テスターの抵抗測定で接点を確認する方法|導通確認・リレー故障の見分け方

制御盤の端子台にテスターのリード棒を当てる手元

テスターで接点を確認するには、電源を切って無電圧を確かめてから、抵抗(導通)レンジで接点の両端を測ります。閉じていれば0Ω付近、開いていれば「OL」などの範囲外の表示です。

制御盤で多く使われる無電圧接点なら、機器全体を動かさなくても、この方法で入る・切れるを確かめられます。この記事では、手順と無電圧確認、接点付き圧力計・温度計の確かめ方、a接点・b接点・c接点の当て方を順に整理し、後半では、リレーの故障を見分ける3つの測り方も扱います。

目次

テスターで接点を確認する方法

テスターを利用して接点を確認するためには、次の手順で確認します。

  1. ブレーカーを落とす
  2. テスターを抵抗測定(Ω)モードにする
  3. 接点の両端にテスターを当てる
  4. 接点を入れてみる
  5. 接点を切ってみる

まず、接点を確認する場合はブレーカーを落とします。抵抗レンジのテスターに外から電圧がかかると、テスターが壊れたり感電したりするおそれがあるためです。

日置電機と三和電気計器の取扱説明書でも、抵抗測定と導通チェックの前に回路の電源を切るよう警告しています。その後、テスターを抵抗モードにして、接点の両端にテスターのプラスとマイナスを当てます。

この状態で接点を入れると導通するので、抵抗は0Ω付近を示します。逆に、テスターを当てたまま接点を切ると回路が断線するので、抵抗は無限大になり、表示は「OL」など、測れる範囲を超えたことを示すものに変わります。

このように、テスターの抵抗測定を利用すれば、回路の導通確認を簡単に行えます。現場では、この5つの手順に「無電圧を確かめる」を足した流れで進めます。

図1:テスターで接点を確かめる手順

安全の確認(01〜03)を済ませてから、接点を動かして表示の変化を見ます(04〜06)。

安全の確認
01ブレーカーを落とす作業中に入れられないよう、施錠や「通電禁止」の表示をする
02無電圧を確かめる電圧レンジで交流・直流とも測る。相手の盤から来る電圧にも注意
03抵抗(Ω)モードにするリードの先を当て、ブザーと0Ω付近を確かめる(始業点検)
接点の確認
04両端に当てる回路図で並列の経路を確かめ、必要なら片側の線を外す
05接点を入れる0Ω付近になり、導通ブザーが鳴れば閉じている
06接点を切る「OL」などの範囲外の表示に変われば開いている

※01・03〜06が旧記事の5つの手順で、02の無電圧確認を加えています。テスターの使い方の細部は、機種の取扱説明書に従ってください。

ブレーカーを落としたつもりでも、別の回路から電圧が来ていることがあります。そこで、抵抗レンジに切り替える前に、電圧レンジで無電圧を確かめます。

測るのは、接点の両端の間と、両端それぞれとアース(直流の回路なら0V)の間です。制御盤にはAC100VとDC24Vの回路が混ざるので、交流と直流の両方のレンジで確かめます。

被覆の上から当てる非接触の検電器は、交流の電圧を見る道具で、日置電機の3481の動作範囲はAC40〜600Vなので、DC24Vの回路の確認はテスターで行います。

気をつけたいのは、無電圧接点の電源は、信号を受ける側にあることです。接点の先が別の盤につながっていれば、自分の盤のブレーカーを落としても、相手の盤の電源で電圧がかかっています。

電源がどちらにあるかの考え方は、無電圧接点と有電圧接点の違いで整理しており、端子に来ている線がどの盤から来ているかは、図面で先に確かめます。

落としたブレーカーには、作業中に誰かが入れないよう施錠や表示をします(または監視人を置きます)。これは労働安全衛生規則第339条第1項第1号が停電作業で求める措置で、同じ項の第2号は、コンデンサーなどで残留電荷の危険がある電路の放電を求めています。

この2つは低圧の電路にもかかりますが、検電器具での停電確認と短絡接地(第3号)は、高圧・特別高圧の電路が対象です。低圧の制御盤でも、テスターでの無電圧確認は省かないのが安全です。

施錠と表示の進め方はロックアウト・タグアウト(LOTO)の6ステップ、ブレーカーの種類はNFBとELBの違いで紹介しています。

テスターの側でも、測る前にテストリードの先同士を当てて、ブザーが鳴り0Ω付近になるかを見る始業点検をします。日置電機・三和電気計器とも使用前の点検としてこの確認を挙げており、リードが切れていると、閉じた接点まで「OL」に見えてしまいます。

図2:抵抗レンジの表示の読み方

接点が閉じていれば0Ω付近でブザーが鳴り、開いていれば範囲外の表示になります。

閉じている(入)開いている(切)0Ω付近・ブザーOL(範囲外)

※導通ブザーが鳴る抵抗の範囲は機種ごとに決まっています(例:日置電機DT4252などは25Ω±10Ω以下、三和電気計器CD771は0〜85Ω(±45Ω))。範囲外の表示も機種で違い、日置のDT4250シリーズでは「OVER」が点滅します。ブザーが鳴っても、負荷をかけたときの接点の良否までは分かりません(後述)。

0Ωちょうどにならないのは、テストリードや接点そのものに抵抗があるためです。始業点検でリードを当てたときの表示を基準にし、小さな抵抗まで読みたいときはその値を差し引くゼロ調整を使います。

回路に組み込んだまま測ると、接点と並列につながったコイルやランプを通って値が出ることがあります。開いているはずの接点が数百Ωなどを示したら、並列の経路を疑います。

回路図で経路を確かめ、必要なら無電圧のまま片側の線を外して測り直し、外した線は、元の端子に戻したことを確かめてから電源を入れます。テストピンの金属部分に指を触れたまま測ると、人体の抵抗の分だけ値がずれます(三和電気計器CD771の取扱説明書)。リード棒は、つばより手前の部分を持ちます。

接点付き圧力計の場合

例えば、接点付き圧力計の故障を確認するとしましょう。接点付きの圧力計には、設定圧力以上でON、設定圧力以下でOFFになるノーマルオープン(a接点)もあれば、その逆の動きをするノーマルクローズ(b接点)もあります。

このような場合、接点の両端子にテスターを当て、設定圧力を変化させながら接点が入るか離れるかを確認すれば、求めている動きが出来ているかどうかを調べられます。

図3:設定値をまたぐと表示が切り替わる

圧力や温度が設定値を超えたところで、テスターの表示が入れ替われば接点は動いています。

圧力計のa接点設定圧力より低い:OL → 設定圧力以上:0Ω付近
圧力計のb接点設定圧力より低い:0Ω付近 → 設定圧力以上:OL
温度計の接点設定温度を今の温度の上と下に動かし、表示が入れ替わるかを見る
終わったら戻す動かした設定値は元に戻し、戻した値と確認結果を記録する

※どちらの向きで入るかは、機器の仕様(a接点かb接点か、上限か下限か)で決まります。仕様書の接点の説明と照らし合わせます。

設定値を動かす前に、その接点がどこにつながっているかを確かめます。警報やインターロックにつながる接点なら、先に運転側へ連絡します。接点が切り替わると、盤やDCSで警報が出たり、機器が止まったりすることがあるためです。

確認が終わったら、設定値を元に戻して記録します。接点の信号は、制御盤やDCSのデジタル入力(DI)で受けます。受ける側の考え方はDI/DO・AI/AO・PI/POの違い、圧力計の目盛の読み方は連成計とはが参考になります。

接点付き温度計の場合

接点付き温度計の場合も同じように、接点の両端子にテスターを当て、設定温度を現状の示す値に対して上下させます。接点が入ったり切れたりすれば、故障しているかどうかを確認できます。

圧力計と同じく、動かした設定温度は元に戻して記録します。接点付き温度計の使いどころは、エネ管.comの接点付き温度計を利用するメリットと注意点で紹介しています。

自動弁のリミットスイッチや押しボタンなど、機械式の接点も同じ手順で確かめられます。弁の開閉の信号が来ないときの切り分けは、自動弁のリミットスイッチとはにまとめています。

a接点・b接点・c接点の測り方

接点には、ふだん開いているa接点、ふだん閉じているb接点、両方を切り替えるc接点があります。どの接点かで、テスターを当てる端子と、正常なときの表示が変わります。

図4:a接点・b接点・c接点の当て方と表示

動作前と動作後で表示が入れ替われば、接点は切り替わっています。

当てる端子
動作前(ふだん)
動作後
a接点(NO)
接点の2つの端子
OL
0Ω付近
b接点(NC)
接点の2つの端子
0Ω付近
OL
c接点(COM–NO)
COMとNO
OL
0Ω付近
c接点(COM–NC)
COMとNC
0Ω付近
OL

※「動作」は、リレーならコイルに電圧がかかった状態、圧力計・温度計なら設定値を超えた状態です。どちらの向きで切り替わるかは機器の仕様で確かめます。

a接点はNO(ノーマリーオープン)、b接点はNC(ノーマリークローズ)とも呼ばれます。オムロンの説明では、a接点はNOの端子2つ、b接点はNCの端子2つでできています。

c接点は、COM(共通)・NO・NCの3つの端子でできた接点です。COMとNO、COMとNCの2組を測ると、切り替わりまで確かめられます。COMの意味はコモン(COM)とはで説明しています。

b接点は、動作すると開く接点で、異常や停止の条件に使われることが多く、組み方はインターロック回路とはで紹介しています。図面での記号はラダー図の読み方で確かめられます。

リレーの故障をテスターで確かめる方法

リレーが動かない、接点が入らないといった故障は、コイル電圧、コイル抵抗、接点の3つを順に測ると切り分けられます。

図5:リレーを確かめる3つの測り方と、その次

電圧は通電中に、抵抗は電源を切って回路から外して測ります。結果によって次に疑う場所が変わります。

コイル電圧通電中・電圧レンジ(AC/DCを合わせる)。来ていなければ指令を出す側を疑う
コイル抵抗電圧が来ているのに動かないとき。電源OFF・回路から外す・Ωレンジ。OLなら断線、カタログ値と大きく違えば交換を検討
接点回路から外したリレーのコイルをON/OFFし、Ωレンジで切り替わりを見る
負荷で確かめるテスターの値だけで決めず、実際の負荷をつないで動作を確かめる

※TE Connectivity「リレー故障の疑いがあるときの検証・診断」の手順をもとに整理しました。コイル抵抗の値は機種ごとに違うので、使うリレーのカタログで確かめます。

1つ目はコイル電圧で、リレーの電圧の測り方はこれにあたります。リレーに指令が出ている状態で、テスターを電圧レンジにしてコイルの端子間を測ります。

DCコイルなら直流、ACコイルなら交流のレンジで、TEの手順では、回路に付けたままコイル端子の電圧が最小動作電圧以上かを確かめます。電圧が来ていなければ、リレーではなく指令を出す側を疑います。

指令を出す側とは、PLCの出力や前段の接点、その間の配線です。リレーで組む制御の流れは、エネ管.comのリレーシーケンスの動きで追えます。

コイル電圧の測定は、電圧のかかった端子にリードを当てる活線作業です。日置電機の取扱説明書は、リードの金属部で2線間を短絡させないことと、定格を超える測定カテゴリの場所で使わないことを警告しています。

三和電気計器の取扱説明書も、AC33V・DC70V以上は人体に危険として触れないよう求めています。リードはつばより手前を持ち、黒(接地側)のリードを先に当て、離すときは最後にします。

AC100Vのコイルなら、隣の端子にも同じ電圧がかかっています。感電のおそれがある低圧の充電部を扱う作業では、絶縁用保護具の着用か活線作業用器具の使用が求められます(労働安全衛生規則第346条)。活線での測定は、社内の手順と教育の決まりに従います。

2つ目はコイル抵抗で、電圧が来ているのに動かないときは、電源を切ってリレーをソケットから外し、コイルの端子間を抵抗レンジで測ります。

値は、カタログに載っているコイル抵抗と比べ、「OL」なら、コイルが断線しています。TEは、仕様から外れていたら1時間置いて測り直すとしています(取り外しや通電の熱の影響を避けるため)。

3つ目は接点で、回路から外したリレーのコイルに定格の電圧をかけ、ONとOFFを切り替えながら、接点の端子間を抵抗レンジで測ります。図4の表示どおりに入れ替われば、接点は動いています。

ただし、テスターの値だけで接点の良否は決められません。TEは、オーム計やロジックレベルの信号で接点を判定すると偽の不良が出ることがあるとし、最小負荷以上の条件で確かめるよう求めています。

長く使ったリレーの接点には、開閉で荒れた跡(孔食)やアークの残留物があります。TEは、使用済みのリレーの接触抵抗は信頼できる値が取れないとしています。

テスターでの接点確認のよくある質問

無電圧確認とは何ですか?

作業する電路に電圧がかかっていないことを、テスターや検電器で確かめることで、ブレーカーを落とした後、作業に入る前に行います。制御盤では、交流と直流の両方のレンジで端子間とアース間を測ります。非接触の検電器は交流用なので、DC24Vの回路はテスターで確かめます。

回路につないだまま測ってもいいですか?

無電圧を確かめたうえでなら測れますが、並列の経路があると値が出て、開いた接点が閉じているように見えることがあります。回路図で経路を確かめ、紛らわしいときは片側の線を外します。

閉じているはずなのに「OL」のときは?

まず、テスター側を疑い、リードの先同士を当ててブザーが鳴るか、レンジが抵抗・導通になっているかを確かめます。

テスターが正常なら、当てている端子の組み合わせ(a接点かb接点か、c接点ならCOMとどちらか)を図4で見直します。それでもOLなら、接点の不良か、途中の断線や端子のゆるみです。

導通ブザーが鳴れば、接点は正常ですか?

開閉していることは分かりますが、それだけで正常とは言い切れません。テスターは小さな電流で測るので(日置電機DT4252などの導通チェックで200µA)、実際の負荷の条件とは違います。

接点の良否は、最小負荷以上の条件か、実際の負荷をつないだ動作で確かめます。信号を受ける側の入力の条件は、無電圧接点の「受ける側で確認すること」も参考になります。

まとめ

この記事のまとめ
  • 測る前にブレーカーを落とし、無電圧を確かめる(相手の盤から来る電圧に注意)
  • テスターで接点を確認するためには「抵抗測定モード」にする
  • 端子の両端にテスターを当て、抵抗値で導通を確認する(閉じれば0Ω付近、開けばOL)
  • 設定を変えて接点が入ったり切れたりすることを確認する
  • リレーはコイル電圧・コイル抵抗・接点の順に測り、最後は負荷をつないで確かめる

制御機器のトラブルシューティングはわかりにくいところが多いですが、テスターを使いこなせば結構いろいろなことが出来ます。接点チェックをされる際は参考にしてみてください。

テスターの仕組みはエネ管.comのテスターの電圧・抵抗測定の仕組み、アナログ信号の測り方は4-20mAとはで解説しています。

テスターを使う仕事の全体像は設備保全に必要なスキル・資格、盤の仕様の決め方は制御盤設計の進め方もあわせてご覧ください。

出典

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プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

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