技能五輪国際大会2026(上海)の結果|日本は金2・銀5・銅3、メダル10職種と製造系の成績

技能競技の会場で制御盤の配線に取り組む若い技能者の後ろ姿

職業の技能を競う技能五輪国際大会の第48回大会が、2026年9月に中国・上海で開かれ、日本の金メダルは2個でした。国別の金メダル獲得数では6位です。

金メダルを16個獲得した2007年の静岡大会と比べると、少なく見えます。一方で今回、メダルには届かなかったものの一定の得点基準を超えた選手に贈られる敢闘賞は、26個にのぼりました。

金メダルの数だけでは、日本選手団の姿を読み違えやすい結果です。

この記事では、厚生労働省が2026年9月29日に公表した成績をもとに、日本選手団の結果を整理します。続いて、メダルを取った職種と所属企業、製造系職種の成績、過去大会との比較の順に見ていきます。

そのうえで、結果から言えることと言えないことを分け、企業の技能者育成にどうつなげるかを考えます。

先に要点:技能五輪国際大会2026(上海)の結果
  • 日本は金2・銀5・銅3、敢闘賞26。金メダルの国別獲得数は6位(56職種に62人が出場)
  • 金メダルはICTネットワーク施工と再生可能エネルギーの2職種で、どちらもきんでんの選手
  • 製造系では、CNC旋盤(日立製作所)・産業用制御システム(デンソー)・付加製造(豊田自動織機)・自動車板金(日産自動車)が銀、溶接(三菱重工業)とロボットシステムインテグレーション(デンソー)が銅
  • 金2個は2019年カザン大会と並び、2001年以降で最も少ない。首位は中国で金41個
  • 敢闘賞は順位ではなく700点以上で贈られる賞。メダルと合わせると出場56職種のうち36職種が入賞
目次

技能五輪国際大会2026(上海)の結果|日本は金2・銀5・銅3

第48回技能五輪国際大会は、2026年9月22日から27日まで中国・上海市で開催されました。

厚生労働省の発表によると、日本を含む65か国・地域から1,372人の選手が参加し、64職種で競技が行われています。競技そのものは23日から26日までの4日間でした。

なお、大会を運営するWorldSkills Internationalは、参加規模を「約70の国・地域、1,400人」と概数で発表しています。この記事では、厚生労働省の数字を使います。

日本からは56職種に62人が出場しました。成績は金メダル2個、銀メダル5個、銅メダル3個、敢闘賞26個です。金メダルはICTネットワーク施工と再生可能エネルギーの2職種で、金メダルの国別獲得数では6位でした。

図1:第48回技能五輪国際大会(上海)日本選手団の成績

金メダルは2個ですが、敢闘賞まで含めると56職種のうち36職種で入賞しています。

2個金メダルICTネットワーク施工、再生可能エネルギー。国別の金メダル獲得数は6位
10個メダル合計金2・銀5・銅3
26個敢闘賞メダルには届かなかったが、得点基準を超えた職種
大会全体:65か国・地域、1,372人、64職種/日本選手団:56職種に62人が出場

※厚生労働省「第48回技能五輪国際大会(中国・上海)での日本選手団の成績を公表します」(2026年9月29日)をもとに作成。「36職種で入賞」はメダル10と敢闘賞26の合計。

技能五輪国際大会(WorldSkills Competition)は、各国・地域の若い技能者が職種ごとに技能を競う大会です。

原則2年に1度開かれ、出場できるのは一部の職種を除いて大会開催年に22歳以下の選手に限られます。

上海大会に適用された競技規則では、メカトロニクス、付加製造、インダストリー4.0、ロボットシステムインテグレーションなど一部の職種だけ、上限が25歳です。

日本は1962年の第11回大会から参加しています。

つまりこの大会の成績は、ベテランを含む現場全体の力ではなく、学生や入社から数年の若手をどこまで育てられたかを映すものです。この前提は、後半で結果の読み方を考えるときに効いてきます。

メダルを獲得した10職種と所属企業

厚生労働省は、職種ごとの成績と選手の所属先を別紙で公表しています。メダルを獲得した10職種を、所属先とあわせて並べると次のとおりです。

図2:メダルを獲得した10職種と所属先

金メダルの2職種は、どちらも設備工事会社の選手が獲得しました。

職種
所属先
成績
ICTネットワーク施工
きんでん
金メダル
再生可能エネルギー
きんでん
金メダル
インテリジェントセキュリティ技術
関電工
銀メダル
CNC旋盤
日立製作所(鉄道ビジネスユニット 笠戸事業所)
銀メダル
自動車板金
日産自動車
銀メダル
産業用制御システム
デンソー
銀メダル
付加製造
豊田自動織機
銀メダル
溶接
三菱重工業
銅メダル
ジュエリー
ミキモト装身具
銅メダル
ロボットシステムインテグレーション
デンソー
銅メダル

※厚生労働省 別紙1「日本代表選手の成績」をもとに作成。所属先は別紙1の記載による。

金メダルの2職種は、いずれも総合設備工事会社のきんでんに所属する選手が獲得しました。同社の発表によると、ICTネットワーク施工は3大会ぶり4個目、再生可能エネルギーは3大会連続3個目の金メダルです。

どちらの職種も銀メダルは中国で、銅メダルはICTネットワーク施工が韓国、再生可能エネルギーがブラジルでした。

所属先ごとに数えると、きんでんが金2個、デンソーが銀1個と銅1個です。関電工、日立製作所、日産自動車、豊田自動織機が銀を1個ずつ、三菱重工業とミキモト装身具が銅を1個ずつ獲得しました。

メダル10個のうち3個は、電気・通信の設備工事会社の選手によるものです。メーカーの選手が取ったメダルは銀4個と銅3個で、今回、メーカー所属の選手による金メダルはありませんでした。

製造系職種の成績一覧|切削・溶接・制御・ロボット

技能五輪国際大会の職種は、建築、美容、調理、ITまで幅広く設定されています。ここでは、工場のものづくりに直接関わる18職種を筆者が「製造系」として選び、成績を一覧にしました。

電工、冷凍空調、再生可能エネルギーといった設備工事の職種や、建築、IT、サービスの職種は含めていません。公式の区分ではない点にご注意ください。

図3:製造系18職種の成績(日本選手団)

18職種のうち、銀メダル4、銅メダル2、敢闘賞7という結果でした。

職種
所属先
成績
機械加工・溶接・設計
CNC旋盤
日立製作所
銀メダル
溶接
三菱重工業
銅メダル
機械工学CAD
トヨタ紡織
敢闘賞(4位)
産業機械
デンソー
敢闘賞(6位)
CNCフライス盤
トヨタ自動車
敢闘賞(7位)
電気・制御・ロボット
産業用制御システム
デンソー
銀メダル
ロボットシステムインテグレーション
デンソー
銅メダル
自律移動ロボット
デンソー
敢闘賞(4位)
エレクトロニクス
トヨタ自動車
敢闘賞(7位)
インダストリー4.0
Astemo
11位
メカトロニクス
トヨタ自動車
21位
付加製造・光・化学・デザイン
付加製造
豊田自動織機
銀メダル
化学実験技術
旭川工業高等専門学校
6位
光電子技術
日本工学院専門学校
7位
工業デザイン技術
キヤノン
10位
自動車
自動車板金
日産自動車
銀メダル
自動車工
日産自動車
敢闘賞(6位)
車体塗装
トヨタ自動車
敢闘賞(8位)

※厚生労働省 別紙1をもとに作成。18職種の選び方と4つの分類は筆者によるもので、大会の公式区分ではない。金メダルの再生可能エネルギーとICTネットワーク施工は設備工事の職種として、この表には含めていない。メカトロニクスは2人1組の職種で、別紙1では1人が欠場と記載されている。

機械加工・溶接・設計

切削加工では、CNC旋盤が銀メダル、CNCフライス盤が敢闘賞(7位)でした。CNCは数値制御のことで、プログラムで刃物の動きを指示して金属を削る加工機を使います。溶接は銅メダル、機械工学CADは敢闘賞(4位)です。

産業機械は敢闘賞(6位)でした。旋盤とフライス盤の違いや溶接の原理は、切削・溶接・熱処理などの加工技術の基礎で整理しています。

電気・制御・ロボット

制御とロボットの分野では、産業用制御システムが銀メダル、ロボットシステムインテグレーションが銅メダルでした。自律移動ロボットは敢闘賞(4位)、エレクトロニクスは敢闘賞(7位)です。

この分野の6職種のうち、4職種がメダルまたは敢闘賞に入りました。インダストリー4.0は11位、メカトロニクスは21位で、入賞には届いていません。

付加製造・光・化学・デザイン

付加製造は、3Dプリント技術を使って設計から製造、検証までを1人で行う職種です。豊田自動織機の発表によると、2022年に正式種目となった新しい職種で、日本から代表選手が出場するのは今回が初めてでした。結果は銀メダルです。

同社によれば、競技は4日間・計22時間で7つの課題に取り組む形式です。CADでのモデリングに加え、造形条件の最適化やリバースエンジニアリング(現物から形状データを起こすこと)まで問われます。

方式ごとの特徴は金属3Dプリンターの方式比較で扱っています。

化学実験技術は6位、光電子技術は7位、工業デザイン技術は10位でした。化学実験技術と光電子技術の代表は、高等専門学校と専門学校の所属です。

自動車

自動車関連の3職種は、自動車板金が銀メダル、自動車工が敢闘賞(6位)、車体塗装が敢闘賞(8位)でした。3職種すべてが入賞しています。

過去大会との比較|金メダル数の推移と世界での位置

厚生労働省は、2001年以降の日本選手団の成績も別紙で公表しています。2007年の静岡大会以降の金メダル数を並べると、次のようになります。

図4:日本の金メダル数の推移(2007〜2026年)

金2個は、2001年以降では2019年のカザン大会と並んで最も少ない数です。

2007年 静岡16個
2009年 カルガリー6個
2011年 ロンドン11個
2013年 ライプツィヒ5個
2015年 サンパウロ5個
2017年 アブダビ3個
2019年 カザン2個
2022年 特別開催8個
2024年 リヨン5個
2026年 上海2個

※厚生労働省 別紙2「2001年以降の技能五輪国際大会・日本選手団の成績状況」をもとに作成。2022年は日本を含む15の国・地域による分散開催。

金メダル2個は、2019年のカザン大会と同数で、2001年以降では最も少ない水準です。メダルの合計は10個で、2019年の11個、2017年の9個と近い数字になります。

世界の中での位置も変わっています。金メダル獲得数の首位は、2001年から2015年までの8大会のうち6大会が韓国でした。

2017年以降は、2022年の特別開催を含めて5大会続けて中国です。中国の金メダル数は15個、16個、21個、36個と増え、今回は64職種の大会で41個に達しました。

今回の2位は韓国・スイス・フランスの4個、5位はチャイニーズタイペイの3個です。日本は2個で、ほか2か国と並ぶ6位でした。2位以下は数個の差の中に多くの国・地域が並んでいます。

前回リヨン大会(2024年)との比較

前回の2024年リヨン大会で、日本は金5個、銀5個、銅4個、敢闘賞21個でした。今回と比べると、金メダルが3個、メダル合計が4個減り、敢闘賞は5個増えています。

図5:リヨン大会(2024年)と上海大会(2026年)の比較

出場職種と人数は増え、金メダルは減り、敢闘賞は増えました。

第47回 リヨン(2024年)
第48回 上海(2026年)
大会の規模
60か国・地域、1,313人、59職種
65か国・地域、1,372人、64職種
日本の出場
47職種に55人
56職種に62人
金メダル
5個(産業機械、自動車板金、美容/理容、車体塗装、再生可能エネルギー)
2個(ICTネットワーク施工、再生可能エネルギー)
銀・銅メダル
銀5個、銅4個
銀5個、銅3個
敢闘賞
21個
26個
金メダルの国別順位
5位
6位

※厚生労働省の報道発表(2024年9月17日、2026年9月29日)をもとに作成。

前回金メダルだった5職種の今回の成績は、再生可能エネルギーが金メダル、自動車板金が銀メダルです。産業機械は敢闘賞(6位)、車体塗装は敢闘賞(8位)、美容・理容は敢闘賞(15位)でした。

出場する選手は大会ごとに入れ替わり、課題も毎回変わります。順位が動いた理由は、公表された成績からは分かりません。この点は後の章であらためて整理します。

敢闘賞26個の意味|順位ではなく「700点以上」

敢闘賞は、英語ではMedallion for Excellenceと呼ばれます。

大会を運営するWorldSkills Internationalの競技規則(上海大会に適用された第11.0版)に、この賞の定めがあります。700点以上を取り、金・銀・銅メダルに入らなかった選手に贈られる賞です。順位で決まる賞ではありません。

そのため、15位や20位でも敢闘賞になる職種がある一方で、6位や8位でも敢闘賞が付かない職種があります。今回の日本選手団では、化学実験技術が6位、水技術とコンクリート躯体工事が8位でしたが、敢闘賞にはなっていません。

厚生労働省の別紙1には敢闘賞の職種ごとに順位も書かれており、日本の敢闘賞26個のうち、4位が6職種、5位が4職種ありました。メダルと敢闘賞を合わせると、出場した56職種のうち36職種、割合にして約64%が入賞したことになります。

国内の競技大会と技能検定のつながり

国際大会の代表は、多くの職種で技能五輪全国大会を通じて選ばれます。全国大会は原則23歳以下が対象で、厚生労働省は出場資格を「技能検定2級相当以上の技能を有する」者と説明しています。

図6:若手技能者の競技大会の階段

国際大会は、国内の競技大会と技能検定の延長線上にあります。

若年者ものづくり競技大会職業能力開発施設や工業高校などで技能を習得中の20歳以下
技能を伸ばして次の段階へ
技能五輪全国大会技能検定2級相当以上の技能を持つ23歳以下。国際大会の前年の大会は代表選考を兼ねる
優勝者などから代表を選考
技能五輪国際大会一部の職種を除き、大会開催年に22歳以下。原則2年に1度

※厚生労働省「各種技能競技大会」、中央職業能力開発協会(JAVADA)の説明をもとに作成。全国大会で実施されない職種は、業界団体などが代表を選考する。

つまり国際大会は、限られた企業だけの特別な行事ではなく、技能検定という共通の物差しの先にある大会です。機械加工の等級や合格基準は、次の記事でまとめています。

結果から言えること・言えないこと

大会直後は「日本の技能が落ちた」「育成の仕組みに問題がある」といった見方が出やすい時期です。ただ、公表された成績から確かに言えることは、それほど多くありません。

図7:公表された成績から言えること・言えないこと

数字で確認できることと、数字だけでは判断できないことを分けて読みます。

言えること
言えないこと
金メダルの数
2個で、2001年以降では2019年と並ぶ最少。国別では6位
金メダルが減った原因。選手・課題・参加国が毎回変わるため、成績表だけでは特定できない
世界の勢力図
金メダルの首位は5大会続けて中国。今回は41個で、2位は4個
他国の訓練の内容や期間。公表資料には含まれていない
日本の層の厚さ
56職種中36職種がメダルまたは敢闘賞。700点以上の職種が多い
日本の工場全体の技能水準。出場者は原則22歳以下(一部の職種は25歳以下)の代表に限られる
企業の育成
メダル職種の所属先と、各社が公式に発表している取り組み
個々の企業の育成の良し悪し。1大会の順位だけでは評価できない

※左の列は厚生労働省の公表資料で確認できる内容。右の列は筆者の整理。

確かなのは、金メダルの数は減ったが、メダルまたは敢闘賞に入った職種の数は減っていないという2つの事実です。メダルと敢闘賞の合計は、前回が47職種中35、今回が56職種中36でした。

出場職種が9つ増えているので、割合で見ると前回より下がっています。

一方、金メダルが減った理由を成績表から断定することはできません。選手は毎回入れ替わり、競技課題も変わります。厚生労働省の発表にも、要因の分析は書かれていません。

企業の技能者育成への示唆|ここからは筆者の考察

ここから先は、事実の整理ではなく筆者の考察です。まず、メダルを獲得した企業が公式に発表している内容を確認し、そのうえで自社の育成に引き寄せて考えます。

企業の公式発表から分かること

金メダル2個を獲得したきんでんは、1962年の大会以降、国際大会で計16個のメダル(金14個、銅2個)を獲得したと発表しています。

代表が決まった2025年11月の発表では、選手は教育施設の「きんでん学園」(兵庫県西宮市)などで訓練を重ねるとしていました。

同社は今後について、出場経験者を中心とした人材による技術・技能の伝承を進めながら、挑戦を続けるとしています。選手として出た人が、次の世代を教える側に回る流れを会社の方針として明言している点が目を引きます。

付加製造で銀メダルを獲得した豊田自動織機は、「モノづくりの基本は人づくり」という考えのもと、2000年から技能五輪に挑戦してきたと説明しています。ねらいとして挙げているのは、高度な技術の習得と、継続的な技能の伝承です。

考察1:大会の価値は「教えられる人」が残ること

2社の発表に共通するのは、メダルそのものよりも技能の伝承を目的に置いていることです。筆者は、競技大会に取り組む意味は順位よりも、技能を言葉と手順で説明できる人が社内に残ることにあると考えます。

決められた時間と精度の中で課題を仕上げるには、作業を分解し、どこで精度が崩れるかを自分で確かめる必要があります。この過程を経験した人は、自分の作業を他人に説明しやすくなるはずです。

指導者の不足は多くの工場に共通する課題で、2026年版ものづくり白書でも人材育成の問題点として挙げられています。

考察2:新しい職種は「手の技能」と「デジタル」の組み合わせ

今回の結果で筆者が注目したのは、付加製造、ロボットシステムインテグレーション、産業用制御システムといった職種でメダルが出たことです。いずれも、CADやプログラムと現物の調整を1人または少人数でこなす職種です。

旋盤や溶接のような従来の職種に加えて、こうした職種が競技として成立していることは、若手に求められる技能の範囲が広がっていることを示していると筆者は見ています。

ただし、これは職種の構成から受けた印象であり、成績との因果を示すものではありません。

自社の育成計画を見直す際は、加工や組立の技能と、データや制御の知識を別々の研修にせず、1つの課題の中で両方を使わせる設計が参考になります。

考察3:出場しない会社でも「物差し」として使える

技能五輪に選手を出せる企業は限られます。専任の指導員と訓練時間を確保する必要があり、中小の工場では現実的でないことが多いでしょう。それでも、大会の仕組みから取り入れられることはあると筆者は考えます。

  • 技能検定の等級を、若手の到達目標として年次ごとに示す
  • 技能検定の実技課題などを参考に、時間と精度を測る社内課題をつくる
  • 作業ごとの習熟度をスキルマップ(力量表)で見える化し、教える順番を決める
  • 課題を終えた若手に、次の年は後輩を教える役割を持たせる

目標と成長の実感があるかどうかは、若手が職場に残るかどうかにも関わると筆者は考えます。到達点が見える育成は、定着の面でも意味を持つという見方です。離職の実態と打ち手は製造業の離職率と若手の定着策で扱っています。

次は2028年愛知大会|日本開催までの流れ

次回の第49回大会は、2028年に日本の愛知県で開かれます。中央職業能力開発協会(JAVADA)によると、開会式は2028年11月15日、競技は16日から19日、閉会式は20日です。

会場は愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)です。

日本での開催は、1970年(東京・千葉)、1985年(大阪)、2007年(静岡)、2022年の特別開催に続くものです。2022年は15の国・地域での分散開催で、日本では京都で一部の職種を実施しました。

上海大会の閉会式では、次回開催地への大会旗の引き継ぎも行われました。

図8:上海大会から愛知大会までの流れ

国際大会の前年の全国大会が、代表選考を兼ねる仕組みです。

2026年9月第48回 上海大会日本は金2・銀5・銅3・敢闘賞26。閉会式で大会旗を引き継ぎ
国際大会の前年技能五輪全国大会国際大会で実施が見込まれる職種の選手選考を兼ねる
2028年11月15〜20日第49回 愛知大会会場は愛知県国際展示場。出場は一部の職種を除き22歳以下

※中央職業能力開発協会(JAVADA)の公表情報をもとに作成。愛知大会の選考方法の詳細は、JAVADAの選手選考方針で確認が必要。

出場資格は、一部の職種を除いて大会開催年に22歳以下です。この規則が変わらない前提で単純に逆算すると、2026年に20歳以下の若手が、愛知大会の世代にあたります(筆者の計算です)。

工業高校や高専を出て入社したばかりの層、あるいはこれから入社する層です。

厚生労働省は今回の発表の中で、愛知大会を控え、技能競技大会の実施などを通じて若年技能者の裾野を広げる取り組みを進めるとしています。地元開催は、選手を出す企業だけでなく、見学や運営を通じて技能に触れる機会が増える点でも意味があります。

まとめ

この記事のまとめ
  • 第48回技能五輪国際大会(上海、2026年9月22〜27日)で、日本は金2・銀5・銅3・敢闘賞26、金メダルの国別獲得数は6位
  • 金メダルはICTネットワーク施工と再生可能エネルギー。製造系ではCNC旋盤、産業用制御システム、付加製造、自動車板金が銀、溶接とロボットシステムインテグレーションが銅
  • 金2個は2001年以降で2019年と並ぶ最少。金メダルの首位は5大会続けて中国で、今回は41個
  • 敢闘賞は700点以上が基準。メダルと合わせると56職種中36職種が入賞した
  • 金メダルが減った原因は成績表からは分からない。育成の面では、教えられる人を残すこと、到達点を見える化することが参考になる

技能五輪の結果は、順位だけを見て一喜一憂するよりも、若手をどう育てるかを考える材料として使うほうが実務に役立ちます。

技能検定を含む資格の全体像は製造業で役立つ資格一覧、工業高校からの採用と受け入れは製造業の高卒採用の進め方もあわせてご覧ください。

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プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

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