交替勤務の体調管理Q&A|2交替・3交替の違いと夜勤明けの睡眠

明け方の工場に交替で出勤する作業員たち

交替勤務(日勤と夜勤などを入れ替えて働く勤務)の人は、日本の労働者の10〜20%弱を占め、特に製造業に多いとされています。夜勤明けに眠れない、休日もだるさが抜けないといった悩みは、この働き方ではよく起きることです。

つらさの多くは、体内時計と勤務の時間帯がずれることから生じる、働き方そのものの負担です。厚生労働省の睡眠ガイドでも、交替制勤務は体内時計に逆らって生活せざるを得ない、身体に負担のかかる勤務形態だと位置づけられています。

この記事では、2交替と3交替の違い、つらさの原因、夜勤明けの眠り方、仮眠のとり方、食事や嗜好品との付き合い方を取り上げます。会社の制度、シフトの組み方、相談の目安までを、よくある疑問に答える形で整理します。

目次

交替勤務とは?2交替と3交替は何が違う?

夜勤中に工作機械を確認するオペレーターの後ろ姿

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、交替制勤務を次のように説明しています。始業と終業の時刻の組み合わせが固定されず、日ごと、あるいは一定期間ごとに変わる勤務形態です。

夜から朝までの1パターンだけで働く夜勤専従は、この定義では交替制勤務に含まれません。

同ガイドによると、交替制勤務者は日本の労働者の10〜20%弱を占め、特に製造業で多いとされています。

24時間設備を止められない化学・鉄鋼・半導体の工場や、納期に合わせて稼働時間を延ばす組立工場など、製造業には交替勤務が欠かせない現場が数多くあります。

代表的な形は2交替と3交替です。2交替は1日を2つの勤務帯に分ける方式で、例えば8時〜20時と20時〜翌8時のように、休憩を含めて12時間前後の勤務を日勤と夜勤で入れ替えます。

3交替は1日を3つに分ける方式で、例えば7時〜15時、15時〜23時、23時〜翌7時のように、1勤務は8時間前後になります。

3交替では、4つの班で3つの勤務帯を回し、常に1班が休みになる「4組3交替」が代表的です。どちらの方式でも、具体的な時刻や組み合わせは会社や工場ごとに異なるため、入社前や配属前に勤務表の実物を確認しておくことが大切です。

図1:2交替と3交替の違い

1勤務の長さと、夜勤の入り方が大きく異なります。

2交替
3交替
1日の分け方
日勤と夜勤の2つ(例:8時〜20時/20時〜翌8時)
日勤・夕勤(準夜)・夜勤の3つ(例:7時〜15時/15時〜23時/23時〜翌7時)
1勤務の長さ
休憩込みで12時間前後になりやすい
8時間前後が基本
夜勤の入り方
夜勤1回が長い。連続夜勤のあとにまとまった休みを置く組み方が多い
夜勤1回は短いが、夕勤・夜勤と時間帯の移り変わりが多い
休みの取り方
出勤日数が少なく、休日が比較的まとまりやすい
4組3交替では勤務帯の切り替えに合わせて休日が入る
体調面の注意点
長時間勤務の後半の眠気、夜勤明けの疲労
時間帯が頻繁に変わることによる睡眠リズムの乱れ

※時刻・日数は一例です。実際の勤務時間や休日の組み方は、会社・工場・職場ごとに異なります。

なお、午後10時から午前5時までの労働には、労働基準法第37条により通常の賃金の2割5分以上の深夜割増賃金を支払うことが事業者に義務づけられています。

12時間勤務の2交替は、1か月単位や1年単位の変形労働時間制を使って組まれることがあります。勤務表だけでなく、労働時間の仕組みや手当の内訳も合わせて確認しておくと安心です。

製造業全体の労働時間や休日の現状、交替勤務の課題については、製造業の働き方改革の記事でも統計をもとに整理しています。

交替勤務がつらいのはなぜ?体への影響は?

人の体には、約1日の周期で眠気や体温、ホルモンの分泌を調整する体内時計があります。日中に活動して夜に眠るのが本来のリズムで、夜に働き昼に眠る生活は、この体内時計に逆らう形になります。

睡眠ガイドでは、交替制勤務に伴う心身の不調には、いくつかの要因が関わっていると考えられるとしています。体内時計が司る睡眠・覚醒のリズムと実際の睡眠時間帯のずれ、睡眠不足、徹夜によるストレス、その他の心理社会的な要因です。

家族や友人と生活時間が合わないことも、見過ごされがちな負担の一つです。

図2:交替勤務で体調が崩れやすくなる流れ

勤務時刻の変化が体内時計とのずれを生み、睡眠の不調を通じて影響が広がります。

勤務時間帯が日や週ごとに変わる夜勤・夕勤・日勤の入れ替わり、夜勤明けの昼間の睡眠
ずれが生じる
体内時計と睡眠時間帯のずれ・睡眠不足体内時計が1日に調整できるのは数分〜数時間程度とされる
現れやすい症状
不眠寝つけない、途中で目が覚める
勤務中の眠気集中力や仕事の効率の低下
休養感の低下寝ても疲れが取れない
報告されている影響
事故・けが、生活習慣病などのリスク勤務中・通勤中の事故との関連、メタボリックシンドロームや心血管系疾患の発症リスクの報告

※厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の交替制勤務の項をもとに作成。影響の出方には個人差があります。

眠気は事故やミスにもつながる

睡眠ガイドでは、交替制勤務が不眠や眠気、睡眠休養感の低下に加えて、仕事の効率の低下や、勤務中・通勤中の事故やけがと関連していると報告されています。

工場では、夜勤中の眠気が設備の確認漏れや、はさまれ・巻き込まれといった災害につながるおそれがあります。夜勤明けの車や自転車での帰宅も注意が必要な場面で、眠気を感じたら無理に運転しないことが基本です。

長い目で見た健康リスクも報告されている

同ガイドによると、交替制勤務の従事者と、従事していない人を比べた報告があります。従事者では、メタボリックシンドロームの発症リスクが1.06倍、心血管系疾患の発症リスクが1.15倍に増えるという内容です。

乳がんや前立腺がん、うつ病、認知症の発症リスクが高くなるという報告もあります。

ただし、これらは集団を対象にした研究の結果で、交替勤務をすれば必ず病気になるという意味ではありません。リスクがあることを知ったうえで、睡眠と健診を大事にするという受け止め方が現実的です。

夜勤明けはすぐ寝たほうがいい?

遮光カーテンを閉めて暗くした昼間の寝室

夜勤明けの眠り方に、誰にでも当てはまる正解はありません。睡眠ガイドでは、夜勤がどのくらいの頻度で入るかによって考え方が変わることが示されています。

週に1〜2回程度の夜勤が入る勤務の場合は、夜勤明けも日勤の日と同じように朝から午前中に日光を浴び、体内時計を日勤の日に合わせたまま生活する方法があります。

この場合は夜勤明けにすぐ眠らず、夕方以降から普段よりやや長めに眠り、翌朝は日勤の日と同じ時刻に起きるとよいとされています。

図3:夜勤が週1〜2回の場合の夜勤明けの過ごし方

体内時計を日勤の日に合わせたまま、夜勤によるずれをできるだけ小さくする考え方です。

夜勤中
01強い照明を避ける可能であれば、勤務中に強い光を浴び続けない
02仮眠をとる取れる職場なら短時間の仮眠で眠気を抑える
03帰宅時は安全第一眠気が強いときは運転を控える
夜勤明け
04午前中に日光を浴びる日勤の日と同じように朝の光を取り入れる
05すぐには眠らない帰宅後すぐに眠り込まず、日中は起きて過ごす
06夕方以降にやや長めに眠る普段より少し長めの睡眠時間を確保する
翌日
07日勤の日と同じ時刻に起きる起床時刻をそろえてリズムを保つ

※厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」をもとに作成。夜勤が頻繁に入る勤務では、この方法だと睡眠不足が深刻になるおそれがあるとされています。

一方、夜勤がより頻繁に入る勤務では、この方法だと睡眠不足がかえって深刻になるおそれがあると同ガイドは注意しています。

連続夜勤の多い2交替や3交替では、まず睡眠の合計時間を確保することを優先し、帰宅後に眠る時間帯が日によって大きくずれないよう工夫することが大切です。同ガイドも、睡眠をとる時刻帯が日によって著しくずれないような工夫を勧めています。

なお、光で体内時計を夜型に合わせようとする試みもありますが、実生活で1日に調整できる体内時計は数分から数時間程度といわれます。

交替勤務に合わせて体内時計を完全に切り替えることは難しく、翌日以降の生活に悪い影響が出る可能性もあると指摘されています。

昼間に眠るための寝室づくり

昼間の睡眠は、光や生活音で妨げられやすいのが難点です。睡眠ガイドでは、次のことを勧めています。

  • 寝室にスマートフォンやタブレットを持ち込まない
  • できるだけ暗くして眠る
  • 暑すぎず寒すぎない温度に保つ

外の光や音が入る部屋では、遮光や防音の機能があるカーテンに替え、寝床をできるだけ窓から遠ざけることで眠りが改善する可能性があるとされます。

入浴は就寝の約1〜2時間前にすませると、寝つきがよくなりやすいとされています。家族に眠る時間帯を共有し、静かにしてもらえる時間をつくることも、昼間の睡眠を守る工夫の一つです。

夜勤中の仮眠は何分がよい?

睡眠ガイドでは、夜勤中の仮眠が仕事の効率を改善させることがわかっているとしています。具体的には、0時から4時の間に始める20〜50分程度の仮眠が、眠気や仕事の効率、疲労を改善させたという報告があります。

一方で、仮眠を60分と長めにとった研究では、かえって仕事の効率が下がりました。仮眠が長すぎると眠りが深くなり、起きた直後に強いぼんやり感(睡眠慣性)が出やすいためと考えられます。

図4:仮眠をとるタイミングと期待できる効果

夜勤の前・中・後で、仮眠の役割が変わります。

BEFORE夜勤前の仮眠夜勤中の眠気や仕事の効率の低下を防ぐのに有効だという報告がある
DURING夜勤中の仮眠0〜4時に始める20〜50分程度で、眠気・効率・疲労の改善が報告されている。60分と長いと逆効果の報告も
AFTER夜勤後の仮眠睡眠不足を補い、休みの日の覚醒度や仕事の効率を上げる可能性が示されている
カフェインをとってから仮眠に入ると、目覚めやすく睡眠慣性も起きにくいという報告がある。夜勤中の仮眠が夜勤後の睡眠に及ぼす影響は、多くの研究でほとんどないとされる。

※厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」をもとに作成。

「仮眠をとると夜勤明けに眠れなくなるのでは」と心配する方もいます。ただ同ガイドでは、夜勤中の仮眠が夜勤後の睡眠に及ぼす影響は、多くの研究でほとんどないとされています。

仮眠の時間や場所は、個人の工夫だけでは確保できません。睡眠ガイドは、夜勤中に適切に仮眠がとれるよう、休養時間の確保や静かで快適に休める場所の整備を検討することが望まれるとしています。

仮眠室がない、休憩が取りにくいといった職場は、班長や安全衛生委員会で話題にする価値があります。

なお、日本看護協会の夜勤・交代制勤務のガイドラインでは、夜勤の途中に連続2時間以上の仮眠を検討するよう示しています。

これは長時間の夜勤を前提とした看護職向けの基準で、睡眠ガイドの20〜50分とは前提となる勤務の長さが異なります。自分の職場の休憩時間の長さに合わせて考えるとよいでしょう。

食事・カフェイン・お酒とはどう付き合う?

休憩室のテーブルに置かれた手作り弁当とお茶

夜勤中の眠気対策として、コーヒーやエナジードリンクに頼る方は多いでしょう。睡眠ガイドでも、カフェインには眠気や疲労を改善させる効果があり、夜勤時の眠気に有効な場合があるとしています。

ただし、とりすぎると健康や睡眠に悪影響を及ぼす可能性がある点には注意が必要です。

同ガイドによると、1日のカフェイン摂取量が400mgを超えると、睡眠に悪影響を与える可能性があります。400mgの目安は、ドリップコーヒーでカップ4杯分(700cc)程度です。

また、日本人のカフェインの血中半減期は3〜7時間とばらつきがあり、夜勤の後半に飲んだコーヒーが、帰宅後の睡眠に残ることもあります。

図5:嗜好品と睡眠の関係

眠気対策や寝つきのために使いがちなものほど、とり方に注意が要ります。

カフェイン
使い方しだい夜勤の眠気に有効な場合がある。1日400mg(ドリップコーヒー4杯・700cc程度)を超えると睡眠に悪影響の可能性。半減期は3〜7時間と個人差が大きい
アルコール
控えめに眠るためにお酒を飲む「寝酒」や晩酌での深酒は、睡眠の質を悪化させる可能性がある
ニコチン
禁煙を目指す覚醒作用があり、眠る前の喫煙は寝つきの悪化などにつながる。血中半減期は約2時間

※厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「睡眠と嗜好品について」をもとに作成。

夜勤明けに「一杯飲んでから寝る」という習慣も要注意です。睡眠ガイドでは、晩酌での深酒や、眠るためにお酒を飲む寝酒は、睡眠の質を悪化させる可能性があるとしています。

寝つきがよくなったように感じても、眠りの質を下げて疲れが抜けにくくなるおそれがあります。

食事については、勤務帯によって食べる時間が変わるため、1日の食事のリズムが崩れやすくなります。

夜勤中に食べる時間を毎回おおむね決めておく、菓子パンや間食だけですませず主食・主菜・副菜をそろえるなど、自分なりの型を持っておくと乱れにくくなります。

夏場の夜勤では、夜でも工場内の温度が下がりきらない職場があります。のどの渇きを感じる前にこまめに水分をとることは、熱中症の予防としても大切です。職場での具体的な対策は、工場の熱中症対策の記事で整理しています。

会社の健康診断や法律ではどう守られている?

血圧計が置かれた工場内の健康相談室

深夜の時間帯に働く人の健康を守るため、労働安全衛生法と労働基準法にはいくつかの仕組みがあります。代表的なのが、深夜業に従事する人を対象にした健康診断です。

労働安全衛生規則第45条は、深夜業を含む業務に常時従事する労働者の健康診断について定めています。事業者は、その業務への配置替えの際と6か月以内ごとに1回、定期に健康診断を行わなければなりません。

通常の定期健康診断が1年以内ごとに1回なので、その2倍の頻度になります。

さらに、自分の健康に不安がある場合に自ら受けた健康診断の結果を会社に提出できる「自発的健康診断」の制度もあります。対象は、常時使用され、受診日前6か月間を平均して1か月あたり4回以上深夜業に従事した人です。

図6:深夜・交替勤務に関わる主な制度

健康診断と、健診結果に基づく措置が健康管理の柱になります。

制度
内容
根拠
特定業務従事者の健康診断
深夜業を含む業務に常時従事する人に、配置替えの際と6か月以内ごとに1回
労働安全衛生規則 第45条
自発的健康診断
過去6か月平均で月4回以上深夜業に従事した人が、自ら受けた健診の結果を会社に提出できる
労働安全衛生法 第66条の2、同規則 第50条の2
健診結果に基づく措置
医師の意見を踏まえ、深夜業の回数の減少や昼間勤務への転換などを検討
健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針
深夜割増賃金
午後10時〜午前5時の労働は2割5分以上の割増
労働基準法 第37条
年少者・妊産婦の保護
満18歳未満は原則として深夜業不可。妊産婦が請求した場合は深夜業をさせてはならない
労働基準法 第61条、第66条

※年少者の深夜業には、交替制で使用する満16歳以上の男性などの例外があります。詳細は各条文をご確認ください。

健康診断は受けて終わりではありません。

「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」では、異常の所見があった労働者について医師等の意見を聴くこととされています。

そのうえで、必要に応じて労働時間の短縮、深夜業の回数の減少、昼間勤務への転換などの措置を講じることが示されています。

自発的健康診断の結果も、この対象に含まれます。

また、深夜業を含む業務に常時500人以上が従事する事業場では、専属の産業医を選任する必要があります。

なお、常時50人以上の労働者を使用する事業場では産業医の選任が義務づけられているため、勤務先の産業医や保健師に相談できる場合があります。

職場全体の安全衛生の仕組みについては、工場のリスクアセスメントの進め方もあわせて確認しておくと理解が深まります。

シフトの組み方で負担は変わる?

同じ交替勤務でも、シフトの組み方によって体への負担は変わります。個人の工夫だけでは限界があるため、勤務表をつくる側の配慮が大きな意味を持ちます。

まず交替の順番です。東京都医師会の産業医向けの手引では、「日勤→夕勤→夜勤」と勤務時刻が後ろへずれていく順番を正循環、「日勤→夜勤→夕勤」を逆循環と呼んでいます。

双方にメリットとデメリットがあるとされていますが、日本看護協会のガイドラインでは交代の方向を正循環とすることを基準の一つに挙げています。

交替の周期にも、8日前後で勤務帯が切り替わる早い交替と、20日前後の長い周期の交替があります。どちらが合うかは職場や個人によって異なるため、交替勤務に入る前にどの形かを確認しておくとよいでしょう。

図7:負担を減らすシフト編成の目安

看護職向けの基準ですが、製造現場の勤務表を見直すときにも参考になる項目です。

勤務と勤務の間隔は11時間以上残業で間隔が縮まらないよう、突発的な時間外勤務も含めて確保する
夜勤の連続は2回まで3交代制の夜勤は月8回以内を基本とする
夜勤後にしっかり休む2回連続夜勤後はおおむね48時間以上、1回の夜勤後もおおむね24時間以上が望ましい
交代の方向は正循環日勤→夕勤→夜勤のように、勤務時刻が後ろへずれる順番にする
拘束時間は13時間以内始業から終業まで、休憩や仮眠時間を含めた時間
夜勤の途中に休憩と仮眠夜勤の途中で1時間以上の休憩と、連続した仮眠時間を設定する

※日本看護協会「夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」(2013年)の勤務編成の基準11項目から抜粋。法令上の義務ではありません。

勤務間インターバルという考え方

勤務と勤務の間に一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル制度」は、労働時間等設定改善法の改正により、2019年4月から導入が事業主の努力義務になりました。

睡眠ガイドでは、インターバルが12時間未満の人は、睡眠休養感の欠如や疲労感、ストレスをより感じているという国内の調査が紹介されています。

また、脳・心臓疾患の労災認定基準は2021年に改正されました。勤務間インターバルが短い勤務や、不規則な勤務・交替制勤務・深夜勤務が「労働時間以外の負荷要因」として整理されています。

勤務間インターバルがおおむね11時間未満の勤務の有無や頻度も評価の対象です。交替勤務に残業が重なると、休息時間が一気に削られることを意識しておく必要があります。

交替勤務の職場で残業が続く背景には、段取り替えや生産計画の揺れ、作業の属人化などが隠れていることが多くあります。現場での見直し方は、工場の残業が減らない原因と対策で詳しく解説しています。

どんなときに医療機関や産業医に相談すべき?

睡眠ガイドは、交替制勤務のポイントの一つとして受診の目安を挙げています。不眠や睡眠休養感の低下、業務中の眠気が続き、日常生活に支障を来している場合は速やかに医療機関を受診することです。

ここまでの工夫を実践しても改善しない場合も、受診が勧められています。

睡眠に関わる症状が長く続く場合、不眠症や他の睡眠障害、あるいは不眠を引き起こす別の病気が隠れている可能性もあります。自己判断で市販薬やお酒に頼り続けるより、早めに専門家へ相談するほうが安心です。

図8:体調不良を感じたときの相談の流れ

一人で抱え込まず、社内と医療機関の両方を使うのが基本です。

STEP 1状態を記録する眠れた時間、勤務中の眠気、休日の疲れを勤務表と並べて書き留める
STEP 2上司・産業保健に相談班長や上司、産業医・保健師に、勤務との関係も含めて伝える
STEP 3医療機関を受診眠気や不眠が続き生活に支障があれば受診。交替勤務であることを伝える
STEP 4健診結果を活かす6か月ごとの健診や自発的健診の結果を会社に共有する
STEP 5就業上の措置を検討医師の意見を踏まえ、夜勤回数の調整や昼間勤務への転換などを会社が検討する
STEP 6勤務表を見直す職場全体の課題として、インターバルや仮眠の確保を話し合う

※就業上の措置の内容は、医師の意見や職場の状況によって異なります。

相談の際は、「つらい」という感覚だけでなく、眠れた時間や眠気が出た時間帯を勤務表と並べて記録しておくと、医師や産業医が状況をつかみやすくなります。交替勤務をしていることを必ず伝えることも大切です。

年齢を重ねると、若いころは平気だった夜勤がこたえるようになったと感じる人もいます。働き続けるための職場側の工夫は、製造業の高齢者雇用の記事でも取り上げています。

夜勤の負担が続く場合は、日勤中心の職種や部署への異動を相談することも選択肢の一つです。

まとめ

この記事のまとめ
  • 交替勤務は勤務時間帯が日や週ごとに変わる働き方で、製造業に多い
  • つらさの主な原因は、体内時計と睡眠時間帯のずれと睡眠不足にある
  • 夜勤明けの眠り方は夜勤の頻度で変わり、夜勤中は0〜4時に始める20〜50分の仮眠が目安
  • カフェインは1日400mgを超えないようにし、寝酒は避ける
  • 6か月ごとの健診と勤務表の見直しを使い、不調が続けば早めに受診・相談する

交替勤務の体調管理は、本人の工夫と職場の仕組みの両輪で成り立ちます。勤務形態の実態を知るには、製造オペレーターの仕事の流れもあわせて読むと、1日の中で引き継ぎや点検がどう組まれているかがつかめます。

これから交替勤務のある工場へ転職・就職を考えている方は、夜勤手当や休日だけでなく、仮眠や勤務間隔への配慮も含めて職場を見ておくと安心です。見学や面接での確かめ方は、製造業の優良企業の見分け方で紹介しています。

出典

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プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

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