レデューサー(レジューサー)とは、口径の違う配管どうしをつなぐ継手です。中心軸をそろえた同心レデューサーと、片側を平らにして軸をずらした偏心レデューサーがあります。
偏心レデューサーは、溜めたくないものがある側を平らにするのが基本で、蒸気や空気の配管では平らな面を下に、ポンプの吸込みでは上に向けます。
この記事では、レデューサーの種類(同心・偏心、1形・2形、接続方式)と、偏心の向きの決め方とその根拠を順に整理します。異径ソケットとの違いは、最後のよくある質問で答えます。
- 口径の違う配管どうしをつなぐ継手。JISでは「レジューサ」と書き、レデューサー・レジューサーはどちらも同じもの
- 同心は配管の中心の高さがそろい、偏心は片側の面(管の上面か底面)がそろう
- 偏心は溜めたくないものがある側を平らにする。蒸気・気体の配管は平らな面を下、ポンプの吸込みは平らな面を上
- ポンプの吐出し側は同心、吸込み側は偏心が基本。形状はJISの1形(ベル形)・2形(円すい形)がある
- 異径ソケット(径違いソケット)は小口径のねじ込み配管用の短い継手で、レジューサーは主に溶接式
レデューサーとは
レデューサーとは、英語のreduce(減らす)が由来の言葉で、異なる呼び径の配管どうしを接続するための継手で、英語ではreducerと書きます。
呼び方は「レデューサー」「レジューサー」「レデューサ」などが混在しますが、どれも同じもので、JISの規格では「レジューサ」と書きます。
たとえば鋼製の突合せ溶接式管継手の規格(JIS B 2311・JIS B 2312)に、同心と偏心のレジューサが定められています。産業分野だと、金属配管のほか、塩ビ配管、ダクト用、電線管用のレデューサーも見かけます。
配管用にレデューサーを使うときは、機能やスペースなどを考えて選ぶ必要があり、選ぶときの分け方は、大きく次の3つです。
選ぶときは、中心軸・形状・接続方式の3つを決めます。
レデューサーの種類・使い分け
配管用のレデューサーには、いくつか種類があり、まずは中心軸の位置で、配管どうしの軸を合わせた同心レデューサーと、平行にずらした偏心レデューサーがあります。同心はコンセントリック(concentric)、偏心はエキセントリック(eccentric)と呼びます。

同心は径が変わっても配管の中心の高さが変わりませんが、偏心は片側の面が一直線になるので、管の上面か底面の高さがそろいます。
使い分けの基本は、流体の中に溜めたくないものがあるかどうかで、液が混じる気体や、気体が混じる液体の水平配管では偏心を選び、平らな面の向きまで決めます。
違いは「どこの高さがそろうか」と「溜まりができるか」です。
※吐出し側に同心、吸込み側に偏心という使い分けは川本製作所の説明による。配管条件やメーカーの指定で変わることがある。
次に形状について、広い口から細い口に向かって滑らかな形が1形、真っ直ぐなのが2形です。

ベンカン機工の解説によると、JIS B 2311では同心(C)と偏心(E)のそれぞれに1形と2形があります。記号はR(C)1やR(E)2のように書き、1形の「1」は省略してもよいとされています。
1形は両端に直管部があるベル形、2形は直管部のない円すい形で、形が違うと寸法も変わるので、型番の末尾の「1」「2」まで確かめて手配します。
またレデューサーそのものの種類というわけではありませんが、接続方式にはねじ込み、フランジ、溶接式があります。
小口径・低圧ならねじ込み式も見つかりますが、配管で多くの場合は溶接式かフランジです。溶接式には、突合せ溶接(BW、Butt Weld)と差込み溶接(SW、Socket Weld)の2種類があり、レデューサーのカタログにも明記されています。
ねじ込み式の小口径配管では、径違いソケット(異径ソケット)やブッシングで口径を変えることもありますが、レデューサーとの違いは、よくある質問で整理します。
接続方式で、使う規格と口径を変える部品が変わります。
※どの口径からどの方式にするかは、規格や会社ごとの配管仕様で決まる。
SWとBWの使い分けはSWとBWの違い、接続方式の全体像はねじ込み・フランジ・溶接の違いで詳しく扱っており、溶接方法そのものは溶接の種類と選び方が参考になります。
レデューサーの注意点
施工上の注意点としては、同心と偏心を意識して選定しなければ、配管の中心がずれます。同心レデューサーを選べば、異径配管どうしの中心軸の高さを変える必要がありません。
一方で、偏心レデューサーを選ばなければならない場面があり、向きの結論は次の早見表のとおりです。
溜めたくないもの(ドレン・空気)がある側を平らにします。
※青の太線が平らな面。どちらも流れは大径側から小径側へ。
例えば、液体が混じる可能性がある気体用ラインを考えてみます。減圧弁などバルブの手前で口径を小さくする場合、偏心レデューサーの平らな方が下に来るように施工してください。液体が溜まるのを防ぐことで、液体によるバルブのエロージョン(流れによる削れ)を防げます。
蒸気配管も同じ考え方で、スパイラックス・サーコは蒸気主管について、偏心レデューサーを平らな面を下にして使うよう示しています。
同心のまま径を絞ると、太い側の底が低い所になり、そこにドレン(凝縮水)が溜まるため、同社は、同心レデューサーの誤用をウォーターハンマーの原因の一つに挙げています。
また逆に、気体が混じる可能性のある液体用ラインで、ポンプの手前に施工する場合は、偏心レデューサーの平らな方を上に向けてください。気体が溜まるのを防ぎ、キャビテーションを防止します。

ポンプメーカーの取扱説明書にも同じ指示があり、ITTグールズの渦巻ポンプ3196の説明書は、吸込口と吸込管の間に偏心レデューサーを入れ、傾斜側を下・水平側を上にするよう求めています。
同じ説明書は、吸込管をポンプの吸込口より細くせず、1〜2サイズ太くするよう示しています。太い吸込管と吸込口をつなぐため、吸込口の直前にレデューサーが入るわけです。
国内でも、川本製作所は偏心レジューサを吸込み側に、同心レジューサを吐出し側に使うと説明しています。
吸込み側は偏心で空気を溜めず、吐出し側は同心でつなぐのが基本です。
※ITTグールズ 3196 取扱説明書、川本製作所 FAQ No.K2307 をもとに作成。吸込管の勾配は吸上げか押込みかで向きが変わる。
吸込管の勾配は、水源がポンプより低い吸上げではポンプに向かって上り勾配、水源が高い押込みでは下り勾配にします。どちらも、空気が溜まる凸部をつくらないためです。
吸込み側の異常では、空気を噛む現象とキャビテーションが混同されがちで、見分け方はキャビテーションとエア噛みの違い、ポンプの異常の全体はサージングとキャビテーションの違いで整理しています。
ただし、吸込管が上から下りてきてレデューサーにつながる配置では、同心や平らな面を下にした偏心を使う例もあります。例外の条件は、ポンプメーカーの指示に従うのが確実です。
他にも、固形物が混じる可能性があるラインでは、偏心レデューサーの向きに注意が必要になります。いずれにしても、レデューサー以降のプロセスに不具合がないように選定・施工してください。
図面や発注のときは、次の項目をそろえておくと手配の行き違いを防げます。
- 呼び径(大径側×小径側。例:100A×80A)
- 同心か偏心か。偏心なら平らな面を上にするか下にするか
- 1形か2形か
- 接続方式と規格(ねじ込み・フランジ・BW・SW)
- 材質と肉厚(スケジュール番号)
特に偏心の向きは、配管図に書いておかないと現場で逆向きに付けられることがあります。どの機器の前後でレデューサーが入るかは、P&ID(配管計装図)でも確かめられます。
レデューサーのよくある質問
レデューサーとレジューサーは違うものですか?
同じものです。英語のreducerの読み方の違いで、JISでは「レジューサ」と書きます。カタログや通販サイトを調べるときは、両方の表記で検索すると見つけやすくなります。
レジューサーと異径ソケットの違いは何ですか?
異径ソケットは、JISでは「径違いソケット」と呼ぶねじ込み式の管継手です(JIS B 2301)。両側が雌ねじで全長が短く、小口径のねじ込み配管で口径を変えるときに使います。
レデューサーは主に溶接式の継手で、円すい部で徐々に口径を絞るので、偏心の向きまで考えたい配管では、レデューサーを選ぶことになります。
似た部品のブッシングは、外側が雄ねじ、内側が雌ねじの継手で、ほかの継手の口にねじ込んで、口径を一段小さくします。
蒸気配管では偏心レデューサーの向きはどちらですか?
平らな面を下(ボトムフラット)にするのは、底にドレンが溜まる低い所をつくらないためです。
スパイラックス・サーコは、蒸気主管を流れ方向に1/100以上の下り勾配にし、30〜50mごとにドレン抜きを設ける目安も示しており、レデューサーの向きとあわせて確かめておきたい点です。
同心と偏心はどう使い分けますか?
水平の配管で、空気やドレンが溜まる心配があれば偏心、なければ同心が基本で、偏心を選んだら、図4の向きで平らな面を決めます。
ポンプの吐出し側にも偏心レデューサーを使いますか?
吐出し側は、同心レデューサーを使うのが一般的ですが、配管の取り回しによって例外もあるので、ポンプメーカーの資料や自社の配管基準で確かめてください。
まとめ
- レデューサー(レジューサー)は、口径の違う配管どうしをつなぐ継手
- レデューサーの形状には同心、偏心の2種類がある
- 偏心レデューサーを選定すべき条件があり、上下の向きに注意が必要
- 蒸気・気体の配管は平らな面を下、ポンプ吸込みは平らな面を上
- 手配では呼び径・同心/偏心と向き・1形/2形・接続方式までそろえる
配管設計時に多く使うことになると思いますが、流れる流体のことも考えて形状を選定しましょう。迷ったら「溜めたくないもの(ドレン・空気)がある側を平らにする」と覚えておくと便利です。
ポンプまわりの配管は、ミニマムフローの配管や、吸込み条件を決めるNPSHの考え方とあわせて押さえておくと、設計の見通しがよくなります。
出典
出典・参考資料(10件)を開く出典・参考資料を閉じる
- 同心・偏心のレジューサを含む突合せ溶接式管継手の規格:JIS B 2311:2024 一般配管用鋼製突合せ溶接式管継手(日本規格協会 プレビュー)
- 突合せ溶接式管継手の規格の範囲:JIS B 2312:2024 配管用鋼製突合せ溶接式管継手(日本規格協会 プレビュー)
- 1形・2形の形状の違いと記号(R(C)・R(E)、1の省略):ベンカン機工「レジューサの形状について」(2023年6月26日)
- ねじ込み式の管継手の規格:JIS B 2301:2013 ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手(日本規格協会 プレビュー)
- 差込み溶接式の管継手の規格:JIS B 2316:2017 配管用鋼製差込み溶接式管継手(日本規格協会 プレビュー)
- 米国の突合せ溶接式継手の規格:ASME B16.9 Factory-Made Wrought Buttwelding Fittings
- 蒸気主管の偏心レデューサー・勾配・ドレン抜き:Spirax Sarco「Steam Mains and Drainage」
- ポンプ吸込みの偏心レデューサーと吸込管の太さ:ITT Goulds Pumps 3196 i-FRAME 取扱説明書 Suction-piping checklist(p.38)
- 吸込側は偏心、吐出し側は同心:川本製作所 FAQ No.K2307「連結レジューサ(異径管)の吸込用と吐出し用の違い」
- 吸込側のレジューサと勾配:外山幸雄(外山技術士事務所)「ポンプ吸込側のレジューサ」(モノタロウ)、寺田ポンプ製作所 取扱説明書(TFSD)
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