ノギスやマイクロメータを外部の業者に送り、戻ってきた証明書をファイルに綴じる。計測器の校正は、こうした流れで行われることがよくあります。
校正とは、基準となる計量器と比べて、計測器の表示がどれだけずれているかを確かめることです。どの計測器を、どのくらいの間隔で校正するかは、基本的に使う側の会社が決めて記録に残します。
その記録が、測った数値を国の計量標準までさかのぼって説明できる状態(トレーサビリティ)を支えます。
この記事では、校正と検証・調整の違い、トレーサビリティとJCSSの仕組みを押さえたうえで、校正管理を6つのステップに分けて進め方を整理します。
校正周期の決め方と見直し方、記録に残す項目、外れが見つかったときの対応、よくある失敗の順に見ていきます。
- 校正周期は法律で一律に決まっていない。どの計測器をどの間隔で校正するかは、使う会社が自分で決め、根拠を記録に残す
- 国際的な指針ILAC-G24/OIML D 10は、初期の周期をずれやすさ・使用頻度・環境・求める精度などのリスクで決め、新しい機器は短めに始めて実績で延ばすよう勧めている
- 見直しは「ずれが許容差の一定割合以内なら延ばす、超えたら短くする」階段法が始めやすい。「とりあえず1年」のまま固定しない
- 例外は計量法の特定計量器。取引・証明に使う自動はかり・照度計は2年、騒音計は5年の有効期限があり、非自動はかり・分銅は定期検査を受ける
- 台帳には管理番号・校正周期・前回校正日・次回期限・状態を載せ、結果を周期の見直しに戻す
計測器の校正とは|検証・調整との違い

校正とは、基準となる計量器と比べて、対象の計測器の指示値がどれだけずれているかを確かめることです。経済産業省の計量標準FAQでは、このずれの信頼性を表す尺度として「不確かさ」が明示される、と説明されています。
ここで大事なのは、校正そのものは「ずれを知る」行為であり、計測器を直す行為ではない点です。ずれが分かれば、測定値を補正して使うこともできますし、許容範囲を超えていれば修理や調整に回す判断もできます。
現場でよく混同されるのが「検証」と「調整」です。検証は、ずれがJISなどで規定された範囲に収まっているかを確認し、合格か不合格かを判定することを指します。調整は、ずれが大きいときに、正しい指示値を示すよう計測器に手を加える操作です。
3つは続けて行われることが多いものの、目的と結果の形が異なります。
※定義は経済産業省「計量標準FAQ(全般)」およびISO/IEC Guide 99:2007による。
言い換えると、校正で分かるのは「この計測器は基準に対してどれだけずれているか」であり、検証で分かるのは「そのずれで使ってよいか」です。
品質管理で求められるのは、多くの場合この両方で、校正証明書の数値を自社の許容差と照らし合わせて合否を判断する、という流れになります。
校正の対象になるのは、ノギスやマイクロメータのような寸法測定器に限りません。温度計、圧力計、はかり、トルクレンチ、電気計測器など、測った値で品質を判断しているセンサー・計測の機器は広く対象になり得ます。
トレーサビリティとJCSSの仕組み
校正を語るうえで欠かせないのが「トレーサビリティ」です。計測の分野でいうトレーサビリティは、測定結果が、切れ目のない校正の連鎖を通じて国家計量標準につながっていることを指します。
現場の計測器は、それより正確な社内の標準器で校正されます。その標準器は外部の校正事業者が持つさらに正確な標準器で校正され、最終的には国の計量標準にたどり着きます。
産業技術総合研究所の解説では、この校正の繰り返しを「校正の連鎖」と呼んでいます。
三次元測定機のように複数の軸とプローブを組み合わせた測定機も、標準器で精度を確かめ、その標準器を上位の標準につなぐという考え方は同じです。詳しくは三次元測定機の種類と使い方の「校正・定期検査とトレーサビリティ」で解説しています。
上位の標準で下位を校正する連鎖が、現場の測定値を国家計量標準につなげます。
※区分によって体系は異なります。社内校正を行わず、現場の計測器を直接外部に校正依頼する形も一般的です。
連鎖の各段階では、校正のたびに不確かさが評価されている必要があります。産総研の解説でも、それぞれの校正での不確かさを明確にしておくことがトレーサビリティの必要条件とされています。
「上位の標準で校正した」という事実だけでは足りず、どれだけの精度で校正したかまで記録されて初めてつながります。
JCSS校正と一般校正の違い
JCSS(Japan Calibration Service System)は、計量法に基づく計量法トレーサビリティ制度です。
国家計量標準を供給する「計量標準供給制度」と、校正事業者を審査して登録する「校正事業者登録制度」の2本柱で成り立っています。
登録は製品評価技術基盤機構(NITE)が国に代わって行い、審査では校正機関の国際規格ISO/IEC 17025への適合が確認されます。
登録事業者が登録範囲内で発行するJCSS標章付きの校正証明書は、それだけで国家計量標準へのトレーサビリティを示すものとして扱われます。
経済産業省のFAQでは、ISO 9001の要求として国家計量標準とのつながりを確認される場合の扱いが示されています。その場合、JCSS校正証明書だけを提出すれば足り、トレーサビリティ体系図の添付は不要とされています。
一方、JCSS以外の一般校正では、校正に使った標準器の証明書や体系図をそろえて、つながりを別途説明する必要が出てきます。
なお、JCSSは任意の制度で、利用するかどうかは事業者の判断です。
また、すべての登録事業者が国際相互承認(MRA)に対応しているわけではありません。海外の取引先に証明書を出す予定がある場合は、ILAC MRA付きのシンボルが入る事業者かどうかを事前に確認しておくと安心です。
ISO 9001が求めること
多くのメーカーが校正管理を整える直接のきっかけは、ISO 9001の箇条7.1.5.2「測定のトレーサビリティ」です。
この要求は、トレーサビリティが顧客や法令の要求事項になっている場合や、組織が測定結果の妥当性に信頼を与えるうえで不可欠と判断した場合に適用されます。
校正するだけでなく、状態を示し、守り、外れたときの処置まで求められます。
※要求事項の要旨。原文はJIS Q 9001:2015を参照してください。
見落とされやすいのは最後の「不適合時の処置」です。校正して外れていたら直せば終わり、ではなく、その計測器で過去に判定した製品が本当に良品だったのかまで説明を求められる点が、校正管理の重さにつながっています。この対応は後の章で詳しく扱います。
計量法の検定・定期検査とは別物
もう一つ混同されやすいのが、計量法の「検定」や「定期検査」です。
特定計量器とは、はかり、水道メーター、照度計、騒音計など、法律で定められた計量器です。これを取引や証明に使う場合は、検定証印などが付いたものを使わなければならず、種類によっては有効期限も定められています。
たとえば経済産業省の資料では、有効期限は次のとおりとされています。
- 自動はかり:2年(適正計量管理事業所の指定を受けた者がその事業所で使うものは6年)
- 照度計:2年
- 騒音計:5年
また、取引・証明に使う非自動はかりや分銅は、都道府県などが行う定期検査を受ける必要があります。
これは法令上の義務であり、ISO 9001のために自主的に行う校正とは目的も手続きも異なります。
出荷量をはかりで決めて請求している、といった使い方をしている計測器は、校正管理とは別に計量法の対象かどうかを確認しておく必要があります。反対に、社内の管理だけに使う計測器であれば、検定証印は不要です。
校正管理の進め方|6つのステップ

ここからは、校正管理を実際に回すための手順です。
初めて仕組みをつくる場合も、ISO 9001の審査で指摘を受けて見直す場合も、考え方は共通です。「何を」「どれくらい大事か」「どうやって」「どの間隔で」「どう示し」「どう残すか」の順に決めていくと抜け漏れが出にくくなります。
仕組みづくりの3ステップと、毎回の運用の3ステップに分かれます。
※STEP 05で外れが見つかった場合は、過去の測定結果への影響を調べる対応に移ります。
前半の3ステップは一度決めれば頻繁には変わりませんが、後半の3ステップは校正のたびに回ります。
特にSTEP 06で得た結果をSTEP 04に戻す流れがないと、周期がいつまでも「とりあえず1年」のままになり、校正費だけがかかり続けることになりがちです。
以下、ステップごとに注意点を見ていきます。
対象機器の洗い出しと重要度の区分
STEP 01からSTEP 03は、校正管理の土台づくりです。ここで範囲を広げすぎると運用が回らず、狭すぎると審査や顧客監査で「なぜこの計測器は管理していないのか」と問われます。
STEP 01:対象を洗い出して台帳をつくる
最初に、工場内で使っている計測器を一度すべて拾い出します。検査室の測定器だけでなく、製造ラインの工程内で使うトルクレンチや温度計、設備に組み込まれた圧力計なども候補です。
その値を見て製品の良否や工程の条件を判断しているかどうかが、対象に含めるかの基準になります。
拾い出した計測器には一つずつ管理番号を付け、台帳にまとめます。台帳に最低限載せておきたいのは次のような項目です。
- 管理番号、品名、メーカー、型式、製造番号
- 測定範囲、最小表示、使用する場所と部署、管理責任者
- 重要度の区分、校正方法(社内・外部)、依頼先
- 校正周期、前回校正日、次回校正期限、現在の状態(使用可・使用禁止・修理中など)
個人持ちのノギスや、予備として棚にしまってある計測器も漏れやすいところです。使うことがあるなら台帳に載せ、使わないなら「校正対象外」と表示して現場から分けておくほうが、後で混ざる心配がありません。
STEP 02:重要度で管理の厳しさを分ける
洗い出した計測器をすべて同じ厳しさで管理しようとすると、費用も手間も膨らみます。そこで多くの工場では、製品の合否判定への影響の大きさで区分し、区分ごとに校正方法や周期を変える運用をとっています。
合否判定に直結するものほど、トレーサビリティと記録を厳しくします。
※区分の数や名称は会社ごとに異なります。ここでは一般的な考え方の例を示しています。
区分Cのように校正しない計測器を置く場合は、合否判定に使われないよう現場で見分けられる表示にすることが前提です。「参考用」とした計測器が、いつの間にか検査に使われていた、というのは監査で指摘されやすい典型例です。
区分を決めるときは、計測器の精度と製品の公差の関係も見ておきます。図面の寸法公差と幾何公差が厳しい部品ほど、測定器側のわずかなずれが合否判定を左右するためです。
STEP 03:社内校正と外部校正を使い分ける
校正の方法は、大きく社内校正と外部校正に分かれます。社内校正は、外部で校正した標準器を基準に、自社で現場の計測器を校正するやり方です。
台数が多いノギスやマイクロメータなどは、ブロックゲージを社内の標準器として持ち、社内で校正する工場が多く見られます。
社内校正は費用と時間を抑えられる一方で、手順書、校正する人の力量、温度など環境条件の管理を自社で担保する必要があります。標準器そのものは外部で定期的に校正し、トレーサビリティの連鎖を切らさないことが前提です。
外部校正は、メーカーや校正事業者に依頼する方法です。区分Aの計測器や、社内で基準を持てない計測器はこちらになります。
顧客からJCSS証明書を求められている場合や、海外の取引先に提出する場合は、依頼先がその校正区分でJCSSやMRAに対応しているかを確認してから発注します。
校正周期の決め方と見直し方
STEP 04の校正周期は、最も質問が多いところです。まず押さえておきたいのは、JCSSでは校正周期を定めておらず、校正の頻度は使用者側が決める点です。
日本電気計測器工業会のFAQでは、ISO/IEC 17025の規定について説明されています。依頼者との合意がある場合を除いて、校正証明書に周期の推奨を書いてはならない、という内容です。
つまり「校正業者が1年と言ったから1年」という説明は成り立ちません。周期を決める根拠を自社で持ち、説明できるようにしておくことが求められます。
STEP 04-1:初期の周期はリスクで決める
周期の決め方の国際的な指針に、ILAC-G24/OIML D 10(計測器の再校正間隔の決定に関するガイドライン)があります。このガイドラインでは、初期の周期は主にリスク評価に基づいて決め、さまざまな要素を考慮するよう示しています。
計測器の性質、使われ方、求められる精度の3つの面から考えます。
※ILAC-G24:2022/OIML D 10:2022 の5.1項に挙げられた要素をもとに整理。作業者の教育の程度なども考慮要素に含まれています。
同ガイドラインは、周期を短くすれば校正費用は増え、長くすれば測定の信頼性が下がるリスクが増える、として両者のバランスをとるよう促します。
また、新しく導入した計測器は、性能の傾向をつかむために最初は頻度を高めて校正することを勧めています。最初から長い周期にせず、短めに始めて実績で延ばしていくのが基本的な考え方です。
周期の単位は「年1回」のような暦日だけとは限りません。使用回数や使用時間で決める方法もあり、これは設備保全で時間基準保全(TBM)と状態基準保全(CBM)を使い分けるのと似た発想です。
STEP 04-2:実績を見て周期を見直す
ILAC-G24は、規格などで周期が指定されている場合を除き、固定した周期を使い続けることは推奨しないとしています。そのうえで、校正の実績から周期を見直す方法として5つの手法を紹介しています。
どの機器にも最適な唯一の方法はなく、機器の性質に合わせて選びます。
※ILAC-G24:2022/OIML D 10:2022 の6章をもとに要約。
中小規模の工場で取り入れやすいのは、1の階段法です。
たとえば「校正時のずれが許容差の半分以内に3回続けて収まったら周期を延ばす、許容差を超えたら短くする」といった判定基準を手順書に書いておきます。そうすれば、担当者が替わっても同じ判断ができます。
判定の基準値は機器や区分ごとに自社で決めて文書にしておくことが大切です。
2の管理図法は、校正のたびに記録したずれを時系列でプロットし、許容差に届く時期を予測する考え方です。QC七つ道具の管理図に慣れている品質管理の担当者であれば、標準器のように長く使う機器から試してみる価値があります。
また、ILAC-G24は校正と校正の間に行う中間チェックの仕組みを持つことも求めています。
始業前にブロックゲージでマイクロメータのゼロ点を確かめる、標準分銅ではかりの表示を確かめる、といった日常点検がこれにあたります。中間チェックの結果が安定していることは、周期を延ばす根拠にもなります。
校正記録の残し方と識別表示

STEP 05とSTEP 06は、校正のたびに回す部分です。校正を実施しても、結果の判定と記録が残っていなければ、審査や顧客監査では実施していないのと同じ扱いになります。
STEP 05:結果を判定し、状態を表示する
外部から校正証明書が戻ってきたら、まず記載された値を自社の許容差と照らして合否を判定します。
証明書に書かれているのは「ずれの量」と「不確かさ」であり、合格かどうかの判定は、使う側が自社の基準で行うのが原則です。判定欄のない証明書をそのまま綴じるだけでは、検証が済んだことになりません。
判定が終わったら、計測器本体やケースに校正ラベルを貼るなどして、校正の状態が現場で分かるようにします。ラベルに管理番号、校正日、次回期限を記載しておくと、使う人がその場で期限切れに気づけます。
使用禁止の計測器には別の表示を付け、使える計測器と置き場所を分けておくと取り違えを防げます。
STEP 06:記録に残す項目
校正記録は、ISO 9001で求められる証拠であると同時に、周期を見直すための履歴データでもあります。
ILAC-G24も、校正結果を履歴データとして集めて保持し、今後の周期決定の基礎にするよう求めています。1回の校正ごとに、少なくとも次の項目を残しておくと後から困りません。
- 計測器の管理番号と、校正を実施した日付
- 校正方法(社内・外部)、実施者または依頼先、使った標準器の管理番号
- 校正時の環境条件(温度など)
- 調整前の値(受入時の値)と、調整した場合は調整後の値
- 許容差と、それに対する合否判定、判定者
- 不合格だった場合の処置内容と、過去の測定結果への影響の調査結果
- 次回の校正期限と、周期を変えた場合はその理由
この中で特に抜けやすいのが「調整前の値」です。外部校正で調整まで依頼すると、証明書に調整後の値しか載らない場合があります。
調整後の値だけでは、校正までの期間にどれだけずれていたかが分からず、過去の測定結果が正しかったかどうかも、周期が適切だったかどうかも判断できません。依頼時に調整前の値の記載を指定しておきましょう。
記録は紙の台帳でもExcelでも構いませんが、台数が増えてくると次回期限の管理が追いつかなくなります。期限が近い計測器を一覧で出せる形にしておくと、校正切れのまま使われる事態を防ぎやすくなります。

校正で外れが見つかったときの対応
校正の結果、許容差を超えていた計測器が見つかることがあります。ここで計測器を調整して終わりにしてしまうと、ISO 9001が求める「それまでの測定結果の妥当性の確認」が抜け落ちます。
計測器を直す前後で、過去の判定結果への影響を必ず確認します。
※遡る期間を短くできるかどうかは、校正周期の長さと中間チェックの記録に左右されます。
影響範囲を絞り込めるかどうかは、日頃の記録にかかっています。
前回校正日、その計測器を使った検査記録、中間チェックの結果がそろっていれば、「中間チェックで異常がなかった日以降」のように遡る期間を短くできます。
記録がなければ、前回の校正日までのすべての判定を疑うことになり、再測定や選別の対象が大きく膨らみます。
出荷済みの製品に影響がある可能性があるなら、顧客への報告が必要になることもあります。その場合は、次の4点を整理して伝えることになり、8Dレポートの書き方がそのまま参考になります。
- 原因
- 影響範囲
- 暫定処置
- 再発防止策
周期が長すぎた、落下を申告する仕組みがなかった、といった管理側の原因まで掘り下げることで、同じ外れを繰り返さずに済みます。
校正管理でよくある失敗
最後に、校正管理の現場でよく見られる失敗をまとめます。どれも仕組みの穴というより、運用の中で少しずつ起きるものです。
周期の根拠を説明できない
全機器一律で「年1回」としていて、その理由を聞かれると答えられない、というケースは少なくありません。
一律の周期自体が悪いわけではありませんが、重要度や使用頻度を考えたうえで決めた、という根拠を手順書に書いておく必要があります。
そのうえで、校正実績を見ながら延長・短縮を判断する流れをつくっておくと、費用の最適化にもつながります。
証明書を綴じるだけで判定していない
外部校正の証明書を受け取って、ファイルに綴じた時点で完了扱いにしてしまう失敗です。前述のとおり、証明書に書かれているのはずれの量であり、自社の許容差で使えるかどうかは別に判定しなければなりません。
受け取ったらすぐに判定欄に記入し、判定者を残すことを手順に組み込んでおきます。
台帳にない計測器が使われている
個人で購入したノギスや、他部署から借りてきた計測器が、いつの間にか検査に使われていることがあります。審査で現場を回るとよく見つかるポイントです。
校正ラベルのない計測器は合否判定に使わないというルールを現場に徹底し、新しく計測器を買ったときは、使い始める前に台帳登録と校正を済ませる流れを決めておきます。
落下や修理のあとに校正していない
周期内であっても、計測器を落とした、修理から戻ってきた、という場合は状態が変わっている可能性があります。
ISO 9001が求める「損傷や劣化からの保護」の観点からも、こうしたときは周期を待たずに点検や校正に回すべきです。
落としたことを言い出しやすい雰囲気と、申告を受けたときの手順をあわせて用意しておくと、外れの見逃しを減らせます。
まとめ
- 校正は基準と比べて計測器のずれを知ること。合否を判定する検証、手を加える調整とは区別する
- トレーサビリティは、不確かさを伴う切れ目のない校正の連鎖で国家計量標準につながっていること
- 校正管理は、洗い出し・重要度区分・方法の決定・周期・判定と識別・記録の6ステップで回す
- 校正周期は使用者が決める。リスクで初期周期を決め、階段法などで実績から見直す
- 外れたときは調整前の値を残し、過去の測定結果への影響を遡って確認する
計測器の校正管理は、日々の検査結果に「この数字は信用できる」と言える裏付けを与える仕事です。
校正を担う職種としては品質保証・品質管理が中心になります。ただ、工程内の計測器を扱う製造や設備保全の担当者にとっても、仕組みを知っておくと日常点検や異常時の判断に役立ちます。
まずは自社の台帳を開き、周期の根拠と調整前の値の記録が残っているかを確かめるところから始めてみてください。
出典
出典・参考資料(7件)を開く出典・参考資料を閉じる
- 校正・検証・調整の定義、トレーサビリティ、JCSS証明書の扱い:経済産業省「計量標準FAQ(全般)」
- 校正の連鎖と不確かさ:産業技術総合研究所 計量標準総合センター 不確かさWeb「トレーサビリティってなに?」
- JCSSの制度概要:製品評価技術基盤機構(NITE)認定センター「JCSSの概要」
- 校正周期は使用者が決めること:日本電気計測器工業会(JEMIMA)「JCSS よくある質問」
- 校正周期の決め方と見直し手法:ILAC-G24:2022/OIML D 10:2022 Guidelines for the determination of recalibration intervals of measuring equipment
- 特定計量器の検定・有効期限・定期検査:経済産業省「特定計量器を利用する場合」
- ISO 9001 7.1.5.2 の要求事項:ISO/IATF SCHOOL「ISO 9001 7.1.5.2項:測定のトレーサビリティ」
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