大気圧はおよそ10万Paですが、半導体の成膜装置などで使う高真空は0.1Pa以下で、その差は100万倍を超えます。これだけ広い圧力の幅を1種類のポンプで受け持つことはできないため、真空ポンプには仕組みの違う種類がいくつもあり、装置の中で組み合わせて使われています。
この記事は、油回転ポンプ、ドライポンプ、ターボ分子ポンプなど主な真空ポンプについて、どの圧力が得意か、油を使うか、何に使われるかを比べ、自分の用途に合う候補を絞れるようにするためのものです。
最初に種類の早見表と選び方の4つの問いを示し、続いてカタログの数字の読み方、低・中真空用と高真空用のポンプの仕組み、運転と保守でつまずきやすい点の順に整理します。
この記事の内容は、動画でも解説しています。
真空ポンプの種類早見表
真空ポンプは、得意な圧力の範囲と、気体の通り道に油があるかどうかで大きく性格が分かれます。下の表は代表的な6種類を、原理・得意な圧力域・到達圧力の例・油の有無・起動の条件・用途で並べたものです。
| 観点 | 油回転ポンプ | ダイアフラム型 | スクロール型 | スクリュー型・多段ルーツ型 | ターボ分子ポンプ | クライオポンプ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 排気の原理 | 容積移送(ベーンで圧縮) | 容積移送(膜の往復運動) | 容積移送(渦巻きの公転) | 容積移送(非接触のロータ) | 運動量移送(高速回転翼) | ため込み(極低温面で凝縮・吸着) |
| 得意な圧力域 | 低真空〜中真空 | 低真空 | 低真空〜中真空 | 低真空〜中真空 | 高真空〜超高真空 | 高真空〜超高真空 |
| 到達圧力の例 | 0.67Pa(アルバック GLD-137AA、2段・ガスバラスト閉) | 3.32×10³Pa(アルバック DA-60D、2段) | 一部機種で1Pa(アルバック) | 1〜5Pa(Busch COBRA NC 400 B、スクリュー型) | 10⁻¹⁰Paオーダー(学会誌の解説) | 1×10⁻⁷Pa(アルバック CRYO-U8H) |
| 気体の通り道の油 | あり | なし | なし | なし(ギア・軸受の油はシールで隔てる) | なし | なし |
| 大気圧からの起動 | できる | できる | できる | できる | できない(補助ポンプが必要) | できない(粗引きが必要) |
| 主な用途 | 工業用全般、高真空ポンプの補助 | ろ過、真空濃縮、脱泡、医療機器 | 真空乾燥、理化学分析、高真空ポンプの補助 | 半導体・FPD、化学、真空包装 | 半導体製造、分析装置、研究 | 半導体、電子機器、研究 |
表の左4列は大気圧から引き始められる「粗引きポンプ」で、右2列は粗引きで圧力を下げてから動かす「高真空ポンプ」です。高真空が要る装置では、右側のポンプを左側のポンプと組み合わせて使うのが基本の形です。
右へ行くほど圧力が低く(真空度が高く)なります。1種類で全域を受け持つポンプはありません。
※帯は代表的な範囲の目安で、機種や組み合わせで変わります。点線の帯は単独では大気圧から引けず、粗引きポンプ(補助ポンプ)と組み合わせて使うポンプです。「ドライ回転式」はスクロール型・スクリュー型・多段ルーツ型、「ブースタ」はメカニカルブースタポンプのことです。圧力区分はJISの区分です。
用途から選ぶ4つの問い
候補を絞るときは、ポンプの名前から入るよりも、装置の条件を順に問うほうが迷いません。必要な圧力、油を許せるか、吸う気体の性質、排気にかけられる時間の4つを決めれば、候補はおおむね2〜3種類まで絞れます。
上から順に答えると、方式と組み合わせの候補が決まります。
※最終的な機種選定は、容器・配管を含めた排気条件を伝えてメーカーに確認するのが確実です。
Q1 必要な圧力から候補を絞る
最初に決めるのは、工程が何Paまで下がれば成り立つかです。真空包装やろ過、真空チャックのように低真空で足りる用途なら、ダイアフラム型や油回転ポンプ1台で済みます。
一方で、成膜や分析のように0.1Paより低い高真空が要る装置では、ターボ分子ポンプやクライオポンプを使い、その後ろに粗引きポンプを置く構成になります。「高真空が要るかどうか」で、ポンプが1台か2段構えかが決まると考えると整理しやすくなります。
Q2 油を許せるかで分ける
油回転ポンプは安定した性能で広く使われていますが、油の蒸気が真空側へ戻り、容器を汚すおそれがあります。
1991年の日立評論は、半導体製造装置では油回転ポンプを使う限り、油蒸気による真空側の汚染と腐食性ガスによる油の早期劣化は解決できないとして、ドライ真空ポンプを使う傾向を紹介しています。
半導体や電子部品、分析装置のように表面のわずかな汚れが品質に響く用途では、ドライ系が基本です。ここでいう「ドライ」は、気体の通り道に油や封液を使わないという意味で、多段ルーツ型のようにギアや軸受には油を使い、シールで排気側と隔てている機種もあります。
Q3 吸う気体の性質を確かめる
同じ圧力でも、吸うのが空気か、水蒸気か、腐食性のプロセスガスかでポンプへの負担は大きく変わります。水蒸気が多い真空乾燥では凝縮への対策が要り、CVDやエッチングのように反応生成物が出る工程では、昇華物をガスのまま運び出す高温仕様のドライポンプが用意されています。
有害なガスを吸う装置では、ポンプの排気をそのまま大気へ出せないため、後段に除害装置による排ガス処理を組み合わせます。ポンプ単体ではなく、排気がどこへ行くかまで含めて考えるのが選定のコツです。
Q4 排気の時間から排気速度を見積もる
到達圧力が十分でも、目標の圧力に下がるまで時間がかかりすぎれば、生産のタクトに合いません。そこで見るのが排気速度(1分または1秒あたりに吸い込める気体の体積)で、容器が大きいほど、また短い時間で引きたいほど大きな排気速度が必要です。
注意したいのは、配管が細く長いと、ポンプの排気速度がそのまま容器に届かない点です。カタログの排気速度はポンプの吸気口での値なので、配管と容器を含めた条件をメーカーに伝えて見積もってもらうと食い違いを防げます。
カタログの読み方|到達圧力・排気速度・圧力の単位
カタログを比べる前に、数字の意味をそろえておく必要があります。真空の度合いは「圧力がどれだけ低いか」で表し、単位はPa(パスカル)です。JISでは、圧力の範囲によって低真空・中真空・高真空・超高真空の4つに区分しています。
下へ行くほど容器の中に残る気体分子が少なくなります。
※10⁻⁹Pa以下は「極高真空」と呼ばれますが、JISの区分にはありません。メーカーのカタログには、JISと区切りの違う独自の区分を載せているものもあります。
到達圧力と排気速度は別の指標
到達圧力は、吸込口を締め切ったときにポンプが下げられる最低の圧力で、「どこまで引けるか」を表します。排気速度は「どれだけ速く引けるか」を表す別の指標なので、到達圧力が低いポンプほど早く引けるとは限りません。
到達圧力は測り方の条件でも変わります。アルバックの油回転ポンプGLD-137AAでは、ガスバラスト(後述)を閉じると0.67Pa、開くと6.7Paと、同じ機種で10倍の差があり、比べるときは条件をそろえて見ることが欠かせません。
kPa表示とマイナス表示に注意する
低真空用のポンプでは、到達圧力を「−98.0kPa」のように大気圧との差(ゲージ圧)で書くことがよくあります。ダイアフラム型DA-60Dの到達圧力3.32×10³Paは、ゲージ圧では−98.0kPaにあたり、絶対圧とゲージ圧のどちらで書かれているかを読み違えると比較を誤ります。
現場の圧力計も同じで、大気圧より上と下の両方を測る計器は目盛の読み方に癖があります。計器の違いは連成計と圧力計・真空計の違いで詳しく整理しています。
低・中真空をつくるポンプ(粗引きポンプ)

真空ポンプは、気体を外へ運び出す「気体輸送式」と、内部に捕らえておく「ため込み式」に分かれ、輸送式はさらに容積の変化で押し出す容積移送式と、分子をはじき飛ばす運動量移送式に分かれます。大気圧から動く粗引きポンプは、ほとんどが容積移送式です。
容積移送式は、閉じ込めた気体を圧縮して大気へ吐き出すという点で、仕組みはファン・ブロワ・コンプレッサーのような圧縮機に近く、吸い込み側を容器につないで使う機械と考えると理解しやすくなります。以下では方式ごとに、原理、得意な条件、制約、用途の順に見ていきます。
油回転真空ポンプ(ロータリーポンプ)
油回転真空ポンプは、シリンダの中で偏心して回るロータに2枚のベーン(羽根)を組み込み、シリンダ内を3つの空間に分けて気体を吸い込み、圧縮し、排気弁から吐き出すポンプです。油はベアリングの潤滑と冷却に加え、ベーンとシリンダのすき間をふさぐシールの役目を担います。
ロータが回るたびに、吸い込んだ気体の空間が小さくなり、圧縮されて排気弁から出ていきます。
※太線がベーン、薄く塗った円がロータです。実際の機械では、すき間を油がふさぎ、圧縮した気体が漏れ戻らないようにしています。
大気圧から動かせて安定した排気性能が得られるため、大気圧から高真空の領域まで作動できる効率のよい形式で、金属・自動車から化学・医薬・食品まで幅広い産業で使われています。
ポンプを直列に2段重ねた2段式は到達圧力が低く、GLD-137AAでは0.67Pa(ガスバラスト閉)と中真空の下のほうまで届きます。
制約は、先に触れた油の逆流による汚れと、油そのものの劣化です。停電でポンプが止まると油が真空側へ逆流しやすいため、逆流防止の機構を備えた機種を選ぶか、真空側に弁を設けて止める構成にします。
ダイアフラム型ドライ真空ポンプ
ダイアフラム型は、偏心軸につないだロッドでゴムなどの膜(ダイアフラム)を往復させ、吸気弁と排気弁で気体を一方向に送るポンプです。気体が油に触れないため排気がきれいで、構造が単純な点が持ち味です。
その代わり到達圧力は高めで、2段式のDA-60Dでも3.32×10³Paと低真空の範囲にとどまります。ろ過や真空濃縮、脱泡、真空チャック、医療機器や包装機械など、低真空で足りて清潔さを重んじる用途に向いています。
スクロール型ドライ真空ポンプ
スクロール型は、渦巻き形の2枚の板を少しずらしてかみ合わせ、片方を公転させて三日月形の空間に気体を閉じ込め、中心へ向けて圧縮して吐き出すポンプです。1回転の間に2回以上圧縮するため、振動と騒音が小さく抑えられます。
アルバックの製品では一部の機種が1Paに届き、油を使わない粗引きポンプとして、真空乾燥や理化学分析、真空搬送、熱処理炉などに使われています。ターボ分子ポンプの補助ポンプをドライにしたいときにも選ばれます。
スクリュー型・多段ルーツ型ドライ真空ポンプ
スクリュー型は、かみ合う2本のスクリューロータのすき間で気体を軸の方向へ連続して送るポンプで、多段ルーツ型は、まゆ形や三つ葉形のロータを何段も重ねて大気圧まで圧縮するポンプです。どちらもロータ同士やケーシングと触れ合わずに回るため、気体の通り道に油が要りません。
排気速度が大きく、腐食性ガスや反応生成物に対応した仕様もそろうため、半導体やFPD(フラットパネルディスプレイ)の製造装置、化学プラントの真空工程で主力です。
スクリュー型の例として、Busch社のCOBRA NC 400 Bの製品ページには、到達真空度0.01〜0.05hPa(1〜5Pa)と防爆(ATEX)仕様が載っています。

メカニカルブースタポンプ
メカニカルブースタポンプは、まゆ形のロータ2個を逆向きに同期して回し、0.1〜0.3mmのすき間を保ったまま気体を後ろへ送るポンプです。単独では大気圧まで圧縮できないため、油回転ポンプやドライポンプの前に置いて使います。
粗引きポンプは圧力が下がるにつれて排気速度が落ちますが、その圧力域でブースタを足すと排気速度を大きく引き上げられます。真空蒸留や真空乾燥、脱ガス、薄膜、真空冶金など、中真空を短時間でつくりたい設備で使われます。
液封式(水封式)真空ポンプ
液封式は、ケーシングに入れた水などの封液を羽根車で回し、液の輪と羽根のすき間の容積の変化で気体を送るポンプです。水蒸気や液滴を吸っても止まりにくく、化学工場の真空工程や、発電所の復水器の真空維持などで使われてきました。
封液がその温度で蒸発する圧力(蒸気圧)より低くは引けないため、得意なのは低真空です。封液の温度管理と、吸い込んだ成分が溶け込んだ封液の処理まで含めて計画しておきます。
到達圧力だけでなく、汚れ・ガスへの強さ・保守の中身が違います。
※ドライポンプにはダイアフラム型・スクロール型・スクリュー型・多段ルーツ型などがあり、得手不得手は方式ごとに違います。
高真空・超高真空をつくるポンプ
0.1Paより低い高真空では、気体分子どうしがほとんどぶつからず、容積を変えて押し出す方法では効率よく引けなくなります。そこで使われるのが、回転翼で分子をはじき飛ばす運動量移送式のターボ分子ポンプと、分子を内部に捕らえるため込み式のクライオポンプやイオンポンプです。
ターボ分子ポンプ

ターボ分子ポンプは、何段も重ねた羽根車(ロータ)と固定翼(ステータ)でできており、高速で回るロータの羽根が気体分子にぶつかって、分子を排気口の方向へはじき出します。油を使わずに清浄な真空が得られ、到達圧力は10⁻¹⁰Paのオーダーに達すると学会誌『真空』の解説で紹介されています。
制約は、単独では大気圧から動かせないことで、必ず後ろに補助ポンプ(バックポンプ)を置きます。
アルバックの機種では補助ポンプにロータリーポンプを標準とし、ドライのスクロールポンプも選べます。前述の解説によれば、ターボドラッグポンプと組み合わせた構造では、100Pa程度の高い圧力側まで使える範囲が広がっています。
油拡散ポンプ
油拡散ポンプは、加熱した油の蒸気をノズルから噴き出し、その流れで気体分子を排気口側へ運ぶポンプで、可動部がなく構造が単純です。
アルバックの製品では10⁻⁷〜10⁻⁹Torr(約10⁻⁵〜10⁻⁷Pa)の高真空が得られ、冷却水の要らない空冷式の機種もそろっています。高真空ポンプの中では古くからある方式で、粗引きポンプを後ろに置いて使う点はターボ分子ポンプと同じです。
油の蒸気を使う以上、真空側へ油が入り込まないよう冷却トラップなどの対策が要るため、汚れを嫌う工程ではターボ分子ポンプやクライオポンプに置き換わる流れにあります。
クライオポンプ
クライオポンプは、冷凍機で極低温に冷やした面に気体分子を凝縮・吸着させて捕らえる、ため込み式のポンプです。
アルバックのCRYO-U8Hは2段式のGM冷凍機を使い、到達圧力は1×10⁻⁷Pa、窒素の排気速度は1,700L/sです。油を使わないクリーンな真空が得られるため、半導体や電子機器の製造装置で使われています。
捕らえた気体はポンプの中にたまり続けるので、定期的に温度を上げて気体を放出させる「再生」が必要です。再生の間は排気できないため、装置の稼働計画に再生の時間を組み込んでおきます。
スパッタイオンポンプ
スパッタイオンポンプは、電場と磁場で気体をイオンにし、電極の材料に取り込んで排気する、ため込み式のポンプです。可動部も油もないため振動がなく、アルバックの製品では10⁻¹¹Torr以下の超高真空に届くとしており、振動を嫌う研究用の装置などで使われています。
高真空ポンプは粗引きポンプとセットで使い、引く順番が決まっています。
※切り替える圧力は機種ごとに決まっており、取扱説明書に従います。クライオポンプでは再生のあとにも粗引きが必要です。
運転と保守でつまずきやすい点

真空ポンプのトラブルは、ポンプそのものの故障よりも、使い方と周りの設備に原因があることが多くあります。ここでは導入後によく出る3つの注意点と、到達圧力が出ないときの確かめ方をまとめます。
水蒸気を引くときはガスバラストを開ける
ガスバラストは、油回転ポンプの圧縮の途中に少量の空気を入れ、水蒸気がポンプ内で凝縮して油に混ざるのを防ぐ仕組みです。乾燥工程の初めは開け、水分が抜けてから閉じるのが基本の使い方です。
開けると到達圧力は上がりますが、水分の多い容器を閉じたまま引き続けると油が乳化し、性能が戻らなくなります。乳化した油は交換するしかないため、運転の手順書に開け閉めの時期を書いておくと安心です。
高真空ポンプを大気にさらさない
ターボ分子ポンプは高速で回っているため、運転中に大気が急に流れ込むと羽根に大きな力がかかり、損傷の原因になります。容器を大気に戻すときは、ポンプを止めて回転が落ちてから、決められた手順でゆっくりベント(大気開放)します。
油と消耗品は時間で管理する
油回転ポンプの油や、ダイアフラム型の膜、ドライポンプのシールは消耗品で、交換の目安は運転時間で決まっています。突然の停止を避けるには、時間基準保全(TBM)と状態基準保全(CBM)を組み合わせ、交換時期と電流・温度の変化を合わせて見る管理が有効です。
ポンプを疑う前に、外側から順に確かめると原因に早くたどり着けます。
※ポンプの吸気口を閉じて単体で到達圧力を測ると、ポンプ側か装置側かを切り分けられます。
真空容器は外から大気圧で押されるため、強度の考え方も普通の容器とは違います。容器側の設計と法令上の扱いは真空容器と圧力容器の関係で整理しています。
真空ポンプの種類のよくある質問
1台で大気圧から高真空まで引けるポンプはありますか?
一般的な真空ポンプで、1台で大気圧から高真空まで引けるものはありません。高真空が要る装置では、粗引きポンプで圧力を下げてからターボ分子ポンプやクライオポンプに切り替える2段構えにします。
到達圧力が低いポンプほど早く引けますか?
早く引けるとは限りません。到達圧力は「どこまで引けるか」、排気速度は「どれだけ速く引けるか」を表す別の指標で、排気にかかる時間は排気速度と容器・配管の条件で決まります。
真空ポンプとコンプレッサーの違いは何ですか?
どちらも気体を圧縮して送る機械ですが、コンプレッサーは吐き出す側の高い圧力を使い、真空ポンプは吸い込む側の低い圧力を使います。真空ポンプは容器から気体を抜き出して大気へ吐き出すため、大気圧より低い圧力で気体を扱う設計になっています。
ドライポンプなら油の交換はいりませんか?
気体の通り道に油がないだけで、機種によってはギアや軸受に潤滑油を使っており、その点検や交換は必要です。ダイアフラムやシールなどの消耗品も、運転時間に応じた交換が要ります。
まとめ
- 真空ポンプは、大気圧から引ける粗引きポンプと、粗引きのあとに使う高真空ポンプに分かれる
- 粗引きは油回転ポンプとドライポンプ(ダイアフラム・スクロール・スクリュー・多段ルーツ)が中心
- 高真空はターボ分子ポンプ、クライオポンプ、イオンポンプなどで、補助ポンプと組み合わせる
- 選ぶときは、必要な圧力・油を許せるか・吸う気体・排気の時間の4つを順に決める
- カタログの到達圧力は測定条件と表示(絶対圧・ゲージ圧)をそろえて比べる
真空ポンプは、半導体や電子部品の製造装置から食品の包装、発電所まで、多くの工場の裏方で動いている機械です。選定や導入には生産技術が、日々の点検と消耗品の管理には設備保全が関わります。
真空ポンプが多く使われる半導体の製造工程や関連企業については、電子部品・半導体の業種ページから関連記事もあわせてご覧ください。
出典
出典・参考資料(9件)を開く出典・参考資料を閉じる
- 真空の区分(JIS)・ドライポンプの分類:オリオン機械「Vacuum Pump / Blower Basics」
- 中真空(0.1〜150Pa)の位置づけ:経済産業省 計量行政審議会 資料
- ポンプの分類:Leybold「真空ポンプの種類」
- 粗引きポンプ各方式の原理・用途:アルバック「真空ポンプ(低・中真空)」、油回転真空ポンプ、メカニカルブースタポンプ、スクロール型、多段ルーツ型、ダイアフラム型
- 機種の仕様:アルバック GLD-137AA、アルバック DA-60D、アルバック CRYO-U8H、Busch COBRA NC 400 B
- 高真空ポンプ各方式:アルバック「高真空ポンプ」、ターボ分子ポンプ
- ターボ分子ポンプの到達圧力・使用範囲:尾高憲二「ターボ分子ポンプ」真空 49巻8号(2006年)
- 油回転ポンプからドライ真空ポンプへの移行:日立評論 1991年9月号
- 到達圧力の定義:コトバンク「真空ポンプ」
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