半導体の工場では、シリコンウェーハ(回路をつくる土台になる薄い円板)に膜をつけ、回路の形を写し、不要な部分を削る作業を何度も繰り返します。ウェーハの上でチップの回路を完成させるまでのこの流れを、前工程と呼びます。
経済産業省の資料によると、半導体の製造には合計1,000以上の工程が必要です。前工程は、洗う、膜をつける、回路の形を写す、削る、磨く、検査するといった8つの工程に分けて整理できます。
それぞれに専用の装置と材料があり、強いメーカーも工程によって入れ替わります。
この記事では、半導体の前工程の流れを、全体の中での位置づけ、8つの工程の役割、工程ごとの装置メーカーの強み、使われる材料、仕事での生かし方という順で整理します。
半導体の前工程とは
前工程とは、シリコンウェーハの上にトランジスタや配線をつくり込み、チップとして働く回路をウェーハの状態で完成させるまでの工程です。ウェーハプロセスとも呼ばれます。
完成したウェーハを切り分けて包むのが後工程で、設計から出荷までの全体像は半導体製造の仕組みと基本原理で整理しています。
前工程は、2つの段階に分けて考えると理解しやすくなります。前半はトランジスタなどの素子をつくり込む段階で、FEOL(Front End Of Line)と呼ばれます。
後半は素子どうしを金属の配線でつなぐ段階で、BEOL(Back End Of Line)と呼ばれます。
ウェーハを受け入れてから、回路ができたウェーハを後工程へ渡すまでが前工程です。
※どちらの段階でも、成膜・リソグラフィ・エッチングなどの同じ種類の工程を繰り返します。
工程の数は、つくる製品によって大きく変わります。経済産業省の資料は、半導体の製造には合計1,000以上の工程が必要だとしています。
東京エレクトロンの統合報告書2026では、AI向けロジックなど最先端の半導体では工程数が2,000以上に上ると説明されています。
これほど数が多いのは、種類の違う工程が何千もあるからではありません。8種類ほどの工程を、層ごとに条件を変えながら何度も繰り返すためです。
KOKUSAI ELECTRICは、成膜からリソグラフィ、エッチング、洗浄、検査までをウェーハ上で最大数百回繰り返すと説明しています。
途中のどこか1工程でも失敗すれば、それまでに積み上げた工程が無駄になります。そのため前工程では、1回ごとの加工精度と、それを何百回でも同じように再現する安定性の両方が求められます。
前工程の流れ:8つの工程を繰り返す

前工程を構成する工程は、役割で見ると8つに整理できます。洗浄、成膜、リソグラフィ、エッチング、イオン注入、熱処理、CMP(化学機械研磨)、検査・計測です。
工程ごとに役割がはっきり分かれ、それぞれに専用の装置があります。
※一般社団法人日本半導体製造装置協会(SEAJ)や装置メーカーの解説をもとに整理。工程の区切り方は資料によって異なります。
順番の基本は、膜をつくり、その上に模様を描き、模様どおりに削る、という流れです。1層分の形ができたら表面を整え、次の層の膜づくりに戻ります。イオン注入は主に素子をつくる前半で、CMPは配線を重ねる後半で多く登場します。
見落とされがちなのが洗浄です。洗浄は流れの中の1か所にあるのではなく、成膜の前、エッチングの後、研磨の後というように各工程の合間に入ります。SCREENホールディングスは、洗浄が全工程の30%近くを占めると言われていると説明しています。
検査・計測も、流れの最後にまとめて行うものではありません。露光やエッチングの後に寸法や欠陥を確認し、異常があればその時点で条件を直します。不良を抱えたまま先へ進むほど、無駄になる工程が増えるためです。
膜をつくる工程:洗浄・成膜・熱処理

回路づくりの一周は、きれいな表面に膜を付けるところから始まります。ここでは、表面を整える洗浄、膜を付ける成膜、膜の状態を仕上げる熱処理を見ていきます。
洗浄
洗浄の役割は、ウェーハに付いた目に見えない汚れを取り除くことです。
SCREENセミコンダクターソリューションズの解説では、除去の対象として微粒子(パーティクル)、金属、有機物、油脂、自然にできる酸化膜が挙げられています。
微粒子の大きさは最大で数µm、小さいものは0.1µm以下です。
洗浄装置は、処理の仕方でバッチ式と枚葉式に分かれます。バッチ式は、薬液の槽と純水の槽が交互に並んだ装置に、ウェーハを50枚などまとめて浸していく方式です。枚葉式は、ウェーハを1枚ずつ回転させながら薬液や純水をかけます。
洗浄だけでなく、成膜や熱処理の装置にも共通する分け方です。
※SCREENセミコンダクターソリューションズの解説をもとに整理。どちらを使うかは工程と製品によって決まります。
成膜の前後で微小なごみを取るときには、回転させたウェーハをやわらかいブラシと純水で洗うスクラバも使われます。洗った後の乾燥も工程の一部で、水滴の跡を残さないために、イソプロピルアルコール(IPA)の蒸気を使う乾燥方法などが用いられます。
成膜
成膜は、回路の材料になる薄い膜をウェーハの全面に付ける工程です。電気を通さない絶縁膜と、電気を通す金属膜などを、目的に応じてつくり分けます。膜の付け方は1つではなく、膜の種類と求める性質によって方式を使い分けます。
熱で育てる、ガスを反応させる、原子をたたき出す、1層ずつ積む、の4つです。
※SEAJの工程解説・用語集、SCREENセミコンダクターソリューションズの解説をもとに整理。
熱酸化は、ウェーハそのもののシリコンを酸化させて膜にする方法です。CVDとスパッタリングは、外から材料を運んできて積もらせます。CVDはガスの化学反応、スパッタリングは物理的な衝突を利用する点が違いです。
ALDは、ガスを交互に流すたびにウェーハ表面で反応が起きるため、段差のある場所にも均一に膜を付けやすいのが特徴です。
KOKUSAI ELECTRICは、このALDと、一度に複数枚を処理するバッチ成膜を組み合わせ、難しい成膜と生産性の両立を狙う装置を手がけています。
熱処理
熱処理は、ウェーハに熱を加えて膜を成長させたり、膜や結晶の状態を整えたりする工程です。熱酸化のように成膜を兼ねるものもあれば、付けた膜の質を良くするためのものもあります。
KOKUSAI ELECTRICは後者を、熱やプラズマで膜質を改善する「トリートメント」と呼んでいます。
加熱の仕方にも種類があります。炉の中で多数のウェーハをゆっくり加熱する方式のほか、ランプで1枚ずつ急速に加熱する方式があります。後者はRTP(急速加熱処理)と呼ばれ、SCREENの解説では数十秒で1,000℃まで加熱できるとされています。
さらに短い時間で加熱するフラッシュランプアニールという方式もあります。カメラのフラッシュと同じ原理の光源を使い、100万分の数十秒という一瞬でウェーハの表面部分だけを加熱します。
加熱する時間と深さを使い分けることで、狙った部分だけに熱の効果を与えられます。
回路の形をつくる工程:リソグラフィとエッチング

膜を付けたら、その膜を回路の形に加工します。模様を描くのがリソグラフィ、模様どおりに削るのがエッチングです。この2つは必ず組になって動きます。
模様を描く3ステップと、形をつくる3ステップに分かれます。
※レジストを塗る前後に反射防止膜を塗るなど、実際の工程ではさらに細かいステップが加わります。
レジスト塗布・露光・現像
リソグラフィは写真の原理を使います。まず、光に反応する感光材(フォトレジスト)をウェーハに塗ります。液を滴下してウェーハを回転させ、遠心力で全面に広げたあと、ホットプレートで乾かします。
次に露光装置で、回路の原版であるフォトマスクの模様を縮小してウェーハに写します。ウェーハ全面を一度に露光するのではなく、数チップ分ずつ位置をずらしながら繰り返し写していきます。
その後、現像液でレジストの一部を溶かすと、残ったレジストが次のエッチングの型紙になります。
写せる模様の細かさを左右するのが、光の波長です。ASMLの解説によると、露光に使う光の波長はi線が365nm、KrFが248nm、ArFが193nm、EUV(極端紫外線)が13.5nmです。
ニコンは、i線やKrFの装置をアナログ半導体やパワー半導体などの非微細系、ArFの装置をCPUやメモリなどの微細系と位置づけています。
ArFでは、レンズとウェーハの間を純水で満たして解像度を高める液浸という技術が使われます。
EUVはさらに細かい回路向けで、ASMLは同社のEUV露光装置が7nm・5nm・3nmといった世代の製造に使われていると説明しています。
開口数(NA)を0.55に高めた次の世代の装置では、解像度は8nmとされています。
露光装置の性能は、細かさだけでは決まりません。ニコンは、解像度に加えて、前の層の模様とnm単位で位置を合わせる重ね合わせ精度と、1時間あたりの処理枚数を表すスループットの3つを挙げています。
層を何十回も重ねる前工程では、位置のずれがそのまま不良につながるためです。
エッチングとレジスト剥離
エッチングは、現像で残ったレジストに覆われていない部分の膜を取り除く工程です。方法は、薬液で溶かすウェットエッチングと、液体を使わないドライエッチングの2つに分かれます。
ウェットエッチングは、フッ酸やりん酸などの薬液を使い、まとめて処理できるのが利点です。ドライエッチングの代表は反応性イオンエッチング(RIE)で、反応性のあるイオンをぶつけて削ります。微細な回路の加工では、ドライエッチングが中心です。
削り終わったら、型紙の役目を終えたレジストを取り除きます。酸素のプラズマでレジストを気体に変えるアッシング装置や、薬液を使う洗浄装置が使われます。
SCREENの解説では、微細な回路の工程にはプラズマを使う方式、比較的粗い回路の工程には薬液を使う方式が使われる傾向があるとされています。
1回の露光で描けないときの工夫
露光装置の限界より細かい模様が必要なときは、露光以外の工程を組み合わせて補います。代表的なのが、ダブルパターニングと呼ばれる技術です。1回目の露光でつくった模様の間に、2回目の露光で模様を足す方法がその1つです。
もう1つは、露光でつくった模様をCVDの膜で覆い、エッチングで側面の膜だけを壁のように残す方法です。元の模様を取り除くと、両側に残った壁が新しい型紙になります。
露光の回数を増やさずに模様を細かくできる代わりに、成膜とエッチングの回数が増えます。
回路が細かくなるほど前工程の工程数が増えるのは、こうした組み合わせが増えるためでもあります。露光装置だけでなく、成膜やエッチングの装置の出番も増えていくという関係です。
性質と表面を整える工程:イオン注入・CMP・検査
膜を付けて形をつくるだけでは、回路は完成しません。電気的な性質を変える工程、表面を平らに戻す工程、出来ばえを確かめる工程が加わります。
イオン注入
イオン注入は、ボロン、リン、砒素などの元素をイオンにして加速し、ウェーハに打ち込む工程です。シリコンの中に、電気が流れたりたまったりする領域をつくる役割があります。トランジスタとして働く部分は、この工程なしにはつくれません。
イオン注入装置は、打ち込む量や深さによって機種が分かれます。
住友重機械工業グループの住友重機械マテリアルソリューションズ(2026年1月に住友重機械イオンテクノロジーから社名変更)は、高電流、中電流、高エネルギーの各機種と、高電流と中電流を1台にまとめた機種を展開しています。
どの領域にどれだけ、どの深さまで入れるかで使い分けます。
打ち込んだ直後のシリコンは、結晶が乱れた状態です。そのため、イオン注入の後にはアニールと呼ばれる熱処理を行い、結晶を回復させるとともに、打ち込んだ元素が電気的に働くようにします(活性化)。
ここでも工程は単独では完結せず、イオン注入と熱処理が組になっています。
CMP
CMPは、研磨材の入った薬液と研磨用のパッドを使い、化学的な作用と機械的な作用の両方でウェーハの表面を平らに磨く工程です。配線を何層も重ねる多層配線では、表面がでこぼこのままだと上の層をつくれません。
そこで、1層ごとに表面を平らに磨いてから次の層へ進みます。
銅の配線をつくるときにもCMPが使われます。絶縁膜に溝を掘り、めっきで銅を全面に付けたあと、CMPで余分な銅を削り取ると、溝の中の銅だけが配線として残ります。この方法はダマシンと呼ばれます。
研磨した後のウェーハには、研磨材や削りかすが残ります。そのため、CMPの後には専用の洗浄が必ず続きます。ここでも、研磨と洗浄が組になっています。
検査・計測
検査・計測は、工程の途中と最後の両方で行われます。途中で行うのは、模様の寸法を測る計測と、微粒子や模様の欠けを見つける欠陥検査です。寸法の計測には、電子顕微鏡の技術を応用した測長SEM(CD-SEM)が使われます。
ウェーハだけでなく、原版であるフォトマスクの検査も欠かせません。マスクに欠陥があると、そのマスクで露光したすべてのチップに同じ不良が写るためです。
レーザーテックは2019年に、EUVの光そのものを使ってEUV用マスクの模様の欠陥を調べる世界初の装置を発売したと説明しています。
すべての層ができあがると、チップごとに電気的な試験を行い、良品と不良品を判定します。ウェーハプローバという装置で、チップの電極に針を当てて調べます。
この検査を前工程の最後に数える整理と、後工程の入口に数える整理があり、資料によって扱いが異なります。

工程ごとの装置メーカーと強み
前工程の装置は、工程ごとに専門のメーカーが分かれています。すべての工程で強い会社はなく、上位の顔ぶれは工程によって入れ替わります。経済産業省が2023年にまとめた資料から、2021年時点の装置別の首位企業を見てみます。
1社がほぼ独占する装置と、数社が分け合う装置があります。緑は日本企業が首位の装置です。
※経済産業省「半導体・デジタル産業戦略について」(令和5年7月)。グローバルネット「世界半導体製造装置・試験/検査装置市場年鑑2022」をもとに同省が作成した2021年の数値。装置名の下は市場規模。2021年時点の数値で、現在の順位やシェアとは異なる場合があります。装置の区分や年が変わると数値は変わります。
最も偏りが大きいのは露光装置です。2021年のシェアはオランダのASMLが92.8%で、キヤノンが4.6%、ニコンが2.6%でした。
なかでもEUV露光装置について、ASMLは自社だけが持つ技術だと説明しており、事実上1社だけが供給する領域になっています。
日本企業が首位に立つ装置もあります。レジストの塗布と現像を担うコータ/デベロッパは東京エレクトロンが84.1%、枚葉式洗浄装置はSCREENが34.7%で首位でした。
同じ資料では、CMP装置で荏原製作所が37.0%、エッチング装置で東京エレクトロンが25.3%と、いずれも2位に入っています。
熱処理装置は東京エレクトロンが23.2%、KOKUSAI ELECTRICが19.8%で、イオン注入装置は住友重機械(資料の表記)が17.7%でした。
一方、市場規模の大きいエッチング、露光、CVDの3つは、いずれも欧米の企業が首位です。同省の資料も、市場規模が大きい装置は米国とオランダの企業が占めると指摘しています。
2021年より後の状況は、各社が公表している資料で確認できます。ただし、自社による推定や、調査会社のデータをもとにした自社算出が含まれるため、出所とあわせて読む必要があります。
各社の公表資料に書かれた内容を、出所とあわせて整理しました。
※各社の数値は出所・対象年・装置の区分・算出方法がそれぞれ異なるため、会社どうしを同じ基準で比べることはできません。東京エレクトロンの洗浄は、統合報告書2025では2位、同2026では3位と記載されています。
工程ごとにメーカーが分かれるのは、必要な技術の中身がまったく違うためです。露光は光学と精密な位置決め、エッチングはプラズマの制御、洗浄は薬液と流体の扱い、CMPは研磨というように、土台になる技術が工程ごとに異なります。
もう1つの背景は、量産ラインでの実績です。東京エレクトロンは、累計約10万台という出荷実績を強みに挙げています。
同社は、前工程事業で多くの開発POR(Process of Record。顧客の半導体製造プロセスで装置の採用が認定されること)を獲得しているとも説明しています。
装置メーカーにとっては、開発段階から顧客と一緒に条件を詰めることが重要になります。
市場の大きさも確認しておきます。SEMI(半導体の製造装置・材料の国際的な業界団体)は2026年4月、2025年の世界の半導体製造装置の販売額を発表しました。
新品の装置の総額は1,351億ドルで、前年の1,171億ドルから15%増えています。このうち前工程で使うウェーハプロセス用処理装置は12%増でした。
統計ごとの数え方の違いは電子部品・半導体業界の市場規模の記事で、各社の売上規模や再編の動きは電子部品・半導体業界の主要企業の記事で整理しています。
工程ごとに使われる材料

装置と並んで前工程を支えているのが材料です。装置が同じでも、流すガスや薬液が変われば、できる膜や削れ方が変わります。工程ごとに、決まった種類の材料が消費されていきます。
どの工程で何が使われるかを押さえると、材料メーカーの位置づけが見えてきます。
材料は、日本企業の存在感が大きい分野です。
経済産業省の資料によると、ウェーハ、レジスト、CMPスラリー、フォトマスクなど主要な半導体部素材では、日本企業が世界の48%を占めています(2021年度、OMDIAの調査をもとに同省が作成)。
同じ資料にある装置の31%と比べても高い水準です。
材料に共通して求められるのは、純度の高さと、納入のたびに品質が変わらないことです。前工程は同じ条件を何百回も再現することで成り立っているため、材料のわずかな違いが出来ばえのばらつきにつながります。
使い終わった材料の処理も、工程の一部です。成膜やエッチングで使ったガスには、そのまま大気に出せないものが含まれます。このため装置の後段には、排ガス処理装置(除害装置)が接続されています。
前工程の流れを仕事に生かす見方
前工程の流れは、半導体メーカーで働く人だけの知識ではありません。装置の部品をつくる会社、薬液やガスを納める会社、設備の保全を請け負う会社にとっても、自社の仕事の意味を理解する土台になります。押さえておきたい見方を3つ挙げます。
- 自社の製品や担当が、8つの工程のどこに入るのかを確認する
- その工程の前後に何があり、何を受け取って何を渡すのかを見る
- 世代や製品によって、工程の繰り返し回数が変わることを知っておく
1つめは位置の確認です。想定例として、同じポンプやバルブでも、洗浄装置に入るのか、エッチング装置に入るのかで、触れる薬液やガスは変わり、求められる仕様も変わってきます。どの工程の装置に使われるかが分かると、顧客の要求の理由が見えてきます。
2つめは前後の関係です。たとえば、下地の膜の厚さや平らさにむらがあると露光のピントが合いにくくなり、露光の模様が乱れるとエッチング後の形にも影響します。
このように、1つの工程の出来は前の工程の結果に左右されます。トラブルの原因を探すときに、1つ前、2つ前の工程までさかのぼる発想が役に立ちます。
3つめは回数の違いです。最先端のロジックでは工程数が2,000を超えるという説明がある一方、パワー半導体やアナログ半導体のように、比較的大きな回路の幅でつくられる製品もあります。
どの製品向けの仕事なのかによって、同じ工程でも求められる精度や量は異なります。
まとめ
- 前工程は、ウェーハ上に素子と配線をつくり込み、回路を完成させるまでの工程を指す
- 洗浄・成膜・リソグラフィ・エッチング・イオン注入・熱処理・CMP・検査の8つを、層の数だけ繰り返す
- 工程数は1,000以上とされ、最先端のロジックでは2,000以上という説明もある
- 装置は工程ごとに上位メーカーが異なり、露光はASML、塗布・現像は東京エレクトロン、枚葉式洗浄はSCREENが首位(2021年)
- 材料も工程ごとに決まっており、主要な部素材では日本企業が世界の48%を占める(2021年度)
前工程の流れが分かると、装置や材料のニュースがどの工程の話なのかを位置づけられるようになります。
回路ができた後の流れは後工程の記事で、業界全体の企業の種類は電子部品・半導体業界とはの記事で紹介しています。関連する職種としては生産技術や設備保全が、この分野と深く関わります。
半導体製造については、半導体製造の技術ページから関連記事もあわせてご覧ください。
出典
出典・参考資料(19件)を開く出典・参考資料を閉じる
- 前工程の流れ・用語:一般社団法人日本半導体製造装置協会「半導体製造工程 前工程」、「半導体製造装置用語集(ウェーハプロセス)」
- FEOL・BEOLの定義:横河電機「半導体用語集 装置・工程」
- 工程数、装置・部素材の世界シェア(2021年):経済産業省「半導体・デジタル産業戦略について」(令和5年7月)
- 最先端の半導体の工程数、製品別の市場での順位:東京エレクトロン「統合報告書2026」、「統合報告書2025」
- 工程の繰り返し、成膜とトリートメント:KOKUSAI ELECTRIC「半導体業界の紹介」
- バッチ成膜装置のシェア:KOKUSAI ELECTRIC「2027年3月期第1四半期 決算説明資料」
- 洗浄が全工程に占める割合:SCREENホールディングス「最先端の装置メーカーとして」
- 洗浄装置のシェア(2024年):SCREENホールディングス「数字で見るSCREENグループ」
- 各工程の原理:SCREENセミコンダクターソリューションズ「初心者のための半導体入門」(洗浄工程、成膜工程、露光、エッチング、レジスト剥離、イオン注入、CMP技術、Cu配線、ダブルパターニング技術)
- 露光の光源と波長、EUV露光装置:ASML「Light and lasers」、「EUV lithography systems」
- 露光装置の分類と性能:ニコン「半導体製造における露光装置の基礎知識」
- ナノインプリント半導体製造装置:キヤノン ニュースリリース(2023年10月13日)
- イオン注入装置の機種と事業会社:住友重機械工業「イオン注入装置」、住友重機械マテリアルソリューションズ
- イオン注入後のアニール:松定プレシジョン「半導体製造を支えるイオン注入プロセスと注入装置の基礎」
- CMPの仕組み:荏原製作所「半導体を支えるナノレベルの研磨技術」
- キヤノンの露光装置の製品構成:キヤノン「半導体露光装置」
- 測長SEM:日立製作所 研究開発「世界トップシェアの測長SEMで最先端半導体の開発を下支え」(2024年3月12日)
- EUVマスク検査装置:レーザーテック ニュースリリース(2025年10月31日)
- 世界の半導体製造装置販売額(2025年):SEMI プレスリリース(2026年4月8日)、EE Times Japan「半導体製造装置販売額、2025年は1350億ドルに拡大」
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