JB(ジャンクションボックス)とは?中継端子箱の役割とジョイントボックスとの違い

プラントの配管ラック脇に取り付けた金属製の端子箱と電線管

JBとは、ジャンクションボックス(Junction Box)の略で、現場の機器から来る電線を集めて、端子台で制御盤行きのケーブルに中継する箱です。

日本語では「中継端子箱」、略して「JBOX」とも呼びます。この記事では、JBの中身と役割、ジョイントボックスとの違い、端子表(配線図)の例、防水・防爆の選び方を順に整理します。

目次

ジャンクションボックス(JB)とは

JB(ジャンクションボックス)とは、現場の機器から来る電線をいったん集めて、端子台で制御盤行きのケーブルに中継するための箱で、プラントでは「中継端子箱」とも呼ばれます。

複数の機器を配線する際に配線ルートをシンプルにするために用いられ、この記事では、プラントで使う端子台付きの中継箱を中心に説明します。

ジャンクションボックスを用いると電気配線の取り合いがずっと楽になるので、複数の機器が一体となったユニット機器ではよく用いられています。

箱の中身は、おおむね次のとおりです。

  • 端子台:機器側の電線と、制御盤行きのケーブルの心線をネジで留めて中継する
  • ケーブルの引き込み口:ケーブルグランドで固定し、すき間から水やほこりが入らないようにする
  • 接地端子:箱そのものやケーブルのシールドを接地するための端子

なお、建築の電気工事では、電線どうしをつないだり分岐したりするための箱を「ジョイントボックス」と呼びます。プラントの JB は、中に端子台があり、電線をネジ止めでつなぎ替えられる点が違います。

ただし、名前そのものに決まった区別はなく、パナソニックの用語辞典も、ジョイントボックスはジャンクションボックスとも呼ばれ、名前による差はないとしています。違いは、業界ごとの使われ方です。

図1:JB・ジョイントボックス・プルボックスの使われ方

どれも電線を通す箱ですが、中でやることが違います。

JB(中継端子箱)
ジョイントボックス
プルボックス
主な場所
プラント・工場の計装、ユニット機器
建物の照明・コンセントの配線
建物・工場の電線管の途中
中でやること
機器の電線を、制御盤行きのケーブルに中継する
電線どうしの接続・分岐
本数の多い電線・ケーブルの引き入れ、中継・分岐
つなぎ方
端子台にネジ止め。外してつなぎ替えられる
圧着スリーブや差込形コネクタで結線することが多い
電線が多いときに使う。JISの規格品ではなく寸法を選べる
図面での扱い
端子表(どの端子に何をつなぐか)を作る
配線図に専用の図記号で描く
配線図に専用の図記号で描く

※一般的な使われ方の例です。会社や図面の凡例によって呼び方が違うことがあり、建築でも「端子付」のケーブル用ジョイントボックスがあります(国土交通省 公共建築設備工事標準図)。

建築でジョイントボックスが要るのは、電線管の中で電線をつなぐことが禁じられているためで、つなぐ場所は、点検できる位置に置いたボックスの中です。

建築の図面や会話で「JB」と出てきたら、ジョイントボックスを指していることもあるので、どちらの箱かは、図面の凡例や仕様書で確かめます。

ジャンクションボックス(JB)の役割

ジャンクションボックスの役割は、配線の取合いを減らし、配線をシンプルにすることです。

図2:JBは現場と制御盤の間に置く

機器ごとの電線をJBに集め、制御盤までは多芯ケーブルでまとめて送ります。

現場の機器JB(端子台)制御盤・DCS機器ごとの電線多芯ケーブル

※JBから制御盤までは、何対もの心線をまとめた多芯ケーブルで送るのが一般的です。

例えば、次のようにタンクの周りにポンプ、制御弁、流量計、温度センサー、圧力センサー、電磁弁が併設されたようなユニットについて考えます。

JBを使わない場合の配線。ユニット内の6つの機器から制御盤へ1本ずつ配線する

これらの機器を動作させたり、計測値を表示させたりするには、電源線や信号線を制御盤またはDCSなどと接続しなければなりません。

ジャンクションボックスを用いない場合は機器ごとに配線方法が違い、電気工事では、一つ一つの機器の取扱説明書や仕様書の確認が必要です。また、配線の距離も異なるため、長さをバラバラに調整しなければなりません。

これらの機器は一般的に機器単体で納入され、電気工事は工事業者が行う場合が多いため、配線の取り合いも多く調整の手間が増えます。

一方、ジャンクションボックスを用いた場合の配線は次のようになります。

JBを使う場合の配線。ユニット内の機器の配線をJBに集めて制御盤へ送る

ユニット機器の端にジャンクションボックスを設け、ユニット内の機器の配線を全てジャンクションボックスにまとめます。こうしてジャンクションボックスを工事業者との取合箇所にしておけば、一つ一つの機器の配線方法を確認する必要がなくなり、工期を短縮できます。

また、制御盤からの配線距離もそろえられるので、複数の電線が一体となった多芯ケーブルを利用でき、配線がシンプルになります。制御盤の代わりにDCS(分散制御システム)で受けるプラントも多くあり、DCSの仕組みはDCSとは何かを解説した記事で整理しています。

図3:JBを置く4つの効き目

工事の手間だけでなく、運転を始めてからの点検や改造でも効きます。

取合点が1か所工事業者とは JB の端子で受け渡す
距離がそろう制御盤からの長さを JB までで決められる
多芯ケーブル何本もの電線を1本のケーブルにまとめる
切り分けやすい端子を外せば、機器側と盤側を分けて調べられる

4つ目の効き目は、運転を始めてから効いてきて、信号が来ないときは、JBの端子で機器側と制御盤側のどちらに原因があるかを分けて調べられます。

JBで中継する信号には、4-20mAのアナログ信号も多く含まれ、電流で送る理由や1-5Vとの違いは、4-20mAを使う理由とテスターでの測り方で詳しく扱っています。

シールド付きのケーブルを中継するときは、シールドも端子でつなぎ、JBでは接地を増やさないのが基本で、考え方はシールドケーブルの片側接地と両端接地の使い分けの記事を参照してください。

空気で動く制御弁には、電気の配線とは別に計装空気の配管も要り、空気の品質や配管の考え方は計装空気(計装エア)とはで説明しています。

どの端子に何をつなぐかは、端子表(JBの配線図)にまとめます。例えば次のような表です。

図4:JBの端子表(配線図)の例

端子1本ごとに、機器側の行き先と、制御盤行きケーブルの心線番号を並べます。

端子
機器側(タグ)
信号
制御盤行きの心線
1・2
圧力伝送器 PT-101(+/−)
AI 4-20mA
心線1・2
3
PT-101 のシールド
中継のみ(JBでは接地しない)
シールド
4・5
温度伝送器 TT-102(+/−)
AI 4-20mA
心線3・4
6・7
電磁弁 XV-103
DO DC24V
心線5・6
8・9
ポンプ P-104 運転中
DI 無電圧接点
心線7・8
10・11
予備
-
心線9・10

※タグ・端子番号・心線番号は、すべて説明用の架空の例です。実際の端子表には、ケーブルの番号・種類・太さも書きます。

読み方の例として、圧力伝送器PT-101の信号を追ってみると、機器から来た2本の線は、JBの端子1・2に入ります。

そこから多芯ケーブルの心線1・2に乗り換えて制御盤のAI(アナログ入力)に届き、断線を調べるときも、この順に端子を当たります。

「信号」の列にあるAI・DO・DIは、信号の種類と方向を表す略語です。意味はDI/DO・AI/AO・PI/POの違いで整理しています。

タグ(PT-101など)は、P&ID(配管計装図)の計器番号と合わせるのが一般的です。記号の読み方はP&IDの読み方で解説しています。

ジャンクションボックスを選ぶときの注意点

JBの仕様は、設置場所→防水・防じん→防爆→端子の数の順に詰めると漏れが少なくなります。

  • 屋外や水がかかる場所では、防水・防じん性能(IP等級)の高い箱を選び、ケーブルの引き込み口にはケーブルグランドを使う
  • 可燃性ガスや粉じんのある危険場所では、場所の区分に合った防爆構造の箱にする
  • 端子台は、将来の機器追加や断線時に備えて予備を持たせる(何割持たせるかは、発注者の仕様や設計基準で決めることが多い)
  • 端子番号と行き先を記した端子表を扉の内側に貼っておくと、点検や改造のときに迷わない

IP等級は、前の数字が固形物(ほこり)、後ろの数字が水に対する保護の程度を表します。規格は長くJIS C 0920(IEC 60529に対応)でしたが、2026年1月20日に後継のJIS C 60529が制定され、置き換わりました。

図5:IPコードの読み方(JBの選定で見る数字)

IP66なら、前の6が「粉じんが入らない」、後ろの6が「強い噴流に耐える」です。

前の数字:固形物・ほこり(0〜6)5=防じん:少し入っても動作・安全を損なわない
6=耐じん:粉じんが中に入らない
後ろの数字:水(0〜8)4=防まつ:あらゆる方向のしぶき
5=防噴流:あらゆる方向の噴流
6=耐水:あらゆる方向の強い噴流
7=防浸:決められた条件で水に沈めても影響なし

※JIS C 0920 の区分を、キヤノンの解説をもとに要約しています。後継のJIS C 60529はIEC 60529の2013年の追補までを取り込んだ規格で、高圧・高温の水噴流に対する「9」が加わりました(日本規格協会の発表を報じたPHILE WEBによる)。

屋外のJBは、雨や洗浄水の当たり方を見て、必要な数字を仕様書で指定します。ただし、IPの数字は箱そのものの性能で、引き込み口の処理が悪ければ水は入ります。

ケーブルグランドやパッキンも、箱と同じ程度の保護等級の品を選び、メーカーの指定どおりに締め付けます。

防爆は、扱う物質と換気の状態から、場所ごとに危険箇所の区分が決まっており、ガス・蒸気の場合は次の3つです。

  • 特別危険箇所(ゾーン0):爆発するガスが、ふだんから続けて、または長い時間ある場所
  • 第一類危険箇所(ゾーン1):ふだんの運転でも、爆発するガスができることがある場所
  • 第二類危険箇所(ゾーン2):ふだんはできず、できても短い時間で消える場所

労働安全衛生規則第280条は、換気などをしても爆発の危険がある濃度に達するおそれのある場所では防爆構造の電気機械器具でなければ使ってはならないと定めており、JBもその対象です。

端子箱でよく使われる防爆構造は、次の2つです。

  • 耐圧防爆構造(d):中に入ったガスが爆発しても容器が圧力に耐え、外のガスに火を移さない
  • 安全増防爆構造(e):ふだんの使用で火花や高温の部分が出ないよう、絶縁や温度上昇などの安全度を増した構造

特別危険箇所に置ける構造は限られ、区分は現場で決まっているものに従い、それに合う構造で、国の型式検定に合格した箱を選びます。

JBの選定は盤全体の設計の一部で、仕様の確認から検査までの流れは、制御盤設計の進め方で7つのステップに分けて紹介しています。

JB(ジャンクションボックス)のよくある質問

JBは何の略ですか?

Junction Box(ジャンクションボックス)の略で、プラントでは中継端子箱とも呼び、JBOXと書くこともあります。

ジャンクションボックスとジョイントボックスの違いは?

名前には決まった区別がなく同じ箱を指すこともありますが、現場の使い分けとしては、プラントのJBは端子台で中継する箱、建築のジョイントボックスは電線どうしをつなぐ箱です。

建築の図面にあるJBは何ですか?

ジョイントボックスを指していることがあり、図面の凡例、仕様書、箱の中に端子台があるかどうかで確かめます。

JBと現場操作盤の違いは?

JBは電線を中継するだけの箱でスイッチやランプは付きませんが、現場操作盤は、運転・停止などのスイッチが付いた、機器を操作するための盤です。

現場操作盤の役割は、現場操作盤とは何か、設置する目的の記事で説明しています。

まとめ

この記事のまとめ
  • JBはジャンクションボックスの略で、配線工事における中継ボックス(中継端子箱)
  • 主に複数の機器が一体となったユニットで用いられる
  • ジャンクションボックスを設置することで配線ルートがシンプルになる
  • 建築のジョイントボックスとは名前の区別はなく、使われ方(端子台で中継するか、電線どうしをつなぐか)が違う
  • 屋外ではIP等級と引き込み口、危険場所では区分に合った防爆構造で選ぶ

ユニット機器の配線ではよく用いられていますが、新たにプラント業界で働き始めた方にとっては、何を意味するのか分からない言葉の1つかと思います。

ぜひ、一つ一つ目的と意味を理解しながら、不明点を無くしていきましょう。制御盤や配線の設計の仕事そのものは、電気・電子設計の仕事内容で紹介しています。

出典

出典・参考資料(6件)を開く出典・参考資料を閉じる

NEWSLETTER

選んだ職種・業種に合わせた記事を、週1回メールで

週刊MONOSCOPEは、登録時に選んだ職種・業種に合わせた記事を週1回お届けする無料のメルマガです。

実際に届くメールの例を見る

件名:今週のあなた向け記事|週刊MONOSCOPE 10/9号
登録内容:生産技術 × 自動車・輸送機器

週刊MONOSCOPEの見本(生産技術 × 自動車・輸送機器)

職種3本・業種3本・製造業で働くすべての方へ2本・今週よく読まれた記事3本が届きます。記事は毎週入れ替わります。ほかの見本を見る

職種・業種を選んで登録へ ›

無料・週1回。登録後に届く確認メールのリンクを押すと登録が完了します。配信はメール内のリンクからいつでも停止できます。

WEEKLY NEWS

今週の製造業ニュース10選

メルマガは職種・業種に合わせた記事。LINEとnoteでは、全員共通の10本を毎週土曜の朝にお届けします。

LINEでニュース10選を受け取るnote今週のニュース10選をnoteで読む ›
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

MONOSCOPEの運営者

プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

▶ お仕事のご依頼はこちら

コメント

コメントする

目次