2026年10月1日から、カスハラ(顧客や取引先など社外の相手からの著しい迷惑行為)を防ぐ措置が、業種や企業規模を問わず、すべての事業主の義務になりました。
国の指針は「顧客等」の例として、取引先の担当者や、企業間の契約を交渉する担当者まで挙げています。
店舗を持たないメーカーも、企業間の取引の中で、カスハラを受ける側にもする側にもなり得ます。社員を守る仕組みをどう整え、取引先とどう向き合うかが問われる制度です。
この記事では、義務化の中身、製造業で起こりやすいカスハラの形、施行までに整える5つの措置を順に整理します。続いて、取引先が関わる場面の対応、自社が加害側にならないための備え、よくある失敗を取り上げます。
カスハラ対策の義務化とは

根拠となるのは、2025年6月11日に公布された改正労働施策総合推進法(令和7年法律第63号)です。カスタマーハラスメントを防ぐための「雇用管理上必要な措置」が、事業主の義務になりました。
施行日は2026年10月1日で、同じ日に求職者等に対するセクシュアルハラスメント(いわゆる就活セクハラ)の防止措置も義務化されます。
具体的に何をすればよいかは、厚生労働省が告示した指針(令和8年厚生労働省告示第51号)に書かれています。厚生労働省のリーフレットは、この指針が求める措置を10項目に整理しています。
パワハラやセクハラの防止措置と骨格は似ていますが、顧客や取引先という「社外の相手」を想定している点が大きく違います。
「義務」といっても、違反してすぐに罰金が科されるわけではありません。都道府県労働局や厚生労働大臣が助言・指導・勧告を行い、勧告に従わない場合はその旨が公表されることがある、という仕組みです。
ただし、行政からの報告の求めに応じなかったり虚偽の報告をしたりすると、20万円以下の過料の対象になります。
BtoBの取引では、企業名が公表されれば取引先からの信用にも響きかねません。罰則の軽さよりも、社員を守る仕組みがあるかどうかが問われる制度だと捉えておくのが実務的です。
法律が義務を定め、指針が「何をすればよいか」を具体化しています。
※措置義務違反そのものに刑事罰はありません。出典:厚生労働省「改正法の概要」、通達「労働施策総合推進法第10章の規定等の運用について」
製造業で起きるカスハラの形
製造業のカスハラは、店頭で怒鳴られるような分かりやすい形ばかりではありません。取引先の購買担当や品質担当とのやり取りの中で、少しずつ一線を越えていくケースが多いのが特徴です。まずは指針の定義を押さえ、そのうえでメーカーに当てはめてみます。
カスハラを判断する3つの要素
指針は、職場におけるカスハラを次の3つの要素をすべて満たすものと定義しています。1つでも欠ければカスハラには当たりません。苦情や要望そのものは、社会通念上許容される範囲であれば「正当な申入れ」だと明記されています。
3つすべてを満たしたときに、職場におけるカスハラになります。
※出典:厚生労働省「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」
要素2の判断では、言動の目的や経緯、業種・業態、頻度や継続性、相手との関係性などを総合的に考えます。指針はあわせて、自社側の不適切な対応が原因になっている場合もある点に留意するよう求めています。
納期遅れや不良を出した側が、相手の強い口調だけを切り取ってカスハラと呼ぶのは筋が違います。
要素3は「平均的な労働者の感じ方」が基準です。頻度や継続性も考慮しますが、強い苦痛を与える言動であれば1回でも該当し得るとされています。
メーカーで起こりやすい4つの場面
指針が「職場」に含めているのは、自社の工場や事務所だけではありません。取引先の事務所、取引先と打合せをする飲食店なども、業務の場所であれば職場です。
厚生労働省のQ&Aでも、業務で訪問した先で取引先の労働者から受ける言動は、3要素を満たせばカスハラに当たると整理されています。
相手の多くは消費者ではなく、取引先の担当者です。
※場面は、指針が挙げる典型例(契約金額の著しい減額の要求、不当な損害賠償要求、威圧的・継続的・拘束的な言動など)を製造業の業務に当てはめたものです。
厚生労働省の「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」では、過去3年間に顧客等からの著しい迷惑行為を受けた労働者は10.8%でした。
企業側の調査では、該当事案の内容として最も多かったのが「継続的な、執拗な言動」(72.1%)です。怒鳴り声よりも、しつこさで消耗させる形が主流だと読み取れます。
同じ調査で、過去3年間に顧客等からの著しい迷惑行為の相談があった企業は27.9%でした。相談があった企業のうち、相談件数が「増加している」と答えた企業は23.2%です。
一方で、製造業は建設業などと並んで、カスハラへの取組の実施割合が他の業種より低いとされています。接客が少ないぶん、手つかずのまま施行日を迎えやすい業種だといえます。
正当な申入れとの境界
製造業で難しいのは、品質や納期をめぐる厳しい要求の多くが、取引上ごく正当なものだという点です。不良品に対して原因の究明と再発防止を求めるのは顧客として当然の権利で、品質保証の不具合対応はその要求に応えるための仕事そのものです。
同じ調査でも、取組を進めるうえでの課題として「迷惑行為と正当なクレームや要求とを区別する明確な判断基準を設けることが難しい」を挙げた企業が25.9%ありました。
境界は「何を求めているか」と「どう求めているか」の2つの軸で見ると整理しやすくなります。
要求の中身が正当でも、手段や態様が度を越せば該当し得ます。
※実際の判断は、経緯や頻度、自社側の対応の問題も含めて個別に総合判断します。例は指針の典型例をもとにした目安です。
線引きの基準を社内で持っておくと、現場の担当者は「どこまでは受け止め、どこからは上司に渡すか」を迷わずに済みます。基準は完全でなくてもよく、事例がたまるたびに見直す前提で作るのが現実的です。

義務化に備える5つの措置
指針が事業主に求める措置は、大きく5つの区分に分かれています。リーフレットの10項目も、この5区分のどこかに収まります。ここでは施行日までに整える順番として、5つのステップに並べ直しました。
方針と体制を先に決め、起きたときの動き方と歯止めを後から固めます。
※STEP 01〜05は措置義務、「見直し」は指針が示す望ましい取組です。
ステップ1:方針を決めて全員に周知する
最初に行うのは、「カスハラには毅然とした態度で対応し、社員を保護する」という方針を明確にし、管理職を含む全社員に知らせることです。
社内報や社内ポータルへの掲載、トップメッセージ、研修などが方法として例示されています。顧客や取引先に向けて方針を示すことも、被害の防止に効果的だとされています。
あわせて、どのような言動がカスハラに当たるかと、起きたときの対処の手順を周知します。
指針が示す対処の例は、上司にすぐ報告して指示を仰ぐ、可能な限り一人で対応させない、やり取りを録音・録画する、といったものです。
十分に説明しても要求が繰り返されれば一定時間で電話を切る、暴行や脅迫などは警察へ通報する、本社や法務部門・弁護士と連携する、なども挙がっています。
製造業で見落としやすいのは、周知の範囲です。厚生労働省のQ&Aは、顧客対応がない部署の社員も含め、全労働者に方針と対処の内容を周知する必要があるとしています。
「取引の相手方」も顧客等に含まれるため、製造現場や設計部門も対象から外せません。
録音・録画を対処に入れる場合は、個人情報保護法への配慮が必要です。プライバシーポリシーなどで利用目的を公表しておく方法が考えられます。取引先との通話を録音する運用にするなら、導入前に法務部門と手順を詰めておきます。
ステップ2:相談窓口を決める
次に、社員がカスハラについて相談できる窓口をあらかじめ定め、周知します。パワハラやセクハラの窓口と一体で設置してもよく、担当者を決める、制度を設ける、外部機関に委託する、のいずれの形でも構いません。
部署の上司を相談対応の担当者に定めることも考えられるとされています。
大切なのは、カスハラに当たるか微妙な段階の相談も広く受けることです。取引先との関係を気にして、担当者が一人で抱え込むのは製造業でよくある構図です。
窓口の担当者には、関係部門と連携できる仕組み、留意点をまとめたマニュアル、研修をそろえておきます。
顧客と日常的に接する技術営業・FAEや品質保証の担当者は、社外からの圧力を最も受けやすい立場です。窓口の案内は、全社周知とは別に、こうした部署の朝礼や部会でも繰り返し伝えておくと利用されやすくなります。
ステップ3:起きたあとの対応手順を決める
相談があったら、事実関係を迅速かつ正確に確認します。確認の方法には次のようなものがあります。
- その場で上司が確認する
- 窓口や関係部門が相談者から聞き取る
- 周囲の社員の話や録音・録画を確認する
行為者が他社の社員や役員であれば、必要に応じてその会社に事実確認への協力を求めることも含まれます。
カスハラの事実が確認できたら、被害を受けた社員への配慮を速やかに行います。例示されているのは次のような配慮です。
- 上司が代わりに対応する
- 担当者を変える・複数人で対応する
- 行為者と引き離すための配置転換
- 産業保健スタッフによるメンタルヘルス相談
最後に再発防止です。方針を改めて周知するとともに、原因や背景に商品・サービスの問題やコミュニケーション不足があったなら、その改善を図ります。
指針は、事実が確認できなかった場合でも同様の再発防止措置を講じるよう求めています。事案の内容と対応経緯を記録し、個人情報に配慮して関係部門と共有しておくと、次の判断材料になります。
ステップ4:特に悪質なケースへの対処方針を決める
過度な要求を繰り返すなど、特に悪質なケースへの対処方針をあらかじめ定めて周知し、実際に対処できる体制を整えます。指針が示す対処の例は次の5つです。
- 警察への通報
- 行為者への警告文の発出
- 法令の範囲内で商品の販売やサービスの提供をしない
- 出入り禁止
- 民事保全法に基づく仮処分の申立て
BtoBでは「取引を見直す」という判断が最も重く、営業部門だけでは決められません。経営層・営業・法務の誰が、どの条件で判断するかを決めておくのが、このステップの実務上の中身です。
Q&Aでは、方針に定めた対処を必ず実行する義務はないものの、整備した体制の下で実施するかどうかを判断する必要があると説明されています。
なお、改正法は事業主に新しい権限を与えるものではありません。取引の停止や出入り禁止は、あくまで契約や既存の法令の範囲で行います。
ステップ5:プライバシー保護と不利益取扱いの禁止を定める
ステップ1〜4とあわせて、相談者や関係者のプライバシーを守るための措置を講じ、その旨を社員に周知します。相談対応のマニュアルに必要な事項を定める、窓口担当者に研修を行う、といった方法です。
もう一つは、カスハラの相談をしたことや事実確認に協力したこと、労働局に相談したことなどを理由に、解雇その他の不利益な取扱いをしない旨を定めて周知することです。
就業規則などの服務規律を定めた文書に規定するのが代表的な方法です。「大口の取引先と揉めた社員」が評価で不利にならない、と明文化しておくことが、相談しやすさに直結します。
5つのステップを回し始めたら、社員や労働組合の参画を得て、アンケートや意見交換で運用状況を点検するのが望ましいとされています。
指針は方法の一つとして衛生委員会の活用も挙げており、職場の安全衛生の仕組みと一体で回すと、工場では定着させやすくなります。
取引先が関わるときの対応

BtoBのメーカーにとって、今回の義務化で最も実務が変わるのが取引先との関係です。自社の社員が被害を受ける場面、自社の社員が行為者として協力を求められる場面、そして構内で働く他社の社員が被害を受ける場面の3つに分けて整理します。
自社の社員が取引先から被害を受けたとき
行為者が取引先の社員である場合、事実確認や再発防止のために、必要に応じて取引先に協力を求めることが措置の中に含まれています。
Q&Aでは、行為者の勤務先が自社の取引先で、その業務に関連して行われた場合などに、協力を求めることが考えられるとしています。
協力を求めても応じてもらえない場合は、都道府県労働局に相談できます。労働局は相談内容に応じて、協力を求められた事業主に対し、応じるよう助言するなどの対応を行うとされています。
力関係で弱い立場にある部品メーカーにとって、一人で抱えずに済む道があることは知っておきたい点です。
実際に協力を依頼するときは、感情的な抗議ではなく、日時・場所・言動の内容と記録を添えて、窓口となる部署同士でやり取りするのが基本です。
実態調査でも、カスハラに関して実施している取組で最も多い回答は「特にない」(55.8%)でした。これに次いだのが「自社従業員が取引先等からハラスメント被害を受けた場合の取引先等への協力依頼」で、13.9%です。
取引先から協力を求められたとき
逆に、自社の社員が取引先の社員にカスハラをしたとして、取引先から事実確認への協力を求められることもあります。この場合、事業主は求めに応じるよう努めなければなりません。
協力を求められたことを理由に、その取引先との契約を解除するなどの不利益な取扱いを行うことは望ましくないと指針は明記しています。
事実確認に協力した自社の社員に不利益な取扱いをしない旨を定めておくことが、望ましい対応として示されています。事実が確認できたら就業規則などに基づいて懲戒などの措置を講じることも同様です。
Q&Aによれば、信用失墜行為や服務規律違反の既存の懲戒規定で対応できるなら、カスハラ専用の規定を新設する必要はありません。
構内で働く派遣社員・協力会社の社員
工場には、派遣社員や構内請負、設備メンテナンスの協力会社など、自社が直接雇用していない人も多く働いています。派遣社員については、派遣先も自社の社員と同様に措置を講じる必要があります。
相談したことを理由に派遣の受入れを拒むといった不利益な取扱いも禁じられています。
協力会社の社員や個人事業主については、自社の方針を示す際に、これらの人に対する顧客等の言動にも同様の方針を示すことが望ましいとされます。相談があれば、措置の内容を参考に必要な対応をするよう努めることも望ましいとされています。
場面によって、義務なのか努力義務・望ましい取組なのかが異なります。
※出典:厚生労働省 カスハラ防止指針、Q&A「ハラスメント防止措置義務規定等における解釈事項について」
自社が加害者にならないための備え

製造業は、サプライチェーンの中で「顧客」の立場にも立ちます。部品や材料を買う購買部門、仕入先の工場に監査に入る品質部門、外注先に図面を渡す設計部門は、相手から見れば取引の相手方、つまり顧客等です。
改正法は、事業主と労働者の責務として、他社の社員に対する言動に必要な注意を払うよう努めることを定めました。
指針は、「他社の社員に対してカスハラを行ってはならない」という方針を、自社の方針とあわせて示すことが望ましいとしています。
役員自身も注意を払うよう努めなければならない、と明記されている点にも注意が必要です。
特に注意したいのが購買・調達の現場です。価格交渉はQCDを追う購買の本分ですが、指針が典型例に挙げる「契約金額の著しい減額の要求」は、まさに購買側が陥りやすい言動です。
2026年1月に施行された取適法(中小受託取引適正化法、旧下請法)でも、協議を適切に行わない一方的な代金決定が禁止されました。法律は別ですが、交渉の作法を見直す機会は重なっています。
仕入先監査や不良発生時の立入りでも、相手の工場で長時間拘束したり、担当者を大勢の前で叱責したりすれば、要求の中身が正当でも手段や態様の面でカスハラになり得ます。品質の要求水準を下げる必要はなく、変えるべきは伝え方です。
要求の中身は変えずに、手段と態様を整えるだけで線を越えにくくなります。
来週までに2割下げないと、次から発注しないから
→市況の資料をお送りします。原価の内訳を見ながら、価格を一緒に検討させてください
原因が分かるまで今日は帰さない(夜まで会議室で詰める)
→暫定対策を本日中、真因と恒久対策は期日を決めて報告をお願いします
何度言えば分かるんだ(同じ内容のメールを1日に何通も送る)
→要求事項と期限を1通にまとめて送り、定例の打合せで進捗を確認する
担当者を大勢の前で名指しで叱責する
→事実と要求は窓口同士で文書にし、個人ではなく仕組みの問題として扱う
※例は、指針が典型例として挙げる言動(取引停止をほのめかす威圧、長時間の拘束、執拗なメール、人格の否定)を製造業の取引に当てはめたものです。
こうした言い換え例は、購買・品質・設計向けの研修に組み込むと効果的です。指針も、社員が他社の社員への言動に注意を払うよう、研修の実施などの配慮をすることを事業主の責務として挙げています。
施行前後に起きやすい失敗

最後に、準備を進める中でつまずきやすい点を4つ挙げます。いずれも厚生労働省のQ&Aや指針の記述から、製造業で起こりやすいものを選びました。
業界団体のマニュアルを配るだけで終わる
業界団体が作った業種別マニュアルは便利ですが、Q&Aは、単に配布するだけでは措置義務を果たしたことにならないとしています。
団体のマニュアルを参考に自社の実情に合わせて調整し、方針と対処の内容を定めて周知すれば、義務を果たしたことになります。自社の取引構造や組織に合わせた「一枚の手順書」に落とし込むのが近道です。
顧客対応部署だけに周知する
営業や品質保証だけに研修を行い、製造現場や間接部門には何も伝えていない、というのはよくある抜け漏れです。前述のとおり、方針と対処の内容は全労働者への周知が必要です。
現場の社員も、取引先の立会いや来訪者の案内で社外の人と接する場面は少なくありません。
正当なクレームまで拒んでしまう
「カスハラ対策」を掲げたことで、厳しい指摘を受けた担当者が「それはカスハラです」と応じてしまうのは逆効果です。
指針は、社員が自社の商品やサービスをよく理解し、正当な申入れには真摯に対応する意識を持つことも重要だとしています。カスハラ対策は、品質クレームへの誠実な対応とセットで初めて機能します。
窓口を作っても記録が残らない
相談窓口を設けても、対応の経緯が担当者の記憶にしか残っていなければ、取引先への協力依頼や再発防止の判断ができません。日時、相手、言動の内容、対応、結果を残す様式を決めておくことが、ステップ3を回す前提になります。
措置義務の10項目を、製造業の実務に置き換えて並べました。
- 方針:「毅然と対応し社員を守る」方針をトップ名で出した
- 範囲:製造現場・設計・間接部門を含む全員に周知した
- 基準:品質・価格・納期・連絡の4場面で線引きの目安を作った
- 手順:一人で対応しない、上司へ報告、記録を残す流れを決めた
- 窓口:相談窓口と担当者を決め、営業・品証にも改めて案内した
- 取引先:協力依頼と、協力を求められたときの窓口部署を決めた
- 悪質事案:警告文や取引見直しを誰が判断するか決めた
- 派遣・協力会社:構内で働く人にも方針が届くようにした
- 規程:プライバシー保護と不利益取扱いの禁止を定めた
- 加害防止:購買・品質監査向けに言動の注意点を研修した
※措置義務の正確な範囲は、厚生労働省の指針とリーフレットで確認してください。
不明点は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。厚生労働省のハラスメント対策のページには、指針、リーフレット、Q&A、企業向けマニュアルがまとまっているので、社内規程を作る際の土台になります。
まとめ
- 2026年10月1日から、企業規模を問わずすべての事業主にカスハラ防止の措置が義務付けられた
- 顧客等には取引先の担当者や契約交渉の担当者も含まれ、BtoBのメーカーも当事者になる
- 措置は方針の周知、相談窓口、事後対応、悪質事案への対処方針、プライバシー保護と不利益取扱いの禁止の5区分
- 取引先が行為者なら協力を求められ、逆に協力を求められたら応じるよう努める
- 購買や品質監査では、自社が加害側にならないよう方針と研修で備える
カスハラ対策は、総務や人事だけで完結する制度ではありません。取引先と接する部署の管理職、そして全体を束ねる工場長が、社員を守る姿勢を示すことが運用の出発点になります。
働きやすい職場づくりは、採用や定着にも直結します。背景となる製造業の人手不足と採用難の現状もあわせてご覧ください。
出典
出典・参考資料(8件)を開く出典・参考資料を閉じる
- 施行日・関係資料:厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」
- 改正法の概要:厚生労働省「労働施策総合推進法等の一部を改正する法律の概要(令和7年法律第63号)」
- 定義・措置の内容:厚生労働省「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和8年厚生労働省告示第51号)」
- 措置の10項目:厚生労働省 リーフレット(詳細版)「令和8年10月1日から、カスタマーハラスメント対策、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が義務化されます!」
- 取引先・派遣・マニュアルの扱い:厚生労働省「ハラスメント防止措置義務規定等における解釈事項について」
- 助言・指導・勧告、公表、過料:厚生労働省 通達「労働施策総合推進法第10章の規定等の運用について」
- 実態データ:厚生労働省委託事業「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査報告書(概要版)」
- 取適法:公正取引委員会「中小受託取引適正化法(取適法)関係」
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