バタフライバルブは、配管内の円盤状の弁体を約90度回して、流体を止めたり流量を調節したりする弁です。バタフライ弁、蝶形弁、バタ弁とも呼ばれます。
薄い本体と短い面間寸法が特徴で、大口径の水配管や空調設備、プロセス配管に使われます。選定では口径だけでなく、弁座の材料、使用差圧、開度、配管との接続条件が重要です。
動画2分20秒の「流量制御には向かない」を訂正します。調節用途の製品があり、許容開度と差圧、キャビテーション条件を満たす範囲で使用できます。
バタフライバルブとは
円盤状のディスクが流れに対して直角になると閉じ、流れに沿う向きになると開きます。弁体が配管内で回転するため、弁体を上下へ大きく持ち上げる空間を必要としません。
レバー式は手元のレバーを約90度動かして操作し、ギヤ式はハンドル車を複数回回して操作します。ギヤ式でも弁体の基本的な回転角は約90度で、ハンドルの回転数とは区別します。
軸がディスクの中心付近にある中心形と、軸や弁座の位置をずらした偏心形があります。偏心構造は、開閉中の弁座との接触や閉止時のシールの仕方を変える設計です。
中心形のゴムシート弁と、高温のプロセスに使う三重偏心の金属シール弁では、得意な条件が異なります。「バタフライ」という形の名前だけで、すべての性能をひとまとめにはできません。
大口径でも本体を比較的コンパクトにできるため、水処理や建築設備に加え、化学、食品などにも用途が広がっています。薬液への適合や洗浄性が必要な用途では、接液材と構造を組み合わせて選びます。
バタフライバルブの構成
基本部品は本体、ディスク、ステム、シート、操作部です。外形が似ていても、シートが本体側に付くか弁体側に付くか、軸の位置やシールの仕方によって内部構造が変わります。
閉じたディスクを配管の軸方向から見た模式断面。操作部から軸へ回転を伝え、円盤の外周をシートへ合わせる。
部品の位置関係を示した簡略図。偏心形や金属シール形では軸・弁座・シール部の配置が異なる。
バルブボディ
ボディは流体の圧力を受け持ち、ディスクや軸を所定の位置で支える本体です。材質には鋳鉄、ダクタイル鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウムなどがあり、用途別に使い分けます。
ゴムや樹脂が接液部を覆う設計では、外側の本体材と、流体が実際に触れる材料が異なります。外観が金属製であることと、すべての接液部が同じ金属であることを混同しないようにします。
本体そのものが樹脂製の製品もあり、旭有機材の75型にはPPやPVDFの仕様があります。金属本体への樹脂被覆とは構造が異なるため、材質に応じた圧力温度条件と支持方法で扱います。
腐食性流体では薬品名だけでなく、濃度、温度、混入物も材料選びに影響します。ステンレスという名称だけで耐食性を決めず、接液部品全体の材料と使用条件をそろえて検討します。
本体は配管へ接続する部分も兼ねるため、面間寸法、フランジ規格、ボルトの通り方まで仕様に含めます。更新時は呼び径が同じでも面間が異なり、既存配管のままでは収まらない場合があります。
ディスク
ディスクは流路を横切る円盤状の弁体で、その角度によって流体の通り道を変えます。全開時も弁体と軸は流路内に残るため、配管内部が完全に空になる構造ではありません。
ディスクの材質や被覆は、耐食性だけでなく摩耗や付着物の影響を考えて選びます。液中の固形物が弁体の縁とシートの間へ入り込むと、閉止不良や弁座の傷につながります。
ディスクにも金属以外の選択肢があり、旭有機材の58型エア式FL型ではPPを使っています。PPはポリプロピレン、PVDFはポリフッ化ビニリデンという樹脂で、接液材料ごとに流体への適合を評価します。
全開位置ではディスクの端が本体の面から配管側へ突き出す製品があります。相手配管の内径や隣接する逆止弁との干渉を、寸法図の弁体飛出寸法で判断することが必要です。
ステム(軸)
ステムは操作部の回転をディスクへ伝える軸で、軸受やシールと組み合わさって働きます。軸の強度に加え、流体への耐食性や軸受部の摩耗も運転状態に影響します。
ステムが外へ出る部分には、流体を外部へ漏らさないためのシールがあります。この軸部からの外部漏れと、閉じた弁の下流側へ流れる弁座漏れは、原因も点検箇所も異なります。
操作が重くなった場合には、弁座への異物や膨潤のほか、軸受、芯ずれ、操作部の異常も候補になります。大きな力で動かす前に、どの条件で重くなるかを運転履歴と照らし合わせます。
軸と操作部の接続を外すと、弁体が流体力で動いたり、残圧で部品が飛び出したりする危険があります。700Zのように駆動部の取り外し自体を禁止する製品もあり、減圧を分解の許可とみなしてはいけません。
シート
シートは閉止時にディスクと接触して、流れを止める部分です。EPDMやNBRのゴム、PTFEなどのフッ素樹脂、金属系などがあり、材質と構造の組合せで性能が決まります。
PTFEはゴムと同じ弾性材料ではなく、フッ素樹脂です。耐薬品性だけでなく、変形の仕方やシートを押さえる構造も異なるため、ゴムシートの取り扱いをそのまま当てはめません。
ゴムシートでは流体による膨潤や温度劣化、金属シールでは接触面の傷や異物が問題になります。閉まらない原因が弁座の変形なら、ハンドルを強く締めても適切な閉止状態には戻りません。
交換できるシートと、弁全体の交換やメーカー修理を前提にする構造があります。交換部品の有無と作業要領は購入時に把握し、保全計画に必要な停止時間も見込んでおきます。
アクチュエーター
操作部には手動レバー、手動ギヤ、電動、空気圧、油圧などがあります。人が時々開閉する用途と、自動制御で繰り返し動かす用途では、必要な仕様が異なります。
空気圧式でも複動形とばね復帰形では、空気を失ったときの動きが違います。停止時に開くか閉じるかは、設備が必要とする安全側の状態から決め、操作源の種類だけでは判断しません。
連続的な流量調節では、指令した開度と実際の開度を合わせる仕組みも必要です。ポジショナーの位置フィードバックを使う構成では、弁の制御特性と操作部の応答を組み合わせます。
空気圧式の供給・排気の経路と電磁弁の関係は、空動弁の操作回路と併せて整理できます。単に大きい駆動部を付けるのではなく、弁軸の許容値を含めた組合せで選定します。
バタフライバルブのメリット
流路が大きく、圧力損失が小さい
全開時はディスクが流れに沿う向きになり、流体を大きく曲げるグローブ弁などに比べて圧力損失を抑えやすくなります。大量の水を送る設備では、運転に必要な動力にも関係する長所です。
一方、全開時にも弁体が残るため、同じ口径のフルボアのボール弁などとの比較では条件が変わります。圧力損失が小さいという言葉だけで順位を決めず、流量係数や損失係数を使います。
圧力損失は、同じ開度であっても流量が増えると大きくなります。単相の水を流し、損失係数を一定とする簡単な例で、配管内の流速と弁前後の差圧を計算してみましょう。
内径を0.20m、流量を100m³/h、水の密度を1000kg/m³と仮定します。損失係数ζは計算練習用に2と置き、実在するバルブの全開値を示す数値としては使いません。
同じ内径0.20m、損失係数2、水の密度1000kg/m³という仮定。弁の製品性能を表すグラフではない。
同じ開度・損失係数一定の計算を二次曲線で示した。実機では開度・流体条件に応じた係数を用いる。
この条件で流量を200m³/hにすると、流速は約1.768m/s、損失は約3.127kPaになります。配管全体では直管や継手の損失も加わるため、この値だけでポンプ揚程を決めません。
開度を変えれば損失係数も変わるので、流量の比だけで絞り状態の差圧を計算することはできません。流速の増加に伴う問題は、配管の流速と圧力損失・振動にもつながります。
設置スペースが小さい
バタフライ弁は配管の軸方向に薄く、長い本体を必要とする弁と比べて短い区間へ納まりやすい構造です。大口径の配管を並べる設備では、重量や支持構造の負担も小さくしやすくなります。
ただし設置空間には本体だけでなく、レバーを振る範囲やハンドルを回す場所も含めます。電動機や空気圧操作部を付ける場合は、その寸法と保守時の取り外し方向を見込みます。
狭い場所へ入ったとしても、ボルトを引き抜けなければ将来の弁交換が難しくなります。隣接配管、保温材、支持金物との距離を含め、作業する人の手が届く配置にします。
高温配管では保温材が開度表示や操作部を覆わないように設計します。バルブの保温と放熱ロスを評価しつつ、軸部や駆動部の許容周囲温度も守る配置が必要です。
開閉トルクが小さい
約90度で開閉する回転構造は自動化しやすく、同じ用途の大型弁と比べて操作部を小さくできる場合があります。ギヤを使えば、作業者がハンドルへ加える力も小さくできます。
必要トルクは、シートの摩擦、差圧、流体力、口径、開度などで変化します。無加圧の弁を軽く回せることは、最大差圧下でも同じ力で動くことの証明にはなりません。
アクチュエーターは動き始めや閉止終端を含め、必要な角度範囲で十分なトルクを出す組合せにします。ばね復帰形では、供給空気があるときと、ばねで戻るときの両方を評価します。
操作力を減らすギヤを付けても、弁軸やストッパーへ加わるトルクには上限があります。ハンドルに延長棒を掛ける使い方は避け、動かない原因を取り除くことが先決です。
バタフライバルブのデメリット
高いシール性が求められる場所には不向き
閉止性能はバタフライ弁という名称ではなく、弁座の構造と検査条件で決まります。ゴムシート形にもタイトシャットオフを定める製品があり、金属シールの三重偏心形にも高い閉止性能を持つ製品があります。
たとえば巴バルブの700Z説明書は、所定の許容圧力と加圧方向に対する弁座リーク基準を示しています。TT2カタログもISO5208のRateAなどを掲げており、「円盤が回るから必ず漏れる」という説明は適切ではありません。
選定では、漏れの試験媒体、差圧、温度、加圧方向、許容量をそろえて比較します。カタログのゼロリークという表現も、あらゆる使用履歴や条件で絶対に漏れないという保証には置き換えません。
危険流体を隔離して人が作業する目的では、運転用の閉止弁の性能とは別に、事業所の隔離方法を定めます。閉止表示が出たことだけを、配管内部が無圧になった証拠として使いません。
温度制限がある
使用温度はシート、ボディ、軸シール、操作部などの許容条件を合わせて決めます。特にゴムシートでは材質と流体の組合せが重要で、同じEPDMという名称でも製品仕様をそろえて扱います。
説明書に最大温度と連続使用温度が別々にある場合は、その区別を読み取ります。700ZのEPDM仕様では最大範囲と連続使用範囲が異なり、最大値を常時運転の許容値として使うことはできません。
高温用途には金属系シールなどを用いた偏心弁があり、バタフライ弁全体が低温・中温だけの弁ではありません。一方で金属シールに替えれば、既存ボディや操作部の定格まで上がるわけではありません。
洗浄時だけ温度や薬品濃度が高くなる設備では、通常運転と洗浄の両方を使用条件へ入れます。短時間の異常温度や保温で上がる周囲温度も含め、仕様書に運転の各状態を記載します。
流量制御には向かない
バタフライ弁には流量制御に使う製品があり、開閉専用と決め付ける必要はありません。巴バルブの技術資料も、閉止と調節の用途を示し、制御弁としての口径選定やCv計算を掲載しています。
700Zでは、中間開度での絞り運転は開度30度以上という条件があります。小開度で連続使用すると噴流やキャビテーション、振動などで損傷する恐れがあり、30度以上でも差圧などの適用条件を評価します。
必要な最小流量が大きな弁のごく小さい開度に偏る場合は、制御しやすい範囲から外れやすくなります。Cv値による口径選定を行い、最小・通常・最大流量に対応する開度を確かめます。
液体の差圧が大きい用途では、弁内部での圧力低下とキャビテーションの発生条件も評価します。必要な流量を通せることと、騒音や損傷を抑えて安定調節できることを分けて判断します。
材料の名前は選定の出発点。流体と温度、差圧、接触の仕方を合わせて閉止・調節の条件を決める。
| 材料・構造 | 主に着目する点 | 仕様書で確かめる条件 |
|---|---|---|
| EPDMなどのゴム | 弾性を利用して弁体外周をシール | 流体適合性、膨潤、最大温度と連続温度 |
| NBRなどのゴム | 用途に合うゴムの選択 | 油の種類や添加剤、温度、許容差圧 |
| PTFEなどの樹脂 | ゴムとは異なる変形・保持構造 | 薬品濃度、温度、圧力温度定格、取付構造 |
| 金属系シール | 偏心構造と接触面の設計 | 加圧方向、漏れ基準、必要閉止トルク |
この表は一般的な確認軸で、個別材料の適合を保証する表ではない。金属系でもシール部に複合材を使う設計がある。
バタフライバルブの選定基準
流体の種類
水、油、空気、薬液などの名称に加え、濃度、固形物、粘度、温度を記載します。水系の流体でも油分や洗浄剤が混入すれば、選べるシート材料が変わります。
700Z説明書では、油や油分を含む流体にEPDMシートを使わないよう指定しています。このような材料適合の条件は、ボディが耐食性に優れているかどうかとは別に照合する項目です。
食品や医薬用途では、接液材の適合に加え、洗浄性、残液のたまり、必要な衛生上の要求を仕様に含めます。一般配管用の弁を、ステンレス製という理由だけで衛生用の弁として採用しません。
圧力と温度
本体の最高使用圧力と、閉止できる差圧は別の項目です。上流と下流がともに加圧されている場合も、片側を大気へ開放する場合も含め、運転中に弁へ掛かる差圧を整理します。
圧力と温度は別々の最大値を選ぶのではなく、P–Tレーティングの組合せで判定します。温度が上がると許容圧力が下がる製品では、最高圧力と最高温度を同時に使うことはできません。
フランジの10KやClass150といった表示も、流体圧力の数値をそのまま表す名称ではありません。JIS・ASME・JPIのフランジ規格を区別し、製品の定格と相手側の仕様をそろえます。
起動停止、ポンプの停止、急閉止で圧力が変わる場合は、その過渡状態も設計に含めます。操作時間を短くすることだけを目標にせず、水撃や周辺機器への影響を抑える開閉時間にします。
サイズ
開閉用の弁は配管径との整合を基本にしますが、調節用では流量と差圧から必要な容量を求めます。過大な口径を選ぶと、通常の流量が小開度へ偏り、調整しにくくなる場合があります。
最小・通常・最大流量ごとに上流圧力、下流圧力、温度を整理し、使う開度範囲を評価します。配管径より小さい弁を採用するときは、前後のレジューサーの影響も口径選定に含めます。
接続寸法では呼び径だけでなく、配管の実内径、ライニング厚さ、フランジの内径も重要です。ディスクが全開へ動く経路を妨げる内径では、ボルトが締められても正常に開閉できません。
同じ面間の交換でも、軸の高さや操作部の向きが変わると周囲へ干渉します。寸法図と配置図を合わせ、交換品が入ること、操作できること、次回取り出せることをそれぞれ判断します。
操作方法
手動は操作頻度や設置高さ、必要な力を考えてレバーかギヤかを選びます。遠隔操作や頻繁な開閉が必要なら、電動や空気圧式などの操作源と制御方法を決めます。
電動式では電源仕様、操作時間、開閉頻度、周囲温度、必要な保護構造をそろえます。開閉専用と連続調節用では運転の負担が異なるため、同じモーター容量だけで比較しません。
空気圧式は最低供給圧力でも必要トルクを得られるか、停電や空気喪失時にどう動くかを扱います。弁の全開・全閉信号だけでなく、異常を上位の制御へ知らせる条件も決めておきます。
バタフライバルブのフランジ型とウエハー型の使い分け
フランジ型は本体に配管との接続フランジを持ち、ウエハー型は相手フランジの間に挟んで取り付けます。ラグ型も含め、ボルトがどこを通り、何を固定するかが接続形式の違いです。
配管軸方向の模式断面。ボルトは流路の外側を通り、相手フランジと本体を締結する。
ガスケットやボルトの寸法は省略した模式図。実際の固定・末端使用・分解条件は機種の取扱説明書に従う。
フランジ型
本体の両側にフランジを持つ形式では、左右それぞれの配管フランジとボルトで接続します。接続面の規格、面形状、ガスケット、ボルトを一組として合わせます。
フランジの存在は取り付け方の特徴であり、それだけで高圧使用の適否が決まるわけではありません。材質、圧力クラス、温度、弁座の許容差圧を、採用する製品の仕様から判定します。
相手フランジの面形状にはFFやRFなどがあり、接続面とシール部の構造へ影響します。フランジのFF・RFの違いを整理し、組合せ可能な形状とガスケットを選びます。
弁本体の重量や操作部の荷重を、接続ボルトだけで無理に支える配置にも注意が必要です。配管支持と作業時の仮支持を計画し、取り外し中に弁や配管が動かない状態をつくります。
ウエハー型
ウエハー型は薄い本体を配管側の二枚のフランジで挟む形式で、軽量化と短面間に適しています。長い通しボルトを使う構造では、左右の配管と弁の芯を合わせて固定します。
この形は低圧専用ではなく、三重偏心弁にもウエハー形のClass150・300などがあります。フランジ型より必ず耐圧性が低いと判断せず、個々の圧力温度定格を比較します。
ゴムシートがフランジ面まで覆う形式には、追加のガスケットを使わない製品があります。700Z説明書も追加ガスケットを禁止しているため、ウエハー型ならどれも同じパッキンを足すという施工はできません。
片側のフランジを外すと、弁の保持やシール条件が失われる構造もあります。配管末端で使う計画や片側配管だけの取り外しは、末端使用の許可と必要な固定方法を製品ごとに評価します。
使い分けのポイント
まず接続規格と定格を満たす候補を選び、その中で重量、面間、保守方法、調達条件を比較します。高圧ならフランジ、低圧ならウエハーという二択では、必要な条件を取りこぼします。
ラグ型は耳のねじ穴へ左右から締結する方式で、ウエハー型とはボルトの保持方法が異なります。ただしラグがあることだけで、全圧力の末端使用が許可されると判断することはできません。
発注時は弁だけでなく、相フランジの手配範囲やボルト長さ、ガスケットの要否も決めます。購入先と工事側の分担を明確にすると、現場で部材が合わない事態を減らせます。
バタフライバルブのメンテナンス
保全では、日常の状態監視と、停止中の取り外し点検を分けて計画します。弁座漏れ、外部漏れ、重い操作、異音などを別々に記録すると、点検すべき部位を絞りやすくなります。
配管から外すときは、流入防止、両側の残圧排出、排液、冷却、操作源と蓄積エネルギーの処置が必要です。ロックアウト・タグアウトを事業所の手順へ組み込み、再加圧や不意の動作を防ぎます。
停止作業で扱う配管と操作部の模式図。両側の残圧と排液、温度、操作エネルギーをそれぞれ処置する。
一般的な確認範囲を示した図で、隔離方法の指定ではない。危険流体では盲板など必要な隔離を作業計画で選び、ドレンを開ける前にも排出先と安全を確保する。
定期点検
日常点検では外部漏れ、異音、振動、開度表示、操作時間などを見ます。閉止しても下流へ流れる弁座漏れと、本体や接続部から外へ出る漏れを区別して、発生条件を記録します。
点検周期はすべての弁を一律に半年から一年とせず、機種の指定、使用回数、流体、故障時の影響で決めます。700Z説明書の年次点検のような製品別の指示を、設備の保全計画へ落とし込みます。
異常がないかを見る活動と、寿命を見込んで交換する活動は役割が異なります。TBMとCBMの違いを整理し、開閉回数や漏れ量、操作時間の変化を保全判断に使います。
開度表示が全閉でも、弁体と表示の連結や停止位置に問題があれば閉止状態と一致しません。表示と実際の挙動を比較し、ストッパー位置を原因不明のまま動かす調整は避けます。
清掃
弁座やディスクの縁に付いた異物は、閉止不良やシート損傷の原因になります。清掃前に停止と隔離を行い、弁が不意に回転せず、内部へ流体が入らない状態をつくります。
自動弁では電源や空気源を止めても、残った空気圧やばねの力で動く可能性があります。ディスクの中へ手を入れる作業は、操作エネルギーの処置を含む機種別の作業手順で実施します。
清掃剤や工具はシート材料に合うものを使い、金属の鋭い工具でシール面を傷付けないようにします。有機溶剤や油を安易に付けると、ゴムの変質や膨潤を起こす材料があります。
異物を取り除いた後は、付着だけでなく摩耗、亀裂、変形、腐食も見ます。清掃で一時的に閉まるようになっても、同じ異物が繰り返し入るなら、上流の発生源や運転条件も対策します。
シート交換
シート交換の可否と方法は、シートの固定構造や軸との組合せによって異なります。交換部品を外から入れ替える製品と、メーカー修理や弁全体の交換を前提にする製品を分けて扱います。
交換する場合は材質と寸法を合わせるだけでなく、弁体との接触状態や指定部品の組合せを守ります。温度条件を変えたいという理由で別材質のシートだけを付け、定格が上がったと判断することはできません。
組立後は必要な閉止位置、開閉の滑らかさ、外部漏れ、弁座漏れを所定の方法で評価します。配管へ戻した後もディスクが内面に当たらず、操作範囲を確保できることが重要です。
再加圧は作業者が退避し、工具や仮固定を処置した後に計画した手順で行います。型式、交換材料、実施日、点検結果を残すことで、次回の不具合を同じ条件で比較できます。

よくある質問
バタフライバルブは全開でも圧力損失がありますか?
全開でもディスクと軸が流路内に残るため、弁による圧力損失はあります。流量と内径に加え、採用する弁の開度別の流量係数や損失係数を使って評価します。
バタフライバルブで流量調整はできますか?
調節用途に対応する製品なら、指定した開度や差圧の範囲で使用できます。最小流量が小開度へ偏らないよう口径を選び、キャビテーションや振動も含めて適用を判断します。
ウエハー型には必ずガスケットを入れますか?
ゴムシートの面が配管接続部もシールする機種では、追加ガスケットを禁止している場合があります。一方、ガスケットを指定する金属シール弁などもあるため、型式ごとの接続要領を使います。
ハンドルを強く締めれば弁座漏れは止まりますか?
漏れの原因が異物や弁座の損傷なら、過大な操作力では直せず、軸やギヤを傷める恐れがあります。所定の閉止位置を基準に、差圧と漏れの状態を整理して点検します。
フランジ型とウエハー型は圧力だけで選べますか?
接続形式は固定方法の違いなので、圧力温度定格と分けて選びます。接続規格、配管末端での使用、交換時の保持、面間やディスク干渉まで含めて比較します。
まとめ
バタフライバルブは、円盤を約90度回す薄い構造で、大口径配管にも使いやすい弁です。短面間と操作性を生かすには、弁座、差圧、流量、配管接続を一緒に選定します。
- シール性能と使用温度は、ゴム・樹脂・金属系などの弁座構造と定格で決まる。
- 流量調節に使う製品もあり、最小から最大までの流量と許容開度を評価する。
- フランジ型・ウエハー型は、圧力だけでなく固定方法と保守時の条件で使い分ける。
- 保全では両側の残圧、流体、温度、操作源を処置し、機種ごとの手順で作業する。
同じ呼び径や外観でも、実際に使える条件は製品によって異なります。仕様書へ運転と保全の条件を具体的に書くことが、取り付け後の不具合と選定の手戻りを減らします。
出典
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