2024年の1年間に愛知県の工場が出荷した製品の額は59兆3,144億円で、全国の製造品出荷額等の15.5%にあたります。2位の大阪府は19兆8,049億円なので、1位と2位の間には約3.0倍の開きがあります。
愛知県がなぜここまで突出しているのか、2位以下の県はどの業種で稼いでいるのかも、同じ統計の数字で確かめられます。
製造品出荷額の都道府県ランキング(2024年実績)
2025年調査で製造品出荷額等が最も大きかったのは愛知県で、2位大阪府、3位静岡県、4位兵庫県、5位神奈川県と続きます。上位10県だけで全国381兆6,540億円の54.5%を占めます。
表の数字は、2026年7月29日に公表された2025年調査の地域別統計表から取りました。出荷額等は2024年1〜12月の実績で、工場(事業所)の所在地ごとに集計しています。
調査は全数ではなく、業種ごとに出荷額の大きい事業所から積み上げて総額の9割に届く範囲が対象です。前年順位は、同じ公表で示された2024年調査(2023年実績)の参考値と比べています。
愛知県だけが飛び抜け、2位から5位はほぼ同じ長さに並びます。
※出典:総務省・経済産業省「2025年経済構造実態調査 製造業事業所調査(地域別統計表)」。バーの長さは愛知県を100とした比率。
| 順位 | 都道府県 | 製造品出荷額等 | 全国比 | 前年順位 | 出荷額が最も大きい業種(県内構成比) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 愛知県 | 59兆3,144億円 | 15.5% | 1位→ | 輸送用機械(57%) |
| 2 | 大阪府 | 19兆8,049億円 | 5.2% | 3位↑ | 生産用機械(12%) |
| 3 | 静岡県 | 19兆7,716億円 | 5.2% | 2位↓ | 輸送用機械(25%) |
| 4 | 兵庫県 | 19兆4,948億円 | 5.1% | 5位↑ | 化学(14%) |
| 5 | 神奈川県 | 18兆7,059億円 | 4.9% | 4位↓ | 輸送用機械(22%) |
| 6 | 千葉県 | 15兆9,871億円 | 4.2% | 7位↑ | 石油・石炭製品(26%) |
| 7 | 埼玉県 | 15兆3,069億円 | 4.0% | 6位↓ | 食料品(16%) |
| 8 | 茨城県 | 15兆2,066億円 | 4.0% | 8位→ | 化学(13%) |
| 9 | 三重県 | 13兆243億円 | 3.4% | 9位→ | 輸送用機械(26%) |
| 10 | 福岡県 | 11兆4,989億円 | 3.0% | 10位→ | 輸送用機械(35%) |
| 11 | 広島県 | 11兆2,752億円 | 3.0% | 11位→ | 輸送用機械(37%) |
| 12 | 群馬県 | 10兆3,518億円 | 2.7% | 12位→ | 輸送用機械(37%) |
| 13 | 岡山県 | 9兆9,408億円 | 2.6% | 14位↑ | 石油・石炭製品(21%) |
| 14 | 栃木県 | 9兆8,185億円 | 2.6% | 13位↓ | 輸送用機械(17%) |
| 15 | 滋賀県 | 9兆4,292億円 | 2.5% | 15位→ | 化学(15%) |
| 16 | 東京都 | 9兆4,054億円 | 2.5% | 16位→ | 輸送用機械(20%) |
| 17 | 長野県 | 7兆3,906億円 | 1.9% | 18位↑ | 情報通信機械(18%) |
| 18 | 山口県 | 7兆3,492億円 | 1.9% | 17位↓ | 化学(28%) |
| 19 | 北海道 | 6兆9,603億円 | 1.8% | 19位→ | 食料品(37%) |
| 20 | 岐阜県 | 6兆9,454億円 | 1.8% | 20位→ | 輸送用機械(19%) |
| 21 | 京都府 | 6兆3,929億円 | 1.7% | 21位→ | 飲料・たばこ・飼料(14%) |
| 22 | 宮城県 | 5兆8,334億円 | 1.5% | 25位↑ | 輸送用機械(14%) |
| 23 | 福島県 | 5兆7,852億円 | 1.5% | 23位→ | 輸送用機械(12%) |
| 24 | 大分県 | 5兆7,448億円 | 1.5% | 22位↓ | 非鉄金属(22%) |
| 25 | 愛媛県 | 5兆7,329億円 | 1.5% | 24位↓ | 非鉄金属(27%) |
| 26 | 新潟県 | 5兆6,116億円 | 1.5% | 26位→ | 化学(17%) |
| 27 | 富山県 | 4兆2,505億円 | 1.1% | 27位→ | 化学(17%) |
| 28 | 熊本県 | 3兆6,766億円 | 1.0% | 28位→ | 生産用機械(25%) |
| 29 | 岩手県 | 3兆4,231億円 | 0.9% | 31位↑ | 輸送用機械(25%) |
| 30 | 香川県 | 3兆3,726億円 | 0.9% | 32位↑ | 非鉄金属(24%) |
| 31 | 石川県 | 3兆2,386億円 | 0.8% | 30位↓ | 生産用機械(29%) |
| 32 | 山形県 | 3兆1,270億円 | 0.8% | 29位↓ | 電子部品・デバイス(20%) |
| 33 | 山梨県 | 2兆9,112億円 | 0.8% | 34位↑ | 生産用機械(28%) |
| 34 | 福井県 | 2兆6,936億円 | 0.7% | 35位↑ | 電子部品・デバイス(15%) |
| 35 | 和歌山県 | 2兆4,994億円 | 0.7% | 33位↓ | 鉄鋼(24%) |
| 36 | 鹿児島県 | 2兆4,914億円 | 0.7% | 36位→ | 食料品(34%) |
| 37 | 徳島県 | 2兆3,900億円 | 0.6% | 37位→ | 化学(36%) |
| 38 | 長崎県 | 2兆3,544億円 | 0.6% | 40位↑ | 電子部品・デバイス(32%) |
| 39 | 佐賀県 | 2兆3,258億円 | 0.6% | 38位↓ | 食料品(19%) |
| 40 | 奈良県 | 2兆612億円 | 0.5% | 39位↓ | 食料品(15%) |
| 41 | 宮崎県 | 1兆9,140億円 | 0.5% | 41位→ | 食料品(24%) |
| 42 | 青森県 | 1兆7,510億円 | 0.5% | 42位→ | 食料品(25%) |
| 43 | 秋田県 | 1兆6,296億円 | 0.4% | 43位→ | 電子部品・デバイス(35%) |
| 44 | 島根県 | 1兆3,790億円 | 0.4% | 44位→ | 電子部品・デバイス(23%) |
| 45 | 鳥取県 | 9,174億円 | 0.2% | 45位→ | 電子部品・デバイス(20%) |
| 46 | 高知県 | 6,487億円 | 0.2% | 46位→ | 食料品(16%) |
| 47 | 沖縄県 | 5,166億円 | 0.1% | 47位→ | 食料品(40%) |
2位大阪と3位静岡の差は約330億円
2位の大阪府(19兆8,049億円)と3位の静岡県(19兆7,716億円)の差は約330億円で、率にすると0.2%しかありません。4位の兵庫県(19兆4,948億円)までも約3,100億円差で、2位から4位は毎年入れ替わってもおかしくない接戦です。
実際に今回の調査では、前年2位だった静岡県が0.2%減で3位に下がり、1.8%増の大阪府が2位に上がりました。兵庫県は5.4%増えて5位から4位に、千葉県も4.3%増で7位から6位に上がっています。
この3府県の出荷額を合計すると59兆713億円で、愛知県1県の59兆3,144億円とほぼ同じ大きさです。順位だけでなく差の大きさを見ると、「愛知県とそれ以外」という構図が浮かび上がります。
下位の県とのひらき
47位の沖縄県は5,166億円、46位の高知県は6,487億円、45位の鳥取県は9,174億円で、1兆円を下回るのはこの3県です。愛知県と沖縄県の差は100倍を超えますが、県の人口や面積の差も大きいため、単純に製造業の強さの差と読むことはできません。
下位の県では、沖縄県の食料品(県内の約40%)のように地域の食材を加工する業種や、鳥取県・島根県の電子部品・デバイスのように特定の業種に偏った構成が目立ちます。出荷額が小さい県ほど、数社の工場の増減で順位が動きやすい点も押さえておきたいところです。
製造品出荷額等とは?ランキングの元になる統計
製造品出荷額等は、工場が1年間に出荷した製品の額に、ほかの会社から請け負った加工の代金などを足した金額です。工場から見た「売上」に近い数字で、製造業の規模を地域ごとに比べるときに最もよく使われます。
4つの収入を足したものが出荷額等で、そこから原材料費などを引くと付加価値額になります。
※出典:香川県「2025年経済構造実態調査<製造業事業所調査>の集計結果」の用語の説明、全国の数値は地域別統計表(2024年実績)。
工業統計から経済構造実態調査へ
都道府県別の製造品出荷額は、長く経済産業省の「工業統計調査」で発表されてきました。工業統計は2020年調査で廃止され、2022年からは総務省・経済産業省が直接行う経済構造実態調査(製造業事業所調査)に引き継がれています。
この調査は毎年6月1日時点で行い、5年に1度の経済センサス‐活動調査を実施する年は除きます。個人経営の事業所は対象外で、前述のとおり出荷額の9割に届く範囲の事業所を調べる方式のため、すべての工場を数えていた時期の工業統計と数字をそのまま比べることはできません。
「2025年調査」は2024年の実績
ニュースや自治体の資料では調査年と実績年が混ざって書かれることがあり、読み違えやすい点です。2025年調査の事業所数・従業者数は2025年6月1日時点ですが、出荷額等と付加価値額は前年の2024年1〜12月の実績です。
この記事の「2024年実績」は2025年調査と同じものを指し、全国の出荷額等は381兆6,540億円と前年の参考値374兆4,079億円から1.9%増えました。
月ごとの生産の動きは年1回の調査では追えないため、景気の局面をつかむなら鉱工業生産指数の見方もあわせて押さえておくと便利です。
愛知県が突出する理由

愛知県は1977年に、前年まで首位だった神奈川県を抜いて製造品出荷額等で全国1位になり、それ以来首位を保っています(愛知県統計課)。差がここまで開いた理由は、県内の出荷額の内訳と、工場の集まり方を見ると読み取れます。
県内の57%、全国の41%が輸送用機械
愛知県の出荷額59兆3,144億円のうち、自動車や自動車部品を含む輸送用機械器具製造業は33兆9,876億円で、県内の出荷額の57.3%にあたります。2位以下の県で輸送用機械の比率が最も高い広島県でも37.2%なので、1つの業種への集中度は群を抜いています。
見方を変えて全国の輸送用機械の出荷額82兆1,536億円と比べると、その41.4%が愛知県の工場から出荷されています。県内構成比は「愛知県が何で稼いでいるか」を、全国シェアは「その業種の中で愛知県がどれだけの位置にいるか」を示す数字で、両方が高いことが突出の大きな理由です。
業界全体の規模は自動車業界の市場規模と動向で詳しく扱っています。
全国の輸送用機械の出荷額を10台分とすると、約4台分が愛知県の工場から出ています。
全国82兆1,536億円のうち愛知県が33兆9,876億円(41.4%)
※出典:総務省・経済産業省「2025年経済構造実態調査 製造業事業所調査」地域別統計表(2024年実績)。10台中の台数は四捨五入。
豊田市1市で大阪府を上回る
市区町村別に見ると、豊田市の製造品出荷額等は21兆2,097億円で全国1位です。そのうち輸送用機器が93.6%を占め、1つの市だけで2位の大阪府全体(19兆8,049億円)を上回ります。
同じ2025年調査・2024年実績で比べると、豊田市1市が大阪府全体を上回ります。
※出典:太田市「製造品出荷額等の全国順位(全国上位20市区町村一覧表)」(2025年経済構造実態調査)、地域別統計表。棒の高さは出荷額に比例。
上位20の市区町村には、豊田市のほか名古屋市(11位)、岡崎市(13位)、安城市(16位)、田原市(19位)と愛知県から5市が入ります。岡崎市は輸送用機器が65.4%、田原市は93.6%を占め、完成車の工場と部品工場が三河地方一帯に広がっていることが数字にも表れています。
出荷額は本社ではなく工場の所在地で数えるため、豊田市の数字はその市内にある事業所の出荷を合計したものです。市と府では範囲の広さが違うので、この比較は産業の大きさの規模感をつかむためのものと考えてください。
鉄鋼や生産用機械でも1位、働く人は83万人
愛知県は輸送用機械だけでなく、鉄鋼業(3兆2,589億円)と生産用機械(2兆3,966億円)でも都道府県別の1位で、電子部品・デバイスも2位です。自動車に使う鋼材や、工場で使う設備をつくる業種が同じ県内にそろっていて、完成品から材料・設備までの裾野が厚いことが読み取れます。
従業者数も83万5,442人で全国1位となり、2位の大阪府(43万8,245人)の約1.9倍です。従業者1人当たりの出荷額は約7,100万円と、全国平均の約5,014万円を4割ほど上回ります。
工場の現場を効率よく回す仕組みとしては、県内企業が生んだトヨタ生産方式・カイゼンもよく知られています。

上位県(2〜10位)の主力産業
ここでは県ごとに、どの業種が出荷額を支えているかを見ます。2位以下の県は、輸送用機械を軸にした県、石油・化学・鉄鋼などの素材が中心の県、複数の業種に分散している県の大きく3つに分かれます。
数字は県内の出荷額に占める構成比。アイコンは1位の業種を表します。
※出典:総務省・経済産業省「2025年経済構造実態調査 製造業事業所調査」地域別統計表(2024年実績)。業種は産業中分類。
大阪・兵庫・茨城:複数の業種に分散
2位の大阪府は、最も大きい生産用機械でも県内の12.0%にとどまり、化学・石油製品・金属製品などが少しずつ積み上がっています。事業所数は1万7,995と全国1位で、愛知県(1万7,695)をわずかに上回り、中小の工場が数多く集まる「数の厚み」が大阪府の特徴です。
府内では、石油・石炭製品が37.3%を占める堺市(4兆8,004億円)と、化学が最も大きい大阪市(4兆5,473億円)がともに全国上位10市に入ります。
4位の兵庫県は化学と鉄鋼が13.7%ずつで並び、神戸市では食料品が22.1%、姫路市では鉄鋼が27.9%と、市ごとに主力が違います。
8位の茨城県も、化学13.5%、生産用機械12.4%、食料品11.4%と上位3業種の差が小さい県です。どの業種も県内の2割に届かないため、1つの業種の不振が県全体の出荷額を大きく下げにくい構成といえます。
静岡・神奈川・三重・福岡:輸送用機械が柱
3位の静岡県は輸送用機械が25.4%で、電気機械14.3%、化学12.5%と続きます。5位の神奈川県も輸送用機械が21.8%で最も大きい一方、横浜市・川崎市では石油・石炭製品が市内1位の業種で、自動車と臨海部の素材産業の2本柱になっています。
9位の三重県は輸送用機械26.3%に加えて電子部品・デバイスが14.6%あり、この業種の出荷額1兆9,047億円は都道府県で1位です。四日市市では電子部品・デバイスが市内の34.1%を占めます。
10位の福岡県は輸送用機械が35.4%と比重が高く、11位の広島県(37.2%)、12位の群馬県(36.5%)も同じ型です。
千葉・埼玉:臨海の素材と内陸の食品
6位の千葉県は、石油・石炭製品26.1%、化学16.7%、鉄鋼14.3%と素材型の業種が上位を占めます。市原市は石油・石炭製品が60.2%で、市区町村別でも豊田市、倉敷市に次ぐ全国3位(5兆3,066億円)です。
7位の埼玉県は、食料品が16.2%で輸送用機械の15.7%を上回り、上位10県で唯一、食料品が1位の業種になっています。首都圏という大きな消費地に近いことも、食品工場の多さと関係しているとみられます。
業種別に見ると1位の県は変わる

前の章が「県ごとの産業構成」だったのに対し、ここでは「業種ごとにどの県が大きいか」を並べます。出荷額の合計では愛知県が1位でも、業種を絞ると上位の顔ぶれは入れ替わります。
| 業種(産業中分類) | 1位 | 2位 | 3位 |
|---|---|---|---|
| 輸送用機械 | 愛知 33.99兆円 | 静岡 5.02兆円 | 広島 4.19兆円 |
| 化学 | 兵庫 2.67兆円 | 千葉 2.67兆円 | 静岡 2.47兆円 |
| 食料品 | 北海道 2.60兆円 | 埼玉 2.48兆円 | 愛知 2.08兆円 |
| 石油・石炭製品 | 千葉 4.17兆円 | 神奈川 2.40兆円 | 岡山 2.05兆円 |
| 鉄鋼 | 愛知 3.26兆円 | 兵庫 2.67兆円 | 千葉 2.29兆円 |
| 生産用機械 | 愛知 2.40兆円 | 大阪 2.37兆円 | 茨城 1.88兆円 |
| 電子部品・デバイス | 三重 1.90兆円 | 愛知 1.09兆円 | 長野 0.89兆円 |
化学は兵庫県と千葉県がほぼ同額で並び、静岡県が続きます。化学は全国の出荷額34兆3,856億円と業種別で3番目に大きく、上位の県に偏らず各地に工場があるのが特徴で、業界の全体像は化学業界の市場規模と動向にまとめています。
食料品は、農産物・水産物の産地を抱える北海道が1位で、道内の出荷額の37.4%を占めます。電子部品・デバイスは三重県が1位で、山形県・秋田県・長崎県など地方の県でも県内1位の業種になっていて、電子部品・半導体業界の市場規模の動きが地方の工場に直結しやすい構造です。
石油・石炭製品は、製油所のある千葉県・神奈川県・岡山県が上位に並びます。鉄鋼では愛知県が1位ですが、兵庫県・千葉県が続き、鉄鋼業界の市場規模と同じく臨海部の製鉄所の稼働が順位を左右します。
地元や移りたい県の製造業で働くことを考えたい方へ、求人の探し方と相談先を転職・キャリアガイドにまとめています。
出荷額ランキングを読むときの注意点
製造品出荷額等は地域の製造業の規模をつかむ入口として便利ですが、この数字だけで「稼ぐ力」や「働く場の多さ」まで判断すると読み違えます。ランキングを仕事に使う前に、次の3点を確かめておくと安心です。
出荷額は原材料費を含む
出荷額は売上に近い数字なので、原油を輸入して精製する石油製品や、部品を買って組み立てる自動車のように、仕入れが大きい業種ほど大きく出ます。工場が自ら生み出した価値を比べるには、原材料費などを差し引いた付加価値額を見るのが基本です。
付加価値率(付加価値額÷出荷額)が低い県は、付加価値額で見ると順位が下がります。
※出典:香川県「2025年経済構造実態調査<製造業事業所調査>の集計結果」主要項目の全国順位、地域別統計表(2024年実績)。従業者29人以下の事業所は粗付加価値額。
千葉県は出荷額では6位ですが、付加価値率が20.7%と全国の30.7%より低く、付加価値額では12位に下がります。
反対に埼玉県は付加価値率34.1%で、付加価値額では出荷額より1つ上の6位です。愛知県も付加価値率は28.5%と全国を下回りますが、規模が大きいため付加価値額でも全国の14.4%を占める1位です。
本社ではなく工場の所在地で数える
この統計は事業所(工場)ごとの調査なので、本社がどこにあるかは関係ありません。東京都は事業所数こそ1万4,573で全国3位ですが、出荷額等は9兆4,054億円の16位で、大手メーカーの本社が多いことと工場の出荷額は別の話です。
企業の売上規模を知りたいときは、各社の決算資料や業界ごとのランキングを見る必要があります。
知りたいこと別に見る指標
同じ調査には出荷額以外の指標も載っていて、目的に合わせて使い分けると読み違いを防げます。たとえば就職・転職で働く場の多さを知りたいなら従業者数、取引先の候補を探す営業なら事業所数のほうが実態に近くなります。
同じ2025年調査でも、指標を変えると1位の県や順位の並びが変わります。
※出典:総務省・経済産業省「2025年経済構造実態調査 製造業事業所調査」。出荷額・付加価値額は2024年実績、従業者数・事業所数は2025年6月1日現在。
ただし、従業者数は求人の数や賃金の高さを示すものではありません。地域ごとの人件費の違いは最低賃金と製造業の人件費の地域差、業種ごとの給与水準は製造業の年収ランキングのように、別の統計と組み合わせて確かめるのが確実です。
製造品出荷額ランキングのよくある質問
製造品出荷額等の最新データはいつ公表された?
最新は2025年経済構造実態調査(製造業事業所調査)で、2026年7月29日に総務省と経済産業省が公表しました。出荷額等は2024年1〜12月の実績で、全国は381兆6,540億円です。
市区町村別の1位はどこ?
愛知県豊田市で、製造品出荷額等は21兆2,097億円です。2位は岡山県倉敷市の5兆8,289億円、3位は千葉県市原市の5兆3,066億円で、どちらも石油・石炭製品が市内で最も大きい業種です。
東京都の製造品出荷額は何位?
2024年実績で9兆4,054億円の16位です。事業所数は全国3位と多いものの、本社の所在地では数えない統計のため、大手メーカーの本社が多くても工場の出荷額は中位にとどまります。
製造品出荷額と県内総生産(県のGDP)は何が違う?
製造品出荷額等は工場の出荷額の合計で、原材料などの仕入れ分を含みます。県内総生産は、製造業以外も含めたすべての産業が生み出した付加価値の合計なので、製造業の大きさを県内総生産と比べるときは付加価値額を使うのが適切です。
工業統計調査のデータはもう出ない?
工業統計調査は2020年調査で廃止され、2022年からは経済構造実態調査の製造業事業所調査が後を継いでいます。調べ方が変わったため、2020年以前の工業統計の数字と並べて推移を見るときは、調査範囲の違いに注意が必要です。
まとめ
- 2024年実績の製造品出荷額等は愛知県が59兆3,144億円で1位、全国の15.5%を占める
- 2位大阪・3位静岡の差は約330億円、4位兵庫までの3府県の合計が愛知県1県とほぼ同じ
- 愛知県は輸送用機械が県内の57.3%、全国の輸送用機械の41.4%を占め、鉄鋼・生産用機械でも1位
- 2位以下は輸送用機械が柱の県、石油・化学・鉄鋼の素材型の県、業種が分散した県に分かれる
- 出荷額は原材料費を含み、工場の所在地で数えるため、付加価値額・従業者数・事業所数と併せて読む
都道府県別の出荷額を見ると、日本の製造業がどの業種で、どの地域に集まっているかが一度に分かります。国どうしで比べた生産規模は世界の製造業ランキングで、業界の地図は業種別のページや企業の数字から見られます。
製造業そのものの仕組みや分類から確かめたいときは、次の記事も参考になります。

出典
出典・参考資料(5件)を開く出典・参考資料を閉じる
- 都道府県別・業種別の出荷額等、付加価値額、従業者数、事業所数:e-Stat「2025年経済構造実態調査 製造業事業所調査(地域別統計表データ)」(総務省・経済産業省、2026年7月29日掲載。前年比は同掲載の2024年調査参考値)
- 主要項目の全国順位・用語の説明:香川県「2025年経済構造実態調査<製造業事業所調査>の集計結果」
- 市区町村別の順位と主な製造品:太田市「製造品出荷額等の全国順位(全国上位20市区町村一覧表)」
- 愛知県が1977年に首位となった経緯:愛知県統計課 Q&A「質問13」
- 調査の概要:総務省統計局「経済構造実態調査」
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