Sch(スケジュール番号)とは?計算式と厚さ早見表・40Sとの違い

同じ外径で肉厚が異なる鋼管サンプル

Sch(スケジュール番号)とは、配管用鋼管の肉厚を区分する番号です。規格と呼び径が決まると、Sch40やSch80に対応する厚さが寸法表で分かります。

同じ番号でも、呼び径が違えば肉厚も変わります。また、炭素鋼管とステンレス鋼管では寸法表が異なるため、番号だけを見て発注すると取り違えにつながります。

Sch40・Sch80の厚さ早見表を示し、計算式の意味と使い方を整理します。後半では、S付き表記との違いから、内径への影響、仕様書と現物の照合まで扱います。

動画の「Schと圧力の対応」は簡略化した説明で、使用可能圧力を保証しません。「ステンレスは強いので薄くできる」という説明も一律には当てはまらず、材料と温度の条件を分けて判断します。

S付きの読み方も、JISとASMEの寸法表で区別します。動画の呼び方だけで発注せず、本文で示す規格番号と列名を、対象製品の寸法表や供給仕様へ照合してください。

目次

Sch(スケジュール)とは?

図1:50Aの外径と、Sch40・Sch80の断面

JIS G 3454では、外径を保ったまま肉厚が増え、内径が小さくなります。

図は横にスクロールできます。

外径60.5mm外径60.5mmSch40内径52.7mmSch80内径49.5mm3.9mm5.5mm同じ呼び径でも、内側の通り道が変わる

※公称寸法による比較。製造許容差や腐食による減肉は含みません。

配管を指定するときは、材質と寸法を組み合わせます。呼び径は管のサイズを表す名前で、A呼称とB呼称があり、たとえば50Aと2Bは同じ呼び径を指します。

50Aの「50」は、外径50mmという意味ではありません。JIS G 3454の50Aは外径60.5mmで、Sch40なら肉厚3.9mmとなり、寸法表の行と列から読み取ります。

Schは厚さの単位ではなく、肉厚の系列を選ぶための番号です。同じ規格・同じ呼び径で比べると、Sch80はSch40より厚く、内圧を受ける鋼の断面が増えます。

一方、同じSch40でも15Aは2.8mm、100Aは6.0mmです。呼び径を変えたときに厚さを据え置くと別の仕様になるため、配管径の変更ではSchの欄も読み直します。

Sch40・Sch80の厚さ早見表

次の表は、圧力配管用炭素鋼鋼管のJIS G 3454に対応する寸法です。日本製鉄の配管用鋼管カタログと照合し、よく使う15Aから200Aまでの外径と肉厚をまとめました。

図2:炭素鋼管のSch40・Sch80寸法表

単位はすべてmm。JIS G 3454の表で、ステンレス鋼管の表とは分けて使います。

表は横にスクロールできます。

呼び径外径Sch40肉厚Sch80肉厚
15A21.72.83.7
20A27.22.93.9
25A34.03.44.5
32A42.73.64.9
40A48.63.75.1
50A60.53.95.5
65A76.35.27.0
80A89.15.57.6
100A114.36.08.6
125A139.86.69.5
150A165.27.111.0
200A216.38.212.7

※日本製鉄「配管用鋼管」掲載寸法。公称寸法であり、完成品の実測値には規格上の許容差があります。

表を使う順番は、規格を選び、呼び径の行へ進み、必要なSchの列を読む流れです。メーカー資料には肉厚と質量が交互に載る表もあるため、列の単位まで見ると読み違えを防げます。

同じ呼び径の継手をつなぐときも、管の肉厚は接合部の条件になります。とくに突合せ溶接では管端の形状や内面の段差が関係するため、SWとBWの溶接継手の違いと合わせて仕様をそろえます。

計算式は圧力と許容応力の比を示す

スケジュール番号を説明する代表的な関係が、圧力と材料の許容応力の比です。JFEスチールもこの考え方を示しており、おおよその番号を求めて寸法表を引くために使えます。

スケジュール番号の概略関係
Sch = 1000 × PS
P:管に作用する圧力[MPa] S:使用温度における材料の許容応力[MPa]。PとSは同じ圧力単位でそろえます。

許容応力は、その材料を設計上どこまでの応力で使うかを定めた値です。材料を引っ張って破断させたときの引張強さとは異なり、材料名と温度に対応する設計用の値を使います。

説明用にPを4MPa、Sを100MPaと仮定すると、計算結果は40です。これは圧力と許容応力の比を示した例で、あらゆるSch40鋼管を4MPaまで使えるという保証ではありません。

仮定値を代入した計算例
Sch = 1000 × 4100 = 40
P=4MPa、S=100MPaは説明用の仮定。S=100MPaで式を逆算した8MPa・16MPaも、それぞれSch80・160に対応するだけで許容圧力ではありません。

実際の肉厚設計は、Schの式だけでは完結しません。適用する設計基準に沿って、腐食による減肉分や加工による減少分、製造許容差などを織り込み、必要肉厚を求めます。

JFEの解説には、くされ代やねじ代、製造許容差を考慮する説明もあります。資料中の補正値を全配管へ一律に当てはめず、使用する規格と製法の条件に合わせるのが設計の手順です。

圧力を伝える際は、ゲージ圧と絶対圧の基準もそろえます。圧力計の指示の読み方は連成計・圧力計の目盛と圧力の意味で整理し、通常運転値と設計条件を区別して記録します。

内径と流速はどう変わるか

同じ呼び径で厚い管へ変更すると、外側の大きさは同じでも流路が狭くなります。流量を維持するには平均流速が上がるため、強度だけでなく流れの計算もやり直す必要があります。

50Aの炭素鋼管で、Sch40からSch80へ変える例を計算します。公称外径60.5mmから肉厚の2倍を引くと、内径は52.7mmから49.5mmへ変わります。

内径は外径から両側の肉厚を引く
d = D − 2t
d40 = 60.5 − 2 × 3.9 = 52.7mm
d80 = 60.5 − 2 × 5.5 = 49.5mm
D:外径[mm] t:肉厚[mm] d:内径[mm]。添字40・80は各Schを表します。

管の流路断面積は、内径を使った円の面積で求められます。同じ体積流量なら流速は断面積に反比例するため、内径の比を二乗して変更前後の流速を比較できます。

同じ体積流量を流すときの平均流速比
A = πd24  v = QA
v80v40 = (52.749.5)2 ≒ 1.133
A:流路断面積[m²] d:内径[m] Q:体積流量[m³/s] v:平均流速[m/s]。比の計算では両方の内径をmmでそろえています。

図3:50Aの肉厚変更が流路と流速に与える影響

Sch40を基準にすると、Sch80の流路面積は約88.2%、同一流量での流速は約113.3%です。

流路面積
88.2%平均流速
113.3%

※棒の上限は両方とも120%。面積比=(49.5/52.7)²。流速比はその逆数で、液体など同じ体積流量での比較です。

たとえば変更前の流速が2.0m/sなら、変更後は約2.27m/sです。圧力損失は流速に加えて管径や粗さにも左右されるため、この流速比をそのまま圧力損失比には使えません。

ポンプで送る配管では、流路が狭くなる影響を運転点にも反映させます。系統とポンプの関係はポンプの流量と圧力の関係、異径部の形状はレデューサーの種類と使い分けが参考になります。

Schの方式

倉庫のラックに保管された炭素鋼の直管
配管用鋼管の保管を表す生成イメージ。

Schの表記には、数字だけの系列と、末尾にSが付く系列があります。ただし、JISとASMEでは系列の書き方が違うため、「ステンレスなら40S」と一括りにはできません。

JIS G 3459のステンレス鋼管寸法表には、5S・10S・20Sのほか、40・80という列があります。40を40Sへ読み替えず、規格番号、呼び径、列名をひと組で照合します。

50AのJIS G 3459規定寸法は、Sch20Sが3.5mm、Sch40が3.9mmです。Sch40の規定肉厚はJIS G 3454の炭素鋼管と同じで、3.5mmをSch40として読むのは列の取り違えです。

日鉄ステンレス鋼管の溶接管カタログでは、50Aの40列に4.0mmが載っています。規定寸法と流通する寸法には違いがあるため、メーカーの供給仕様も照合し、3.9mmと4.0mmを区別して発注します。

図4:規格ごとに読むSchの系列

JISの50Aでは、Sch40とSch20Sを区別します。JIS G 3459のSch40規定肉厚は3.9mmです。

図は横にスクロールできます。

JIS G 345450A・Sch40肉厚3.9mmJIS G 345950A・Sch20S肉厚3.5mmJIS G 3459の列名の例5S・10S・20S・40・8050AのSch40は3.9mmASME B36.1940S・80Sなど別の寸法表で照合

※左の2断面は同じSchの比較ではありません。メーカーの供給寸法は規定寸法と区別し、製品仕様で照合します。

ASME B36.19の公式説明では、末尾のSはB36.10の管と区別するために使われます。一部の呼び径・系列では両規格の肉厚が異なると明記されており、Sを省いて同じ寸法として扱うと誤りになります。

「ノルマル」「スイン」といった呼び方に出会っても、発注では規格番号と表の列名を優先します。略称の理解だけで置き換えず、JISかASMEかを確かめてから寸法を拾うと確実です。

ステンレスは炭素鋼より常に強いから薄くできる、という説明も適切ではありません。鋼種と温度で許容応力が変わるうえ、腐食環境も材料の選定条件になるため、それぞれの条件を分けて判断します。

材料の性質を比べるなら、ステンレスと鉄の特徴の比較を先に押さえると理解しやすくなります。腐食面の注意はステンレス配管のデメリットと組み合わせ、厚さの系列とは別に検討します。

価格も鋼種や肉厚、製法、購入量、相場によって変わります。「炭素鋼の何倍」と固定せず、同じ長さと必要性能を満たす仕様で見積もり、管材以外の施工費も含めて比較します。

発注と検収で取り違えを防ぐには

発注書に「50A、Sch40」とだけ書くと、規格や材料の解釈が残ります。設計で決めた条件を見積仕様書へ記載し、見積先が同じ仕様で回答できる状態にします。

たとえば説明用の記入例なら「JIS G 3454、STPG370、50A、Sch40」と書けます。さらに長さや数量、製法、管端の仕上げを指定し、必要な検査成績書の条件までそろえます。

  • 規格番号・材料記号:寸法表と材料を特定する
  • 呼び径・Sch・長さ・数量:購入する管の寸法と物量を決める
  • 製法・管端形状・接合条件:施工図と継手へ合わせる
  • 検査・証明書・識別表示:受入れ時に照合する資料を指定する

図5:仕様書・識別表示・管端寸法の照合場面

書類と現物を対応させ、外径と肉厚は別々の寸法として調べます。

図は横にスクロールできます。

仕様書規格・材質・Sch照合管の識別情報外径の測定位置管端の肉厚未使用・開放管の受入れ例

※寸法の測定位置を示す概念図。運転中の配管を開放する作業手順を示す図ではありません。

検収では、まず納入品の識別表示と検査成績書を発注仕様へ対応させます。その後、外径と肉厚をそれぞれ照合し、表にある公称値と実測値の差を規格の許容差に照らして判断します。

外径だけをノギスで測っても、同じ呼び径のSch40とSch80は見分けられません。開放された未使用管なら管端の肉厚を測れますが、面取り部分を肉厚として読まないよう測定位置を選びます。

運転中の管を対象にする場合は、受入れ検査とは別の安全管理が必要です。減肉調査は設備の保全計画と測定手順に従い、識別できない管を推測だけで高圧用途へ戻すことは避けます。

材料変更があれば、接続する機器や継手も同時に照合します。配管と機器の取り合いは納入仕様書・承認図の確認ポイントへ反映し、図面と発注書の片方だけが更新される状態を防ぎます。

ねじ込み、フランジ、溶接では、寸法を合わせる場所と施工の条件が違います。配管の接続方式の使い分けを踏まえ、管本体のSchと接続部品の仕様をひとまとまりで管理します。

フランジや弁の圧力区分も、管のSchとは別の指定項目です。肉厚を増やして管を変更しても、接続部品の圧力と温度の使用範囲まで自動で上がるわけではなく、系統を構成する各部品で評価します。

補修で短い管だけを交換するときも、既設管の呼び径だけを転記しないことが大切です。材料記録と図面から規格・肉厚をたどり、接続端の仕様と照合してから代替品の可否を決めると、手配後の手直しを減らせます。

肉厚を増やしても、温度変化で生じる配管の伸びは残ります。支持方法や機器へ伝わる力も設計対象で、伸縮継手とフレキシブルチューブの違いは熱伸びへの対策を考える際に役立ちます。

よくある質問

Sch40とSch80は何が違いますか?

同じ規格・同じ呼び径なら、Sch80の方が肉厚は大きくなります。外径が同じでも内径が小さくなるため、耐圧側の検討に加えて、必要流量を確保できるかも合わせて計算します。

Sch40なら何MPaまで使えますか?

番号だけでは使用可能圧力は決まりません。材料、温度、呼び径、腐食代などを適用基準で評価する必要があり、圧力と許容応力の概略式をそのまま使用限界に置き換えるのは危険です。

Sch40とSch40Sは同じですか?

規格と呼び径を示さずに同じとは判断できません。ASMEのS付き系列とJISの表を分けて読む必要があり、数字が近い場合も、対象製品の規格番号と寸法を照合して選びます。

SGPもSch40として扱えますか?

SGPはJIS G 3452の配管用炭素鋼鋼管で、STPGとは規格が違います。特定の呼び径で厚さが一致していても、材料や試験条件まで同じ製品になるわけではなく、指定規格を守って手配します。

ステンレスへ替えるときは肉厚だけ見ればよいですか?

肉厚に加えて、腐食環境と接続先の材料も検討します。炭素鋼との接続では異種金属接触腐食の条件も関係するため、Schの選定と材料の組み合わせを分けて確認します。

まとめ

この記事のまとめ
  • Schは鋼管の肉厚を区分する番号で、規格と呼び径を合わせて寸法表を読む
  • 同じ規格・呼び径では、Sch80はSch40より厚く、内径が小さい
  • 圧力と許容応力の概略式は、配管全体の耐圧保証には使えない
  • JISとASME、S付きと数字だけの系列を区別して扱う
  • 発注と検収では、規格・材料・外径・肉厚・接続条件をそろえる

配管の表は、規格、呼び径、Schの順に読むと必要な寸法へたどり着けます。付属機器を選ぶ際はストレーナの選び方も合わせ、系統の条件を共有して手配を進めましょう。

関連する用語や機器は、配管に関する記事一覧からも探せます。部品の名称だけで覚えず、その仕様が寸法、強度、流れのどこに効くのかをつなげて理解すると実務で役立ちます。

出典

出典・参考資料(6件)を開く出典・参考資料を閉じる

NEWSLETTER

機械設計・プラントエンジニアリングの記事を、週1回まとめてメールで受け取る

週刊MONOSCOPEは、登録時に選んだ職種・業種に合わせた記事を週1回お届けする無料のメルマガです。

実際に届くメールの例を見る

件名:今週のあなた向け記事|週刊MONOSCOPE 10/9号
登録内容:生産技術 × 自動車・輸送機器

週刊MONOSCOPEの見本(生産技術 × 自動車・輸送機器)

職種3本・業種3本・製造業で働くすべての方へ2本・今週よく読まれた記事3本が届きます。記事は毎週入れ替わります。ほかの見本を見る

機械設計を選んだ状態で登録へ ›

無料・週1回。登録後に届く確認メールのリンクを押すと登録が完了します。配信はメール内のリンクからいつでも停止できます。

WEEKLY NEWS

今週の製造業ニュース10選

メルマガは職種・業種に合わせた記事。LINEとnoteでは、全員共通の10本を毎週土曜の朝にお届けします。

LINEでニュース10選を受け取るnote今週のニュース10選をnoteで読む ›
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

MONOSCOPEの運営者

プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

▶ お仕事のご依頼はこちら

目次