国内の工事現場でおなじみの油圧ショベルやクレーンですが、日本の建設機械メーカーの出荷金額の約7割は海外向けです。2025年度の出荷金額は、交換用の補給部品を含めて3兆5,217億円でした。
2026年度の見通しでは、国内向けが3年連続で減るとされています。一方で各社は国内の工場や試験場への投資を続け、電動化や遠隔操作といった次の技術にも資金を振り向けています。
この記事では、建設機械業界の動向を公表資料の数字で整理します。出荷統計、需要予測、主要メーカーの業績、米国関税の影響、国内投資、電動化、遠隔操作・自動施工の順です。
この記事の内容は、動画でも解説しています。
建設機械の出荷金額は年3.5兆円、約7割が外需
業界全体の規模は、日本建設機械工業会(建機工。建設機械メーカー60社が正会員の業界団体)が毎月公表する出荷金額統計でつかめます。
2025年度(2025年4月〜2026年3月)の出荷金額は、補給部品を含む総合計で3兆5,217億円、前年度比3.7%の増加でした。
内訳は、内需が1兆698億円(0.2%増)、外需が2兆4,518億円(5.3%増)です。外需が全体の約7割を占めており、内需・外需ともに2年ぶりの増加となりました。
総合計は3.5兆円規模で、そのうち約7割を外需が占めます。
※出典:日本建設機械工業会「建設機械出荷金額統計(2025年度通期)」(2026年4月30日公表)。外需の比率は同統計から編集部で計算。
この統計を読むときは、2つの点に注意が必要です。1つは年度と暦年の違いで、2025年の暦年(1〜12月)で集計すると総合計は3兆4,124億円、前年比1.3%の減少になります。
同じ「2025年」でも、年度では増加、暦年では減少と向きが逆になるため、どちらの数字かを確かめてから使う必要があります。
もう1つは補給部品の扱いです。補給部品を除いた本体合計は3兆778億円で、後で見る需要予測はこの本体ベースで作られています。総合計と本体合計をそのまま比べると、約4,400億円のずれが出ます。
外需を地域別に見ると、全9地域のうちオセアニア、欧州、アフリカ、北米、中南米の5地域が増加しました。なかでも欧州は前年度比47.2%増と大きく伸びています。
工作機械や産業機械の受注統計については、産業機械・工作機械業界の市場規模の記事で整理しています。
機種別では油圧ショベルが約4割
本体合計3兆778億円を機種別に見ると、油圧ショベルが1兆2,394億円で約4割を占めます。これにミニショベルの4,616億円、トラクタ(建機工の統計上の区分)の4,194億円、建設用クレーンの3,630億円が続きます。
油圧ショベルとミニショベルの2機種で、本体出荷の半分を超えます。
※出典:日本建設機械工業会「建設機械出荷金額統計(2025年度通期)」。補給部品を除く本体の金額(億円未満は四捨五入)。増減率は前年度比。本文の構成比は同統計から編集部で計算。
油圧ショベルは輸出が9,635億円(23.2%増)と大きく伸び、国内は2,759億円(2.2%増)でした。金額の大きい油圧ショベルの増減が、業界全体の数字を左右する構造です。
油圧機器や製缶(鋼板を溶接して構造物をつくる加工)、鋳鍛造といった部品を納める側にとっても、ショベルの生産量は自社の受注に直結しやすい指標です。
取引先がどの機種を主力にしているかを押さえたうえで、機種別の数字を見ると動きが読みやすくなります。
2026年度は横ばい予測、国内は3年連続の減少見通し
先行きについては、建機工が正会員60社へのアンケートをもとに需要予測を公表しています。2026年8月5日に公表された予測では、2026年度の出荷金額は合計3兆733億円で、前年度比横ばいとされました(補給部品を除く本体ベース)。
国内は8,917億円で前年度比3%減となり、3年連続の減少が見込まれています。輸出は2兆1,816億円で1%増と、小幅な増加の予測です。
国内は減少から横ばい、輸出は小幅な増加が続くという予測です。
※出典:日本建設機械工業会「建設機械出荷金額統計(2025年度通期)」「建設機械需要予測(2026年8月)」。いずれも補給部品を含まない金額。予測は2026年7月時点の会員アンケートによる。
国内が減る理由として、建機工は金利上昇への懸念などを背景とした設備投資意欲の低下を挙げ、主力の油圧ショベルや建設用クレーンが減少すると見ています。輸出については、北米と欧州が堅調に推移するという想定です。
2026年2月時点の前回予測と比べると、国内は401億円、輸出は987億円の上方修正でした。2027年度は合計3兆993億円で1%増と、回復しても小幅にとどまるという見立てになっています。
足元の月次統計も確認しておきます。2026年9月30日に公表された8月度の出荷金額は、総合計2,618億円で前年同月比5.1%増となり、10か月連続の増加でした。
内需は760億円(3.9%増)、外需は1,859億円(5.6%増)で、外需のうち北米向けは10か月連続で増えています。
2026年度の4〜8月累計を本体合計で見ると、1兆2,570億円で前年同期比5.6%増です。
需要予測は上期(4〜9月)の合計を前年同期比1%減と見込んでいたため、8月までの実績は予測より強めに推移していることになります。ただし下期を含めた通年の着地は、今後の月次統計で確かめる必要があります。
内需と外需に分け、前年同月比と累計の両方で追うという読み方は、工作機械受注の推移と読み方で紹介している方法と共通です。
主要メーカー8社の業績を並べて見る
次に、建設機械を手がける主なメーカーの直近の通期決算を並べます。決算期は3月・12月・2月が混在し、会計基準や利益の指標も会社によって異なります。順位を決めるための表ではなく、各社の規模感と増減の向きをつかむための表として見てください。
多くの会社で、売上は横ばいから増加、利益は減少という形になっています。
※出典:各社の決算短信。決算期・会計基準(米国基準、IFRS、日本基準)・利益指標が異なるため、単純な比較はできません。住友重機械工業の同部門は油圧ショベル(住友建機)のほか建設用クレーン、運搬機械などを含みます。クボタの建設機械の売上高は、同社決算短信の製品別売上高によります(利益は機械部門の合計)。億円未満は切り捨て。
総合大手:コマツと日立建機
コマツの2026年3月期は、連結売上高が4兆1,328億円、営業利益が5,673億円(13.7%減)でした。建設機械・車両部門は販売量が減ったものの、販売価格の改善で売上高は前期を上回りました。
一方でコスト増と販売量の減少により、セグメント利益は18.0%減となっています。
地域別では差が大きく出ました。欧州は10.8%増、北米は2.0%増だったのに対し、アジアはインドネシアで鉱山機械の需要が低迷し32.9%減です。
日本は、人件費や資材価格の高騰、労働力不足を背景に一般ユーザー向けとレンタル向けの需要が低迷し、4.6%減でした。
日立建機の2026年3月期は、売上収益が1兆4,054億円(2.5%増)、調整後営業利益が1,329億円(8.3%減)でした。欧州や米州の独自展開事業が堅調だった一方、米州のOEM事業やオセアニアの販売が減っています。
同社は決算短信のなかで、2027年4月1日付で商号を「ランドクロス株式会社」に変更する予定であることを示しています。
コーポレートブランドも「LANDCROS」に変わる予定で、取引先や就職先として見ている方は社名の切り替わりを押さえておくとよいでしょう。
ショベルとクレーンの4社
コベルコ建機は、神戸製鋼所の建設機械セグメントとして業績が開示されています。2026年3月期の売上高は3,895億円で前年度並み、経常利益は123億円でした。
油圧ショベルは欧州、中国、東南アジアなどで需要が回復しましたが、クローラクレーンは国内の需要減で販売台数が前年度を下回りました。
住友建機を傘下に持つ住友重機械工業は、ロジスティックス&コンストラクション部門で建設機械を扱っています。
同部門の2025年12月期は、売上高が3,889億円、営業利益が140億円(45%減)でした。油圧ショベルは国内や北米で前期の受注が少なかったことから売上が減っています。
一方で受注高は3,991億円で17%増でした。油圧ショベルでは、国内での価格改定に伴う駆け込み受注があったと説明されています。
クレーンを主力とするタダノは、2025年12月期の売上高が3,494億円(19.9%増)でした。買収した事業が加わったことが増収の一因で、営業利益は185億円(22.0%減)です。
建設用クレーンの売上高2,071億円のうち、海外向けが1,591億円を占めます。
加藤製作所の2026年3月期は、売上高563億円(6.4%増)、営業損失23億円でした。国内向けの建設用クレーンは増収でしたが、海外向けは伸び悩んでいます。
小型建機:クボタと竹内製作所
ミニショベルなどの小型建機では、クボタと竹内製作所が海外で大きな事業を持っています。クボタの決算短信では、利益は農業機械やエンジンを含む機械部門でまとめて開示されています。
機械部門の売上高は2兆6,286億円で、製品別の内訳を見ると、このうち建設機械は6,253億円(3.4%減)でした。
クボタの説明によると、北米の建設機械は市場が堅調だったものの、前期に在庫を積み増す需要があった反動で販売は減少しました。欧州では市場の回復により販売が増えています。
竹内製作所の2026年2月期は、売上高が過去最高の2,252億円(5.7%増)、営業利益が376億円(1.5%増)でした。北米ではクローラーローダーが好調で、欧州では低迷していた製品需要が底を打ったと説明されています。
8社を通して見ると、国内の需要が弱いなかで、海外の販売と価格改定で売上を保ち、コスト増で利益が削られるという構図が、多くの会社に共通して見られます。建設機械以外を含めた機械メーカー全体の顔ぶれは、次の記事でまとめています。

米国関税は決算にどう表れたか
海外売上の比率が高い業界だけに、米国の関税は利益に直接響きます。ここでは、各社の決算短信に書かれている範囲で影響を確認します。
金額まで明記しているのが竹内製作所です。2026年2月期は関税コストが51億3,800万円増え、そのうち19億7,100万円を価格に転嫁しました。差し引き31億6,700万円の減益要因になったと説明しています。
関税コストの増加分のうち、価格に転嫁できたのは4割前後です。
※出典:竹内製作所「2026年2月期 決算短信」(2026年4月10日)。転嫁の割合は編集部で計算。2027年2月期の予想には、2026年4月6日に施行された鉄鋼派生製品への25%関税の影響が織り込まれています。
2027年2月期の会社予想(2026年4月10日公表)では、関税コストの増加が187億円、価格転嫁が75億円で、112億円の減益要因を見込んでいます。
鉄鋼派生製品として同社の製品に課される25%の関税が、2026年4月6日に施行されたことを織り込んだ数字です。2026年7月10日公表の第1四半期決算短信でも、この通期予想は変更されていません。
ほかの会社も、決算短信で関税に触れています。
- コマツ:2027年3月期の建設機械・車両部門について、米国の関税政策の影響を含む原価の上昇などにより減益となる見通し
- 日立建機:米国関税を含むコスト増が利益を下押し。2027年3月期も米国関税によるコスト増を見込む
- クボタ:営業利益の減少は、主に米国関税の影響に伴うコスト増加などによる。インセンティブの削減や価格改定、固定費の削減で吸収を進めている
- タダノ:米国関税政策の影響や人件費を中心にコスト増加が続くため、製品価格の見直しなどで利益確保を図る
- 加藤製作所:海外向けの油圧ショベルなどは、関税影響による米国向け販売の伸び悩みがあった
短信の本文に影響額を書いていない会社も多く、金額は決算説明資料で確認する必要があります。
また、影響の大きさは現地生産の比率や価格改定の時期によって変わるため、1社の数字を業界全体に当てはめることはできません。関税措置そのものの経緯は、次の記事で整理しています。

国内生産拠点の再編と投資が続いている

国内の需要は減少が見込まれていますが、国内の工場や試験場への投資は続いています。各社の公式発表から、直近の動きを見ていきます。
コベルコ建機は加東市に生産・試験評価の新拠点
コベルコ建機は2026年9月28日、兵庫県加東市の山国地区産業団地に、建設機械の生産と試験評価を担う新拠点を整備すると発表しました。取得する用地は約34万㎡で、このうち約10万㎡を事業用地として、試験場と生産施設を設ける計画です。
造成から操業開始まで、およそ3年をかける計画です。
※出典:コベルコ建機 プレスリリース(2026年9月28日)。投資額は発表に記載されていません。
同社はこの事業を、事業拠点の再編と機能集約を目的とした事業基盤強化の一環と位置づけています。現在は分散している建設機械の生産機能と試験評価機能を集約していく方針です。
将来については、自動化技術、遠隔操作技術、環境対応技術などの検証・評価フィールドとして活用することも視野に入れるとしています。つまり、工場の増設というより、開発・試験と生産を近づける拠点づくりという性格が読み取れます。
なお、投資額や、既存のどの拠点からどの機能を移すのかは、この発表には書かれていません。操業開始も2029年度の予定であり、詳細は今後の発表を待つことになります。
住友建機、タダノ、クボタの国内投資
住友建機は2024年2月、住友重機械工業の横須賀製造所(神奈川県横須賀市)内に横須賀工場を建設すると発表しました。
投資額は約65億円で、35トン以上の大型ショベルと、運転席が持ち上がるタイプの応用機を生産します。既存の千葉工場は中小型ショベルに特化させる計画です。
稼働は発表時点で2025年8月の予定とされていましたが、横須賀市が2026年6月に公表した資料では、同月から段階的に操業を進める予定とされています。
タダノは2026年7月、子会社のタダノユーティリティが長野県千曲市に新設した八幡工場の稼働開始を発表しました。総投資額は約35億円で、作業床の高さが18m以上の大型の自走式高所作業車を組み立てます。
既存の2工場と合わせた生産能力は、従来の1.5倍になりました。
クボタは2022年7月、ミニバックホー(ミニショベル)の主力工場である枚方製造所(大阪府枚方市)の増強を発表しています。年間生産能力を4.8万台から7.8万台に引き上げる計画です。
投資額は約170億円で、新しい建屋に塗装と組立の一部を移す内容でした。発表時点の計画では、組立ラインが2024年10月、塗装ラインが2025年10月の稼働予定とされていました。
能力の増強に加えて、機種の振り分けや機能の集約が目的に挙がっています。
※出典:各社のプレスリリース。金額・時期は発表時点のもので、コベルコ建機の投資額は公表されていません。
4社の発表を並べると、単に台数を増やすだけでなく、機種ごとに工場を分けて流れを良くする、試験と生産を同じ場所に置くといった狙いが目立ちます。
出荷の7割が外需でも、生産の中核や試験評価の機能は国内に置き続けるという考え方の表れだと、編集部では見ています。
部品を納めるサプライヤーにとっては、納入先の工場や物流の動線が変わる可能性がある点に注意が必要です。製造業全体の投資の勢いは、2026年度の設備投資計画の記事で4つの調査をもとに確認できます。
電動化:GX建設機械の認定は27型式

技術面での大きな流れの1つが電動化です。国土交通省は2023年10月、電動の建設機械を認定する「GX建設機械認定制度」を始めました。
建設施工で出るCO2を減らすことが目的で、当初の対象はバッテリー式・有線式の電動油圧ショベルとホイールローダでした。2024年3月には電動のホイールクレーンが加わっています。
国土交通省が公表している認定型式の一覧(2026年7月現在)を数えると、認定は27型式です。内訳は電動ショベルが24型式、電動ホイールクレーン、電動ホイールローダ、電動ローラが各1型式となっています。
27型式のうち、9型式をコマツが占めています。
※出典:国土交通省「GX建設機械認定型式一覧」(令和8年7月現在)をもとに編集部で集計。方式別ではバッテリー式12、有線式10、有線式・バッテリー式の両対応5。
方式別に見ると、バッテリー式が12型式、有線式が10型式、両方に対応するものが5型式です。有線式は電源ケーブルをつないだまま動かす方式で、稼働時間の制約が小さい代わりに動ける範囲が限られます。
解体や屋内作業のように、機械があまり移動しない現場から電動化が進みやすいと考えられます。
バッテリー式では、現場でどう充電するかが課題になります。
コマツは2026年5月、ベルエナジーの移動式給電車を使い、小型から中型までのバッテリー式電動油圧ショベル6機種に給電できることを実証したと発表しました。
機械本体だけでなく、給電の手段まで含めて現場に届ける取り組みが始まっています。
一方で、需要の読みにくさも表れています。竹内製作所は2025年2月期に、電池式ショベル関連部品の評価減を26億5,900万円計上しました。
同社は中期経営計画で電池式ミニショベルのラインナップ拡充を掲げ続けており、市場の立ち上がりを見ながら投資を続ける難しさがうかがえます。
建機工も2026年8月、カーボンニュートラルの実現に向けた要望を経済産業省と国土交通省に提出しました。2021年から数えて6回目です。CO2削減の考え方そのものは、脱炭素・カーボンニュートラルの基本で解説しています。
遠隔操作・自動施工とルール整備

もう1つの流れが、遠隔操作と自動施工です。
国土交通省は2024年4月に「i-Construction 2.0」を策定しました。2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割、生産性を1.5倍にする目標を掲げています。
柱は、施工、データ連携、施工管理の3つのオートメーション化です。
背景にあるのは担い手不足です。タダノは決算短信で、日本向けの建設用クレーンについて「慢性的なオペレーター不足」に触れています。
コマツも、国内需要が低迷する理由の1つに労働力不足を挙げました。製造業の工場でも同じように人手不足と採用難が続いており、機械を売る側にとって省人化は共通の課題です。
メーカーの取り組みも具体化しています。コベルコ建機は2026年5月18日、重機の遠隔操作システム「K-DIVE」について、レンタルを希望する顧客への先行提供を始めました。
2026年度の正式な提供開始に向けて、運用の知見を蓄積するとしています。
コマツは2026年3月期の決算短信で、日米欧豪でのICT建機(位置情報などを使って施工を支援する建機)の販売割合が28.7%になったと公表しています。
鉱山向けの無人ダンプトラック運行システムは、2026年3月末時点で累計1,016台が導入されました。
2026年6月には、ソフトウェアの更新で機能を追加できる13トンクラスの油圧ショベルも発売しています。
ただし、普及には制度面の整理が欠かせません。建機工は2026年7月に公表した要望書で、無人施工では機械単体での安全確保に限界があるとし、施工計画やエリア管理、運用のルールを一体で定めるよう求めました。
要望には、国土交通省の安全ルールと労働安全衛生法令の整合や、事故時の責任範囲の明確化が含まれています。無人運転に対応した免許・技能講習の再設計、導入時の補助金や税制による支援も求めました。
2027年1月から全面適用される欧州機械規則との整合にも触れており、輸出が多い業界らしい視点です。
建設機械業界の動向を追うときに見る数字
ここまでの内容は、公表資料を定期的に見ることで自分でも更新できます。押さえておきたい資料は次のとおりです。
- 毎月末:建機工の出荷金額統計(内需・外需、機種別、地域別)
- 2月と8月:建機工の需要予測(当年度と翌年度、本体ベース)
- 四半期ごと:各社の決算短信(地域別の売上、関税の影響、受注高)
- 随時:国土交通省のGX建設機械認定型式一覧、各社の拠点に関するプレスリリース
部品や素材を納める立場なら、取引先の主力機種に対応する機種別の数字と、取引先が強い地域の外需を見るのが近道です。全体の出荷金額が横ばいでも、機種と地域によって増減の向きが大きく違うことは、2025年度の統計が示しています。
就職や転職を考える場合は、海外売上の比率と、国内拠点の再編計画を確認しておくと、勤務地や仕事内容の変化を想像しやすくなります。機械メーカーの職種や仕事の流れは、産業機械・工作機械業界の全体像の記事が参考になります。
まとめ
- 2025年度の建設機械の出荷金額は総合計3兆5,217億円で、約7割が外需。機種別では油圧ショベルが本体の約4割を占める
- 建機工の需要予測(2026年8月)では、2026年度は合計で横ばい、国内は3年連続の減少、輸出は小幅な増加が見込まれている
- 主要メーカーの直近決算は、売上が横ばいから増加、利益は減少という会社が多い。決算期と利益指標の違いに注意が必要
- 米国関税について、竹内製作所は2027年2月期に112億円の減益要因を見込む。他社も決算短信でコスト増に触れている
- コベルコ建機の加東市の新拠点(2029年度操業予定)など国内投資が続き、電動化はGX認定27型式、遠隔操作は制度整備が論点になっている
建設機械業界は、国内の工事量だけでなく、海外の需要、為替、関税、そして電動化や自動化のルールづくりに左右される業界です。関連する記事は産業機械・工作機械の業種ページにまとめています。
技術テーマとしては脱炭素・カーボンニュートラルや人手不足・省人化が、この業界の今後と深く関わります。
出典
出典・参考資料(24件)を開く出典・参考資料を閉じる
- 出荷金額(2025年度通期):日本建設機械工業会「建設機械出荷金額統計(2025年度通期、2026年3月度)」(2026年4月30日)
- 出荷金額(2026年8月度):日本建設機械工業会「建設機械出荷金額統計(2026年8月度)」(2026年9月30日)
- 需要予測:日本建設機械工業会「建設機械需要予測(2026年8月)」(2026年8月5日)
- 自動・遠隔施工の要望:日本建設機械工業会「自動・遠隔施工の実用化に向けた建設機械業界の要望」の公表(2026年7月15日)
- カーボンニュートラルの要望:日本建設機械工業会「カーボンニュートラル実現に向けた要望(26年版)の公表」(2026年8月5日)
- コマツの業績:コマツ「2026年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)」(2026年4月28日)
- 日立建機の業績・商号変更:日立建機「2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年4月24日)
- クボタの業績:クボタ「2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年2月12日)
- コベルコ建機の業績:神戸製鋼所「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年5月11日)
- 住友重機械工業の業績:住友重機械工業「2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年2月10日)
- タダノの業績:タダノ「2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年2月10日)
- 竹内製作所の業績・関税影響:竹内製作所「2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年4月10日)、同社 IRライブラリ(決算短信等)
- 加藤製作所の業績:加藤製作所「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年5月14日)
- コベルコ建機の新拠点:コベルコ建機「加東市山国地区に建設機械の新たな生産・試験評価拠点の整備を決定」(2026年9月28日)
- 住友建機の横須賀工場:住友建機「『横須賀工場』建設についてのお知らせ」(2024年2月14日)
- 住友建機 横須賀工場の操業時期:横須賀市「夏島町への新たな工場の立地について」(2026年6月)
- タダノの八幡工場:タダノ「株式会社タダノユーティリティ八幡工場 稼働開始のお知らせ」(2026年7月23日)
- クボタの枚方製造所:クボタ「小型建設機械の生産能力を増強」(2022年7月15日)
- GX建設機械認定制度:国土交通省「GX建設機械認定制度を開始します」(2023年10月17日)、「GX建設機械認定制度における対象機種拡大を行いました」(2024年3月25日)
- GX建設機械の認定型式:国土交通省「建設施工・建設機械:地球温暖化対策」(認定型式一覧、令和8年7月現在)
- コマツの給電実証:コマツ ニュースリリース(2026年5月25日)
- コマツの13トンクラス油圧ショベル:コマツ ニュースリリース(2026年6月17日)
- i-Construction 2.0:国土交通省「『i-Construction 2.0』を策定しました」(2024年4月16日)
- K-DIVEのレンタル検証:コベルコ建機「重機の遠隔操作システム『K-DIVE』のレンタル検証を開始」(2026年5月18日)
NEWSLETTER
選んだ職種・業種に合わせた記事を、週1回メールで
週刊MONOSCOPEは、登録時に選んだ職種・業種に合わせた記事を週1回お届けする無料のメルマガです。
職種・業種を選んで登録へ ›無料・週1回。登録後に届く確認メールのリンクを押すと登録が完了します。配信はメール内のリンクからいつでも停止できます。
WEEKLY NEWS
今週の製造業ニュース10選
メルマガは職種・業種に合わせた記事。LINEとnoteでは、全員共通の10本を毎週土曜の朝にお届けします。
LINEでニュース10選を受け取るnote今週のニュース10選をnoteで読む ›

コメント