愛知で震度5強、製造業への影響は?知多の素材と豊田の自動車部品を読む

地震計の記録紙に描かれた揺れの波形

2026年11月8日(日)午前1時4分ごろ、静岡県西部を震源とするマグニチュード(M)5.7の地震が起き、愛知県知多市で震度5強を観測しました。震源の深さは約40kmで、津波の心配はありません。

愛知県内では少なくとも16人以上がけがをしたと報じられています(名古屋テレビは11時37分配信で25人、数は報道により異なります)。

製造業への影響について、11月8日朝6時の時点で、工場の大きな被害や操業停止の発表は確認できていません。確認を急ぐのは知多・東海の臨海部の素材・エネルギーと刈谷・豊田・みよしの自動車で、月曜の稼働は各社の点検と部品・物流の状況で決まります(情報は11月8日午前6時時点)。

追記(11月8日18時時点)

  • けが人:愛知県災害対策本部のまとめでは、8日午前8時半の時点で県内16人が転倒などで重軽傷を負いました(読売新聞、東海テレビ)。その後の報道では少なくとも25人、うち重傷2人です(名古屋テレビ、11時37分配信)。
  • 鉄道:JR東海の在来線と名鉄は始発から一部区間で運転を見合わせましたが、午前10時までに全線で運転を再開しました(読売新聞、東海テレビ)。
  • 高速道路:知多半島道路・南知多道路・知多横断道路・中部空港連絡道路・名古屋瀬戸道路の5路線は、愛知県警の確認で異常がなく、通行止めは解除されました(NHK、読売新聞)。
  • 工場:11月8日18時の時点で、報道を確認した範囲では、工場の被害や11月9日の稼働についての各社の発表は見つかっていません。

この記事の内容は、動画でも解説しています。

目次
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11月8日未明の地震で何が起きたか

気象庁によると、最大の震度5強は知多市だけで、震度5弱は愛知県の瀬戸市・半田市・刈谷市・豊田市・東海市・みよし市・東郷町・新城市などでした。静岡県では浜松市浜名区、岐阜県では恵那市、長野県では売木村が5弱です。

名古屋市や岡崎市、安城市、碧南市、田原市、豊橋市などは震度4で、揺れは愛知県のほぼ全域に及びました。名古屋テレビによると、愛知県で震度5強を観測したのは1997年3月以来で、約30年ぶりの強い揺れです。

図1:11月8日6時時点で分かること・未確認のこと

発表が見つからないことと、被害がないことは別の意味です。

分かっていること揺れと交通の影響知多市で震度5強、刈谷・豊田・東海・みよしなどで5弱。鉄道の見合わせ、知多半島の道路の通行止め、けが人は少なくとも10人以上(名古屋テレビは4時30分時点で14人)
まだ確認できないこと工場の被害と操業各社の工場の被害・停止・月曜の稼働についての発表は6時時点で見当たらない。日曜未明のため、点検と集計はこれから
月曜を左右すること点検・部品・物流自社設備の点検結果、仕入れ先からの部品の到着、道路と鉄道の回復、余震の有無

※出典:気象庁の地震情報、名古屋テレビ・CBCテレビ・NHKの報道(記事末尾)。各社の発表は随時更新されます。

交通では、JR東海の在来線が始発から一部区間で運転を見合わせ、名古屋市営地下鉄の東山線・桜通線なども始発から止まりました(5時35分時点)。

CBCテレビによると、東海道新幹線は静岡〜岐阜羽島間で速度を落として運転し、東海道線の豊橋〜名古屋間と武豊線の大府〜武豊間は、午前9時ごろの再開を見込んでいました(5時44分時点)。その後、JR東海の在来線と名鉄は午前10時までに全線で運転を再開しました(読売新聞、東海テレビ)。

道路は知多半島道路をはじめ、知多横断道路・南知多道路・衣浦トンネル・衣浦豊田道路などが通行止めになりました。知多半島から衣浦湾、豊田方面へ抜ける道路が同時に止まりました。

このうち知多半島道路など高速5路線は、県警の確認で異常がなく通行止めが解除されています(NHK、読売新聞)。一般道や衣浦トンネルなどの状況は、トラックの経路として月曜までに確かめておきたいところです。

図2:交通・ライフラインに出た影響(11月8日朝)

確認できた事実だけを並べています。時刻は報道の時点です。

鉄道JR在来線の一部と名古屋市営地下鉄が始発から見合わせ(5時35分)
道路知多半島道路・衣浦トンネル・衣浦豊田道路などが通行止め
水道東浦町で約15軒が断水(5時44分)
浜岡原発中部電力によると1〜5号機で地震の影響は確認されず

※出典:名古屋テレビ、CBCテレビ(Yahoo!ニュース)、静岡朝日テレビ。運転再開の時刻は見込みです。

揺れの強かった地域と工場の重なり

震度5強・5弱の地域は、愛知の製造業の中でも素材・エネルギーと自動車の拠点が集まる場所と重なっています。各社の公式資料で所在地を確かめられた拠点を、観測震度と並べると次のようになります。

地域(観測震度)主な拠点(所在地を確認できたもの)影響を左右する点
知多市(5強)出光興産 愛知製油所、JERA 知多火力発電所(最大出力85万kW)、東邦ガス 知多緑浜工場(LNG)高圧ガス・危険物の設備、燃料と電力・ガスの供給
東海市(5弱)日本製鉄 名古屋製鉄所、大同特殊鋼 知多工場高炉・電炉など止めると再立ち上げに時間がかかる設備、自動車向け鋼材
刈谷市(5弱)デンソー本社、アイシン本社自動車部品の開発・生産の中枢、多数の仕入れ先
豊田市・みよし市(5弱)トヨタ 元町工場(豊田市)、三好・明知・下山工場(みよし市)完成車と部品の工場、ジャストインタイムの部品の流れ
瀬戸市(5弱)陶磁器・セラミックスの産地窯や棚の転倒、焼成中の製品
浜松市浜名区(5弱)二輪・四輪・楽器などの輸送機器・機械の産地(浜松市)部品の供給先が愛知と重なる

表は「揺れた場所にある拠点」を示すもので、被害を受けたという意味ではありません。田原市(トヨタ田原工場がある)や碧南市、西尾市は震度4で、揺れは一段小さかった地域です。

図3:震度5強・5弱の地域と主な産業

西の臨海部は素材・エネルギー、中央は自動車、東は輸送機器と、帯のように産業が並びます。

知多・東海刈谷・豊田瀬戸浜松浜名区5強・5弱 素材5弱 自動車5弱 窯業5弱 輸送機器震度5強の知多市

※位置は模式図で、実際の地図の距離とは異なります。震度は気象庁の発表。

愛知県の製造品出荷額等は59兆3,144億円(2024年実績)で全国の15.5%を占め、そのうち輸送用機械が57%です。県内の工場が止まると、全国の自動車生産や部品の受注にまで響く理由がここにあり、詳しくは製造品出荷額の都道府県ランキングで各県と比べています。

図4:愛知の製造品出荷額に占める輸送用機械の割合

10台のうち6台分が、自動車を中心とする輸送用機械です。

愛知県の製造品出荷額等のうち輸送用機械は57%(10台中6台で表示)

※出典:総務省・経済産業省「2025年経済構造実態調査 製造業事業所調査(地域別統計表)」。2024年1〜12月の実績。

確認を急ぐべきなのはどこか

影響が大きくなりうるのは、知多・東海の臨海部の素材・エネルギーと、刈谷・豊田・みよしの自動車部品と完成車の2つです。揺れの強さと、止まったときにほかの工場へ広がる大きさの両方が大きいためで、被害が出たという意味ではなく、確認を急ぐ順番の目安です。

図5:揺れの強さ×止まったときの波及で見た確認の優先度

立地と産業の性質から見た目安で、被害の大きさの順位ではありません。

優先度 高:知多・東海の臨海部震度5強・5弱。製油所・LNG・火力・製鉄が並び、高温・高圧の設備は点検に時間がかかる。鋼材・燃料・電力は多くの工場の上流
優先度 高:刈谷・豊田・みよし震度5弱。部品と完成車の工場が近く、在庫を薄く持つため1社の遅れが組立ラインに届きやすい
優先度 中:瀬戸の窯業震度5弱。窯や棚の製品の破損は出やすいが、ほかの業種への広がりは自動車ほど大きくない
優先度 中:浜松・西三河の震度4地域浜名区は5弱、田原・碧南・西尾は4。直接の揺れは小さめでも、愛知の仕入れ先からの部品の到着で影響を受ける

※各社の被害・稼働は、それぞれの発表で確認してください。

知多・東海の臨海部:素材とエネルギー

知多市には出光興産の愛知製油所、JERAの知多火力発電所、東邦ガスの知多緑浜工場(LNG)があり、隣の東海市には日本製鉄の名古屋製鉄所と大同特殊鋼の知多工場があります。いずれも埋立地の臨海部に立ち、高温・高圧のガスや危険物を扱う大型の設備が中心です。

こうした設備は、揺れのあとに配管のフランジ(継ぎ目)や貯槽、基礎の沈下を確かめてからでないと運転を続けられません。製鉄所の高炉のように連続して動く設備は止めると戻すまでに時間がかかるため、止めずに点検する部分と、止めて確かめる部分の切り分けが各社の判断になります。

東海市の製鉄所でつくる鋼材は、自動車や機械など多くの業種の材料です。業界の流れは鉄鋼・非鉄金属業界の構造で見ると、鋼材がどの業種へ流れるかがつかめます。

刈谷・豊田・みよし:自動車部品と完成車

刈谷市にはデンソーとアイシンの本社があり、豊田市とみよし市にはトヨタの元町工場や三好・明知・下山工場があります。この地域は、必要な部品を必要なときに届けるジャストインタイム(在庫を薄くする仕組み)で動いており、1社の部品が届かないだけで組立ラインが止まりうるのが特徴です。

図6:1か所が止まると下流へ広がる流れ

素材・部品・完成車の工場が近くに並ぶため、上流の遅れがそのまま組立に届きます。

鋼材・燃料部品工場道路で輸送完成車の組立臨海部刈谷など通行止めに注意豊田・みよし

※一般的な部品の流れを示した模式図です。個別企業の取引関係を示すものではありません。

部品メーカーが何層にも重なる構造は自動車業界の構造で詳しく扱っています。今回は道路の通行止めも重なったため、工場が無事でもトラックが予定どおり着くかどうかが、組立の稼働を左右します。

瀬戸・浜松ほか

瀬戸市は陶磁器やセラミックスの産地で、震度5弱では窯の中や棚の上の製品が倒れたり割れたりしやすくなります。浜松市は二輪・四輪や楽器などの輸送機器・機械の産地で、震度5弱は浜名区でした。

愛知の仕入れ先から部品を受ける工場は、自社の揺れが小さくても到着の遅れで影響を受けるため、自社の点検と並行して取引先の状況を確かめる必要があります。

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震度5強・5弱のあと工場は何を点検するか

機械の基礎のアンカーボルトを懐中電灯で点検する手元

点検は、人の安全 → 建屋 → 電気・ガス・水 → 危険物・高圧ガス → クレーンなどの揚重機 → 生産設備の精度の順に進めるのが基本です。

気象庁の解説では、震度5強で耐震性の低い鉄筋コンクリートの建物に壁や柱のひび割れが入るおそれがあり、まず建屋を確かめないと設備に近づけません。

震度5弱程度以上では、マイコン式のガスメーターが自動で遮断し、地震管制装置の付いたエレベーターも自動で止まります。工場でもガスや昇降設備が止まっている前提で、復帰の手順を確かめながら立ち上げます。

図7:震度5強・5弱のあとの工場の点検の流れ

安全を確かめた場所から順に、設備の確認へ進みます。

01人の安全と立入り範囲夜勤者の安否、けが人、ガス漏れや火災の有無。危ない区域を立入禁止に
02建屋・天井・ラック柱・梁のひび、天井材や照明の落下、立体倉庫と棚の傾き
03電気・ガス・水・圧縮空気受変電設備、遮断したガスの復帰、配管の漏れ、コンプレッサー
04危険物・高圧ガス貯槽・ボンベの転倒、配管の継ぎ目、防液堤。保安の担当者が確認
05クレーン・揚重機中震以上の地震の後は使う前に各部を点検(クレーン等安全規則第37条)。走行レールのずれなど
06設備の精度と試運転アンカーボルト、機械の水平・芯ずれ、ロボットの原点、測定機の校正、試し加工

※点検の順番と担当は、各社の防災規程や保安規程で決まります。

見落としやすいのは最後の精度の確認で、動くけれど寸法がずれる状態のまま量産に入ると、不良が後工程で見つかって手戻りが大きくなります。工作機械の水平や、ロボットの教示位置、三次元測定機の校正は、試し加工の結果で確かめてから量産に戻すのが安全です。

月曜(11月9日)の稼働は何で決まるか

通い箱に入ったベアリングや歯車などの自動車部品

月曜に動けるかどうかは、自社の点検結果だけでなく、仕入れ先・物流・納入先の3つがそろうかどうかで決まります。自社の設備が無事でも、部品が1点届かなければ組立は止まり、納入先のラインが止まっていれば作っても受け取ってもらえません。

図8:月曜の稼働判断の流れ

上から順に確認し、どこかが欠ければ一部稼働か延期になります。

① 自社の点検人・建屋・ユーティリティ・設備の精度は問題ないか
問題なし
② 人が出勤できるか鉄道の運転再開、通勤路の道路状況
出勤できる
③ 部品・材料が届くか仕入れ先の被害、トラックの経路(知多半島道路・衣浦トンネルなど)
届く
④ 納入先が受け取れるか納入先のライン稼働、受入れ時間の変更
そろった
通常稼働①〜④がそろう
一部稼働一部のラインや工程だけ動かす
延期①か③が欠ける。点検後に再判断

※判断の条件は会社ごとに異なります。実際の稼働は各社の発表と社内の連絡で確認してください。

もう1つの条件が余震です。気象庁は会見で、揺れの強かった地域では今後1週間程度、最大震度5強程度の地震に注意するよう呼びかけたと報じられており、点検を終えた設備も強い余震があれば点検をやり直すことになります。

11月8日18時の時点でも、11月9日の稼働についての各社の発表は見当たりません。稼働の可否は会社や取引先からの連絡で確かめ、報道やSNSの断片的な情報だけで動かないようにしてください。

現場・調達担当がいま確認すべきこと

確認リストのクリップボードとヘルメット・スマートフォン

日曜のうちにやることは、現場は自分の持ち場の異常の有無、調達は仕入れ先と物流の状況を集めることです。月曜朝の稼働判断は、この2つの情報がそろうほど早く確実になります。

図9:現場と調達の確認リスト

誰に何を確認するかを、担当ごとに分けています。

現場(製造・設備保全)会社の安否確認に答える/出勤の可否と通勤経路を上司へ/持ち場の設備の異常を写真つきで報告/勝手に再起動しない
調達・購買震度5弱以上の市町村にある仕入れ先を洗い出す/被害・出荷可否・2次以下の仕入れ先を確認/手持ち在庫の日数を数える
物流・生産管理運送会社に便の運行を確認/通行止め区間の迂回ルートと所要時間/納入先の受入れ時間の変更
品質保証地震の時刻に加工・検査中だったロットを特定/測定機の校正の要否/出荷を止めるロットの判断

※社内の安否確認や連絡の手順がある場合は、そちらを優先してください。

調達担当にとって手間がかかるのは、2次・3次の仕入れ先の所在地がすぐに分からないことです。震度の一覧と仕入れ先の住所を突き合わせる作業は、サプライヤーBCPと調達リスクの見える化の手順で平時に用意しておくと、次の地震で初動を早められます。

2026年7月の熊本地震と何が違うか

今回の揺れは熊本地震よりずっと小さく、震源も深いため、工場の建屋や設備が大きく壊れる規模とは異なります。熊本地震は2026年7月28日に起きたM7.1の地震で、宇城市と氷川町で震度7を観測しました。

マグニチュードは1.4違い、地震のエネルギーでは約126倍の差があります。

一方で共通するのは、被災していない地域の工場まで止まった理由が、部品の供給だった点です。熊本ではアイシン九州(熊本市)などの部品工場が被災し、トヨタは福岡の3工場を7月28日から8月5日まで、愛知の田原工場を8月3日から7日まで止めました。

図10:熊本地震(2026年7月)と今回の地震の比較

規模は大きく違いますが、部品の流れで影響が広がる仕組みは同じです。

令和8年熊本地震
11月8日の地震
発生
2026年7月28日 16時27分ごろ
2026年11月8日 1時4分ごろ
規模と深さ
M7.1、深さ約16km(暫定値)
M5.7、深さ約40km
最大震度
震度7(宇城市・氷川町)
震度5強(知多市)
工場への影響
部品工場が被災。トヨタは福岡3工場と愛知の田原工場を停止
6時時点で大きな被害・停止の発表は確認できない
再開まで
福岡3工場は8月6日、田原工場は8月17日に再開
点検と部品・物流の状況しだい

※出典:気象庁、日刊工業新聞、時事通信、日本経済新聞(記事末尾)。

熊本では部品1点の欠品が九州から愛知の工場にまで届きました。今回は揺れた場所そのものが部品と完成車の集まる地域なので、小さな設備の不具合でも、確認に時間がかかれば影響は同じ経路で広がりえます。熊本地震で何が起き、生産の数字にどう表れたかは、次の記事で詳しく扱っています。

南海トラフ地震との関係は

気象庁は今回の地震について、南海トラフ地震の「プレート間の固着状態に特段の変化を及ぼすものではない」との見解を示しました(静岡新聞の報道)。そのうえで、11月9日に南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会を開き、詳しく分析するとしています。

「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」は、監視領域でM6.8以上の地震が起きたときなどに出る情報で、今回のM5.7はこの基準に届いていません。

会見では「巨大地震につながる可能性がないとは言い切れないが、過度に恐れる必要はない」とも述べたと報じられており、評価検討会の結果は気象庁の発表で確かめるのが確実です。

図11:今回の地震と南海トラフ臨時情報の基準

バーはマグニチュード8.0を100%とした長さ、点線は臨時情報(調査中)の基準M6.8です。

今回の地震(M5.7)

M5.7

臨時情報(調査中)を出す目安

M6.8

巨大地震注意(監視領域内)

Mw7.0

巨大地震警戒(想定震源域のプレート境界)

Mw8.0

※Mwはモーメントマグニチュード。M6.8は「Mw7.0の地震をもれなく拾う」ための速報値の基準です。出典:気象庁「南海トラフ地震臨時情報が発表される条件」。

工場にとっての意味は、今回の地震で臨時情報の対応(事前避難や操業の見直し)を始める必要はないものの、余震への注意は1週間ほど続きます。臨時情報が出たときの操業ルールを決めていない会社は、この機会に社内の手順を確かめておくと、次の判断が速くなります。

東海の地震と製造業のよくある質問

震度5強の地震で工場の機械は壊れますか?

気象庁の震度階級の解説では、耐震性の高い木造・鉄筋コンクリートの建物について、震度5強での被害の記述はありません。ただし固定の甘い棚や測定機、芯出しの必要な工作機械はずれやすいため、試運転で精度を確かめてから使います。

日曜の夜勤や休日出勤の人はどうすればいいですか?

まず自分の安全を確かめ、会社の安否確認に答えてください。設備の再起動は担当者の点検が終わるまで行わず、異常を見つけたら写真を撮って上司に報告するのが基本です。

取引先の工場が無事かはどこで分かりますか?

各社の稼働状況は、自社サイトのニュースリリースや報道で確かめます。仕入れ先は公表を待たず、調達担当から直接、被害と出荷の見通しを問い合わせるのが確実です。

今回の地震で南海トラフ地震臨時情報は出ましたか?

11月8日朝の時点で臨時情報は出ていません。今回のM5.7は臨時情報(調査中)を出す目安のM6.8に届いておらず、気象庁は11月9日の評価検討会で詳しく分析するとしています。

まとめ

この記事のまとめ
  • 11月8日1時4分ごろ、静岡県西部を震源とするM5.7の地震で知多市が震度5強、刈谷・豊田・東海・みよしなどが5弱
  • 6時時点で工場の大きな被害・停止の発表は確認できず、交通は鉄道の見合わせと知多半島の道路の通行止めが出た
  • 確認を急ぐのは、知多・東海の臨海部の素材・エネルギーと、刈谷・豊田・みよしの自動車部品と完成車
  • 月曜の稼働は、自社の点検・出勤・部品の到着・納入先の稼働の4つがそろうかで決まる
  • 南海トラフ臨時情報の基準(M6.8)には届かないが、1週間ほどは震度5強程度の余震に注意

地震のあとの稼働判断には、生産管理や購買・調達の仕事が深く関わります。自動車産業の全体像は自動車の業種ページから関連記事をたどれます。

この記事の情報は2026年11月8日午前6時時点のもので、交通や各社の稼働は時間とともに変わります。最新の状況は、気象庁と各社の発表で確認してください。

出典

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プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

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