住友金属鉱山とは?鉱山から電池材料までつながる事業と強み

積み重ねた電気ニッケルの板の接写

住友金属鉱山は、鉱山で金属資源を掘り、製錬所で地金に変え、電池材料や電子部品向け材料に仕上げるまでを1社で手がける非鉄金属メーカーです。2026年3月期を3事業の単純合計で見ると、売上の約7割は製錬、利益の約6割は資源という構成でした。

この記事を読むと、3つの事業がそれぞれどう稼ぎ、銅とニッケルでどうつながっているのか、電池正極材がどんな転換点にあるのかが分かります。数字は決算短信、統合報告書2026、中期経営計画といった公開資料で確かめたものです。

目次

住友金属鉱山はどんな会社か

住友金属鉱山の特徴は、金属を掘る、精製する、材料にするという工程を自社グループの中に持っていることです。1590年に銅製錬を始めて以来430年以上続く会社で、統合報告書では日本の上場企業で2番目に長い歴史と紹介しています。

図1:数字で見る住友金属鉱山

2026年3月末時点の規模です。鉱山から材料工場まで拠点を持っています。

1590年銅製錬で創業。430年以上の歴史
1兆7,416億円連結売上高。税引前利益は2,557億円
9・8・17か所操業中の鉱山9、製錬所8、材料事業の工場17
7,507人連結従業員数

出典:住友金属鉱山 統合報告書2026「At a Glance」。売上高・利益は2026年3月期。

江戸時代の別子銅山で培った鉱山技術は、いまも海外鉱山への参画や国内の菱刈鉱山の運営に受け継がれています。長期ビジョンに掲げる「世界の非鉄リーダー」は、銅やニッケルの生産量だけでなく、資源メジャーでも容易にまねできない技術やビジネスモデルを持つことまで含めた目標です。

資源・製錬・材料の3事業と稼ぎ方

粒状の表面をした電気銅の板の接写

3事業の大きさは、売上で見るか利益で見るかで順位が入れ替わります。2026年3月期の売上高は製錬が1兆3,501億円と最大ですが、セグメント利益は資源が1,678億円で最も多く、製錬が916億円、材料が153億円でした。

図2:売上の柱と利益の柱は別の事業

2026年3月期の数字です。売上は製錬、利益は資源が最大でした。

売上高(3事業合計 1兆9,372億円)

製錬
1兆3,501億円(70%)
資源
3,026億円(16%)
材料
2,845億円(15%)

セグメント利益(3事業合計 2,747億円)

資源
1,678億円(61%)
製錬
916億円(33%)
材料
153億円(6%)

※比率は3事業の単純合計に対する編集部の計算です。事業間取引を消す調整額(売上△2,066億円、利益△169億円)とその他セグメントを含まないため、連結の数字とは一致しません。単年度の構成で、金属価格によって毎年変わります。

この差は、事業ごとの収益の仕組みから生まれています。製錬の売上には原料となる金属の価値が含まれるので金額は大きくなりやすく、一方で資源は金属価格の上昇が利益へ素直に表れます。

前の期にあたる2025年3月期の利益は資源1,018億円、製錬△71億円、材料△542億円で、構成は年によって大きく動きます。単年度の比率だけで事業の強さを判断しないように注意してください。

資源:鉱山を運営し、海外鉱山の権益を持つ

資源事業の柱は、自社で操業する鹿児島県の菱刈鉱山と、海外の鉱山に出資して持ち分を得る権益です。権益は、資源メジャーと呼ばれる大手鉱山会社などが運営する鉱山の生産量と利益を、出資比率に応じて受け取る考え方です。

  • 銅:モレンシー(米国)25.0%、セロ・ベルデ(ペルー)16.8%、ケブラダ・ブランカ(チリ)25.0%、カンデラリア(チリ)16.0%、ノースパークス(豪州)13.3%
  • 金:菱刈(日本)100%、コテ(カナダ)30.0%

2025年度の銅権益分生産量は21.7万トンで、モレンシーが36.1%、セロ・ベルデが30.3%、ケブラダ・ブランカが21.1%を占めます。コテ金鉱山は順調な操業で計画を上回る12.4トンを生産し、資源事業の増益を支えました。

製錬:銅とニッケルの地金をつくる

製錬事業は、鉱石や精鉱から不純物を取り除いて高純度の金属にする事業です。愛媛県の東予工場で電気銅と金銀を、同じ愛媛県のニッケル工場で電気ニッケルや硫酸ニッケルをつくり、フィリピンの2拠点でニッケルの中間原料を生産しています。

2026年3月期の生産量は銅41万2,591トン、金1万4,261キログラム、電気ニッケル6万6,155トンで、電気ニッケルは過去最高でした。銅は東予工場の定期炉修(炉を止めて行う大がかりな修繕)を実施した影響で前期を下回りました。

材料:電池材料と機能性材料の2本立て

材料事業は、金属の知見を生かした高機能材料を売る事業です。2026年3月期の売上は電池材料が1,607億円、機能性材料が1,238億円で、利益はそれぞれ100億円と53億円でした。機能性材料には次のような製品が並びます。

  • 積層セラミックコンデンサ(MLCC)用のニッケル粉・ニッケルペースト
  • スマートフォンのSAWフィルター(電波から必要な周波数を取り出す部品)向けのLT/LN基板
  • 通信デバイス用のファラデーローテータ、パワー半導体向けの貼り合わせSiC基板
  • 近赤外線を吸収する材料「SOLAMENT」、自動車触媒や石油精製触媒
事業主な製品・資産利益を左右しやすいもの
資源菱刈鉱山の金鉱石、海外の銅・金鉱山の権益銅・金の価格、為替、各鉱山の操業
製錬電気銅、金、銀、電気ニッケル、硫酸ニッケルTC/RC(銅製錬の加工マージン)、在庫評価、ニッケル価格
材料(電池)車載電池向け正極材(NCA、NMC)、水酸化ニッケルEV・HEVの需要、品種転換の進み具合
材料(機能性)ニッケル粉、LT/LN基板、SiC基板など電子部品の市況、データセンター需要

3事業がつながると何が効くのか

同社が「シン・3事業連携」と呼ぶこの仕組みは、銅とニッケルで経路が異なります。銅は鉱山から地金までの連携、ニッケルは鉱石から電池材料までの連携が中心で、どちらも製錬事業が軸になっています。

図3:銅とニッケルの流れは別の経路

東予工場で回収した硫酸はフィリピンのHPALで使われ、使用済み電池は再び正極材の原料へ戻ります。

権益鉱山東予工場電気銅電線などへ低品位鉱HPALニッケル工場正極材硫酸電池リサイクル 銅の流れニッケルの流れ

※流れを単純化した図です。銅精鉱の一部は他社の鉱山から調達し、ニッケルにはインドネシアなどの原料も使います。出典:統合報告書2026「マテリアルフロー」。

銅:自山鉱と製錬マージンの関係

銅製錬の主な収益源はTC/RC、つまり製錬所が銅精鉱を買うときに受け取る加工賃です。世界で製錬所が増えて原料が足りなくなり、スポット市況ではマイナス水準という異例の状態が続いています。工程そのものは銅の電解精錬の記事で詳しく解説しています。

同社が東予工場で使う銅精鉱の5〜6割は、権益を持つ鉱山から調達する「自山鉱」です。この分のTC/RC悪化は、鉱山側の利益として資源事業で相殺できます。ただし残りは他社の鉱山から買うため、相殺できるのは一部で、東予工場の高効率操業や原料の個別交渉を続けています。

ニッケル:品位1%の鉱石から電池材料まで

ニッケルでは、製錬で得た金属を自社の電池材料に回せるところが連携の中心です。低品位の鉱石から高純度の製品まで、ニッケルの濃度が工程ごとに上がっていきます。

図4:ニッケルが電池材料になるまで

品位(金属の含有率)が約1%の鉱石を、約99.99%まで高めます。

01 品位 約1%低品位ニッケル酸化鉱フィリピンのリオツバ鉱山、タガニート鉱山などから
02 品位 約55〜60%HPALでMSを生産ニッケル・コバルト混合硫化物(MS)という中間原料にする
03 品位 約99.99%ニッケル工場で精製MCLE法などで電気ニッケルと硫酸ニッケルにする
04 材料へプリカーサ・正極材磯浦工場、播磨事業所、新居浜工場などで電池材料に仕上げる
05 出荷車載電池メーカーへ日系の車載用電池メーカーとの関係が強み
06 循環使用済み電池を回収銅・ニッケル・コバルト・リチウムを取り出し、再び材料へ

※図の品位は統合報告書2026に記載の目安です。

原料の産地から製品までを自社で見渡せると、サプライチェーンが分断されるリスクに備えやすくなります。統合報告書でも、自社ニッケルを使った正極材づくりを電池材料の競争力として挙げています。

強みを4つに分けて読む

公開資料から読み取れる強みは、技術、設備、資産、製品群の4つに整理できます。いずれも金属価格が動いても残る競争力で、短期の業績とは分けて見るとこの会社の特徴がつかみやすくなります。

図5:住友金属鉱山の4つの強み

根拠となる事実とあわせて見ると、どこが他社にまねしにくいかが分かります。

技術:HPALの商業化低品位ニッケル酸化鉱からの回収を世界で初めて商業ベースで成功
設備:東予工場単一炉で世界最大級の自熔炉と、世界最高レベルの電流密度の電解
資産:菱刈と海外権益国内で唯一商業規模の金鉱山と、資源メジャーと組む銅鉱山の権益
製品:機能性材料粉体合成と結晶育成の技術で、規模は小さくても収益性の高い製品群

出典:住友金属鉱山 統合報告書2026。評価は同社の開示に基づきます。

HPAL:捨てられていた鉱石を原料に変えた

HPAL(高圧硫酸浸出)は、高温高圧の硫酸で低品位のニッケル酸化鉱からニッケルとコバルトを溶かし出す方法です。従来は利用しにくかった鉱石を原料にできるため、2005年に商業生産を始めたコーラルベイニッケルは同社のニッケル事業の土台になりました。

そのコーラルベイは操業の終盤に入っており、2028年度からの次期中計の期間中にも生産を終える見込みです。そのためオーストラリアのカルグーリーニッケルプロジェクトやカナダのバプティストプロジェクトを進めており、次の原料の確保が同社のニッケル事業の大きなテーマです。

東予工場:大きな炉をフルに動かす

東予工場は1つの炉で大量に処理できる自熔炉を持ち、高稼働率で動かすことでコストを下げています。年45万トンの電気銅を46万トンへ増やす設備改善を続け、2030年には銅スクラップなどの二次原料を年14万トン、全体の3割まで処理する目標も掲げています。

菱刈鉱山と海外権益:人と原料を支える

菱刈鉱山の2026年3月期の販売金量は3.5トンで、平均的な品位での採掘を基本に資源を長く使う操業を続けます。この鉱山は収益源であると同時に鉱山技術者を育てる場でもあり、自社で鉱山を動かす経験は、資源メジャーと組む海外権益でも土台になります。

機能性材料:金属相場に左右されにくい収益

機能性材料は金属価格や為替の影響を受けにくく、変動の大きい資源・製錬を補う役割を持ちます。AI向けデータセンターの増設で需要が伸びるファラデーローテータは増産投資を進め、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の高容量化に合わせて微粒ニッケル粉の拡販にも取り組んでいます。

新しい柱の候補が、パワー半導体のSiC向けの貼り合わせ基板「SiCkrest」です。8インチの量産ラインを立ち上げて大手半導体メーカーの認定を取得し、2026年度から量産品の納入を始めました。

EV向け需要は想定より伸びていないものの、他の顧客の認定取得や貼り合わせ技術のライセンス供与を広げる方針で、12インチ基板の開発も進めています。

電池正極材の現状と次の一手

白い皿に盛った黒い電池正極材の粉末

正極材はリチウムイオン電池の容量や出力を左右する材料で、住友金属鉱山の電池材料事業の中心です。実績のある主力品から次の品種へ切り替える時期に入っており、強みと課題を切り分けて読む必要があります。

いまの主力:NCA正極材

主力はNCA(ニッケル酸リチウム)で、月5,000トンの体制を確立し、2025年1月からは新居浜工場が一部生産を始めました。2025年度の生産量は過去最高で、これには次の品種への切り替えに備えて在庫を計画的に積み増した分も含まれます。

課題:EVの減速と品種の切り替え

環境を変えたのは、EV需要の鈍化、中国・韓国の競合が抱える過剰な生産能力、そしてNCAからHigh-Ni系NMC(ニッケル比率の高い三元系)への品種転換の3つです。NMCは粒径の制御に別の晶析方式(溶液から結晶を育てる工程)が必要で、既存設備ではこの工程が生産量の制約になります。

同社は2024年度に電池材料で573億円の減損損失を計上し、2030年に月1万5,000トンとしていた増強計画も見直しました。2025年度は100億円の利益を確保した一方、2026年5月時点の2026年度予想は30億円の損失で、社外取締役も構造改革は道半ばと発言しました。

転換:High-Ni系NMCと次の製品

立て直しの中心はHigh-Ni系NMCへの転換で、2027年度以降の販売開始に向けて量産準備を進めています。あわせてトヨタ自動車と全固体電池向け正極材を共同開発し、データセンターの蓄電池(BBU)向けの需要にも対応を広げています。

図6:電池材料の転換スケジュール

実施済みのことと、これからの計画を分けて整理しました。

実施済み
2025年1月新居浜工場が一部生産開始NCAを生産する新しい工場
2025年度下期電池研究所の第2開発棟が稼働次世代技術の開発と評価体制を強化
2025年度下期新品種の量産試験新居浜工場2系列目でHigh-Ni系NMCの試験
これからの計画(2026年時点)
2026年度NCAの生産継続と体制整備需要に応じて生産しながら切り替えに備える
2027年度以降High-Ni系NMCの販売開始量産開始後に生産性改善とコスト削減
開発を継続全固体向け・LFP全固体はトヨタと共同開発、LFPは顧客候補が評価中

出典:統合報告書2026、中期経営計画2027説明資料。最新の状況は同社の開示を確認してください。

電池リサイクル:国内初の商業規模プラント

東予工場の乾式処理とニッケル工場の湿式処理を組み合わせたリサイクルプラントは、LIBセル換算で年約1万トンを処理する国内初の商業規模の設備です。湿式は2026年3月、乾式は6月に試運転を始め、2026年9月11日に竣工式を開きました。関東電化工業との技術でリチウムも回収します。

一方で、国内の使用済み電池から出る原料(ブラックマス)の発生量は低迷しており、原料の確保がこの事業の当面の課題です。海外原料の処理を増やす計画へ見直し、2026年5月には住友商事とオセアニアでの電池リサイクルの事業化調査で覚書を結びました。

業績と投資計画

この会社の数字を読むうえでは、金属価格と為替を同時に見ることが欠かせません。2026年3月期の大幅な増益は、銅と金の上昇に加えて、2025年3月期に計上した大きな減損損失がなくなったことが主な理由で、数字の伸びをそのまま実力と受け取らないほうが安全です。

図7:業績と金属価格の推移

利益の動きは、銅・金の価格の動きと重なります。

2025年3月期
2026年3月期
2027年3月期予想
売上高
1兆5,933億円
1兆7,416億円
2兆650億円
税引前利益
314億円
2,557億円
3,240億円
親会社の利益
165億円
1,763億円
2,160億円
銅($/t)
9,370
10,816
12,706
金($/toz)
2,585
3,939
4,204
ニッケル($/lb)
7.51
7.08
7.68
為替(円/$)
152.58
150.78
159.87

※2027年3月期は2026年8月10日に公表した修正予想です。価格は同日時点の前提を含みます。出典:住友金属鉱山 決算短信。

2027年3月期は当初、税引前利益2,290億円の減益を見込んでいましたが、第1四半期の決算と同じ2026年8月10日に3,240億円へ上方修正しました。銅と金の価格前提の引き上げと円安の見直しが背景にあり、当初の減益予想は増益予想へ変わっています。

修正後のセグメント利益は資源2,560億円、製錬630億円、材料180億円で、資源への依存がさらに高まる見通しです。銅の値動きが需要側に与える影響は銅価格の高騰と電線・伸銅品の記事で整理しています。

利益を動かす要因主に効く事業最近の動き(決算短信ほか)
銅・金の価格資源、製錬銅も金も2026年1月に史上最高値を記録
ニッケル価格製錬、電池材料インドネシア政府の鉱石採掘量の割当削減や、硫黄価格の高騰に伴う減産で上昇
TC/RC製錬(自山鉱分は資源で相殺)スポットはマイナス水準で推移し、回復には時間がかかる見方
為替全事業(製錬は在庫評価にも)2026年4〜6月は平均159.50円の円安
EVとデータセンターの需要材料車載向けは伸びが鈍化、データセンター向けの電子部品材料は好調

中期経営計画2027の投資

中期経営計画2027(2025〜2027年度)の設備投資・投融資は、当初の4,370億円から、統合報告書2026では5,400億円の見込みに増えました。大型プロジェクトの支出増や物価上昇、円安が増額の理由です。

3年間の配分は次の図のとおりで、金額の3分の2は既存設備の維持更新などが占めます。鉱山や製錬所は安定操業と安全・環境対応のための更新負担が大きく、成長投資だけを見ていると全体像を見誤ります。

図8:3年間で5,400億円の投資の行き先

維持更新等3,600億円、成長投資1,400億円、未来投資400億円の見込みで、成長投資は次の案件に向かいます。

ウィヌ銅・金豪州。権益30%を取得し2025年10月にJV発足、事業化調査中
カルグーリーニッケル豪州。ニッケル年約3万トンを40年超にわたり計画
ニッケルマット製造日向製錬所に新設。2027年度中の完工・操業開始を目指す
正極材の品種転換NCAからHigh-Ni系NMCへ切り替える投資

事業別は資源1,300億円、製錬1,500億円、材料800億円、研究その他200億円、投融資1,600億円の見込み(統合報告書2026、見通しでありコミットメントではないとの注記あり)。

その先の長期ビジョンでは、数量と利益の目標を次のように示しています。2026年3月期の親会社の利益は目標の水準を上回りましたが、金属価格の追い風を受けた年なので、安定して達成できるかはこれからの論点です。

  • ニッケル生産量 年15万トン(2030年のありたい姿は年10万トン)
  • 銅の権益分生産量 年30万トン
  • 材料事業の税引前利益 年250億円
  • 親会社の所有者に帰属する当期利益 年1,500億円

就職・転職、取引先として見た特徴

検査台に並べた鉱石と金属試料、ルーペ

連結従業員7,507人のうち、製錬が2,862人、材料が2,525人で、両方を合わせると約7割になります。利益の柱は資源でも、資源事業の人員は414人と少なく、働く人の多くは工場や材料の現場に近い事業にいます。

単体の従業員は3,179人で、平均年齢40.8歳、平均勤続年数16.8年、平均年間給与は805万4千円です(2026年3月31日現在、有価証券報告書)。女性管理職比率は連結で11.2%(統合報告書2026)で、2030年に連結18%以上とする目標を掲げています。

就職・転職で見るときは、どの事業を志望するかで仕事と勤務地が大きく変わる点を押さえておきたいところです。電池材料の工場は日本とベトナム、機能性材料の拠点は日本・中国・台湾にあり、資源では海外の操業鉱山へ技術系社員を派遣しています。

  • 資源:鉱山技術、探鉱。菱刈鉱山で経験を積み、海外鉱山の運営に関わる道がある
  • 製錬:プロセス技術、設備、操業管理。愛媛県の東予工場・ニッケル工場が中心
  • 材料:粉体合成、結晶育成、品質保証、生産技術。製品ごとに顧客も拠点も異なる

取引先として見るなら、金属価格で売上や利益が大きく動く会社だと理解したうえで、事業ごとの計画を確認すると話が進めやすくなります。

正極材の品種転換に伴う設備投資、銅の二次原料の増処理、2026年5月に検討を始めた廃ワイヤーハーネスのクローズド・リサイクルは、関連する企業との接点になりそうなテーマです。いずれも統合報告書に計画や進捗が載っているので、商談の前に確認しておくと役立ちます。

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住友金属鉱山のよくある質問

住友金属鉱山と日本製鉄(旧住友金属工業)は同じ会社ですか?

別の会社です。住友金属工業は2012年10月に新日本製鐵と統合して新日鐵住金となり、2019年4月に日本製鉄へ社名を変えました。住友金属鉱山は証券コード5713で、現在も自社の名前で東証に上場しています。

日本にまだ金鉱山はありますか?

あります。住友金属鉱山が操業する鹿児島県の菱刈鉱山は、統合報告書によると日本で唯一商業規模で操業する金鉱山です。1985年に出鉱を始め、設備を更新しながら長期操業を続け、「山命100年」を目指すとしています。

別子銅山はいまも操業していますか?

操業していません。別子銅山は1691年に開坑し、283年にわたって操業したのち1973年に閉山しました。ここで培った鉱山技術や製錬技術が、同社の資源事業と製錬事業の源流になっています。

住友金属鉱山の配当の考え方は?

連結配当性向35%以上を原則とし、業績が悪化した年の下限として、自己資本比率が55%を上回る間はDOE(株主資本配当率)3.5%を掲げています。1株当たり年間配当は2026年3月期が228円で、2027年3月期の予想は2026年8月時点で207円です。

まとめ

この記事のまとめ
  • 住友金属鉱山は鉱山、製錬、材料の3事業を持つ創業1590年の非鉄金属メーカー
  • 2026年3月期は売上の約7割が製錬、利益の約6割が資源(3事業の単純合計に対する比率)
  • 強みはHPAL、東予工場、菱刈鉱山と海外権益、機能性材料の製品群
  • 電池正極材はNCAからHigh-Ni系NMCへの転換期で、構造改革が続いている
  • 業績は金属価格に大きく動き、中計27の投資は3年間で5,400億円の見込み

住友金属鉱山を理解するには、3事業の売上だけでなく、銅とニッケルの流れと金属価格の動きを合わせて見るのが近道です。業界全体の位置づけは鉄鋼・非鉄金属業界の構造や鉄鋼・非鉄金属の業種ページから、材料開発のテーマは材料技術からたどれます。

出典

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プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

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