製造業の年間休日は114.2日|業種別・規模別の比較と休みが多い業界

連休で稼働を止めた静かな工場の通路と機械

製造業の年間休日は、1企業平均で114.2日、働く人1人あたりの平均で119.3日です。厚生労働省の令和7年就労条件総合調査(2024年の実績)の数字で、全産業の112.4日と116.6日をどちらも上回っています。

同じ製造業でも、従業員1,000人以上の企業は122.5日、30〜99人の企業は112.2日と10日以上の開きがあります。機械関連と消費関連の間にも6日ほどの差があるため、平均の数字1つでは候補先の休みの多さを判断できません。

この記事では、2つの平均の使い分けと他業界との比較から始め、企業規模別、業種別の違いへ進みます。完全週休2日との関係、有給を足した数字、求人票で確かめる点まで、公的統計の数字で順に整理します。

目次

製造業の年間休日は平均114.2日、働く人の平均なら119.3日

2つの平均は計算の仕方が違います。1企業平均は、各社で最も多くの労働者に適用される休日数を1社1票で平均した数字で、労働者1人平均はそれを適用される人数で重みづけした数字です。

求人票に載る日数は1社の数字なので、最初に比べる相手は1企業平均の114.2日です。労働者1人平均の119.3日は、製造業で働く人が全体としてどの水準の休日で働いているかを知る目安として使えます。

図1:製造業と全産業の年間休日

求人票の数字と比べるなら、1企業平均を見ます。

製造業・1企業平均114.2日1社を1票として平均
製造業・労働者1人平均119.3日働く人の数で重みづけ
全産業・1企業平均112.4日16産業の計
全産業・労働者1人平均116.6日16産業の計

※厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」。2024年1年間の実績で、常用労働者30人以上の民営企業が対象です。年次有給休暇は含みません。

労働者1人平均のほうが5.1日多いのは、休日の多い企業に働く人が多く集まっていることを示しています。年間休日120日以上の会社は、製造業の企業数では40.4%ですが、働く人の数では70.9%まで増えます。

図2:製造業で働く人のうち年間休日120日以上の割合

120日以上の会社は企業数では4割ですが、働く人では7割に増えます。

10人中7人が年間休日120日以上(70.9%)

※70.9%は120〜129日の70.1%と130日以上の0.8%の合計です(令和7年就労条件総合調査 第7表)。企業の割合は同じ区分で40.4%です。

候補先の日数を企業の分布に当てると、より具体的に位置が分かります。製造業では120日以上が40.4%、110〜119日が32.8%、109日以下が26.7%で、120日あれば企業全体の上位約4割に入ります。

調査の対象は常用労働者30人以上の民営企業で、期間を定めず雇われているパート以外の人の数字です。年間休日には週休日、祝日、年末年始、夏季休暇など会社が休みと定めた日が入り、年次有給休暇と生産調整の休業は入りません。

他の業界と比べると製造業は16産業の7位

1企業平均で並べると、製造業は16産業の7位です。労働者1人平均では5位に上がり、情報通信業、学術研究・専門・技術サービス業、電気・ガス・熱供給・水道業、金融業・保険業に次ぐ水準になります。

図3:16産業の年間休日(1企業平均)

製造業は7位で、全産業の112.4日を1.8日上回ります。

情報通信業122.2
金融業,保険業121.6
学術研究,専門・技術121.4
電気・ガス・水道など119.4
不動産業,物品賃貸業116.6
複合サービス事業115.0
製造業114.2
医療,福祉114.0
教育,学習支援業113.4
建設業112.8
サービス業112.7
卸売業,小売業111.8
鉱業,採石業など110.5
生活関連,娯楽業105.3
運輸業,郵便業104.2
宿泊業,飲食サービス業102.2

※単位は日。棒の長さは差を見やすくするため90日を起点に描いています。「電気・ガス・水道など」は電気・ガス・熱供給・水道業です(令和7年就労条件総合調査 第6表)。

休みが多い業界、少ない業界

休みが多い業界は、情報通信業の122.2日、金融業・保険業の121.6日、学術研究・専門・技術サービス業の121.4日、電気・ガス・熱供給・水道業の119.4日です。情報通信業と金融業・保険業は9割以上の企業が120日以上で、業界全体の標準が高い水準にそろっています。

少ないほうは宿泊業・飲食サービス業の102.2日、運輸業・郵便業の104.2日、生活関連サービス業・娯楽業の105.3日で、週末や祝日も客や荷物に対応する業態が多く並びます。卸売業の117.5日と小売業の107.0日にも10.5日の差があります。

産業1企業平均(日)労働者1人平均(日)有給の取得日数(日)
情報通信業122.2123.212.7
金融業,保険業121.6121.714.3
学術研究,専門・技術サービス業121.4122.112.3
電気・ガス・熱供給・水道業119.4121.914.7
不動産業,物品賃貸業116.6118.911.6
複合サービス事業115.0108.811.2
製造業114.2119.313.7
医療,福祉114.0115.112.1
教育,学習支援業113.4116.711.1
建設業112.8117.911.1
サービス業(他に分類されないもの)112.7114.011.4
卸売業,小売業111.8116.310.5
鉱業,採石業,砂利採取業110.5113.313.5
生活関連サービス業,娯楽業105.3109.410.6
運輸業,郵便業104.2107.611.4
宿泊業,飲食サービス業102.2108.08.0
調査産業計112.4116.612.1

異業種から製造業へ移るなら、平均で見る限り宿泊・運輸・小売から移ると増え、情報通信や金融から移ると減る方向です。あくまで業界平均の比較なので、個別の会社の日数は規模や業種で大きく変わります。

企業規模で比べると最大10.3日の差

小規模な機械加工工場で部品を確かめる作業者の後ろ姿

製造業の1企業平均は、1,000人以上の122.5日から30〜99人の112.2日まで、規模が小さくなるほど少なくなります。差の10.3日は全産業の6.5日より広く、製造業は全産業より規模による開きが大きくなっています。

図4:製造業の企業規模別の年間休日(1企業平均)

規模が大きいほど多く、120日以上の企業の割合も大きく変わります。

1,000人以上
120日以上 85.6%
122.5
300〜999人
120日以上 68.2%
119.9
100〜299人
120日以上 49.4%
117.3
30〜99人
120日以上 32.9%
112.2

※単位は日。棒は90日を起点に描いています。120日以上は120〜129日と130日以上の合計です(令和7年就労条件総合調査 第6表)。

全産業の同じ規模と比べると、1,000人以上は4.8日多いのに対し、30〜99人は1.0日の差にとどまります。製造業と全産業の差は、規模が大きい層ほど開いていく形です。

ただし30〜99人の数字は調査年によって動きやすく、前年の調査の114.1日から今回は112.2日に下がりました。1,000人以上は2年続けて122.5日で、1回の調査だけで小規模企業の差を細かく決めつけないほうが安全です。

従業員50人の会社の求人なら、比べる相手は製造業全体の114.2日ではなく30〜99人の112.2日になります。休日以外の違いは大手メーカーと中小メーカーの違いで、仕事の範囲や賃金とあわせて確かめられます。

業種別では機械関連が多く、消費関連が少ない

検査台に並ぶ機械加工された歯車とベアリング

就労条件総合調査は、製造業を消費関連、素材関連、機械関連の3つに分けて公表しています。1企業平均は機械関連の117.0日、素材関連の114.2日、消費関連の110.8日の順で、機械関連は半数近くの企業が120日以上です。

図5:製造業の3区分で見る年間休日

機械関連は消費関連より1企業平均で6.2日多く、完全週休2日の割合も高くなっています。

消費関連110.8日労働者1人平均 115.9日/120日以上の企業 29.4%/完全週休2日 51.0%。食料品、飲料、繊維、家具、印刷など
素材関連114.2日労働者1人平均 118.4日/120日以上の企業 40.5%/完全週休2日 59.8%。化学、プラスチック、ゴム、鉄鋼、非鉄金属、金属製品など
機械関連117.0日労働者1人平均 121.2日/120日以上の企業 49.8%/完全週休2日 67.6%。はん用・生産用機械、電子部品、電気機械、輸送用機械など

※太字の日数は1企業平均です(令和7年就労条件総合調査 第2・6・7表)。各区分に入る業種は、同じ厚生労働省の毎月勤労統計の区分を目安に記載しています。

109日以下の企業の割合で見ると、消費関連が39.4%、素材関連が25.9%、機械関連が16.3%と差がさらに目立ちます。調査は理由までは示していませんが、消費者向けの製品は出荷の動きに合わせて工場を動かす例が多く、休日の組み方に影響している可能性があります。

この調査に自動車、食品、化学といった業種ごとの平均はありません。業種別の年間休日としてランキングを載せたページがあっても、この調査の表だけでは作れないので、数字の出どころを確かめてから比べると安心です。

年間休日と完全週休2日は別の指標

週休制の名前だけでは、年間休日の多さは決まりません。製造業で完全週休2日制を採る企業は59.9%で全産業の65.5%より低いのに、年間休日は全産業より多いという、一見ちぐはぐな結果になっています。

背景の1つが、1年単位の変形労働時間制(年間で労働時間を平均する制度)です。製造業の採用企業は51.8%で全産業の30.3%を大きく上回り、忙しい時期に勤務日を増やして別の時期に休みをまとめる組み方を取りやすくなっています。

図6:同じ休日数でも並び方が変わる

工場カレンダーでは、平日の休みを減らす代わりに連休を長くする組み方があります。

暦どおり工場型土日と祝日に休む土曜の一部に出勤して連休にまとめる青い枠が休み。左から月曜で3週間分のイメージ

※休みの置き方を説明するためのイメージ図で、特定の会社の実例や統計の数字ではありません。

計算例で見ると、土日の約104日に祝日16日を足すと120日前後になります(祝日が土日と重なる年は少し減ります)。ここから土曜出勤を10回増やしても、ゴールデンウィーク、お盆、年末年始に休みを10日足せば合計は同じ120日で、1週間ごとの休みの形だけが変わります。

規模でも使う制度は変わり、30〜99人の企業は1年単位の変形労働時間制が53.9%でフレックスタイム制は3.4%です。1,000人以上はフレックスタイム制が64.4%に上がり、1年単位は31.2%です。制度の上限や違いは製造業の変形労働時間制で詳しく整理しています。

有給の取得日数を足した参考値は133.0日

ここからは年間休日に含まれない有給休暇を足した参考値です。2つの平均を単純に足した数字で、1人が実際に休んだ日数ではありませんが、業界の休みやすさを大まかにつかむ材料になります。

図7:年間休日に有給の取得日数を足した参考値

製造業は133.0日で、全産業より4.3日多くなります。

年間休日(労働者1人平均)有給の取得日数
電気・ガス・水道など136.6
金融業,保険業136.0
情報通信業135.9
学術研究,専門・技術134.4
製造業133.0
建設業129.0
調査産業計128.7
運輸業,郵便業119.0
宿泊業,飲食サービス業116.0

※単位は日。2つの平均を当サイトで単純に足した参考値で、1人が実際に休んだ日数ではありません(令和7年就労条件総合調査の概要 第5表と原表 第7表から計算)。

製造業の有給は付与18.8日、取得13.7日で、取得率は72.8%です。全産業の66.9%より高く、産業別では電気・ガス・熱供給・水道業の75.2%、鉱業などの74.3%に次ぎ、金融業・保険業と同率で3番目に並びます。

規模別の取得日数は1,000人以上が14.7日、30〜99人が12.8日で、年間休日と同じく大企業が多くなります。一方で取得率は30〜99人が73.7%、100〜299人が70.4%と、小さい企業のほうが低いとは限りません。

業種別の取得日数は機械関連の14.6日、素材関連の13.5日、消費関連の12.0日で、年間休日と同じ順です。候補先の取得実績は、残業や離職率とあわせて製造業の優良企業の見分け方に沿って確かめると判断しやすくなります。

求人票で確かめる5点

机に置かれた白いヘルメットとノートとペン

統計の年間休日は、各社で最も多くの労働者に適用される日数です。少数の部門にだけ適用される暦は統計に表れないため、会社の数字と自分の配属先の数字が同じとは限りません。次の順番で確かめると比較の抜けを減らせます。

図8:求人を比べるときの確認の順番

数字、並び方、配属、取得実績の順に見ると、同じ120日の違いも分かります。

01日数を規模の平均と比べる30〜99人なら112.2日、1,000人以上なら122.5日が相手
02週休制の表記を読む「完全週休2日」か「週休2日」か
03休みの並びを見る年間カレンダーで土曜出勤、祝日、連休を確かめる
04配属と勤務形態を聞く配属先の工場の暦か、交替勤務に入るか
05有給の実績を聞く取得日数と、どの部門の数字か

週休制の表記は読み落としやすい点です。調査の分類では、完全週休2日制は毎週2日休む形で、月3回や隔週、月1回の週休2日は「完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度」に入ります。製造業はこの形の企業が36.6%あります。

工場勤務の候補先なら、配属予定の事業所の年間カレンダーを見せてもらえるか聞いてみると、祝日に出勤するか、連休が何日続くかまで分かります。夏季休暇が年間休日の中に含まれるのか、別枠の特別休暇なのかも同時に確かめておきたい点です。

交替勤務に入る場合は、休日数に加えて休みの曜日が固定かどうかで生活が変わります。2交替と3交替の違いや夜勤明けの過ごし方は交替勤務の体調管理Q&Aが参考になります。

製造業の年間休日のよくある質問

年間休日120日は多いですか?

製造業の企業全体で見れば、120日以上は40.4%なので多いほうに入ります。ただし1,000人以上の企業では85.6%が120日以上で、大手同士を比べるなら標準的な水準です。

年間休日105日は違法ですか?

日数だけで違法とはいえません。労働基準法の基準は毎週1日か4週4日以上の休日と週40時間・1日8時間で、1日8時間勤務なら休日105日前後で収まります。

1年単位の変形労働時間制は労働日数の限度が年280日で、週平均40時間以内に収まるよう1日の労働時間を7時間半未満にすれば、休日85日の組み方もできます。

夏季休暇や年末年始は年間休日に入りますか?

就労条件総合調査の定義では、会社の休日とされている夏季休暇や年末年始は年間休日に入ります。年次有給休暇と生産調整の休業は入らないので、計画的に有給を充てて夏休みにしている会社では、その分は年間休日に数えません。

製造業の年間休日は増えていますか?

労働者1人平均は2022年調査の118.3日から2025年調査の119.3日へ1.0日増えました。1企業平均は110.1日から114.2日へ増えた一方、直近1年は114.9日から0.7日減っており、抽出調査のため年ごとの振れも含みます。

まとめ

この記事のまとめ
  • 製造業の年間休日は1企業平均114.2日、労働者1人平均119.3日(2024年実績)
  • 16産業では1企業平均で7位、労働者1人平均で5位。多いのは情報通信、金融、学術研究、電気・ガス
  • 規模別では1,000人以上の122.5日と30〜99人の112.2日で10.3日の差
  • 3区分では機械関連117.0日、素材関連114.2日、消費関連110.8日
  • 完全週休2日は59.9%で全産業より低く、1年単位の変形労働時間制で休みをまとめる企業が多い

候補先を比べるときは、日数を同じ規模の平均に当て、そのあと休みの並びと配属先の暦まで確かめると判断を誤りにくくなります。製造業へ移る人は未経験から製造業へ転職するときの疑問や、製造業で働く人の転職・キャリアガイドもあわせて確かめてみてください。

出典

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プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

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