プラントエンジニアの勉強におすすめの本|プラント設計・配管設計の入門書19選

設計事務所の机に開いた技術書と配管のアイソメ図面

プラント設計・配管設計の勉強は、1冊の総合書を探すより、分野ごとに入門書をそろえるのが近道です。プラントエンジニアは機械、電気、建築、工事と、仕事で扱う専門分野が広いからです。

この記事では、筆者が実際に買って「これは良い」と思った19冊を分野別に紹介します。題名・著者・版は、2026年10月時点で国立国会図書館サーチと出版社のページで確かめており、書評は筆者が読んだ版の感想で、版の情報は確認時点の最新のものです。

前半は機械・配管・電気・建築などの設計実務の本、後半はエネルギー管理士・電験三種・転職の本です。配管設計を勉強したい人は、配管の章の「勉強の順番」から読むと最初の一冊が決まります。

図1:プラント設計で扱う分野と、この記事の章

1つのプラントは、機器・配管・電気・建屋が組み合わさってできています。担当する分野の章から読めます。

機器・ボイラー配管・バルブ電気設備建屋・工事機械・空調の章配管の章電気の章建築・工事の章

※工程の順番ではなく、設備を構成する分野の並びです。資格の勉強はエネルギー管理士・電験三種の章で紹介します。

図2:紹介する19冊と版(2026年10月時点)

今買うならこの版、という早見表です。★は刊行から10年以上たち、改訂版が出ていない本です。刊行後の法令・規格の改正は入っていません。

分野
書名
著者・出版社・版
機械
やさしいボイラーの教科書 ★
南雲健治/オーム社/2007年
配管
絵とき 配管技術 基礎のきそ ★
西野悠司/日刊工業新聞社/2012年
配管
絵とき バルブ 基礎のきそ ★
小岩井隆/日刊工業新聞社/2014年
ユーティリティ
徹底マスター 空気線図の読み方・使い方
空気調和・衛生工学会 編/オーム社/改訂2版 2019年
電気
トコトンやさしい電気の本
山﨑耕造/日刊工業新聞社/第2版 2018年
電気
図解 電気設備の基礎 オールカラー
本田嘉弘ほか/ナツメ社/2025年(2013年版の改訂版)
電気
トコトンやさしい電気設備の本 ★
福田遵/日刊工業新聞社/2014年
電気
図解でわかるシーケンス制御 ★
大浜庄司/日本実業出版社/2001年
電気
最新電力システムの基本と仕組みがよ~くわかる本
木舟辰平/秀和システム/第4版 2024年
電気
トコトンやさしい発電・送電の本
福田遵/日刊工業新聞社/第2版 2023年
電気
電気事業法関係法令集
オーム社 編/25-26年版 2024年
建築
図説 やさしい構造設計
浅野清昭/学芸出版社/改訂版 2017年
建築
史上最強図解 よくわかる建築基準法
大脇賢次/ナツメ社/第2版 2025年
建築
史上最強図解 よくわかる消防法 ★
大脇賢次/ナツメ社/2013年
工事
施工がわかるイラスト建築生産入門
日本建設業連合会 編/彰国社/2017年
エネルギー管理士
エネルギー管理士試験[熱分野]徹底研究
不動弘幸/オーム社/改訂3版 2024年(電気分野は改訂3版 2023年)
エネルギー管理士
エネルギー管理士試験講座[熱分野・電気分野共通]Ⅰ
省エネルギーセンター/改訂8版 2026年
電験三種
みんなが欲しかった!電験三種 理論の教科書&問題集
TAC出版開発グループ 編著/TAC出版/第3版 2024年
転職
転職の思考法
北野唯我/ダイヤモンド社/2018年

※版と刊行年は国立国会図書館サーチと出版社のページで確認。最新の版であっても、刊行後に法令や規格が改正されている場合があります。

目次

機械

やさしいボイラーの教科書

南雲健治さんの『やさしいボイラーの教科書』(オーム社、2007年)で、ボイラーを初めて担当する人や、ボイラー室の設備を一度に把握したい人に向きます。

ボイラーとは何かから、ボイラーの種類や制御方法まで、ボイラーの基本がひととおりまとまっています。全ての見開きにイラストがあり、一通り読むだけで基礎知識が身に付きます。

読んだ後は、個別のテーマを掘り下げると理解が定着し、たとえばボイラー効率の計算式や、給水の酸素を抜く脱気器の仕組みです。

2007年刊で版の表示はないため、ボイラーの法令や資格試験に関わる部分は、刊行後の改正を最新の資料で確かめてください。目次はオーム社の紹介ページで確かめられます。

配管

配管設計の勉強は、基礎の本で全体をつかんでから、規格・図面・部品の使い分けへ進むと迷いません。本で学べるのは共通の基礎までで、使う規格の版や細かい決まりは会社や案件の仕様書で決まります。

図3:配管設計の勉強の順番

入門書から始めて、規格・図面・部品と範囲を広げ、最後は案件の仕様書で確かめます。

01基礎の本管・継手・バルブ・支持の全体像を入門書でつかむ
02規格管やフランジの規格(JIS・JPI・ASME)の違いを知る
03図面P&IDや配置図で、配管と計器の描き方を読む
04部品の使い分け継手・レデューサー・バルブを条件で選び分ける
05仕様書で確認社内標準と案件の仕様書で、使う規格と例外を確かめる

※02〜04 は MONOSCOPE の関連記事を本文中で紹介しています。適用する規格・版は案件ごとに異なります。

配管技術 基礎のきそ

西野悠司さんの『絵とき 配管技術 基礎のきそ』(日刊工業新聞社、2012年)で、配管設計を始めたばかりの人が、最初に読む1冊に向きます。

配管設計の基本となる知識が、分かりやすく網羅的にまとめてあります。「基礎のきそ」とありますが、情報量はかなり多いので、本棚に1冊置いておいて損はありません。

本で管と継手の種類をつかんだら、実務で迷いやすい点を個別に確かめます。まずはフランジ規格ASMEとJPIの違いと、レデューサーの同心・偏心の使い分けです。溶接継手は、SW(ソケットウェルド)とBW(バットウェルド)の違いを押さえると、図面の記号が読めるようになります。

バルブ 基礎のきそ

小岩井隆さんの『絵とき バルブ 基礎のきそ』(日刊工業新聞社、2014年)で、基礎のきそシリーズのバルブ編です。各バルブの動きや特徴が、分かりやすく図解されています。弁の種類を選ぶ場面や、メーカーの資料を読む前の下地づくりに役立ちます。

安全弁は構造で選び方が変わるので、安全弁の揚程式と全量式の違いもあわせて読むと理解が進みます。系統の中でバルブがどう描かれるかは、P&ID(配管計装図)の読み方で記号と並べて確かめられます。

ユーティリティ

空気線図の読み方・使い方

空気調和・衛生工学会 編『徹底マスター 空気線図の読み方・使い方』(オーム社、改訂2版 2019年)で、冷却塔や空調設備を担当する設計者に向きます。冷却塔や空調設備の設計で重要になる、空気線図に特化した参考書で、ネット上には空気線図の詳しい情報が少ないので重宝しています。

改訂2版は、初版から約20年ぶりに全体を見直した版で、空調のプロセスを空気線図の上でどう表すかから、応用事例まで扱っています(オーム社の紹介ページ)。

電気

電気の本は、入門書で全体をつかみ、設備・制御・電力系統・法令へ広げる順に並べたので、機械出身で電気も見ることになった人は、上から順に読むと無理がありません。

トコトンやさしい電気の本

山﨑耕造さんの『トコトンやさしい電気の本 第2版』(日刊工業新聞社、2018年)で、トコトンやさしいシリーズの電気の本であり、入門者におすすめです。

電気設備の基礎

本田嘉弘さんほかの『図解 電気設備の基礎 オールカラー』(ナツメ社、2025年)は、2013年刊『図解 電気設備の基礎 はじめて電気設備を学ぶ人のために』の改訂版です。

受変電設備や配電盤、エスカレーターまで、工場や商業施設の電気の知識を体系的に学べます。全て図説なのでイメージがつきやすく、入門者に特におすすめです。今買うなら、カラーになった2025年の改訂版を選んでください。

トコトンやさしい電気設備の本

福田遵さんの『トコトンやさしい電気設備の本』(日刊工業新聞社、2014年)で、トコトンやさしいシリーズの電気設備の本であり、入門者におすすめです。

図解でわかるシーケンス制御

大浜庄司さんの『図解でわかるシーケンス制御』(日本実業出版社、2001年)で、制御盤の中に使われている機器の役割や機構が、詳しく図解されています。普段あまり盤の中を見る機会のない方には、機器の動きをイメージしやすいので特におすすめの1冊です。

2001年刊で、国立国会図書館サーチで見るかぎり改訂版は出ていません。新品で見つからないときは図書館で探すか、PLCとシーケンス制御の仕組みの記事から入る方法もあります。

電力システムの基本と仕組みがよく分かる本

木舟辰平さんの『図解入門ビジネス 最新電力システムの基本と仕組みがよ~くわかる本[第4版]』(秀和システム、2024年)です。電力系統や送配電の仕組み、電気料金などの情勢がまとめられていて、設備というより、電力業界の動きを学ぶのに役立ちます。

第4版は、火力・原子力・再生可能エネルギー・蓄電から電力市場まで全11章です(秀和システムの紹介ページ)。制度の動きが速い分野なので、版の新しいものを選びます。

トコトンやさしい発電・送電の本

福田遵さんの『トコトンやさしい発電・送電の本 第2版』(日刊工業新聞社、2023年)で、トコトンやさしいシリーズの発電・送電の本であり、入門者におすすめです。2014年の初版のあと、2023年に第2版が出ているので、今買うなら第2版です。

電気事業法関係法令集

オーム社 編『電気事業法関係法令集 25-26年版』(2024年12月)で、発電所や受変電設備の仕事で、条文を確かめる必要がある人に向きます。

984ページあり、電気事業法を中心に政令・省令・告示から内規・通達まで収めていて、発電所に関わる仕事をしている人にはバイブル的な1冊です。

法令集は2年ごとに新しい年版が出ています(23-24年版は2022年11月、25-26年版は2024年12月)。購入時はオーム社のページなどで最新の年版を選んでください。

建築

やさしい構造設計

浅野清昭さんの『改訂版 図説 やさしい構造設計』(学芸出版社、2017年)で、鉄骨や建屋の構造設計に関する知識が学べます。

鉄骨の接続方法から基礎の種類まで、イラストが多用されていて分かりやすいです。物理の基礎から入り、許容応力度設計を例題の手順で追う構成です(学芸出版社の紹介ページ)。機器の荷重を建築側に渡すときに、相手が何を計算しているかが分かるようになります。

よくわかる建築基準法

大脇賢次さんの『史上最強図解 よくわかる建築基準法 第2版』(ナツメ社、2025年)で、文章だけでは分かりにくい建築基準法が、多数のイラストで解説されています。ソフトカバーなので持ち歩きにも便利です。

第2版は2025年4月の法改正に対応しているので、2009年の初版を持っている場合は、買い替えを考えてよい時期です。

よくわかる消防法

大脇賢次さんの『史上最強図解 よくわかる消防法』(ナツメ社、2013年)で、消防法の全体が体系的に学べます。図解が多いので、初学者にも分かりやすい1冊です。

2013年刊なので、その後の法改正は入っていません。全体像をつかむのに使い、実務の判断は最新の法令と所轄の消防の指導で確かめてください。

工事

施工がわかるイラスト建築生産入門

日本建設業連合会 編『施工がわかるイラスト建築生産入門』(彰国社、2017年)で、イラストは川﨑一雄さんが描いています。着工から竣工まで、工事現場のことが体系的に分かりやすくまとめられた良書で、全てのページにイラストが載っていて、実際の現場をイメージしながら読み進められます。

普段、現場に行く機会の少ない設計関係の方の入門書としては最高で、2020年には英訳版『The Japanese Building Process Illustrated』も出ています。

エネルギー管理士

エネルギー管理士の勉強は、分かりやすい参考書で全体をつかみ、詳しいテキストで細部を詰める2段構えが向きます。

図4:エネルギー管理士試験の課目と2冊の使い分け

課目Ⅰは熱分野・電気分野の共通で、Ⅱ〜Ⅳは分野ごとに分かれます。

課目Ⅰ(共通)エネルギー総合管理及び法規。試験講座Ⅰで細部まで
熱分野 Ⅱ〜Ⅳ熱と流体の流れ・燃料と燃焼・熱利用設備
電気分野 Ⅱ〜Ⅳ電気の基礎・電気設備及び機器・電力応用
徹底研究熱・電気の2冊。全課目の導入に使う

※課目の名称は省エネルギーセンター「令和8年度 受験の手引」による。

エネルギー管理士試験 徹底研究

不動弘幸さんの『エネルギー管理士試験[熱分野]徹底研究 改訂3版』(オーム社、2024年)で、電気分野版も改訂3版(2023年)が出ています。ポイントが分かりやすくまとめられていて、導入としてとても分かりやすい参考書です。

筆者が受験した試験会場でも、多くの方がこの参考書を使っていました。

改訂3版は、省エネ法の名称変更と関連法令の改正、最近の出題傾向を入れて刷新されています(オーム社の紹介ページ)。

エネルギー管理士試験講座

省エネルギーセンターの『エネルギー管理士試験講座[熱分野・電気分野共通]Ⅰ』は、課目Ⅰ「エネルギー総合管理及び法規」のテキストです。

最新は2026年7月の改訂8版で、国立国会図書館の書誌では「令和5年度改正省エネ法対応版」とされています。改訂7版(2023年6月)以前の版を持っている場合は、受ける年度に合う版かを奥付で確かめてください。

試験を実施する省エネルギーセンターが出している、かなり詳しい参考書です。専門的な内容が多いですが、試験前に読んでおくと引っ掛け問題に対応できます。試験の難しさと勉強の進め方は、エネルギー管理士が難しすぎると感じる原因と勉強法にまとめています。

電験三種

みんなが欲しかった 電験三種シリーズ 教科書&問題集

TAC出版開発グループ 編著『みんなが欲しかった!電験三種 理論の教科書&問題集 第3版』(TAC出版、2024年)です。イラストが多く、教科書と問題集が一体で、理論・電力・機械・法規と科目ごとに4冊出ています。

4冊とも2024年3〜5月に第3版が出ており、分かりやすいので、電験を受ける方におすすめです。

転職

転職の思考法

北野唯我さんの『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』(ダイヤモンド社、2018年)です。転職活動の際に何度か読み直しており、今の仕事を続けるべきか疑問を感じたときに読むべき1冊です。

プラント業界の中で動くなら、EPC・オーナー・保全で役割と働き方が違います。プラントエンジニアの仕事と年収で、立場ごとの違いを確かめてから考えると判断しやすくなります。

プラント設計の本を選ぶときの注意点

本は一度買うと長く使いますが、法令・規格・制度が絡む本は、版が古いと中身が今の実務と合わなくなります。

図5:本を選ぶ前の4つの確認

目的と難しさで候補を絞り、版と手に入るかを確かめてから買います。

目的と難しさ通読して全体をつかむなら図解の入門書。調べ物には網羅型を手元に
最新の版か奥付の刊行年と、改訂版・第2版が出ていないかを確かめる
法令・規格は現行か最新の版でも、刊行後の改正は入らない。条文は法令の原文で確認
手に入るか品切れの本は図書館で。所蔵は国立国会図書館サーチで探せる

「最新の版」と「今の法令に合っている」は別の話で、法令集や試験の法規テキストは改正のたびに改訂されるので、刊行年が試験日や仕事の時期より前でないかを見ます。

版を確かめるには、国立国会図書館サーチで書名を検索するのが確実です。同じ書名の版と刊行年が並ぶので、新しい版が出ているかがすぐ分かります。

本で基礎を固めたら、次は書類と図面の実務です。見積仕様書の書き方や、デビエーションリスト(デビクラ)の書き方は、新人のうちに必ず触れます。図面では、方位を決めるプラントノース(PN)と、Visioで寸法入りの図面を作る方法が役立ちます。

プラント設計の本のよくある質問

未経験から配管設計を担当することになったら、最初の1冊は?

『絵とき 配管技術 基礎のきそ』のような、配管全体を絵で見渡せる入門書から始め、最初は通読して用語に慣れることを目標にします。そのうえで、担当する案件の配管仕様書を読み、本に出てきた用語と照らし合わせると覚えが早くなります。

プラント設計の本は1冊で足りる?

足りないことが多く、プラントは機械・配管・電気・建築・工事が組み合わさった設備なので、担当分野の入門書を1冊ずつそろえるほうが近道です。

古い版の本でも勉強に使える?

原理や機器の仕組みは、古い版でも大きくは変わりませんが、法令・規格・試験に関わる本は、改正で内容が変わるので最新の版を使います。

電気事業法関係法令集は毎回買い替える?

オーム社の法令集は、2年ごとに年版が出ています。条文を仕事でよく確かめる人は年版が変わるたびに見直し、たまに引く程度なら電子政府の法令検索(e-Gov)で最新の条文を確かめる使い方もあります。

まとめ

この記事のまとめ
  • プラント設計・配管設計の勉強は、担当分野ごとに入門書をそろえるのが近道
  • 配管は、基礎の本→規格→図面→部品の使い分け→仕様書の順に進む
  • 電力システム(第4版)、建築基準法(第2版)、エネ管の試験講座(改訂8版)など、新しい版が出ている本が多い
  • 最新の版でも、刊行後の法令・規格の改正は入らないので原文で確かめる
  • 次の1冊は「担当分野・目的・版・手に入るか」の順で選ぶ

本で学んだことは、現場の仕事とつなげると定着します。業界の全体像はプラント業界の企業の種類と仕事の流れ、資格選びは製造業で役立つ資格一覧から確かめられます。

出典

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プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

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