圧力センサーの4-20mAを1-5Vで記録する方法|250Ωの配線と設定

配管に取り付けた圧力伝送器と信号ケーブル

圧力センサーの4–20mA信号は、250Ωの抵抗に流すと1–5Vの電圧に変換できます。データロガーは、その抵抗の両端電圧を測り、設定した圧力の単位で記録します。

0〜1000kPaGの圧力を一か月記録すれば、設備の起動や弁の動作と圧力変動を照合できます。配線、電源の余裕、記録条件をそろえると、原因調査に役立つデータが残せます。

ここでは、DC24Vの2線式圧力伝送器と、1–5V入力のロガーを組み合わせます。近くにAC100Vがある条件で、機器の選定、配線、圧力換算、記録前の点検を整理します。

動画の「変圧器」は、交流を直流へ変えるAC/DC電源を指します。1分24秒付近の説明は補足が必要で、4–20mA出力には内部の電流制御回路が働きます。電圧入力か電流入力かは、ロガーの精度とは別の仕様です。

目次

圧力センサーの4-20mA信号を1-5Vで入力する方法

2線式圧力センサーとDC電源、ロガーと250Ωの概略接続図
全体の概略図。電源・伝送器・入力端子の極性は、図1で詳しく示します。

必要な機器は、圧力を電流に変える伝送器、電源、電圧へ変換する抵抗、記録用ロガーです。信号が流れる一周の経路と、電圧を測る枝を分けて描くと、接続位置が分かります。

  • 測定範囲:0〜1000kPaG、出力4〜20mAの2線式圧力伝送器
  • 伝送器の給電:DC24V、近傍のAC100VからAC/DC電源で供給
  • 変換抵抗:250Ω、ロガーの電圧入力端子間へ接続
  • データロガー:1〜5Vを測定し、圧力へのスケーリングと連続記録に対応
  • ロガー本体の給電:その機種の指定ACアダプターなどを別途使用

図1:2線式圧力伝送器からロガーまでの一周回路

250Ωは主電流の通り道に入り、ロガーの電圧入力は抵抗の両端につなぎます。

図は横にスクロールできます。

+ DC24V− 電源圧力伝送器0〜1000kPaG250Ω電圧入力+−AC100V入力主電流4〜20mA抵抗両端1〜5Vロガー本体の電源は別途、指定方式で給電

一般場所の独立した2線式回路の例です。接地・シールド・保護回路は各機器の端子図と設備の設計に従います。

必要な機器と電源をそろえる

圧力センサーには、検出素子だけのものと、電流出力回路を備える伝送器があります。4–20mAの伝送器は、測定圧力に対応する電流を内部回路で制御するため、単なる可変抵抗とは異なります。

抵抗変化を利用する検出方式でも、その微小な変化を電気信号へ変える回路が必要です。検出部の仕組みは圧力センサーの測定原理で、信号の種類と方向はAI・AOを含む入出力信号で整理しています。

今回の2線式では、同じ2本の配線で伝送器への給電と電流信号の伝送を兼ねます。銘板と端子図で電源極性と出力方式を読み、外部のループ電源が必要かを判断します。

AC100VをDC24Vへ変えるのは、整流・平滑・安定化を備えたAC/DC電源です。変圧器だけでは交流は直流にならず、必要な電源方式はパワーサプライの原理と選定から理解できます。

センサー用DC24Vと、ロガー本体の電源入力は別の仕様です。指定ACアダプターでロガーを動かすなら、センサー用電源とアダプターの両方に、設置場所に合う給電経路が必要です。

電源は定格電圧だけでなく、消費電流と設置温度も合わせて選びます。配線を終えた後の電圧低下を考慮し、複数のセンサーを一台で給電するときは、全負荷の最大消費電流を合算します。

AC100Vの配線は、作業に必要な資格と権限を持つ担当者が設備の手順に従って扱います。配線変更は電源を切り、安全を確保してから実施し、100Vを信号端子へ入れないよう電源線と測定線を区別します。

250Ωを電圧入力端子へ並列につなぐ

図1の主経路は、電源の+から伝送器の+へ入り、伝送器の−から抵抗を通って電源の−へ戻ります。この一周の回路が閉じて初めて電流が流れ、抵抗の両端に測定用の電圧が生まれます。

ロガーの+端子は伝送器側の抵抗端、−端子は電源の−側の抵抗端へつなぎます。抵抗はロガー入力から見れば並列、電流ループから見れば直列の負荷なので、どちらを基準にした説明かを区別するのがコツです。

グラフテックのFAQでも、シャント抵抗はアナログ入力の+・−間につなぎます。ロガー側に置けば1–5Vの配線区間を短くでき、遠方からは電流信号で伝送できます。

シャント抵抗は、測定電流を既知の電圧に変える精密な抵抗です。主回路に直列で入れても、抵抗以外の場所の電圧を測る配線では、意図した1–5Vをロガーへ渡せません。

電流と電圧の関係は、オームの法則で表せます。mAをAに直してから抵抗値を掛けると、単位の取り違えを防げます。

オームの法則と必要な抵抗値
V = RI
R = 5 − 10.020 − 0.004 = 250 Ω
0.004 × 250 = 1 V
0.020 × 250 = 5 V
V:抵抗両端の電圧[V] R:抵抗値[Ω] I:抵抗を流れる電流[A]。ロガーの入力抵抗が十分大きい場合の計算です。

4mAで1V、20mAで5Vになり、その途中も比例して変わります。方式そのものの特徴は4–20mAを使う理由、入力回路の一般的な比較は電流入力と電圧入力の違いを参照するとつながります。

図2:圧力・電流・電圧を同じ位置で読む

0kPaGに対応するのは0Vではなく1Vで、スパンは4Vです。

電圧[V]13512mA・3V20mA・5V4mA・1V05001000圧力[kPaG]:大気圧を基準にした圧力

抵抗の精度とループの電圧余裕を計算する

250Ωという公称値だけで選ぶと、抵抗の許容差が圧力の誤差として加わります。捉えたい変動の大きさと、センサー・抵抗・ロガーの総合精度を比べ、抵抗の精度を選びます。

たとえば抵抗の許容差が±0.1%なら、20mA時の5Vに対して±5mVのずれです。今回の4Vが1000kPaに対応する換算では、抵抗だけで上端に±1.25kPaの影響があり、センサーの誤差とは別に積み上がります。

発熱の計算には、抵抗を流れる最大電流を使います。通常上端20mAでの消費電力は0.1Wですが、異常時の出力電流、周囲温度、抵抗のディレーティングも含めて定格を決めます。

20mA時の抵抗発熱
PR = I2R
= 0.0202 × 250 = 0.10 W
PR:抵抗の消費電力[W] I:電流[A] R:抵抗値[Ω]。定格電力の選定は、抵抗メーカーの使用温度条件も含めて決めます。

抵抗で電圧が下がった後も、伝送器に必要な電圧が残ることが条件です。負荷に使える電圧は、電源24Vから伝送器の最低動作電圧を差し引いて求めます。

説明用に、伝送器の最低動作電圧を12V、電源を24V、最大電流を20mAと仮定します。許容される抵抗の合計は600Ωなので、250Ωを使うと配線や他の直列負荷に使える残りは350Ωです。

仮定条件での負荷上限と配線の例
Rtotal,max = 24 − 120.020 = 600 Ω
VTX = 24 − 0.020 × (250 + 100)
= 17 V(最低12Vに対し5Vの余裕)
Rtotal,max:許容される直列負荷の合計[Ω] VTX:伝送器端子電圧[V]。100Ωは往復配線抵抗の仮定。実機は電源の最低値と最大出力電流を用い、メーカーの負荷条件に合わせます。

図3:24Vの行き先を分ける電圧予算

250Ωと往復100Ωの例では、20mA時に伝送器へ17Vが残ります。

12V伝送器の最低分
5V250Ωの降下
2V配線100Ω
5V残る余裕

全体24V、伝送器の実際の端子電圧は最低分12V+余裕5V=17V。最低12Vは説明用の仮定で、共通仕様ではありません。

電圧が不足すると、低い圧力では正常でも、上限付近で出力が伸びなくなることがあります。値が途中で頭打ちになる症状では、圧力レンジの設定だけでなく、最大電流時の負荷と伝送器端子電圧を切り分けます。

入力抵抗と既設ループへの影響を分ける

電圧入力のロガーにも、有限の入力抵抗があります。250Ωと入力抵抗は並列になるため、厳密には電流の一部がロガー側へ流れ、合成抵抗は250Ωより少し小さくなります。

入力抵抗が1MΩなら、合成値は約249.938Ωです。20mA時は約4.99875Vとなり、理想値5Vとの差を今回の圧力に直すと約−0.3124kPaです。

図4:電圧入力の抵抗にも電流が分かれる

ロガーの入力抵抗が大きいほど、250Ωへの影響は小さくなります。

合計20mA250Ω1MΩ仮定ロガー入力の等価回路+−両端電圧:約4.99875V

合成抵抗は約249.938Ω。実際の入力抵抗は、選択したレンジや機器の仕様で調べます。

入力抵抗1MΩと250Ωの合成
Req = 250 × 1,000,000250 + 1,000,000 ≒ 249.938 Ω
Req:並列合成抵抗[Ω]。入力抵抗1MΩは計算例で、全ロガー共通の仕様ではありません。

電流入力として内部に250Ωを備える端子へ、外付け250Ωを並列に追加すると合成値は125Ωです。理想電流源なら0.5〜2.5Vとなり、1〜5Vの入力条件から外れるため、外付け抵抗の要否を先に調べます。

すでに制御盤が受信している電流ループへ、仮設用の250Ωを追加する場合も扱いが変わります。直列なら負荷が増え、並列なら電流が分かれるため、既存の制御信号に与える影響を設計段階で評価し、接続方式を決めます。

既設抵抗の両端へ電圧入力を追加する場合も、入力抵抗と接地経路を検討します。別系統へ信号を取り出すには、信号アイソレータの絶縁範囲を調べ、専用の絶縁出力や分配器を選びます。

配線図には、信号線とシールド、保護接地を別に記載します。シールドの接続先は信号の−端子と同じ意味ではなく、ノイズ対策はシールドケーブルの接地方法と、各機器の接地指示を合わせて設計します。

1〜5Vを0〜1000kPaGに換算する

ロガーは直流電圧入力に設定し、1〜5Vを含む測定レンジを選びます。スケーリング機能では、電圧の下限1Vに0kPaG、上限5Vに1000kPaGを割り当てます。

ロガーの表示範囲と、信号を圧力へ変換する設定は別の項目です。グラフの上限を1000にするだけでは単位換算されず、入力値と換算値を対応させる設定が必要です。

今回の圧力は大気圧を基準にするゲージ圧で、末尾のGがその意味です。絶対圧への変換には基準の変更が必要で、圧力計のゲージ圧と絶対圧の区別が役立ちます。

今回のレンジに対する電圧から圧力への換算
p = V − 15 − 1 × 1000
V=3.4 Vのとき、p = 3.4 − 14 × 1000
= 600 kPaG
p:ゲージ圧力[kPaG] V:測定電圧[V]。0〜1000kPaG、4〜20mA、250Ωの組合せを前提にしています。

入力の下限・中間・上限を照合すると、設定の間違いを見つけやすくなります。4mA・12mA・20mAが、1V・3V・5Vと、0・500・1000kPaGに対応するかを調べます。

3点の確認は、圧力を与えて伝送器から測る方法と、電流発生器でロガー側だけを試験する方法に分けます。後者で分かるのは受信・換算系統であり、センサーそのものの圧力測定精度まで確認したことにはなりません。

テスターの電流端子で測るには、回路を開いて測定器を直列に入れます。電圧測定とは接続が違うため、テスターで電流を測る方法と設備の作業手順を確認し、停止と影響範囲を決めます。

一か月の記録を開始する前に点検する

計測配線の準備に使う端子台と抵抗、測定リード
計測配線の準備イメージ。写真は完成した結線や特定機種を示すものではありません。

記録前には、圧力取出し部の状態も信号配線と一緒に点検します。接続部の漏れや導圧経路の閉塞があると、電気側の値が正常でも、知りたい設備の圧力変化を正しく捉えられません。

圧力配管への着脱は、担当者が機器の取扱説明書と設備の隔離・残圧除去の手順に従って実施します。耐圧、接液材料、流体温度を使用条件に合わせ、電源と信号線は濡れや引張りから保護します。

図5:圧力の取出し位置と記録時刻をそろえる

測定点・配線の保護・設備イベントを一緒に残すと、後から圧力の原因を追えます。

PT圧力取出し点中継端子箱記録機時計を一致起動停止信号線を保護

実線の配管と点線の信号線を分けた模式図。圧力取出しの追加工事や通電中の結線を勧める図ではありません。

中継端子箱を使うなら、現場側とロガー側の端子番号、極性、ケーブル番号を図面に残します。端子箱の役割はJB(ジャンクションボックス)の記事と合わせると、仮設を撤去するときの復旧点も整理できます。

一か月の記録では、記録間隔と保存点数を先に計算します。30日間を10秒間隔で記録するなら25万9200点、1秒間隔なら259万2000点となり、チャンネル数を増やすほど保存するデータも増えます。

一記録を時刻込み16バイトと仮定すれば、前者は約4.15MB、後者は約41.47MBです。1MB=100万バイトでの計算例であり、実容量はデータ形式やヘッダー、記録分割を含む機種の仕様で見積もります。

間隔は「一か月だから遅くする」のでなく、捉えたい現象の速さから決めます。数秒の圧力低下が目的なら、10秒ごとの一点記録では見落とすことがあり、センサーの応答、ロガーの走査速度、フィルターも合わせて検討します。

平均化フィルターを強くすると波形は滑らかになりますが、短い変化も小さく見えます。長期間の傾向を見る設定と、急変を捉える設定の目的を分け、まず短時間の試験記録で必要な変化が残るかを見ます。

記録機の時計は、設備の運転記録や他の計測器と合わせます。起動・停止、弁の切替え、清掃の時刻を記録すれば、圧力変化と設備の動きを後から比較できます。

本番前に試験ファイルを書き出し、圧力の単位、チャンネル名、時刻、欠測の扱いを点検します。画面の波形表示だけでは保存を確認できないため、保存先と記録開始状態も調べます。

停電時の動作と、電源復帰後の記録再開条件は、開始前に設定します。上書き条件や媒体の残量も点検し、記録中はファイルの増加と信号の状態を巡視します。

異常値を見たときは、圧力変動と信号異常を分けて扱います。0Vを0kPaGとして機械的に処理すると断線や電源断を正常圧力と誤認するため、有効範囲外の値を残し、異常判定の条件を記録に添えます。

4–20mAを1–5Vで記録するときのよくある質問

250Ωはセンサー側とロガー側のどちらに置きますか?

電圧を受けるロガーの入力端子側に置くと、1–5Vとして引き回す部分を短くできます。抵抗の両端を入力+・−へ接続し、外付け抵抗が必要な電圧入力であることを端子仕様から判断します。

4線式の4–20mA出力にもDC24Vを直列に入れますか?

内部給電のactive方式には、外部のループ電源を重ねて入れません。外部給電のpassive方式もあり、4線式でも出力仕様と端子図に従い、本体の給電端子と信号端子を区別します。

電流入力に対応するロガーなら250Ωは不要ですか?

内部抵抗を備えた電流入力なら外付けが不要な機種がありますが、電流測定に外付け抵抗を使う機種もあります。電流測定対応という名称だけで決めず、入力方式と付属品の接続説明を読みます。

1Vが出ているのに圧力が0と表示されますが故障ですか?

今回の設定では、1Vが0kPaGなので正常な対応です。4mAを測定下限として使う信号のため、1Vという値だけで加圧状態とは判断せず、ゼロ点と単位の設定を合わせて読みます。

HART対応なら抵抗は必ず250Ωにしますか?

1–5V化の250Ωと、通信に必要な負荷条件は目的が異なります。HART通信も使うなら、HART通信の負荷と電源余裕を別に検討し、通信機器を含むループ全体の条件を合わせます。

まとめ

この記事のまとめ
  • 4–20mAを250Ωに流すと1–5Vになり、ロガーは抵抗の両端電圧を測る
  • 2線式伝送器は電源と信号を兼用し、ロガー本体の給電は別の仕様で決まる
  • 抵抗の精度・発熱と、最大電流時の電源余裕を一緒に計算する
  • 0〜1000kPaGの例では1Vが0、3Vが500、5Vが1000kPaGに対応する
  • 記録間隔・容量・時計・停電復帰を決め、試験ファイルを読んでから長期記録を始める

圧力記録は、センサー、受信回路、データの保存方法を一体で設計します。測定点と設定値を図面・記録票に残すと、トラブル発生後の比較や、仮設撤去後の再調査に役立ちます。

出典

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プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

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