CEATEC 2026の見どころ|AWARD受賞と電子部品メーカーの出展から読む技術の方向

展示会のガラスケースに並ぶ電子部品をのぞき込む来場者の後ろ姿

CEATEC(シーテック)2026が、2026年10月13日に幕張メッセで開幕し、16日までの4日間の会期を終えて閉幕しました。

製造業に関わる展示の中心は、センシング(測る技術)、AI向けの電子部品、現場向けのAIとロボットです。出展は821社/団体で、主催者は4日間で11万人以上の来場を見込んでいます。

センシングでは、におい・生体成分から、金属越しの超音波まで測る技術が並びます。AI向けのコンデンサや電源部品、ねじ締めや棚入れを題材にしたAIとロボットも、メーカーが「その技術で解ける課題」とセットで展示する予定を発表しています。

この記事は、2026年10月1日時点で主催者と出展各社が公式に発表していた情報をもとに整理しています。10月6日に主催者が発表した出展者数とCEATEC AWARD 2026の受賞結果は、10月13日に追記しました。

順番は、開催概要、職種別の見方、注目したい展示と現地で確かめるポイント、そこから読み取れる技術の方向、展示エリアと主催者企画のパビリオン、来場前の準備です。

目次

CEATEC 2026の開催概要(10月13日〜16日に開催)

CEATEC 2026は、2026年10月13日(火)から16日(金)までの4日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されています。開場時間は各日10時から17時です。

主催は電子情報技術産業協会(JEITA)で、情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)とソフトウェア協会(SAJ)が共催します。

以下の内容は、CEATEC公式サイトとJEITAの発表を2026年10月1日に確認したものです。会期が近づくと情報が追加・変更されることがあるため、来場前には公式サイトで最新の内容を確かめてください。

図1:CEATEC 2026の開催概要

2026年10月1日時点で、公式サイトとJEITAの発表で確認できた内容です。

公式発表の内容
来場者が押さえる点
会期
2026年10月13日(火)〜16日(金)、各日10:00〜17:00
平日4日間のみ。土日の開催はない
会場
幕張メッセ(千葉市美浜区中瀬2-1)
出展者のブース番号はホール4〜8に割り振られている
入場
無料(全来場者登録入場制)
オンラインでの事前登録が必要
主催・共催
主催:JEITA/共催:CIAJ、SAJ
電子部品、通信、ソフトウェアの業界団体がそろう
開催テーマ
Transformation −企業が、産業が、そして社会が変わる−
技術の披露より、社会実装に軸足を置く
併催
Japan Mobility Show Bizweek 2026(主催:日本自動車工業会)
1回の登録で両方に入場できる

※出典:CEATEC 2026公式サイト、JEITAプレスリリース(2026年3月31日)、CEATEC公式ニュース(2026年8月27日)。

入場は無料、ただし全員が事前登録

入場料はかかりませんが、来場者全員がオンラインで事前に登録する方式です。来場事前登録の受け付けは2026年8月27日に始まっています。当日の受付で手間取らないよう、登録は出発前に済ませておくのが確実です。

コンファレンス(講演)を聴く場合は、来場登録とは別に聴講予約が必要です。公式サイトによると、席に余裕がある場合に限り予約なしでも聴講できます。聴きたいセッションが決まっているなら、予約まで終えておくと当日の動きが読みやすくなります。

Japan Mobility Show Bizweek 2026と併催

2026年は、日本自動車工業会(自工会)が主催する「Japan Mobility Show Bizweek 2026」が同じ会期・同じ会場で開かれます。

JEITAの2026年3月31日の発表によると、両展示会の併催は2024年以来2回目です。

Bizweekは、モビリティ関連企業とスタートアップが事業の共創相手を探すことを目的としたイベントです。来場登録は共通で、一度の登録で両方に入場できます。

車載向けの部品や材料を扱う会社にとっては、完成車メーカーやその周辺の企業と話せる機会が同じ会場にあることになります。

開幕日の10月13日13時からは、特別企画セッションも組まれていました。JEITAの新野隆会長と自工会の佐藤恒治会長が、「日本の未来社会に向けて」をテーマに対談するプログラムです。

製造業の来場者は何を見るか:職種別の視点

同じ展示でも、自社で使う技術を探すのか、自社の技術を売り込む先を探すのかで、見る場所と聞くことが変わります。展示を紹介する前に、職種ごとに「何を判断するために見るのか」を決めておくと、回る先を選びやすくなります。

電気・電子設計や研究開発の担当者は、新しい部品がいつ、どの条件で使えるようになるのかを確認するのが目的になります。

展示品が量産品なのか、サンプル段階なのか、参考出展なのかで、設計に取り込める時期が変わります。評価用サンプルの入手方法もその場で聞いておくと、後のやり取りが早くなります。

技術営業の担当者は、顧客になりうる業界が何に困っているかを集める場として使えます。後半で紹介する主催者企画のパビリオンは、宇宙、海洋、交通、住宅と分野ごとに課題がまとまっているため、自社の技術を持ち込める相手を探しやすい構成です。

購買・調達の担当者は、後述する電池サプライチェーン協議会のように、資源から製造、リサイクルまでを通して見せる展示が参考になります。調達先の上流で何が起きているかを知ることは、供給リスクの把握につながります。

製造業が注目したい展示と、現地で確かめるポイント

ここからは、電子部品・デバイスメーカーが公式に発表している出展内容を見ていきます。

取り上げるのは、2026年10月1日時点で企業自身のニュースリリースやイベントページで展示内容を確認でき、製造業の用途との接点を説明できるものに限っています。出展する企業を網羅したものではありません。

ブース番号は各社の発表と公式出展者一覧によるもので、2026年10月1日時点の内容です。変更されることがあるため、来場前に公式の出展者一覧や会場マップで確かめてください。

展示される技術には、量産中の製品、開発中の試作、研究段階の参考出展が混ざります。どの段階にあるかは発表資料だけでは分からないものが多いため、現地で確かめたい点をあわせて挙げました。

図2:各社が発表している主な展示と、現地で確かめたいこと

発表資料だけでは分からない条件を、質問として用意しておきます。

発表されている主な展示
現地で確かめたいこと
村田製作所
(7H340)
超音波透過メタマテリアル、ウェアラブルパッチ、RFIDセンサタグ、ニューロモルフィックセンシングシステム、サーモホン搭載AMR
対象にできる材料と厚み、検出できる条件。サンプル提供の時期
太陽誘電
(8H030)
においセンサ(メインデモ)、AI向けのMLCC・インダクタ・ハイブリッドコンデンサ、樹脂外部電極MLCC、全固体電池など
量産品か開発品か。基板内蔵型は、対応する基板の仕様と実装工程
三菱電機
(8H412)
ねじ締め作業を題材にしたロボットアームの自律制御、人型ロボットによる棚入れ
作業を覚えさせるのに必要なデータ量と時間。対象物が変わったときの対応
シャープ
(5H340)
上水道漏水検知システム、フロー型亜鉛空気電池、衛星通信ユーザーターミナル、宇宙用太陽光発電など7アイテム
実証の段階と導入先。工場の配管や非常用電源へ応用できるか

※出典:村田製作所(2026年9月17日)、太陽誘電(イベントページ)、三菱電機(2026年8月31日)、シャープ(2026年9月30日)の各発表。展示内容は変更される場合があります。右列は編集部が挙げた確認項目です。

村田製作所:センシングの対象を広げる展示

村田製作所は2026年9月17日に出展内容を発表しました。開催テーマの「Transformation」のもとで「次世代につながる新たな価値」を提案するとしており、独自技術とパートナーとの共創によるデモを予定しています。

目を引くのは「超音波透過メタマテリアル」です。メタマテリアルは、微細な人工構造によって自然の物質にはない性質を持たせた材料を指します。

同社の説明では、金属や樹脂を透過して超音波で検知できるもので、非破壊検査や流量計への応用が期待されています。

このほか、グルコースやアルコールなど生体内の微量成分を捉えるウェアラブルパッチ、電池なしで温度・湿度・歪みを測るRFIDセンサタグが挙げられています。

大面積・高密度のセンシングを超低消費電力で行うニューロモルフィック(生物の神経系や感覚器官の情報処理の仕組みに着想を得た方式の)センシングシステムも並びます。

熱によって超音波を発生させるデバイス「サーモホン」を載せたAMR(自律走行搬送ロボット)では、1cmから2mの距離を測る障害物検知を見せる予定です。

なお同社は、出展アイテムは開発品であり、仕様や外観は変更する場合があるとしています。

配線も電池交換もいらないセンサタグは、設備や搬送物の状態監視を広げるときの障害を減らします。工場での使いどころを考えるうえでは、センサー・計測の基本原理を押さえておくと、展示の説明が理解しやすくなります。

ブースでは、自社の対象物に当てはめたときの条件を聞いておきたいところです。たとえば、超音波を通せる材料の種類と厚み、RFIDセンサタグの読み取り距離と金属面での使用可否などです。

太陽誘電:AI向け部品と、においセンサ

太陽誘電は「サステナブル・ウェルビーイングの実現へ。材料技術から社会を変えていく。」を掲げて出展します。メインのデモはにおいセンサで、においの微細な変化をデータ化し、AIでがんの兆候を捉えることを目指す「0次スクリーニング」の提案です。

部品の展示は用途別に分かれています。AI向けには小型・大容量のMLCC(積層セラミックコンデンサ)、基板内蔵型MLCC、インダクタ、導電性高分子ハイブリッドアルミニウム電解コンデンサ。

モビリティ向けには樹脂外部電極MLCCと高周波デバイスが並ぶ予定です。

基板内蔵型は、コンデンサを基板の中に埋め込み、ICとの距離を縮めて電源のノイズを抑える使い方を想定した製品です。

樹脂外部電極は、基板がたわんだときに部品が割れるのを防ぐための構造で、振動や温度変化の大きい車載用途で使われます。

コンデンサの構造や製造工程は積層セラミックコンデンサ(MLCC)の作り方の記事で詳しく扱っています。

社会課題向けのコーナーには、全固体電池、燃料電池、圧電アクチュエータ、各種センサなどが並びます。AIサーバー向けに受動部品の搭載数が増えている背景は、AI需要で恩恵を受ける電子部品の記事で数字とともに整理しています。

設計や購買の立場では、展示される部品が量産品なのか開発品なのか、評価用サンプルをいつ入手できるのかが確認点になります。基板内蔵型については、対応できる基板の仕様や実装の工程も聞いておくと、採用の検討が進めやすくなります。

三菱電機:ねじ締めと棚入れで見せるフィジカルAI

三菱電機グループは2026年8月31日に出展を発表しました。テーマは「フィジカルAIでつくる、産業のミライ。〜現場ナレッジを起点に、データと共創で生み出す新たな価値〜」です。

展示では、製造現場の組み立て工程を想定し、ねじ締め作業を題材にしたロボットアームの自律制御をデモする予定です。

社外パートナーとの共創による人型ロボットが、形や大きさの異なる物品を棚に配置する実演も発表されています。

背景にある考え方はフィジカルAIの記事を、人型ロボットの実用度はヒューマノイドロボットの工場での実証状況の記事を参照してください。

確かめたいのは、作業を覚えさせるためにどれだけのデータと時間が必要か、ねじの種類やワークが変わったときにどこまで対応できるかです。デモの動きの滑らかさより、自社の工程に当てはめたときの条件が判断材料になります。

シャープ:インフラ維持と蓄電の技術

シャープは2026年9月30日にブースの内容を発表しました。テーマは「社会レジリエンス」で、防災・減災、インフラ維持、エネルギー活用の分野から7つのアイテムを展示します。

製造業の目線で注目したいのは、振動センサーで水道管の漏水を早期に見つける上水道漏水検知システムと、低コスト・大容量で長時間の蓄電を狙うフロー型亜鉛空気電池です。

低軌道や中軌道の衛星を追尾する開発中の通信端末、宇宙用の太陽光発電も並び、主催者企画の宇宙共創パビリオンと重なるテーマが個社のブースにも広がっています。

電池サプライチェーン協議会:資源からリサイクルまで

共同出展で展示内容まで発表されているのが、電池サプライチェーン協議会(BASC)です。「動かせ。未来を。」をテーマに、58社で出展します(ブース6H141)。

2026年9月29日の発表によると、資源から電池製造、リサイクルまでのサプライチェーン展示や、EVのカットモデルなど電池搭載事例の展示が予定されています。

10月14日の15時30分からは、リチウムイオン電池の開発でノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が登壇するステージも組まれています。内容や登壇者は変更される場合があります。

資源・精錬から部素材、電池製造、電池搭載、リユース・リサイクルまで、電池が生まれてから資源に戻るまでの流れに沿って各社の技術と役割が紹介されます。そのため、自社の取引先の前後で何が起きているかを追いやすい展示です。

出展を確認できた半導体・通信の共同ブース

次に挙げるのは、公式出展者一覧で出展と参加企業を確認できたものです。個別の展示内容までは2026年10月1日時点で確認できていないため、詳しい内容は会場か各社の発表で確かめてください。

半導体は、Xパークの「JEITA半導体フォーラム2026」(6H002)にまとまっています。

キオクシア、サンケン電気、ソニーセミコンダクタソリューションズ、ヌヴォトン テクノロジージャパン、マイクロンメモリ ジャパンがブースを構えます。

ルネサス エレクトロニクス、ローム、三菱電機、東芝デバイス&ストレージを加えた9社が、半導体が社会課題の解決にどう貢献するかを紹介するとされています。

メモリ、マイコン、イメージセンサー、パワー半導体と、得意分野の違う会社が1か所に集まるため、短時間で比較しやすい場所です。電力変換に使われる素子の違いはパワー半導体のSiCとGaNの記事で整理しています。

通信では、CIAJの「オール光ネットワークパビリオン」(8H101)に、総務省、NTT、日本電気、アンリツ、日本航空電子工業、横河計測などが参加します。

公式一覧の紹介文では、オール光ネットワークは低消費電力・超高速・低遅延を特徴とする通信とされ、社会実装に向けた施策と関連製品が展示される予定です。

光コネクタや計測器など、部品・装置メーカーの出番が多い分野です。

このほか、TDK(5H261)やミネベアミツミ(4H521)なども公式出展者一覧に掲載されています。展示内容の公式発表は確認できなかったため、ここでは内容に触れていません。

出展から読み取れる技術の方向

発表済みの出展内容を並べると、電子部品・デバイスメーカーが力を入れている方向が3つ見えてきます。以下は公式発表をもとにした編集部の整理であり、主催者や各社がこう分類しているわけではありません。

また、研究段階の紹介、実証中の技術、すでに売っている製品は、同じブースに並んでいても導入までの距離が違います。方向性をつかむことと、自社ですぐ使えるかどうかの判断は分けて考える必要があります。

図3:出展内容から読み取れる3つの方向

部品単体の性能ではなく、用途とセットで見せる展示が共通しています。

方向1測れる対象を広げるにおい、生体内の微量成分、金属越しの超音波、配管の振動。これまで数値にしにくかったものをセンサーで捉える
方向2AIを支える部品と電源小型・大容量のMLCC、基板内蔵型、ハイブリッドコンデンサ。AI向けの用途を明示して展示する
方向3現場で動くAIとロボットねじ締めや棚入れなど、実際の作業を題材にしたデモ。現場のノウハウをAIに学習させる
3つに共通するのは、部品メーカー自身が「使われ方」まで提案していること。顧客の仕様を待つのではなく、用途を先に示して共創の相手を探す展示になっている。

測れる対象を広げるセンシング

1つめは、センシングの対象の拡張です。村田製作所の超音波透過メタマテリアルやウェアラブルパッチ、太陽誘電のにおいセンサ、シャープの漏水検知には共通点があります。いずれもこれまで数値として取り出しにくかった情報をセンサーで捉える取り組みです。

AIで解析できる範囲が広がった結果、入り口となるデータを取るセンサーの重要度が上がっています。センサー単体ではなく、AIによる判定と組み合わせて展示している点も各社に共通しています。

自社製品にセンサーを組み込む設計者にとっては、新しい検出原理がどの精度・どの消費電力で使えるのかを確認する機会になります。

AIを支える受動部品と電源

2つめは、AI向けの受動部品と電源まわりです。太陽誘電が展示を「AI向け」「モビリティ向け」と用途別に分けているように、部品メーカーは最終用途をはっきり示すようになっています。

AIサーバーは消費電力が大きく、電源を安定させるためのコンデンサやインダクタが大量に使われます。

基板内蔵型のように実装の方法そのものを変える製品は、部品メーカーだけでなく基板メーカーや実装工程にも影響します。

購買や生産技術の担当者は、部品の形が変わることで自社の工程に何が起きるかという視点で見ておくと実務につながります。

現場で動くAIとロボット

3つめは、AIを現場の作業に結びつける動きです。三菱電機はねじ締めという具体的な組み立て作業を題材に選び、出展者ガイドでもXパークの出展対象として「フィジカルAI」「ロボティクス」が明記されています。

ロボットの動きそのものより、現場のノウハウをどうデータにして学習させるかが問われる展示になっています。部品メーカーにとっては、ロボットの関節や手先に使うセンサー、モーター、電源の需要がどう変わるかを見る材料にもなります。

開催テーマ「Transformation」との関係

こうした「用途つきの提案」は、主催者が掲げる開催テーマとも重なります。2026年のテーマは「Transformation −企業が、産業が、そして社会が変わる−」です。

前回2025年の「Innovation for All」から変わりました。

JEITAは発表の中で、CEATEC 2026の位置づけを説明しています。「優れた技術や構想を披露する場にとどまらず、変革の価値を高め、社会実装を加速させる場」として開催する方針です。

新しい技術を見せるだけでなく、それが実際の事業や社会の仕組みにどう入っていくかまでを示す、という位置づけです。

この方針は出展の区分にも表れています。

企画展示エリアの名称は「X(Transformation)パーク」となりました。出展対象には、AIやロボティクスに加えて、製造・モビリティ・物流・建設などの「産業変革」が挙げられています。

エネルギー・通信・防災などの「社会インフラ」、脱炭素や資源循環の「サステナブル」といった分野も対象です。

用途とセットの展示が増えると、部品を比べるときの問いも変わります。単体の性能に加えて、何とつないで使うのか、どんな環境で動かすのか、取ったデータをどこへ渡すのかまで聞くことで、展示同士を比較しやすくなります。

展示エリアの構成と主催者企画のパビリオン

CEATEC 2026の展示は、一般展示と、企画展示のX(Transformation)パーク、ネクストジェネレーションパークを中心に構成されます。

このほか、海外の国・地域が出展するグローバルパークと、学生向けのプログラム「CEATEC for Students」があります。

図4:CEATEC 2026の展示エリア

目的の違う3つのエリアを軸に、海外と学生向けの企画が加わります。

CEATEC 2026(幕張メッセ)開催テーマ:Transformation
展示エリア
一般展示技術・製品・サービス全般。電子部品メーカーの多くはここ
Xパーク社会課題や産業変革をテーマ別に発信。主催者企画のパビリオンもここ
ネクストジェネレーションパークスタートアップ、大学・研究機関、企業の新規事業部門
あわせて展開
グローバルパーク/CEATEC for Students海外の国・地域の出展と、学生向けのプログラム

※出典:CEATEC 2026公式サイト、CEATEC 2026 出展・講演ガイド。

一般展示

一般展示は、技術・製品・サービス全般を自由なブース設計で見せるエリアです。主催者の出展ガイドでは、このエリアに向く出展者として「電子部品をアプリケーション別、用途別に展示したい」企業が挙げられています。

先に紹介した村田製作所、太陽誘電、三菱電機、シャープは、2026年10月1日時点の公式出展者一覧で一般展示に掲載されています。部品や材料の技術動向を見たい人は、まず一般展示から回るのが効率的です。

X(Transformation)パーク

Xパークは、先端技術や社会課題への挑戦、産業・社会構造の変革を、テーマごとにまとめて見せる企画展示エリアです。

JEITA半導体フォーラム2026や、次に紹介する主催者企画の4つのパビリオンはここに置かれます。1社ごとのブースを回るより、テーマ単位で複数社の取り組みを見比べられるのが特徴です。

ネクストジェネレーションパーク

ネクストジェネレーションパークは、設立9年以下の企業、大学・教育機関、企業内の新規事業開発部門が対象のエリアです。

主催者の発表によると、前回はスタートアップと大学・研究機関の出展が232社/団体にのぼり、この区分の記録が残る2014年以降で最多でした。

製造業の技術者にとっては、自社の部品や加工技術の新しい使い道を探す場所になります。試作段階の製品が多く、出展者側も部品の供給元や量産の相談相手を探していることが少なくありません。

主催者企画の4つのパビリオン

Xパークには、主催者が企画する4つのパビリオンが設けられます。JEITAは2026年9月1日に、それぞれの参加企業と展示内容を発表しました。

工場で使う技術を探すというより、自社の部品や技術を持ち込める用途を探す場として見ると、技術営業や新規事業の担当者に意味が出てきます。

図5:Xパークの主催者企画パビリオン

宇宙、暮らし、海洋、交通の4分野で、複数の企業・団体が共同で展示します。

宇宙共創パビリオン5社/団体が参加。衛星測位、衛星搭載AI、宇宙インフラ技術など。CEATECで宇宙をテーマにした主催者特別企画は初めて
暮らしのDXパビリオン40社・団体が参加。スマートホーム、見守り、防災・減災、サイバーセキュリティ、在宅医療
海洋デジタル社会パビリオン16社/団体が参加(前回は12社/団体)。スマート水産・養殖、環境モニタリング、水中ロボット
デジタル交通社会パビリオン13社/団体が参加。自動運転、MaaS、V2X通信、ETC2.0、デジタルツイン、車載AI

※出典:CEATEC公式ニュース(いずれも2026年9月1日発表)。

このうち宇宙共創パビリオンは、CEATECとして初めて宇宙をテーマにした主催者特別企画です。

アビームコンサルティングの協力のもと、同社とSpace BD、富士通、Manufacturo、三菱電機の5社/団体が参加します。

準天頂衛星「みちびき」を使った測位データの活用や、衛星に載せるAI、次世代の宇宙インフラ技術などが紹介される予定です。

10月15日の15時からは、特別コンファレンス「Society 5.0へむけた宇宙技術と展望」も予定されています。

宇宙向けの機器は、放射線や温度変化に耐える部品、軽量な構造材、高効率の太陽電池など、部品・材料メーカーの技術が直接効く分野です。

宇宙を新規事業の候補として検討している会社には、参入企業の話を直接聞ける機会になります。

暮らしのDXパビリオンでは、スマートホームの共通規格「Matter」やスマートキーの規格「Aliro」のデモが予定されています。IoT製品のセキュリティ要件への適合を示すラベリング制度「JC-STAR」の紹介も予定されています。

家電や住宅設備に組み込む部品・モジュールを扱う会社は、規格と認証の動きを確認しておきたいところです。

デジタル交通社会パビリオンは、JEITAの先端交通システム部会ITS事業委員会が企画するもので、国土交通省道路局や大学、台湾の企業などが参加します。

併催のBizweekとあわせて回ると、クルマそのものと、道路・通信側の両方の動きをまとめて把握できます。

来場前に決めておくこと

主催者の10月6日の発表では、出展者は821社/団体です。うち新規出展が338社/団体(41%)、スタートアップと大学・研究機関が246社/団体、海外は31か国/地域の194社/団体です。

4日間あっても、すべてを見ることはできません。限られた時間で成果を持ち帰るには、事前の準備で差がつきます。

図6:来場前から会期後までの進め方

登録と予約を先に済ませ、見る順番と聞くことを決めてから会場に入ります。

来場前
01来場事前登録公式サイトでオンライン登録。Bizweekと共通で使える
02聴講予約聴きたいコンファレンスを予約。時間を軸に1日の予定を組む
03回る順番を決める出展者一覧でブース番号を確認し、ホールごとにまとめる
当日
04質問を用意して回る量産時期、サンプル提供、使用条件など、聞くことを決めておく
05企画展示も見るXパークやネクストジェネレーションパークで用途の広がりを確認
会期後
06社内に共有する見た技術を「自社の製品・工程にどう関係するか」で整理する

※前回2025年は最終日の来場者が最も多く、初日の約1.5倍でした。説明員とじっくり話したい場合は、前半の日程が向いています。

前回2025年の規模と混み具合

会場の混み具合を見積もる材料として、前回の実績を確認しておきます。主催者の発表によると、CEATEC 2025(2025年10月14日〜17日)の登録来場者総数は4日間で98,884人、出展者数は810社/団体でした。

出展者のうち318社/団体は新規出展で、全体の39%を占めます。スタートアップと大学・研究機関は232社/団体、海外からは29か国/地域の156社/団体が出展しました。

来場者数は出展関係者やプレスを含む登録ベースの数字で、日別に見ると初日が20,474人、最終日が30,376人と、会期の後半ほど増えていました。

図7:前回(CEATEC 2025)の実績

2026年の規模を考える目安になる、主催者発表の数字です。

98,884人4日間の登録来場者総数。日別では初日20,474人、最終日30,376人
810社/団体出展者数。うち新規出展が318社/団体(39%)
232社/団体スタートアップと大学・研究機関の出展数
222本会期中に実施されたコンファレンスの数

※出典:CEATEC公式「CEATEC 2025、盛況のうちに閉幕」(2025年10月17日)。2026年は、公式の出展者一覧に2026年10月1日時点で795社/団体(共同出展者を含む)が掲載されています。掲載数であり、前回の出展者数とそのまま比べられる確定値ではありません。

CEATEC AWARD 2026の受賞結果(10月6日発表)

出展された技術・製品・サービスの中から優れたものを表彰するのが「CEATEC AWARD 2026」です。審査は、関係学会と専門メディアで構成する審査委員会が行います。

主催者は会期前の10月6日に受賞案件を発表しました。3つの大臣賞と優秀賞は次のとおりです。

賞受賞者受賞対象
総務大臣賞三菱電機グループタスク汎用音源分離技術(TUSS)
経済産業大臣賞TDKスマートグラス用ディスプレイ向けメタオプティクスミラー
デジタル大臣賞日立製作所HMAX by Hitachi
優秀賞シャープトリプルフリーランドリー
優秀賞村田製作所・メルトインターフェーステクノロジーズハンドトラッキンググローブ
優秀賞太陽誘電においセンシング×AIによるがん早期発見技術
※出典:CEATEC公式ニュース(2026年10月6日)。受賞対象の名称は公式発表の表記によります。

このほか、イノベーション賞にアイクリスタル(プロセス全体最適化プラットフォーム)とDireava(外科手術支援AI)が選ばれました。

トランスフォーメーション賞はアマゾンウェブサービスジャパン(Physical AI自律R&D基盤)です。モビリティイノベーション賞は、エバーブルーテクノロジーズの除雪ドローンが受賞しました。

製造業の目線では、総務大臣賞のTUSSが工場の機械音や人の声が混ざった中から必要な音を取り出す技術である点が目を引きます。音で設備の異常を見つける用途との接点があります。

優秀賞には、この記事で紹介した太陽誘電のにおいセンシングが入りました。受賞したブースを回る順番に組み込むと、その年の注目技術を短時間で把握できます。

まとめ

この記事のまとめ
  • CEATEC 2026は2026年10月13日〜16日に幕張メッセで開催された。出展は821社/団体。入場は無料で、全員の事前登録が必要だった
  • CEATEC AWARD 2026の大臣賞は、三菱電機グループの音源分離技術、TDKのメタオプティクスミラー、日立のHMAX
  • テーマは「Transformation」。技術の披露より、社会実装を加速させる場という位置づけ
  • 主催者企画は宇宙、暮らし、海洋、交通の4パビリオン。宇宙をテーマにした特別企画は初めて
  • 部品メーカーは、センシングの拡張、AI向けの部品、現場で動くAIを用途とセットで展示する
  • 来場登録と聴講予約を先に済ませ、回る順番と質問を決めてから会場に入る

CEATECは、部品や材料の担当者が「自社の技術の先にある使われ方」を確かめられる数少ない場です。業界全体の位置関係は電子部品・半導体業界の構造の記事で、関連する職種は電気・電子設計や技術営業・FAEのページで整理しています。

技術テーマとしてはセンサー・計測、業種としては電子部品・半導体の業種ページから、関連記事もあわせてご覧ください。

出典

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プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

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