電流Iabから相電流Icaを引いたものだと分かり、これは端子aには2つの相の電流が出入りするからです。

相順がa→b→cの場合、IcaはIabより120°進んだ位置にあります。先ほどと同様にベクトルIcaを反転させてIabと足し合わせると、Iaは次のように表せます。

図4:Δ結線の線電流のベクトル図

Ia=Iab−Ica。対角線Iaは長さが√3倍で、Iabより30°遅れた向きになります。

Iab(基準)Ica(120°進み)−IcaIa=√3×Iab30°Ia は Iab より30°遅れる

※相順 a→b→c、Iabを基準(0°)にした場合。Iabの長さを1とすると、対角線の半分は cos30°=√3/2 です。

線電流Iaの大きさは、Y結線と同じ形の直角三角形が現れることからIabの√3倍となり、位相がIabに比べて30°遅れることが分かります。

Yの電圧は「足し算で30°進み」、Δの電流は「引き算の結果30°遅れ」と、ずれる向きが逆です。迷ったら、基準のベクトルと相順を決めてから作図するのが確実です。

計算例

ここでは平衡三相を前提に、線間と相の電圧・電流を換算し、電力の計算は次の章で扱います。Y結線で線間電圧が200Vなら、相電圧は 200÷√3≒115.5V です。同じように、400Vなら約231V、高圧の6.6kVなら約3.81kVが相電圧になります。

E = V√3 = 2001.732 ≒ 115.5 V
400V:400÷1.732≒230.9V 6,600V:6,600÷1.732≒3,810V(3.81kV)
※Y結線(またはY結線と見た場合)・平衡三相での値

逆に、Y結線の相電圧が100Vなら線間電圧は 100×√3≒173.2Vです。現場で「200V」「6.6kV」と呼ぶ値は線間電圧なので、相電圧が要るときは√3で割ります。換算で間違えるのは、式より前の「何の値を見ているか」の取り違えなので、次の順に確かめると迷いません。

図5:電圧・電流を換算する前に確かめる順番

表示や測った値が「どの2点・どの線」のものかを決めてから、式を選びます。

1. その値はどこの値か銘板・盤の「200V」「6.6kV」は線間電圧。電流計・クランプの値は線電流
次に
2. 結線はYかΔか中性線(N)が出ていればY。出ていないときは銘板や端子の結線図で確かめる
次に
3. 3相はそろっているか平衡なら√3で換算できる。不平衡・ひずみが大きいときは相ごとに測る
そのうえで
Yの電圧相電圧=線間電圧÷√3
Δの電流相電流=線電流÷√3
それ以外線と相で同じ値

日本の電圧で並べると次のとおりで、三相4線式の「415V/240V」のように2つの電圧で書かれるものは、線間電圧と相電圧の組になっています。

図6:線間電圧と相電圧の早見表(日本の電圧)

相電圧は線間電圧を√3で割った値です。2つの電圧で書かれる三相4線式は、この組になっています。

電路方式
線間電圧
相電圧(÷√3)
主な使われ方
三相3線式 200V
200V
115.5V ※
工場・店舗・ビルの動力(主にモーター)
三相3線式 400V
400V
230.9V ※
動力(400V級)
三相4線式 415V/240V
415V
239.6V≒240V
大容量のビル・工場の自家用施設
三相4線式 173V/100V
173V
99.9V≒100V
三相4線式のほかの電圧の例
高圧 6.6kV
6,600V
3,810V ※
高圧受電、構内の配電

※中性点のない三相3線式では、中性点との電圧(Y結線と見た場合の値)です。電路方式と用途はパナソニック「配線方式」、6,600Vの三相3線式は自治体の電力調達仕様書による。

法令でも、電路の電圧は線間電圧で表します。電気設備の技術基準の解釈 第1条は、使用電圧(公称電圧)を「電路を代表する線間電圧」と定義しています。

電圧の範囲は、電気事業法施行規則第38条が決めていて、標準電圧200Vで維持すべき値は「202Vの上下20Vを超えない値」です。つまり200V系の線間電圧は182〜222Vの範囲で、相電圧に直すと約105〜128Vです。盤の電圧計が210Vを指していても異常ではありません。

6.6kVも、電気設備技術基準の区分(交流600V超7,000V以下が高圧)に線間電圧で当てはめるため、相電圧3.81kVで区分を考えることはありません。制御盤まわりの電圧の使い分けは400V・200V・100V・24Vの違いで整理しています。

Δ結線の負荷に線電流が10A流れているなら、負荷の1相に流れる相電流は 10÷√3≒5.8A です。逆に相電流が10Aなら、線電流は 10×√3≒17.3Aになります。Y結線なら線電流と相電流は同じで、電線で10Aを測ったら、巻線にも10Aが流れています。

線間電圧と相電圧を現場で使う場面

√3の関係は、試験の計算だけでなく、電力の計算、モーターの始動、測定の読み方にそのまま出てきます。

テスターとクランプメーターで測る場所

盤の点検や故障の切り分けで「電圧が正常か」を判断するときの話で、同じ盤でも、テスターを当てる2点が変わると読む値が変わります。中性線のある三相4線式で整理すると次のとおりです。

図7:テスターとクランプメーターで測る場所

2本の電線の間は線間電圧、電線と中性線の間は相電圧、電線1本を挟めば線電流です。

L1L2L3N線間電圧相電圧線電流

※図は低圧の三相4線式の例で、L1〜L3は図1の a〜c に当たります。高圧の電路にテスターを直接当てることはしません。測定は電圧に合った測定器と保護具を使い、決められた手順で行います。

中性線のない三相3線式では、テスターで測れるのは線間電圧だけです。Δ結線のモーターでは、端子の外から測れる電流は線電流で、巻線を流れる相電流はその1/√3と読み替えます。

Y結線なら、クランプで読んだ線電流がそのまま巻線の電流で、同じ20Aでも、Δなら巻線には約11.5Aしか流れていません。

三相3線式の電線3本をまとめてクランプすると、行きと帰りの電流が打ち消し合い、表示はほぼ0になります。0にならないときは、回路の外へ漏れている電流(漏れ電流)を疑います。

三相電力の計算

ブレーカーや電線の太さを決めるとき、負荷の電力から電流を見積もる場面の話で、三相の有効電力は、線間電圧と線電流を使うと次の式で求めます。銘板や盤に書かれているのが線間電圧と線電流なので、現場ではこの形がいちばん使いやすい式です。

P = √3 × V × I × cosθ = 3 × E × Ip × cosθ
P:三相の有効電力[W] V:線間電圧[V] I:線電流[A] E:相電圧[V] Ip:相電流[A] cosθ:力率

200V・10A・力率0.8なら、√3×200×10×0.8≒2,771Wで、相電圧と相電流で計算しても、同じ値になります。

  • Y結線:3×115.5V×10A×0.8≒2,771W(相電流=線電流)
  • Δ結線:3×200V×5.774A×0.8≒2,771W(相電圧=線間電圧)

結線がどちらでも、線間電圧・線電流で書けば式は1つで済みます。√3はYとΔの違いを吸収するための係数と考えると分かりやすくなります。

逆に、負荷から線電流を見積もるときは式を変形し、10kW・力率0.9の負荷なら、200Vで約32.1A、400Vで約16.0Aです。

I = P√3 × V × cosθ = 10,0001.732 × 200 × 0.9 ≒ 32.1 A
400Vなら 10,000÷(1.732×400×0.9)≒16.0A。電圧が2倍になると、同じ電力に必要な電流は半分になります。

力率の意味や、有効電力・無効電力・皮相電力の関係は力率とはで詳しく扱っており、VAとWの使い分けはVAとWの違いも参考になります。

スターデルタ始動で電流が下がる理由

Δ結線で運転するモーターを、始動のときだけY結線につなぎ替えるのがスターデルタ(Y-Δ)始動で、三相誘導モーターの始動電流を下げる方法として使われます。

比べる相手は、同じモーターをΔ結線のまま電源に直接つないで始動した場合で、電源側の線電流と、モーターの始動トルクがそれぞれどれだけ下がるかを見ます。

図8:スターデルタ始動で始動電流が1/3になる理由

Δで直入れ始動した場合と比べると、巻線の電圧・巻線の電流・線の電流が順に小さくなります。

STEP 01巻線の電圧は1/√3Δでは巻線に線間電圧200Vがかかる。Yにすると相電圧の115.5Vになる
STEP 02巻線の電流も1/√3同じ巻線(同じインピーダンス)なので、電流は電圧に比例して1/√3
STEP 03線の電流は1/3Δは線電流が巻線電流の√3倍、Yは同じ。比は (1/√3)÷√3=1/3
トルクは電圧の2乗に比例するので、始動トルクも (1/√3)2=1/3 に下がる

始動電流が下がる代わりに始動トルクも約1/3になるため、重い負荷をつないだまま始動する用途には向きません。工作機械やポンプのように、始動時の負荷が軽い機械で使われます。

始動器の回路や切り替えの注意点はスターデルタ始動法の特徴、モーターそのものの種類はモーターの種類と違いが参考になります。

√3で換算できないとき

√3の関係は、3相の大きさがそろい120°ずつずれた平衡三相を前提にしています。Tektronixの測定解説でも、√3の係数はバランスのとれたシステムでだけ使えると注意しています。√3を使ってよいか迷ったら、崩れているのが「前提」なのか「方式そのもの」なのかで分けて考えます。

  • 前提が崩れている:相ごとに負荷が違う不平衡や、インバータなどで波形が大きくひずんでいるとき。√3で1か所から全体を推定せず、各相の電圧・電流を個別に測る(ひずみがあるときは真の実効値を測れる計器で)
  • 方式が違う:単相3線式の100V/200V。中性線をはさんで2つの電圧が逆向きにそろうので、比は√3ではなく2倍
  • 見ている電圧が違う:相電圧と対地電圧(大地との電圧)。中性点の接地のしかたで関係が変わる(下で説明)

たとえば3相の電流が10A・10A・14Aとばらついているなら、1相の値に√3を掛けて全体を出すことはできず、三相電力も、相ごとの電力を足して求めます。

3つ目の相電圧と対地電圧は、同じとは限りません。中性点を接地していない回路では、地絡が起きると大地の電位そのものが動くからです。

たとえば中性点を接地しない6.6kVの回路でa相が完全に地絡すると、大地はa相と同じ電位になります。残りのb相・c相と大地の間には、線間電圧6.6kVがそのままかかります。

平常時は約3.81kVだった健全な相の対地電圧が、√3倍の約6.6kVに上がる計算です。ベクトル図で大地の位置を中性点から端子aに移すと、この関係が読み取れます。

線間電圧・相電圧のよくある質問

線間電圧の英語は?

線間電圧は英語で line-to-line voltage で、略して line voltage とも呼び、相電圧は phase voltage です。Y結線の中性点との電圧は line-to-neutral voltage で、IEC の用語集では、Y結線の相電圧はこの電圧に等しいとされています。

線電流は line current、相電流は phase current です。英語の資料では、線間電圧を VLL、中性点との電圧を VLN と略すこともあります。

「三相200V」の200Vはどの電圧?

線間電圧で、電線3本のうちどの2本の間を測っても200Vという意味です。相電圧はY結線と見れば約115.5V、Δ結線なら200Vで、結線によって答えが変わります。

相間電圧とは?線間電圧と違う?

相間電圧は「相と相の間の電圧」という意味で、三相の2本の電線の間の電圧を指すのが普通です。実務では線間電圧と同じ意味で使われます。

「線間と相間の違い」で迷ったら、1相の中にかかる電圧が相電圧、2つの相(2本の電線)の間が線間電圧(相間電圧)と区別すると混同しません。

「相関電圧」「線管電圧」は誤記?

はい。どちらも変換ミスや書き間違いで、それぞれ「相間電圧」「線間電圧」のことで、電気の用語として「相関電圧」「線管電圧」という言葉はありません。

「そうかん」「せんかん」は同じ読みの言葉が多く、かな漢字変換で取り違えやすい言葉で、意味は上の「相間電圧」「線間電圧」と同じです。

線間電圧と対地電圧の違いは?

線間電圧は電線と電線の間、対地電圧は電線と大地(アース)の間の電圧です。単相3線式100V/200Vでは、線間電圧が200Vでも、各電圧線の対地電圧は100Vです。感電や漏電で問題になるのは対地電圧で、漏電遮断器の役割や設置場所はNFBとELBの違いで解説しています。

電圧線とは?

電圧線は、単相3線式で中性線以外の2本の電線のことで、電圧線どうしの間が200V、電圧線と中性線の間が100Vになります。

相電流と線電流はどちらが大きい?

Y結線では同じ、Δ結線では線電流が相電流の√3倍で大きいです。Δでは電線のつけ根で2つの相の電流が合わさるからです。なお「線間電流」と書かれることもありますが、電線に流れる線電流のことで、電圧と違って、電流は「2本の間」ではなく「1本の中」を流れる量です。

まとめ

この記事のまとめ
  • 相電圧・相電流は一相あたりの電圧・電流、線間電圧・線電流は電源と負荷を結ぶ電線の電圧・電流
  • Y結線の線間電圧は相電圧の√3倍で30°進む。線電流は相電流と同じ
  • Δ結線の線電流は相電流の√3倍で30°遅れる。線間電圧は相電圧と同じ
  • 「200V」「6.6kV」は線間電圧。Yと見た相電圧は約115.5V・約3.81kV
  • √3が使えるのは平衡三相だけ。計算の前に結線と測った2点を確かめる

√3倍という数字だけを覚えると、どちらが大きいか、位相がどちらにずれるかが混ざるので、導出の根拠を押さえておけば間違えません。計算の前には、①どの2点・どの線の値か ②YかΔか ③3相がそろっているかの順に確かめ、最後に式を選んでください。

混乱したら、結線図とベクトル図を描いて確かめてください。三相モーターの回転数はモーターの極数と回転数、電圧と電流の位相がずれる理由は遅れ電流と進み電流、電気の仕事の全体像は電気・電子設計の仕事であわせて読めます。

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プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

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