エネルギー管理士の試験勉強は、過去問で出題範囲をつかむことから始めます。分からない理由を参考書で補う順に進めるのがおすすめです。働きながら取り組むなら、課目ごとの到達点と勉強する日を先に決めると、直前の詰め込みを減らせます。
私は会社に取得を求められ、熱分野の試験に合格するまで3年かかりました。参考書を読むだけで受けた1年目と、燃焼計算の途中で止まった2年目を振り返ると、勉強量の前に直せる失敗がありました。
当時の体験と、2026年度の公式案内に基づく制度・時間割は分けて示します。これからの受験計画にも役立ててください。
エネルギー管理士試験の合格体験談
受験のきっかけは、学生時代からの強い関心ではなく、就職先で資格取得が必須だったことです。工学部を卒業していたものの、「会社に言われたから受ける」という気持ちが先に立ちました。勉強を後回しにしていたのです。
3年間の結果を並べると、課目別合格に助けられた経過が見えてきます。ただ、毎年少しずつ進める間にも復習や申込みが必要で、期間が延びれば負担も増えると実感しました。
図1:私の3年間の課目別結果(熱分野)
○はその年の合格、×は不合格、免は前年までの課目合格による免除です。
本人の体験記録であり、各課目の一般的な難易度や推奨受験順を示す表ではありません。
ほぼ無勉強で受験~1年目~
初めて受験したのは入社2年目で、仕事や私生活が忙しい時期でした。まとまった勉強時間を取れていませんでした。会場の最寄り駅から受験者が列をつくる様子に、大学入試のころを思い出したのを覚えています。
当時やったのは、通勤電車で全体像を説明する入門書を読む程度で、過去問には手を付けていません。仕事中に耳にしていた内容に助けられ、課目Ⅳだけ合格しましたが、ほかの3課目は不合格でした。
試験を受けた直後は、基礎を押さえれば届きそうだと感じ、それが翌年への油断になりました。「来年は大丈夫」という感触だけを持ち帰り、どの問題で何が足りなかったかを整理しなかったのが失敗です。
入門書を読めば用語に親しめますが、説明を理解したつもりでも、自力で答えを選べるとは限りません。今から始める方は、最初に過去問を一度開き、読む勉強と解く勉強の違いを体験するとよいでしょう。
当時の私は試験の難しさを大学入試にたとえて考えていました。その感触が準備の代わりになったわけではありません。仕事で知っている設備が出る課目と、初めて式を使う課目を同じように見積もったことも、計画を誤る原因でした。
過去問を中心に勉強~2年目~
2年目も着手が遅れ、本格的に勉強を始めたのは試験の2か月前でした。前年の反省から過去問を中心に進めると、異なる年度にも似た論点が現れ、先に出題範囲を調べる大切さに気づきました。
課目ⅠとⅡには合格しましたが、課目Ⅲの燃焼計算で途中の値を誤りました。その後の設問にも影響が広がりました。一つの計算に時間を使い過ぎて、後ろの解ける問題を取り逃したのが大きな反省です。
試験後に読み直すと、前の小問の答えが出なくても解ける基礎的な設問が残っていました。問題文を順番に読むだけでなく、どの値を使う小問なのかを全体から判断すれば、拾える点があったわけです。
課目Ⅱも十分に理解し尽くした合格ではなく、得意な内容が出題された幸運がありました。課目合格は助かる制度ですが、偶然に頼るより、苦手分野を説明できる状態まで戻っておくと、次の学習が進みます。
この年は詳しい参考書も使いましたが、最初から最後まで読み切る時間はありませんでした。過去問の解説だけでは納得できない箇所を調べる辞書として使い、入門書の説明とつなぐ形で補っていました。
課目ⅠとⅢは過去問の傾向を頼りにし、Ⅱは得意分野が出れば、という気持ちだったのも当時の実情です。合格した課目だけを見ると順調でも、実際には苦手分野を残したまま受験していました。再現性の高い方法ではありませんでした。
残り1課目を取って合格~3年目~
3年目に残ったのは課目Ⅲで、新しい教材は増やさず、試験の1か月前から少しずつ復習しました。前年の失敗を踏まえ、計算が止まったときにも全体を見渡し、答えられる設問から解くよう意識しました。
結果は合格で、私の振り返りでは8割以上を取れたと感じていました。ただ、1年前に勉強した内容を思い出す作業は必要で、残り1課目だけでも復習は軽くないと感じました。
最初に合格した課目の免除期限も迫っていたため、落ちれば受け直す範囲が増える重さがありました。仕事と両立して課目を分ける場合も、期限まで余裕があるうちに全課目合格を目指す計画が大切です。
この経験から、残り課目が少なくなった年ほど、前年と同じ問題を解くだけで済ませないほうがよいと思います。苦手だった計算の入口を自力で作れるかまで戻ります。覚えていた数字や選択肢に助けられた正解を見分けるためです。
エネルギー管理士試験のおすすめ勉強法

私の反省を勉強の順番に直すと、目的を決め、出題範囲を調べ、解けなかった理由を埋めていく流れになります。参考書を何冊読んだかよりも、次に同じ条件の問題を解けるかを進み具合の目安にしましょう。
エネルギー管理士を目指す目的を明確にする
会社の指示だけを理由にすると、忙しい日に勉強を後回しにしやすくなります。私もその状態が続いていました。「資格が必要」に加え、仕事のどの疑問を解けるようにしたいかを一つ決めると、学習する対象が身近になります。
例えば蒸気の使用量を扱う仕事なら、ボイラーの効率や燃料消費の関係が学習と結び付きます。製造業のエネルギー管理士の仕事を読み、自分の担当業務と重なる場面を探すのも一つの方法です。
目的は立派な言葉でまとめる必要はなく、「熱の収支を根拠付きで説明する」でも十分です。担当設備の図面や記録に出てくる用語に、試験のどの課目で学ぶか書き添えます。参考書を開く理由が具体的になります。
学習計画を立てる
4課目を直前にまとめて始めると、広い範囲を前に、どこから手を付けるか迷います。私は熱分野の流体を特に難しく感じたため、時間のかかる計算分野を先に触る計画にしておけばよかったと思っています。
3〜6か月前からの着手は私の経験からの提案で、合格に必要な期間の統計ではありません。物理や数学の理解度、受験する課目によって、同じ期間でも取り組む量は変わります。最初の過去問で現在地を測ります。
学習予定には「課目Ⅱを勉強する」だけでなく、「流量と流速の単位をそろえて解く」と書きます。終わりが判断できる作業に分け、週末には解けなかった問題を戻す時間も確保すると、予定が読むだけで終わりません。
図2:熱分野の学習を結び付けるノート
設備の名前と、その設備を説明する基礎を同じページで結び付けます。
熱分野の学習整理例です。課目の公式な出題範囲は受験の手引に従います。
平日に確保する時間と、休日にまとめて取る時間は分けて数えると、予定の無理が見えます。例えば平日30分を5日、休日90分を2日なら週5時間半です。これは計画の計算例で、合格を保証する時間ではありません。
予定が崩れた週は、翌週にすべて上乗せするより、優先する論点と復習日を組み直します。特に私のように着手が遅れる場合は、難しい章を最後に残さないようにします。質問したり基礎に戻ったりする時間までなくなるためです。
熱分野では、Ⅱの基礎で止まった理由が、Ⅲの燃焼やⅣの設備の問題にも響くケースがあります。流体の式を覚え直す前に、使っている量を一覧にします。圧力の基準、体積流量と質量流量の区別、時間の単位などを整理します。
例えば問題文の流量が時間当たりで、求める量が秒当たりなら、式に入れる前に時間の基準をそろえます。難しい理論の理解不足と、単位換算の手順漏れを分けるだけでも、どのページへ戻るべきかがはっきりします。
私の感触では流体に最も時間がかかり、燃焼と熱利用設備が続き、法規はその後という順でした。これは本人の得意不得意による評価です。自分の計画では最初の演習結果を使い、理解に時間のかかる箇所へ早めに日を割り当てます。
過去問を解く
最初から最後まで解けなくても、過去問の問題文と解答を読むと、何を判断させる試験なのかが見えてきます。まず一つの年度を通して眺め、用語の知識と計算の手順を分けて印を付けてみましょう。
次に複数年度を見て、似た論点で何が変わっているかを比べます。数字だけが変わる問題と、求める量や条件そのものが変わる問題を区別すると、答えの番号を覚える勉強から離れやすくなります。
正解した問題も、理由を言えなければ理解済みとはせず、選んだ根拠を短く残します。計算問題なら使った式の前提と単位を記録し、次は解説を閉じた状態で再現するところまでを一組にするとよいでしょう。
誤答を記録するときは、知識がなかったのか、式を選べなかったのか、代入後に計算を誤ったのかを分けます。どれも不正解として数えるだけでは、すでに分かる章を読み直しかねません。本当に不足する基礎を残すことになります。
解答の選択肢からたまたま当たった問題は、同じ年度で再び正解できても安心せず、別年度で条件を変えて試します。解説の文章を思い出せることと、初めての問題文から必要な量を取り出せることを分けて判定するためです。
例えば燃焼分野で空気比を学ぶなら、定義を覚えるだけでなく、理論空気量と実際の空気量のどちらを求める問題かを見ます。設問で与えられた値を先に整理する練習が、連鎖的な計算ミスの対策になります。
図3:燃焼計算で止まったときの誤答ノート
誤答の写しではなく、次の問題で変える動作を記入します。
- 止まった箇所
- 理論量と実際量の区別が付かない
- 戻る内容
- 空気比の定義と、問題文に示された条件
- 次回の動作
- 与えられた量に「理論」「実際」を書き添える
- 解き直す条件
- 解説を閉じ、別年度の同じ論点で再現する
記入内容は説明用の例で、本人の答案を再現したものではありません。
理解しやすい参考書を読む
過去問で出題の形を見たら、全体像をつかめる参考書に戻り、用語と式の意味を順に結び付けます。最初から細かい解説をすべて理解しようとすると止まりやすくなります。今の疑問に答える範囲を決めて読むのが実用的です。
入門向けの説明で確かめたいのは、式を使う場面と、そこに出てくる記号の意味です。式だけを別の紙に抜き出す前に、熱がどこから入り、どこへ出るかを図にして、何を数えている式なのか説明してみます。
私も最初は要点をまとめた本を読んでいましたが、それだけでは解説が足りないところがありました。読みやすい本を入口にし、分からない部分は別の詳しい説明で補うという役割分担が、後の勉強では役立ちました。
熱の収支を読むときは、燃料の発熱量、流量、単位時間当たりの熱量を区別します。発熱量に燃料流量を掛ける場面でも、質量基準か体積基準かを先にそろえます。似た記号を取り違えて代入するミスを見つけやすくなります。
内容の濃い参考書で補完する
詳しい参考書は、過去問の解説が省略している前提や式の導出を調べるときに使います。最初のページから読み切る課題にするより、つまずいた項目を目次と索引から探す使い方なら、限られた時間でも活用できます。
例えばボイラー効率の計算で答えが合わなければ、入熱と出熱に何を含めているかまで戻ります。数字の代入だけを繰り返すより、計算の境界を理解するほうが、条件の違う問題にも対応しやすくなります。
燃料の問題なら、高位発熱量と低位発熱量のどちらを使っているかも読み分けます。参考書に載っている数値と問題の数値が違うときは、同じ量の別表現か、条件が違う量かを先に整理しましょう。
詳しい本を使ったから出題範囲を完全に覆える、という保証はありません。法規は対象年度の基準日に合わせて学び、古い問題の説明を読む際も、技術の原理と改正される制度を分けて扱うことが大切です。
調べた説明は、問題番号と参考書の該当ページを一緒に記録しておくと、翌週の復習で探し直さずに済みます。細かい知識を別のノートへ丸ごと写すより、自分の疑問と答えが載る場所を対応させます。見直す対象を小さく保てます。
時間のあるうちから少しずつ勉強する
知識を問う問題は、机に向かう時間とは別に、通勤や休憩の短い時間でも復習できます。用語を眺めるだけで終わらせず、ページを閉じて意味を思い出します。説明が抜けた部分だけ読み直すと、覚えたつもりを減らせます。
計算はまとまった時間に、用語や定義は短い時間に、という分け方なら日々の予定に組み込みやすくなります。私のように試験直前まで先送りするより、小さくても手を付ける日を決めるほうが、進み具合を追いやすくなります。
短い時間の復習では、前日に間違えた用語だけを見るなど、一回に扱う内容をあらかじめ決めます。長い計算を途中まで進めて毎回やり直すより、移動中には定義を復習します。帰宅後にはその定義を使う問題と、役割を分けられます。
法規の学習では、名称だけでなく、誰に適用する制度かと、どの条件で義務が生じるかを組にして覚えます。似た役職名や届出をひとまとめにせず、問題文の対象を先に囲む練習をします。知っている語だけで選ぶ失敗を減らせます。
過去の学習用アカウントとして、Xの熱分野の投稿と電気分野の投稿もあります。掲載済みの問題を復習の入口に使う場合も、法規や制度の答えは当年度の公式資料と対応させます。
エネルギー管理士試験まで十分な時間が取れない場合
仕事が重なり予定どおり進まないときは、残り日数だけでなく、使える時間と解ける分野を数え直します。全範囲を一度読むことを目標にするより、受験する課目の中で弱点を埋める順番を決めるほうが行動に移せます。
課目を絞る
試験には課目合格制度があり、合格基準に達した課目の免除を使って、複数年で全課目合格を目指せます。2026年度の公式説明では、合格した試験の年の初めから3年以内に同じ分野を受けるときの免除です。
例えば2026年に合格した課目なら、2027年と2028年の受験で免除を使う整理になります。「合格後、さらに3回受験できる」と数えると期限を読み違えるので、課目ごとに合格年と最後の免除年を書いておきましょう。
図4:2026年に課目合格した場合の期限例
合格した年を含む3年です。免除を使える受験は、その翌年と翌々年です。
期限の起点年
残りを受験
残りを受験
再受験が必要
同一分野の例。別の年に合格した課目には、その課目の合格年に応じた期限があります。
私の周囲にも、仕事と両立するため2課目ずつ取り組んだ人がいました。熱分野でⅠとⅡ、ⅢとⅣに分ける案はありますが、得意不得意で負担は変わるので、今の仕事と学習済みの基礎を軸に組み合わせます。
特に流体が苦手な人は、法規との組合せを選んでも、計算の復習時間を別に確保しておく必要があります。課目を絞るのは準備の範囲を決める方法であり、次の年に残る内容と免除期限まで含めて一つの計画にします。
すでに免除課目がある場合は、前年の受験票と合否通知書をそろえ、どの年度の番号を入力するか整理します。勉強の負担を減らせても、申込みの情報が合っていなければ免除が反映されません。手続きも予定表へ入れます。
出そうなところの山を張る
時間が限られる場合は、過去問で繰り返し扱われる基礎を先に固めるという優先順位の付け方があります。ただ、特定の問題が今年も出ると決め付けると、その予想が外れたときに対応できる範囲まで狭くなります。
2026年度の合格基準は、各課目とも配点の60%以上で、問題数の単純な6割ではありません。ある課目の高得点で別の課目の不足を埋め合わせる仕組みではないので、受験する課目ごとに到達点を置きましょう。
見直す順番は、すでに理解しているのに計算を落とす箇所、用語の混同、まだ手付かずの難問、と分けられます。私の燃焼計算の失敗なら、難しい式を追加で覚えるより、途中値の単位と解く順番の改善を先に置きます。
優先した範囲だけで満点を目指すより、初めて見る条件にも使える定義や収支の立て方を残しておきます。出題の予想を当てることに時間を使い過ぎず、解いた問題で説明できなかった箇所を次の復習対象にするのが基本です。
通信講座を利用する
一人では解説の意味を整理できない場合は、順序立てた説明や質問への回答を使う学び方もあります。見るべきなのは事業者の名前より、自分が止まった計算の前提まで説明されるかという点です。
答えの式が示されるだけで分からないなら、どの条件でその式を使うのかを言葉にして質問します。残り時間が少ないほど、教材を替える作業に時間を使い過ぎず、今の過去問でつまずいた理由を解決する目的を明確にします。
質問の形も「この問題が分かりません」だけでなく、与えられた条件と、自分が立てた式を一緒に示すと具体的になります。どこまでは理解できたかも伝えます。式の選び方なのか、その前の物理の理解なのかを分けて教わりやすくなります。
エネルギー管理士試験を受けるときのポイント
勉強した内容を本番で出すには、当日の時間と解く順番にも準備が要ります。私の失敗は知識不足だけでなく、一つの小問にこだわって残りを見る時間をなくしたことなので、試験形式に合わせた練習も加えましょう。
休憩時間がかなり長い
2026年度の熱分野では、課目Ⅰ、Ⅱ、Ⅳ、Ⅲの順で試験が進み、課目番号の順とは異なります。省エネルギーセンターの受験の手引を基準に、自分が受ける課目だけを時間割に印付けしておきます。
図5:2026年度・熱分野の当日の流れ
免除課目がある人は、その時限に受験しません。各時限の開始10分前までの着席を織り込みます。
- 9:00〜10:20 課目Ⅰエネルギー総合管理及び法規/80分
- 休憩30分次の課目の要点だけ見直す
- 10:50〜12:40 課目Ⅱ熱と流体の流れの基礎/110分
- 昼休み80分昼食・休息と、午後の受験準備
- 14:00〜15:50 課目Ⅳ熱利用設備及びその管理/110分
- 休憩30分燃焼の定義や単位を見直す
- 16:20〜17:40 課目Ⅲ燃料と燃焼/80分
2026年度受験の手引に基づく熱分野の時間割。電気分野は課目の配置が異なり、翌年度はその年度の手引が基準です。
休憩をすべて暗記に使うより、トイレや移動、食事の時間を先に引き、残る時間で何を見るか決めます。厚い本を持って行く場合も、開くページが決まっていなければ、探すだけで休憩の大部分が終わってしまいます。
私は直前に読んだ内容に助けられた経験がありますが、当日は新しい分野を広く覚える日には向きません。間違えやすい定義や単位を一枚にまとめ、見直す範囲を絞った資料を用意すると扱いやすくなります。
免除によって長い空き時間ができる人は、次の受験課目の開始時刻を別に控えておきます。受験する時限だけを追うと、普段の勉強の順序と当日の順序を混同しにくくなります。持って行く復習資料の並べ方も決めやすくなります。
わかるところから解く
問題を開いたら、計算を始める前に大問と小問の構成を見て、独立して答えられる箇所を探します。前の小問が解けなくても、後ろで別の条件や定義を問う小問もあります。止まった小問と大問全体を同一視しないのが要点です。
燃焼計算の途中値を使う設問では、後で見直せるよう、求めた量の名前と単位を余白に残します。数字だけを続けて書くより、理論空気量、実際空気量などの意味が見え、どこから計算をやり直すかも判断しやすくなります。
普段の練習でも時間を測り、解き切る回とは別に、取れる設問を先に拾う回を設けると本番の動きが決まります。持ち物やマークの注意は、エネルギー管理士試験当日のポイントと合わせて整理しておくと安心です。
小問を飛ばすときには、問題番号と解答欄の位置を対応させ、戻る箇所に印を残しておきます。計算の答えが出ても、途中で飛ばした分だけ欄をずらして塗れば得点につながりません。解く動作と記入する動作を一組で練習します。
計算の途中結果を早く丸めると、後の小問で選択肢との違いが広がりやすくなります。問題で指定された桁や単位を読み、途中値の扱いも解答と照らす習慣を付けると、公式を知っているのに答えがずれる原因を減らせます。
何度も受けるとコストも結構かかる
2026年度の通常の受験手数料は17,000円で、一部課目だけ受験しても同額です。旧制度の熱管理士・電気管理士の免状保有者への特例は別ですが、通常の課目合格で受験料が課目数分だけ安くなる仕組みはありません。
当時の私も受験料3回分を51,000円、交通費込みで約6万円と振り返っています。複数年受験の負担を感じました。以下は2026年度の通常手数料を3回分に当てはめた計算で、教材費や交通費は別に見積もります。
エネルギー管理士に合格してみて思うこと
合格後に実感したのは、資格名を通じて会話が始まることです。仕事の説明も以前より理解できるようになったと感じます。受験の目的が会社の指示でも、学んだ知識を実務に結び付ける価値は、試験が終わってからも残りました。
肩書の効果は大きい
私の場合、名刺の資格名を見て声を掛けられる機会がありました。エネルギーに関する基礎を学んだ人として、会話が始まったのです。ただ、待遇や転職の結果は職務経験にも左右されるため、資格名だけの効果を一律には決められません。
実務の選任制度を知りたい方は、エネルギー管理者の選任人数と管理員との違いを読むと、資格と役割の関係が整理できます。試験の合格、免状の交付、職場での選任は、それぞれ段階の違う手続きです。
資格取得より知識が増えることに価値がある
試験範囲を一通り学ぶと、自分の担当外だった設備にも、熱や流れの共通した考え方があると分かります。以前は名前だけ聞いていた機器でも、なぜその設備が必要なのかを考えるようになったことが、私にとって大きな変化でした。
例えばボイラーの仕組みを学ぶと、燃料、水、蒸気を別々の数量として見るだけでなく、入った熱がどこへ移ったかを追えます。試験で覚えた式を、設備の運転記録に当てはめて考える入口になります。
同様に、ガスの体積を扱うときはNm³とm³の違いが、数字を比べる前提になります。単位の見た目が似ていても条件が違うと気づけることは、答案の計算にも、職場での説明にも役立ちます。
学んだ内容を職場で使うときも、試験の単純化した条件と、実際の運転条件を区別して考えます。設備を勝手に調整するのではなく、まず記録や仕様書から条件を調べ、担当者と同じ量について話せるようにするところから始めます。
合格してからが重要
合格すると試験のために参考書を開く必要がなくなりますが、使わない内容は思い出しにくくなります。分からない設備や用語に出合ったときに本へ戻り、実務の疑問から学び直す習慣を残すと、受験勉強がその後にも続きます。
試験合格後に免状交付を申請するには、エネルギー使用合理化の実務に1年以上従事した証明が必要です。従事した時期は合格の前後を問いません。免状を得た後も、診断や助言の仕事は資格だけで自動的に任されるものではなく、設備を見て説明する経験を積み重ねます。
受験に使った教材は、合格したらすべて不要になるわけではありません。学び直す場所を知るための手掛かりにもなります。設備の収支を考えるページや、よく取り違えた単位に付けた印を残しておくと、実務で似た疑問に出合ったときに戻れます。
エネルギー管理士の勉強法でよくある質問
エネルギー管理士は独学でも合格できますか?
2026年度の受験資格に制限はなく、独学でも受験できます。私も参考書と過去問を中心に学習し、解説で分からない箇所は詳しい参考書で補っていました。分からない理由を絞って基礎へ戻ることが大切です。
過去問は何年分解けばよいですか?
必要な年数を一律には決めず、複数年度で同じ論点と違う条件を比べ、解説なしで解けるかを目安にします。古い問題の法規をそのまま暗記せず、受験年度の法令基準日に合わせて読み直しましょう。
熱分野と電気分野のどちらを選ぶとよいですか?
これまでの学習と担当設備に近い分野を、公式の課目一覧と過去問で比べて選ぶとよいでしょう。免状には熱分野と電気分野の区別がないため、名称の印象よりも、自分が準備しやすい内容を基準にできます。
課目合格はいつまで有効ですか?
合格した試験の年の初めから3年以内に受験する場合に、その課目の免除を使えます。合格年を含めて数える制度で、申込時には過去の受験番号を正確に入力するため、受験票や合否通知書を保管しておきます。
仕事が忙しく、予定より勉強が遅れたらどうしますか?
残り時間と今解ける範囲を見直し、課目を絞るか、誤答の修正を優先するか決めます。新しい教材を増やす前に、過去問のどの段階で止まるかを整理すると、必要な復習を選びやすくなります。
まとめ
- 勉強前に目的と受験範囲を決め、苦手な計算分野へ早めに着手する
- 過去問で出題の形を知り、入門書と詳しい参考書を役割で使い分ける
- 課目を分ける場合は、合格年を含む免除期間と受験費用まで計画に入れる
- 本番は問題全体を見て、途中で止まっても独立した小問を探す
- 合格後も実務の疑問から学び直し、設備を説明できる知識へ育てる
私が3年かけた反省から伝えたいのは、勉強を始める前に、何を解けるようにするかを決める大切さです。実務と学習をつなぐ題材は、工場の省エネとエネルギー管理からも探せるので、身近な設備の疑問を一つ取り上げてみてください。
出典
出典・参考資料(4件)を開く出典・参考資料を閉じる
- 省エネルギーセンター「2026年度・エネルギー管理士試験制度の概要」:合格判定、免除制度、免状と実務要件
- 省エネルギーセンター「第48回試験の内容」:2026年度の課目・時間割・通常手数料
- 省エネルギーセンター「受験に当たっての注意事項」:着席時刻と当日の準備
- 省エネルギーセンター「課目合格試験免除制度Q&A」:免除期間の数え方
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