ラサ工業とは?半導体用リン酸でトップシェアを掲げる化学メーカーの強み

透明な薬液をボトルからビーカーへ注ぐ手元の接写

ラサ工業の連結売上高477億円(2026年3月期)のうち、約35%にあたる168億円を、半導体の製造に使う1つの薬液が稼いでいます。ウェーハ上の膜を溶かして取り除く高純度リン酸で、同社はこの分野で世界トップシェアだとしています。

会社全体で見ると、売上の8割強は高純度リン酸を含む化成品事業で、残りを破砕機や掘進機の機械事業と、化合物半導体の原料をつくる電子材料事業が分け合っています。リンの化学品を軸に、機械と電子材料も持つ3事業の会社です。

この記事では、事業構成と利益の柱、高純度リン酸が強い理由、リン鉱山から始まった沿革、電子材料と機械の中身、業績と中期経営計画、働く場としての特徴の順に整理します。数字は決算説明会資料と有価証券報告書など、同社の公開資料に限っています。

この記事の内容は、動画でも解説しています。

目次

ラサ工業はどんな会社か

ラサ工業は、リン酸やリン酸塩などのリン系化学品を中心に、水処理用の凝集剤、化合物半導体向けの高純度素材、破砕機などの機械をつくるメーカーです。東京証券取引所プライム市場に上場しており(証券コード4022)、本社は東京都千代田区外神田にあります。

創業は1913年で、社名は沖縄県の無人島「ラサ島(沖大東島)」に由来します。この島で肥料の原料になるリン鉱石を掘る会社として始まり、100年以上かけて鉱山会社から化学・機械・電子材料の会社へ姿を変えてきました。

図1:ラサ工業の基本データ

1913年創業、連結631名で、売上の大半をリン系の化学品が占める会社です。

1913年創業ラサ島のリン鉱石の採掘から始まった
売上高477億円営業利益60億円(2026年3月期・連結)
従業員631名連結。単体は453名(2026年3月末)
3つの事業化成品・機械・電子材料(ほかに触媒再生など)

※出典:ラサ工業 2026年3月期 決算説明会資料、有価証券報告書。

売上規模は化学メーカーの中では中堅ですが、半導体の前工程で欠かせない薬液を世界中の半導体工場へ届けている点で、世界シェアを握る日本のニッチトップ企業に近い存在です(トップシェアは同社の説明)。

事業構成と利益の柱

2026年3月期の売上高は、化成品事業が400億円(83.7%)、機械事業が42億円(8.8%)、電子材料事業が24億円(5.0%)、その他の事業が12億円(2.5%)です。利益で見ても化成品が55億円と、4事業のセグメント利益の合計74億円のうち約4分の3を稼いでいます。

一方、電子材料は売上の5%ながら利益は7億円で、機械の4億円を上回りました。売上の比率だけで見ると小さな事業が、利益では存在感を持っている点が読み取れます。

図2:セグメント別の売上高と利益(2026年3月期)

売上も利益も化成品が大半ですが、電子材料は売上の割に利益が大きい事業です。

売上高

化成品400億円
機械42億円
電子材料24億円
その他12億円

セグメント利益

化成品55億円
機械4億円
電子材料7億円
その他7億円

※セグメント利益の合計74億円から全社費用などの調整額(△13.7億円)を差し引いたものが連結営業利益60億円です。出典:ラサ工業 2026年3月期 決算説明会資料。

化成品事業:高純度リン酸と凝集剤

化成品事業は、リン酸・無水リン酸・リン酸塩などのリン系製品、水処理用の凝集剤、コンデンサー向け原料、消臭剤を扱います。2026年3月期の製品別売上は、リン系製品が155億円、凝集剤が52億円、その他製品が52億円、台湾子会社などの連結子会社他が141億円でした。

凝集剤は、水の中の濁りを固めて沈める薬剤で、浄水場で使われる凝集剤と同じ役割を持ちます。2026年3月期は電子部品のエッチング用途向けが減った一方、上水道向けが堅調で、半導体とは別の安定した需要先になっています。

電子材料事業:化合物半導体の原料

電子材料事業は、ガリウム・インジウム・赤リン・酸化ホウ素といった化合物半導体向けの高純度無機素材が中心です。ほかに、原子力発電所の重大事故時に放射性ヨウ素の放出を抑える吸着剤や、半導体・液晶向けのレジスト剥離剤、塗布剤も手がけています。

機械事業:破砕機と掘進機

機械事業は、ガラス瓶や缶を砕く破砕機、選別機、粉体機器などの建設機械と、上下水道管を地中に通すための掘進機(土木機械)が二本柱です。2026年3月期の売上は建設機械が32億円、土木機械が10億円でした。その他の事業には、石油精製用触媒の再生と不動産の賃貸が入ります。

売上の半分は半導体関連向け

事業の区分とは別に、同社は半導体・電子部品関連向けの売上を集計して公表しています。2026年3月期は244億円で、連結売上の51.1%が半導体関連向けでした。2020年3月期の39.5%から比率が上がり、半導体の市況が会社全体の業績を左右しやすい構造になっています。

図3:半導体関連向け売上高の比率の推移

6年で比率は約12ポイント上がり、2026年3月期に初めて5割を超えました。

2020年3月期39.5%
2021年3月期45.3%
2022年3月期45.0%
2023年3月期49.1%
2024年3月期45.8%
2025年3月期49.8%
2026年3月期51.1%

※半導体関連向けは、半導体向け高純度リン酸(日本・台湾)、コンデンサー向け原料、電子部品のエッチング用途向け凝集剤、電子材料の高純度無機素材などの合計(同社集計)。金額は117億円(2020年3月期)から244億円(2026年3月期)。出典:ラサ工業 2026年3月期 決算説明会資料。

強み1:半導体用高純度リン酸(同社はトップシェアと説明)と4か国の供給体制

高純度リン酸は、半導体の前工程で、ウェーハ上の窒化シリコン膜を溶かして取り除くウェットエッチングに使う薬液です。決算説明会資料では、半導体向け高純度リン酸(エッチング液)で大阪工場と台湾子会社の合計がグローバルトップシェアと説明しています。

使われる工程や工業用リン酸との規格の違いは、半導体用高純度リン酸の解説と台湾新工場の記事で詳しく扱っています。ここでは会社の数字の面から、この製品の重みを見ます。

2年で売上が2割増えた主力製品

高純度リン酸の売上高は、2024年3月期の139億円から、2025年3月期に159億円、2026年3月期に168億円へ伸びました。2026年3月期は国内向けが低調だったものの、海外向けの堅調な販売が国内の減収分を補ったと同社は説明しています。

伸びを支えるのが台湾子会社の理盛精密科技で、売上高は2022年3月期の53億円から2026年3月期には125億円まで増えました。2026年4月には約30億円を投じた増産設備が動き出し、台湾の生産能力は4割増えています。

顧客の近くでつくる体制

高純度リン酸は、日本の大阪工場、台湾の連結子会社、韓国の合弁会社(持分法適用)の3拠点でつくられています。韓国合弁会社は米国に新工場を建てており、2027年前半の完工後は米国を加えた4か国の生産体制になる予定です。

図4:高純度リン酸の生産拠点(2026年時点)

半導体工場の集まる地域ごとに工場を置き、その地域の顧客へ届けています。

日本・大阪工場韓国・合弁会社台湾・子会社米国・新工場稼働中稼働中4割増強2027年前半完工

※実線は稼働中、点線は建設中。韓国合弁会社と米国新工場は持分法適用会社の拠点です。台湾では2028年度の竣工予定で第二工場の建設も発表しています。出典:ラサ工業 2026年3月期 決算説明会資料、2026年9月30日の適時開示。

同社は、品質面に加えて日本・台湾・韓国で現地生産・現地販売していることを強みに挙げています。液体の薬液は重く、顧客の増産や仕様変更に素早く応える必要があるため、半導体工場の集まる地域に供給拠点を持つ意味は大きくなっています。

強み2:リン鉱山から始まり、事業を入れ替えてきた沿革

赤褐色の粉末と鉱石の小片、白い結晶を並べた検査トレイ

ラサ工業の始まりは、1911年に恒藤規隆らがラサ島のリン鉱石を掘るために設立した会社です。リン鉱石は肥料の原料で、1913年に株式会社となり、1920年に大阪晒粉を合併して大阪工場で過リン酸石灰(肥料)の製造を始めました。

戦後は1954年に大阪工場で黄リンとリン酸の製造を始め、肥料からリンの工業薬品へ軸足を移します。1970〜80年代には鉱山・製錬・肥料の各事業から相次いで撤退し、その一方で高純度赤リン、高純度ガリウム、シリコンウェハー再生へと電子材料の分野に入っていきました。

図5:ラサ工業の沿革(主な出来事)

鉱山から始まり、撤退と参入を繰り返して今の3事業になりました。

鉱山と肥料の時代
1911〜1913ラサ島のリン鉱採掘で創業1913年にラサ島燐砿株式会社を設立
1920大阪工場で化学品へ大阪晒粉を合併し、過リン酸石灰を製造
1934〜1941社名をラサ工業に1941年に羽犬塚工場(福岡県)で機械製造を開始
リン化学と事業の入れ替え
1954黄リン・リン酸の製造大阪工場で開始。1958年には凝集剤も
1971〜1983鉱山・製錬・肥料から撤退1980年に掘進機の製造を始める
1972〜1985電子材料へ参入高純度赤リン、高純度ガリウム、電子材料事業部を設置
半導体材料の海外展開
2003台湾に子会社を設立理盛精密科技で高純度リン酸を製造
2010ウエハ再生から撤退1984年に始めたシリコンウェハー再生を終える
2026台湾で増強と第二工場4月に増産設備が稼働、9月に第二工場を発表

※出典:ラサ工業 有価証券報告書の沿革、同社ウェブサイト「沿革」、2026年9月30日の適時開示。

今に残っているもの

ラサ島の鉱石は、1971年の鉱山事業からの撤退以降は使っていません。今の高純度リン酸は黄リンを経由する乾式法でつくっており、原料ではなく、リンを扱う化学の知見と高純度化の技術が100年の歴史から引き継がれたものだといえます。

鉱山・製錬・肥料・ウエハ再生から撤退する一方で、新しい分野へ入ってきたことも、この会社の特徴です。機械事業も1941年に羽犬塚工場で始まった機械製造が源流で、破砕・選別の設備や地中を掘る掘進機へと製品を変えながら続いています。

電子材料:高純度リン酸とは別の半導体関連事業

ピンセットで持った化合物半導体の小径ウエハの接写

電子材料事業がつくるのは、シリコンではなく化合物半導体の原料です。化合物半導体はインジウムとリンのように2種類以上の元素を組み合わせたもので、光を出したり受けたりする素子に使われます。高純度リン酸が「シリコンの半導体工場で使う薬液」なのに対し、こちらは「基板そのものの原料」です。

2026年3月期の売上高は24億円(前期比52.1%増)、セグメント利益は7億円(同185.2%増)でした。化合物半導体の市況が堅調で赤リンとインジウムが伸び、ガリウムはスポット販売も加わって大きく増えています。

データセンターの光通信で使われるInP

同社が成長分野に挙げるのが、インジウムリン(InP)です。データセンターの光通信で、電気の信号と光の信号を変換する光トランシーバーの受発光素子に使われており、同社はInP基板の原料であるインジウム・赤リン・酸化ホウ素の3つを製造しています。

図6:InP(インジウムリン)のサプライチェーンとラサ工業の位置

ラサ工業は上流の原料を供給し、基板づくりで出た結晶屑を回収して再精製します。

高純度原料InP基板光トランシーバーデータセンターIn・赤リン・B₂O₃結晶屑を回収・再精製

※In=インジウム、B₂O₃=酸化ホウ素(基板をつくる際の封止材料)。ガリウムとインジウムはスクラップから再精製し、4N(99.99%)から7N(99.99999%)の高純度品として再利用しています。出典:ラサ工業 2026年3月期 決算説明会資料、同社ウェブサイト「電子材料」。

基板をつくる工程で出た結晶の削りくずを引き取り、インジウムを高純度に戻して再び原料にする点も特徴です。原料の供給とリサイクルの両方を担えるため、インジウムのような希少金属を使う顧客にとっては調達を安定させる手段にもなります。

原子力向けの放射性ヨウ素吸着剤

電子材料事業には、放射性ヨウ素吸着剤「AgX」も含まれます。原子力発電所の重大事故時に、格納容器の圧力を下げるために排気するベントの際、放射性ヨウ素の放出量を大きく減らす製品です。

高温・高湿度でも吸着の性能を保つ点が特徴で、国内の原子力発電所に納入した実績があり、中期経営計画では海外市場の開拓も掲げています。

機械事業:破砕機・掘進機と新しい電池検出装置

摩耗した破砕機の歯(ジョープレート)の接写

機械事業の売上高は2026年3月期に42億円(前期比6.5%減)と、連結売上の約9%です。破砕機などの本体販売とプラント販売が低調だった一方、消耗部品の販売や精密機械加工は増え、下水道向け掘進機はレンタルが堅調で海外向けの本体販売も伸びました。

利益は前期の棚卸資産評価損がなくなったことなどで4億円(前期比240.3%増)に回復しましたが、中期経営計画の当初目標(6.5億円)には届いていません。規模は小さくても、リサイクルや上下水道といったインフラの需要に根を張った事業です。

図7:機械事業の主な製品と用途

ごみの再資源化、上下水道の工事、食品の粉砕まで、用途は幅広く分かれます。

破砕機・選別機ガラス瓶・ペットボトル・缶・間伐材を砕き、選別して再資源化する一貫システム。震災がれきの処理にも使われた
掘進機(土木機械)上下水道やケーブルの管を地中に通す。国内で約40年の実績、米国・中国・東南アジア・中東でも採用
粉体機器カレー粉・そば粉・小麦粉などを細かくする粉砕機と、ふるい分けのシフタ(ドイツから輸入)
電子ビーム溶接(受託加工)高融点材料や異種材料の接合に対応。宇宙産業への展開も施策に挙げる
リチウムイオン電池検出装置不燃ごみに混じった電池製品をX線とAIで見つける。開発・拡販中
鋳鋼品・消耗部品子会社ラサスティールが鋳鋼品を製造。破砕機の刃などの入れ替え需要も取り込む

※出典:ラサ工業 有価証券報告書(事業の内容)、同社ウェブサイト「機械」、2026年3月期 決算説明会資料。

ごみ処理施設の火災を防ぐ検出装置

新しい製品として力を入れるのが、不燃ごみに混じったリチウムイオン電池製品を見つける「リチウムアナライザーネオ」です。回収されたごみに混じった電池製品が破砕工程で壊れて発火し、ごみ処理施設の火災が多発していることが背景にあります。

コンベヤ上を流れるごみを低線量のX線で撮影し、AIが形や密度から電池製品を判定します。同社の試験では処理能力が毎時2,500kg、検知率96%、誤検知率3%で、破砕機を長く手がけてきた会社が、破砕の前工程の安全まで扱う製品です(数値はごみの組成で変わる参考値)。

業績の推移と中期経営計画・Rasa Vision 2033

2026年3月期の連結業績は、売上高477億円(前期比5.1%増)、営業利益60億円(同26.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益44億円(同39.2%増)でした。半導体関連向けが海外と化合物半導体向けを軸に好調で、営業利益は2期連続で過去最高を更新しています。

図8:連結売上高と営業利益の推移

2024年3月期に半導体市況の調整で落ち込み、その後は2期続けて伸びています。

売上高

2020年3月期298億円
2022年3月期354億円
2023年3月期496億円
2024年3月期428億円
2025年3月期454億円
2026年3月期477億円
2027年3月期予想540億円

営業利益

2020年3月期19億円
2022年3月期35億円
2023年3月期46億円
2024年3月期36億円
2025年3月期47億円
2026年3月期60億円
2027年3月期予想62億円

※2021年3月期(売上高290億円・営業利益27億円)は省略。2027年3月期は2026年5月時点の会社予想。出典:ラサ工業 2026年3月期 決算説明会資料。

2023年3月期から2024年3月期にかけては、売上高が496億円から428億円へ、営業利益が46億円から36億円へ減りました。半導体関連の比率が高まった分、市況の調整局面では業績が振れやすいことを示す数字です。

中期経営計画2026は利益目標を前倒しで達成

同社は2033年度に向けた10年の長期ビジョン「Rasa Vision 2033」を掲げ、その最初の3年(2024〜2026年度)を「種まき」の期間とする中期経営計画2026を進めています。2026年3月期の時点で、営業利益・ROE・ROICは最終年度の目標を上回りました。

指標中計2026目標(2027年3月期)2026年3月期 実績2027年3月期 会社予想Rasa Vision 2033 目標
連結売上高520億円477億円540億円800億円
連結営業利益48億円60億円62億円80億円
ROE10%14.6%13.0%10%以上
ROIC9%12.2%11.5%10%以上
配当性向30%以上32.2%32.7%-
出典:ラサ工業 2026年3月期 決算説明会資料(2026年6月3日)。会社予想は2026年5月時点。

2027年3月期は売上高540億円(前期比13.1%増)、営業利益62億円を見込みます。2026年4〜6月期の売上高は137億円(前年同期比30.9%増)、営業利益は18億円(同37.0%増)と、通期予想を据え置いたまま好調な出足でした。

施策としては、高純度リン酸の日本・東アジア・北米での販路拡大、使用済み高純度リン酸のリサイクルの実用化、InPの需要増への対応、下水道向け掘進機の東南アジア開拓などを挙げています。2025年には各事業部に分かれていた開発担当をまとめ、全社横断の開発センターを新設しました。

働く場・取引先として見たラサ工業

就職・転職先として

有価証券報告書によると、2026年3月末の従業員は連結631名で、内訳は化成品324名、機械150名、電子材料79名、その他18名、全社(管理部門など)60名です。単体の453名の平均年齢は44.8歳、平均勤続年数は19.8年で、平均年間給与は671万円(賞与などを含む)でした。

勤続年数が長く、少人数で化学品・機械・電子材料の現場を回している会社です。仕事としては、高純度品の製造と品質管理、半導体メーカーの工程に合わせて提案する技術営業、台湾や米国の拠点を支える海外対応などの比重が増していきそうです。

長期ビジョンでは、採用に占める女性の割合25%以上、有給休暇の取得率70%以上、休業1日以上の労働災害ゼロといった目標を掲げています。

環境面では、CO2排出量(自社の燃料・電力分)を2033年までに30%減らす目標もあり、気候変動の質問書を評価するCDPでは2025年に「B」の評価を受けました。

取引先として

取引先として見ると、ラサ工業は半導体メーカーにとっては前工程の薬液と化合物半導体の原料の供給元、自治体や水道事業者にとっては凝集剤の供給元、ごみ処理施設にとっては破砕・選別設備のメーカーです。1社で業界の異なる3つの顧客層を持ち、半導体の市況だけに業績を預けきらない構成です。

購買や営業の立場で付き合う場合は、決算説明会資料に載っている製品別の売上と重点施策を見ておくと、相手がどの分野に投資を振り向けているかを読み取りやすくなります。

化学・半導体材料のメーカーへの転職も考えたい方へ、求人の探し方と相談先を転職・キャリアガイドにまとめています。

ラサ工業のよくある質問

ラサ工業の社名の由来は何ですか?

沖縄県の大東諸島にある無人島「ラサ島(沖大東島)」に由来します。1911年にこの島のリン鉱石を掘る会社として設立され、1934年にラサ工業へ改称しました。

ラサ工業の本社と主な工場はどこですか?

本社は東京都千代田区外神田にあります。半導体向け高純度リン酸は大阪工場と台湾の子会社でつくっており、有価証券報告書の沿革には三本木工場(宮城県)や伊勢崎工場(群馬県)での設備の新設も記されています。

使い終わった高純度リン酸はリサイクルできますか?

ラサ工業は高純度リン酸のリサイクル技術の確立に取り組んでおり、この事業は経済安全保障推進法に基づく供給確保計画に採択されており、有価証券報告書によると、量産化に向けた実証試験の段階です。中期経営計画でも、リサイクルの実用化を新規事業の柱に挙げています。

ラサ工業の株式はどの市場に上場していますか?

東京証券取引所プライム市場に上場しており、証券コードは4022です。2026年4月1日付で1株を5株に分割しており、それ以前の1株当たりの数字と比べるときは分割の影響に注意が必要です。

まとめ

この記事のまとめ
  • ラサ工業は化成品・機械・電子材料の3事業を持ち、売上の83.7%を化成品が占める
  • 半導体向け高純度リン酸は連結売上の35%を稼ぐ主力製品で、同社はグローバルトップシェアとしている
  • 日本・台湾・韓国で現地生産し、2027年には米国を加えた4か国体制になる予定
  • 電子材料では光通信向けInPの原料3種を製造し、インジウムのリサイクルにも強みを持つ
  • 2026年3月期は営業利益60億円で2期連続の最高益、半導体関連向けが売上の51.1%を占める

ラサ工業は、リン鉱山の会社から事業を入れ替えながら、半導体材料の会社へ重心を移してきました。高純度リン酸が使われる工程は半導体の前工程の流れで、同じく半導体向け材料で伸びる化学メーカーは関東電化工業の企業研究で整理しています。

化学メーカー各社の規模や得意分野は化学業界の主要企業と勢力図から比べられます。関連する職種は研究開発や技術営業、業種は化学・樹脂・ゴムの業種ページもあわせてご覧ください。

出典

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プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

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