製造業の冬のボーナスはいくら?業種別ランキングと決まり方

町工場の作業台に置かれた白い封筒と軍手、削り出した金属部品

経団連の集計では、2025年冬に大手製造業125社が支給したボーナスは平均105万6,966円で、前年より10.09%増えました。業種別では自動車が118万6,117円、造船が117万3,062円と、100万円を大きく超える業種が並びます。

一方で、従業員5人以上の事業所全体を対象にした厚生労働省の統計では、製造業の年末賞与は57万1,854円です。2026年冬については、春に年末分まで決めた東証プライム上場の製造業150社の平均が92万7,982円(前年同期比4.3%増)と、すでに出ています。

目次
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製造業の冬のボーナスの平均額は?3つの統計で見る

製造業の冬のボーナスは、大手で約106万円、事業所全体で約57万円です。どの会社と比べたいかで見るべき統計が変わるので、まず対象と時点を押さえてから金額を読みます。

図1:知りたいことと見る統計

同じ「製造業の冬のボーナス」でも、対象の会社と集計の時点が統計ごとに違います。

大手の水準経団連の妥結結果。従業員500人以上の大手。2025年冬は製造業105万6,966円(加重平均)
今冬の早い集計労務行政研究所。東証プライムで年末分まで妥結した会社。2026年冬は製造業92万7,982円(単純平均)
中小を含む全体厚労省の毎月勤労統計。5人以上の事業所。2025年冬は製造業57万1,854円
今冬の予測シンクタンクの見通し。民間全体の伸び率で、伊藤忠総研は2026年冬を前年比1.8%増と予想

※各統計の数字は対象・平均の取り方が違うため、金額をそのまま比べられません。

3つの統計の違いを表にまとめました。大手との比較なら経団連、今冬の早い動きなら労務行政研究所、中小企業を含む全体像なら毎月勤労統計と使い分けます。

観点経団連労務行政研究所毎月勤労統計(厚労省)
対象原則従業員500人以上、主要23業種の大手東証プライム上場企業(労働組合あり)従業員5人以上の事業所
平均の取り方加重平均(人数で重みづけ)単純平均(1社1票)賞与を払った事業所の労働者1人平均
公表時期12月下旬(2025年は12月24日)9月末(2026年は9月30日)翌年4月(2026年は4月8日)
製造業の最新値2025年冬 105万6,966円2026年冬 92万7,982円2025年冬 57万1,854円
前年比10.09%増4.3%増2.4%増

経団連の2025年冬は、製造業と非製造業の差もはっきり出ており、製造業の平均は非製造業の89万6,495円を約16万円上回りました。

図2:大手の冬のボーナス 製造業と非製造業(2025年冬)

大手では製造業の平均が総平均と非製造業を上回り、伸び率も10.09%と高めです。

製造業(125社)

105万6,966円 +10.09%

総平均(164社)

100万4,841円 +8.57%

非製造業(39社)

89万6,495円 +5.78%

※出典:経団連「2025年年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果」(2025年12月24日)。加重平均。

製造業の冬のボーナス 業種別ランキング(2025年冬・大手)

2025年冬の大手製造業で金額が多かったのは、3社以上が集計された業種では自動車(118万6,117円)、造船(117万3,062円)、食品(113万3,972円)の順です。機械金属は124万9,434円で最も高いものの、集計が2社だけなので参考値として見ます。

順位業種社数妥結額(円)前年比
参考機械金属21,249,4344.71%増
1自動車121,186,11717.25%増
2造船111,173,06210.97%増
3食品71,133,9723.89%減
4電機111,039,7256.03%増
5化学27951,37212.25%増
6鉄鋼8931,6176.93%減
7非鉄・金属13907,97610.83%増
8繊維14902,4945.53%増
9ゴム5887,1830.63%増
10セメント6811,9538.35%増
11紙・パルプ6738,0600.39%増
参考印刷2824,3010.59%増

表の妥結額は加重平均で、電機と化学には従業員平均の数字を含む会社があります。石油は1社だけのため金額が伏せられ、前年比18.88%増だけが公表されています。

図3:大手製造業の業種別 冬のボーナス(2025年冬・上位8業種)

自動車・造船・食品が110万円台、電機が100万円台で、化学から繊維までは90万円台に並びます。

自動車(12社)

118万6,117円

造船(11社)

117万3,062円

食品(7社)

113万3,972円

電機(11社)

103万9,725円

化学(27社)

95万1,372円

鉄鋼(8社)

93万1,617円

非鉄・金属(13社)

90万7,976円

繊維(14社)

90万2,494円

※集計が3社以上の製造業のうち金額の上位8業種。2社の機械金属・印刷は除外。出典:経団連(2025年12月24日)。

前年からの伸びが大きかった業種

前年比では、自動車が17.25%増と、金額が公表された製造業の業種でいちばん伸び、化学(12.25%増)、造船(10.97%増)、非鉄・金属(10.83%増)も2けたの伸びでした。反対に、鉄鋼は6.93%減、食品は3.89%減と前年を下回っています。

図4:前年比で大きく動いた業種(2025年冬・大手)

同じ製造業でも、2けた増の業種と前年割れの業種に分かれました。

自動車 17.25%増12社の加重平均で101万1,617円から118万6,117円へ。金額を公表する業種で最大の伸び
化学 12.25%増27社で95万1,372円。前年の1.71%減から増加に転じた
造船 10.97%増11社で117万3,062円。前年の4.38%増から伸びが広がった
鉄鋼 6.93%減・食品 3.89%減鉄鋼は100万992円から93万1,617円へ。食品は前年の5.88%増から減少に

※増減率は経団連が前年公表値と比べて計算したもの。前年と集計企業が違う業種があります。

前年比の大きさは、業種ごとの集計企業の入れ替わりにも左右されるため、1年分だけで業種の勢いを判断しないほうが安全です。自動車の生産や輸出の動きは自動車業界の市場規模と動向で、ボーナスの背景になる業界の数字として確かめられます。

中小を含む製造業全体の冬のボーナスは57万円台

機械が並ぶ工場の通路を歩く作業服の2人の後ろ姿

中小企業まで含めた製造業の冬のボーナスは、2025年冬で1人平均57万1,854円(前年比2.4%増)です。厚生労働省の毎月勤労統計調査が、5人以上の事業所で2025年11月から2026年1月に払われた賞与を集計しました。

大手の約106万円と比べて半分ほどになるのは、対象に中小の事業所が多く含まれ、パートタイムの人も平均に入るためです。支給月数でみると製造業は1.10か月分で、プライム企業の2.67カ月(2026年冬の妥結分)とは、算出方法が違うものの大きな開きがあります。

図5:製造業で冬のボーナスを払った事業所に勤める人の割合

製造業の労働者の93.2%が、2025年冬に賞与を支給した事業所に勤めていました。

10人中9人(93.2%)が賞与を支給した事業所に勤務(厚労省 毎月勤労統計・2025年年末賞与)

※事業所の数でみた支給割合は82.7%で、別の指標です。支給事業所に勤めていても、本人が賞与を受け取っていない人も含みます。

産業どうしで比べると、製造業は調査産業計の42万4,889円を約15万円上回り、16産業の中で8番目の水準です。電気・ガス業(94万1,438円)や情報通信業(74万6,758円)には届かないものの、建設業とほぼ同じ水準です。

図6:産業別の冬のボーナス(2025年冬・5人以上の事業所)

製造業は調査産業計を約15万円上回り、建設業と並ぶ水準です。

電気・ガス業

94万1,438円

情報通信業

74万6,758円

金融業,保険業

67万1,180円

製造業

57万1,854円

建設業

56万4,364円

調査産業計

42万4,889円

卸売業,小売業

36万4,408円

医療,福祉

31万4,546円

※賞与を支給した事業所の労働者1人平均。出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026年2月分結果速報」特別集計(2026年4月8日)。

自分の会社がどの統計に近いかは、従業員数と労働組合の有無でおおよそ判断できます。数百人規模のメーカーなら大手とプライムの中間、数十人規模なら毎月勤労統計の水準が目安です。会社の規模で働き方や年収がどう変わるかは、大手メーカーと中小メーカーの違いで比べています。

プライムの製造業は2026年に夏2.68カ月、冬2.67カ月と決めており、夏冬で月給の5カ月分を超えます。月給だけで求人を比べると賞与の差を見落とすので、支給月数と前年実績まで確かめたい人は製造業で働く人の転職・キャリアガイドも参考にしてください。

2026年冬、年末分まで妥結した企業の業種別水準

2026年冬は、春の労使交渉で年末分まで決めた東証プライム上場の製造業150社が、平均92万7,982円(前年同期比4.3%増)です。労務行政研究所が2026年8月24日時点で集計した単純平均で、製造業全体の確定額ではありません。

全産業175社では90万4,816円で、1970年の調査開始以来、初めて90万円台に乗りました。業種別では非鉄・金属が103万994円(18.3%増)で最も多く、電気機器が101万7,908円、自動車が101万1,204円と続きます。

図7:2026年冬の業種別妥結額(東証プライム・製造業の上位8業種)

上位3業種が100万円を超え、4位以下の業種は87万〜98万円の範囲に収まっています。

非鉄・金属(11社)

103万994円

電気機器(16社)

101万7,908円

自動車(12社)

101万1,204円

機械(18社)

97万7,730円

化学(30社)

90万4,860円

ガラス・土石(7社)

89万1,236円

鉄鋼(12社)

88万7,138円

水産・食品(14社)

87万5,843円

※単純平均、2026年8月24日現在。輸送用機器は自動車を含む区分のため、自動車を表示。ゴム・紙・パルプなどは省略。出典:労務行政研究所(2026年9月30日発表)。

業種(東証プライム)社数2026年冬(円)前年同期比支給月数
製造業 計150927,9824.3%増2.67カ月
非鉄・金属111,030,99418.3%増2.99カ月
電気機器161,017,9083.2%増2.81カ月
自動車(輸送用機器の内数)121,011,2042.4%減2.80カ月
機械18977,7307.2%増2.67カ月
輸送用機器24977,7040.8%増2.78カ月
化学30904,8603.7%増2.54カ月
ガラス・土石7891,2363.1%増2.78カ月
鉄鋼12887,1381.3%減2.52カ月
ゴム5880,0005.4%増2.60カ月
水産・食品14875,8437.1%増2.69カ月
紙・パルプ7706,4290.1%減2.19カ月

支給月数は金額とは別の192社で集計されており、表の社数と月数の集計企業は一致しません。月数の業種別では非鉄・金属の2.99カ月が最も多く、電気機器・自動車・輸送用機器・ガラス・土石が2.8カ月前後で並びます。

図8:2026年冬の業種別 支給月数(東証プライム・製造業の主な8業種)

図の8業種では月数の差は0.5カ月ほどにとどまり、金額の差は基本給の水準の違いも影響しています。

非鉄・金属

2.99カ月

電気機器

2.81カ月

自動車

2.80カ月

ガラス・土石

2.78カ月

水産・食品

2.69カ月

機械

2.67カ月

化学

2.54カ月

鉄鋼

2.52カ月

※月数集計は192社(製造業162社)の単純平均。ゴム・輸送用機器・紙・パルプなどは省略。出典:労務行政研究所(2026年9月30日発表)。

この調査の年末一時金は、2022年に8.5%増へ転じてから5年続けて増えています。月数は2.56〜2.61カ月でほぼ横ばいのまま、金額だけが2022年の78万6,945円から90万4,816円へ上がりました。

図9:年末一時金の推移(東証プライム・全産業)

2021年を底に5年連続で増え、2026年に初めて90万円台に届きました。

単位:万円(単純平均)

74.4
71.6
78.7
80.0
83.5
87.4
90.5
2020202120222023202420252026

※年間協定などで年末分まで決まっている会社の集計。2021年までは東証1部上場企業。出典:労務行政研究所(2026年9月30日発表)。

2026年冬のボーナスの見通しと今後の発表

中小企業を含む民間全体の2026年冬は、伊藤忠総研が前年比1.8%増と予想しています。2025年冬の実績(2.8%増)からは伸びが鈍るものの、増加は続くという見方です。

同社は、中東情勢がさらに悪化すれば、中小企業の雇用者を中心に賞与が想定より下振れるおそれがあると指摘しています。この予測は民間全体の伸び率で、製造業だけを取り出した数字ではありません。

図10:2026年冬のボーナスに関する発表の予定(11月8日時点)

確定値に近い数字が出そろうのは、大手が12月下旬、民間全体が翌年4月です。

公表済み
6月2日伊藤忠総研の予測民間全体の2026年冬を前年比1.8%増と予想
9月30日労務行政研究所東証プライム175社で90万4,816円、製造業は4.3%増
—MURCの冬の見通し11月8日時点で未公表。2025年冬分は11月7日に発表
これから
12月下旬経団連の妥結結果大手の業種別。2025年冬分は12月24日に発表
翌年4月毎月勤労統計実際に払われた額。2025年冬分は2026年4月8日に発表
11月〜1月各社の支給支給日は会社ごとに違う。毎月勤労統計は11月〜翌1月の支給分を年末賞与として集計

※日付は2026年。MURC=三菱UFJリサーチ&コンサルティング。

景気の足元では、10月1日公表の日銀短観で大企業製造業の業況判断DIが+24と、6四半期続けて改善しました。業種別の明暗は9月日銀短観の結果で読めるので、2027年の賞与交渉の材料になる今年度の業績を先回りして確かめられます。

冬のボーナスの決まり方:年間協定・夏冬型・業績連動

会議室の机に置かれた白紙のカレンダーとお茶、手帳

大手製造業の冬のボーナスは、「基本給×支給月数」で決める形が基本で、その月数を春の労使交渉で夏冬まとめて決める会社もあります。労務行政研究所の調査で、8月24日時点に年末分まで決まっていた東証プライム上場企業が175社あるのはこのためです。

図11:年間協定で冬のボーナスが決まる流れ(一般的な例)

年間協定の会社では、3月の交渉で12月に払う額の根拠まで決まります。

3月 労使交渉6〜7月 夏の支給12月 冬の支給年間の月数を決定年間の約半分残りの半分

※交渉や支給の時期は会社ごとに違います。業績連動の会社は前年度の利益が月数を左右します。

会社全体の月数の決め方は大きく3つあり、そこに個人の評価が加わって一人ひとりの額が決まります。

図12:冬のボーナスの3つの決め方

いつ、何を基準に月数が決まるかで、冬の額の読みやすさが変わります。

年間協定型春の交渉で夏冬の月数を一度に決める。冬の額は春の時点でほぼ見える
夏冬型夏の分は春、冬の分は秋に交渉する。上期の業績や受注の状況が冬の額に表れやすい
業績連動型営業利益などの指標に応じて月数を決める算式を労使で定める。前年度の決算が翌年の賞与に反映される
個人の額の決まり方会社で決めた月数に本人の基本給を掛け、人事評価で上下させる形があります。同じ会社でも人によって差が出る

※中小企業では、労使交渉ではなく経営者が業績を見て決める会社も多くあります。

月数が同じでも基本給が上がればボーナスは増えるため、春闘の賃上げは冬の額を押し上げる方向に働きます。

労務行政研究所が参考に載せる経団連の大手最終集計では、賃上げ率は2024年5.58%、2025年5.39%、2026年5.37%と高い水準が続き、月数がほぼ横ばいのまま年末の額が伸びた動きと重なります。

中小の製造業では、最低賃金の引き上げで基本給の底上げが進んでいます。人件費への影響は最低賃金2026年度と製造業の人件費でまとめました。

製造業の冬のボーナスのよくある質問

冬のボーナスの支給日はいつですか?

支給日は会社ごとに就業規則や労使協定で決まり、統計上の決まった日はありません。厚生労働省の毎月勤労統計は、11月から翌年1月までに払われた賞与をまとめて「年末賞与」として集計しています。

中小メーカーの冬のボーナスはどのくらいですか?

中小企業だけを取り出した業種別の冬季データは少なく、近い目安は毎月勤労統計の製造業で、支給月数は平均1.10か月分です。この平均には大手も入っており、製造業の事業所のうち2025年冬に賞与を払ったのは82.7%で、残りの事業所は支給がありませんでした。

業績が悪いと冬のボーナスは減りますか?

業績連動型や夏冬型の会社では、利益が落ちると月数が下がりやすくなります。年間協定型でも毎年の交渉で月数が見直されるので、業績の悪化は翌年の春の交渉を通じて冬の額に表れます。

冬のボーナスは年収にどれくらい影響しますか?

東証プライムの製造業の平均月数(2026年は夏2.68カ月・冬2.67カ月)で試算すると、月給12カ月分と賞与5.35カ月分で、年収の約3割を賞与が占めます。休みの多さも含めた待遇の比べ方は、製造業の年間休日の業種別比較が参考になります。

まとめ

この記事のまとめ
  • 2025年冬の大手製造業は平均105万6,966円(経団連、前年比10.09%増)
  • 業種別の上位は自動車118万6,117円、造船117万3,062円、食品113万3,972円
  • 5人以上の事業所全体では、製造業は57万1,854円(毎月勤労統計、2.4%増)
  • 2026年冬はプライムの製造業150社が92万7,982円(4.3%増)で妥結済み
  • 月数はほぼ横ばいで、賃上げによる基本給の伸びが冬の額を押し上げている

ボーナスを含めた業種ごとの待遇は、職種や会社の規模でも変わります。転職や採用の動きは製造業の転職・採用市場の動向で、業種ごとの会社の特徴は製造業の業種一覧から確かめられます。

出典

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プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

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