濁度とは?度・NTU・FNUの違いと測定原理、選び方・校正の実務

濁りの異なる水を入れた三つの試料容器

濁度とは、水中の粒子などによる濁りの程度を、標準液との比較で数値にした指標です。「度」「NTU」「FNU」の値を比べるには、標準液と測定方式をそろえます。

同じ水を測っても、光の波長や受ける方向が違えば、濁度計の指示値は変わります。単位の記号だけを合わせても、別の測定器の結果をそのまま比較することはできません。

単位の早見表に加え、透過光・散乱光・積分球の光路を図で整理します。後半では、気泡や汚れの切り分け、標準液の希釈、連続監視へ取り込む手順まで確認できます。

動画の補足:透過散乱光方式が、どの試料でも最も正確というわけではありません。測定対象の粒子、着色、必要な範囲と指定された検査方法に合わせて選びます。

目次

濁度とは

濁度は、試料が光を散乱させたり弱めたりする性質を使って、水の濁りを評価する量です。泥や細かな固形物、微生物などが光の進み方を変え、その変化を測定します。

水中の粒子を一つずつ数えたり、すべて回収して重さを測ったりする指標ではありません。粒子の量に加えて形や大きさ、色も光への応答を変えるため、測定条件を含めて値を扱います。

例えば、細かな白い粒子を含む水と、大きな暗い粒子を含む水では、同じ質量でも散乱光の強さが変わります。濁度が同じという結果は、含まれる物質も同じという意味にはなりません。

この点は、水に溶けたイオンによる電気の流れやすさを見る導電率とは異なります。濁りが少なくてもイオンを含む水はあり、水質を一つの数字だけで代表させることはできません。

酸性・アルカリ性の程度を示すpHも、濁度とは別の指標です。処理設備では、除去したい物質と管理の目的に応じて、複数の水質項目を組み合わせます。

濁度の単位と基準値の早見表

国内で使われる「度」は、何を標準にしたかまで読む必要があります。カオリン、ホルマジン、ポリスチレン系粒子など、標準液が違うと測定の基準も変わります。

度(カオリン)の1度は、水1Lに標準カオリン1mgを含むときの濁りに相当します。この1mg/Lは標準物質との対応であり、実試料の粒子の質量濃度ではありません。

ホルマジンは、濁度の校正に使う高分子の懸濁物質です。標準液と比較して値を付ける点は共通ですが、天然のカオリンに比べ、再現性を確保しやすい基準として使われます。

ポリスチレン系の標準液は、国内の水道水の濁度検査でも用いられます。環境大臣が定める検査方法には、複数の粒径の標準粒子を組み合わせる方法が示されています。

図1:濁度の単位は、標準液と光学条件をセットで読む

同じ標準液で校正できても、実試料への応答が同じになるとは限りません。

表記標準・測定の条件値を比較するときの要点
度(カオリン)カオリン標準との比較実試料の粒子の質量濃度とは区別
度(ホルマジン)・FTUホルマジン基準。光学配置も仕様に記録標準だけでなく受光方式をそろえる
NTU白色光・90度散乱の方式が代表EPA 180.1などの方法と機器仕様を確認
FNU近赤外光・90度散乱の方式ISO 7027系の測定条件と対応
度(ポリスチレン)ポリスチレン系標準粒子との比較国内の水道水検査では指定方法に従う

機器によって従来の単位表記が残るため、画面の記号だけで光学方式を判定しません。

NTUは、白色光を用いる比濁測定の単位として広く使われます。FNUは近赤外光を使う方式に対応し、どちらも90度方向の散乱光を測る代表的な条件があります。

ただし、過去の機器には方式を区別せずNTUと表記した例もあります。計測器の表示をFNUへ切り替えても光学系が同じ場合と、光源や検出角が違う計器へ交換する場合は分けて考えます。

したがって「1度は何NTUか」には、共通の換算係数だけでは答えられません。一方、ISO 7027-1の同じ散乱光測定法ではNTUとFNUは数値的に同等とされ、異なる方式の計器間の換算とは区別します。

水道水の水質基準では、濁度は2度以下とされています。一方、水質管理目標設定項目の濁度には1度以下という目標値があり、基準と管理目標を混ぜずに扱います。

この2度を、すべての工場排水や原料溶液の合否基準へ転用することはできません。飲料水の法定検査、工程の管理値、排水の規制項目は、それぞれの対象と指定方法に合わせます。

濁度とSSの違い

SSは浮遊物質の量を、試料の体積当たりの質量で表した指標です。所定の方法でろ過し、残った物質を乾燥・秤量して求める値と、光学的に測る濁度を区別します。

濁度計にSSのmg/L表示が付いていても、機器が粒子をその場で乾燥・秤量しているわけではありません。実試料を用いて求めた関係を使い、濁度からSSへ換算する構成があります。

例えば、濁度[度]をx、SS[mg/L]をyとし、実試料からy=2+1.5xという仮の関係を得たとします。その試料と測定範囲で20度なら、推定SSは32mg/Lです。

この式の係数2と1.5は、説明用に設定した仮の値です。河川の泥水で求めた関係を、油分や顔料の混じった工程水へ持ち込むと、粒子の違いが換算誤差になります。

相関を作る際は、管理範囲を覆う濃さの試料について、同じ水の濁度とSSを対にして測ります。直線に見える区間だけでなく、範囲の端や異常時に関係が崩れないかも調べます。

薬品や原料を変えた後に指示の意味が変わることもあるため、相関式には対象工程と使用範囲を残します。校正の記録を管理する考え方は、計測器の校正台帳とトレーサビリティにもつながります。

濁度測定の原理

濁度の測り方は、視覚濁度、透過光濁度、散乱光濁度、積分球濁度に分けて説明されます。基準の濁りと比べる点は共通ですが、見る光の成分や集める方向が異なります。

視覚濁度は、試料と標準液を比色管に入れ、見た目の濁りを比べる方法です。光源や背景、観察する方向をそろえる必要があり、単に容器をかざして白さを比べる測定とは違います。

工業用水のJIS K 0101と工場排水のJIS K 0102は、JIS K 0102規格群へ統合・分冊化されています。濁度を含む一般理化学試験はJIS K 0102-1:2021と追補1:2023を参照します。

水道水の検査では、環境大臣が定める方法の該当する別表を使用します。測定原理の分類を知ることと、特定の検査方法へ適合することは別なので、試験の目的から適用を選びます。

光を使う計器では、発光部、試料、受光部の位置関係が測定値を決めます。光電センサーの基本と共通する部分は、センサーの検出原理でも整理しています。

濁度測定①透過光法

透過光方式の光源と試料、対向する受光素子

透過光法は、試料へ光を通し、反対側へ届いた光の弱まりを測る方式です。粒子が光を散乱させると、まっすぐ進んで受光器へ届く光が減り、濁りの変化を読み取れます。

中程度から高い濁度を扱う機器で使われますが、適用できる範囲は光路長や検出器で変わります。光の減り方を見ているため、粒子以外による吸収や光学窓の汚れも影響します。

図2:透過光法は、反対側へ届く光の減衰を読む

粒子で散った光に加え、着色や窓の汚れで失われた光も、透過光の減少に重なります。

光源試料セル受光器粒子で光が散る窓の汚れ透過光 T

透明に近い水では、粒子による透過光の変化が小さくなります。背景となる光の強さやセルの差に対して、測りたい信号が埋もれやすいことが、低濁度測定の課題です。

反対に、光がほとんど届かないほど濁ると、透過光から変化を読み取る余地が小さくなります。高濁度に向くという説明も無制限という意味ではなく、機器の有効範囲を確認します。

着色していても粒子が少ない水では、色による吸収で透過光が減ることがあります。色度の変化と濁度の変化を取り違えないように、実試料で計器の応答を比較します。

光を通すセルに指紋や水滴、微細な傷が付くことも、測定値がずれる原因です。試料の変化を疑う前に、清浄なセルで同じ向き・同じ条件の再測定をすると原因を絞れます。

透過光を使う測定でも、特定成分との化学反応を利用する分析とは意味が異なります。例えばシリカ分析計の吸光測定は、反応で生じた色を使って成分濃度を求める方法です。

濁度測定②散乱光法

試料から直角方向へ散乱した光を受ける方式

散乱光法は、粒子に当たって進む方向が変わった光を、一定の方向から受ける方式です。代表的な側方散乱式では、入射光に対して90度方向の光を検出します。

透明に近い水では、粒子が増えることで散乱光の増加を捉えやすく、低濁度測定に使われます。透過光のわずかな減少を読む方法と、検出する信号の性質が異なります。

散乱光は、鏡のように一方向へ反射する光だけを意味しません。粒子の周囲へ広がる光のうち、どの角度を取り出すかによって、粒径などに対する応答が変わります。

濁りが強くなると、入射光が測定領域へ届きにくくなり、散乱した光も途中で弱められます。そのため、濁度と受光量の関係が単純な比例から外れる領域が生じます。

表示が上限に達していないことだけでは、測定が正しいと判断できません。多重散乱などを含めて測定系の応答を評価し、仕様の範囲や試験方法に応じた希釈を選びます。

近赤外光を使う方式は、可視光の着色の影響を小さくできる場面があります。それでも粒子の吸収や性状の違いがすべて消えるわけではなく、対象水への適合性は実試料で評価します。

図3:側方の散乱光と、正面の透過光を分けて受ける

90度方向をS、進行方向をTとして測り、透過散乱方式では両者の比を利用します。

光源S受光器T受光器90°粒子と検出角で応答が変わるSだけで読む方式と、S/Tを使う方式を区別

透過散乱光方式は、透過光と散乱光の両方を測り、その比を使う方法です。光源の明るさや着色などが両信号へ共通に働く場合、その影響を小さくする考え方です。

単純な教材例として、散乱光の信号が20、透過光が80なら、比は0.25です。光源が暗くなり両方が0.8倍になると、16と64になっても比は0.25を保ちます。

共通の倍率だけが変わった場合の説明用モデル
R = ST = 2080 = 0.25
R′ = 0.8 × 200.8 × 80 = 0.25
S:散乱光側の信号 T:透過光側の信号 R:比。信号値は任意単位の仮定で、この式を濁度の単位換算には使いません。

一方、散乱光側だけに気泡の信号4が加わると、比は24を80で割った0.30に変わります。比を取ればすべての外乱を補正できるわけではないことが、この例から分かります。

実際の計器は、光学配置や補正方法も含めて校正されています。単純なS/Tの式だけで、どの機種も同じ範囲を同じ確かさで測れるとはせず、機種ごとの性能を比較します。

積分球と表面散乱の特徴

積分球方式は、内面で光を拡散反射させる球を使って、試料を通った光を集める方法です。一方向だけの散乱光を受ける方式とは、集める光の範囲が異なります。

散乱成分と全透過光との比などを利用し、濁りを評価します。球が付いた計器という外見だけでなく、どの成分を分けて検出する装置なのかを読むと原理を理解できます。

図4:積分球では、拡散反射を使って光を集める

試料から出た光が球内で反射し、受光部へ届きます。光路を理解するための概念断面です。

入射光セル拡散反射する内面受光部トラップ(直進光)

表面散乱方式は、水面付近で散乱した光を上側などから検出する構成です。光学部を試料に直接浸さない設計では、接液するセル窓の汚れを避けられる利点があります。

それでも水面に泡や浮遊ごみが残れば、測定へ影響します。横河電機の気泡対策資料でも、時間的に現れる気泡の影響を抑える処理と、その適用条件が説明されています。

表面散乱の光学部が非接触であることと、装置全体に保守が要らないことは別です。試料の流れ、水位、排水状態を整え、測定面に泡がたまらないように管理します。

濁度測定原理はどれがいいの?

最初に決めるのは、測定の目的と必要な濁度の範囲です。飲料水の検査、原水の変動監視、工程水の管理、濃い排水の監視では、必要な性能と制約が異なります。

法令や契約で測定方法が指定される場合は、その方法に適合することが出発点です。範囲が広い機器でも、指定方法と違えば同じ判定値としては扱えません。

工程監視が目的なら、正常時の値だけでなく、立ち上げ時や異常時にどこまで濁るかも調べます。正常値に合わせた狭いレンジだけでは、異常の程度を記録できなくなるからです。

機器更新では、古い計器と新しい計器を同じ試料で一定期間比較すると、データの連続性を評価できます。標準液での一致に加え、降雨や原料変更など、実際に粒子の状態が動く条件の記録も役立ちます。

比較結果に差が出た場合は、過去の管理値をそのまま移す前に、その値を決めた測定方法をたどります。工程が変わったのか、測定への応答が変わったのかを分ければ、誤った警報値の引き継ぎを防げます。

仕様書には、濁度の上下限だけでなく、標準液の基準と光学方式、測定点の水温・圧力条件を記します。さらに出力の割り付けと保守時の扱いを合わせて示すと、納入後の比較試験まで一貫した条件で進められます。

測定方法ごとの比較

方式主に見る光生かしやすい用途確認する条件
視覚濁度標準液と試料の見え方指定手順による比較試験照明・背景・観察条件
透過光直進して届く光の減衰中~高濁度の監視着色・窓汚れ・光路長
散乱光一定角度へ散る光低濁度を含む測定波長・検出角・多重散乱
積分球球で集める透過・散乱成分所定の方法での試料測定球・光学系・校正条件
透過散乱透過光と散乱光の比着色等の影響を抑えた監視共通に作用しない外乱の残り
表面散乱水面付近の散乱光接液窓の汚れを避けたい連続測定泡・浮遊ごみ・流れと水位

低濁度の水では、ゼロ点付近の安定性と外来光の遮断、セルの清浄さが重要です。表示の最小桁だけを比べるより、目的の値の周辺でどの程度のばらつきが生じるかを見ます。

高濁度の水では、光が届く距離や検出配置、沈降の速さも選定条件になります。測定範囲を超えた際に、上限を示すのか異常信号になるのかも、監視方法と合わせて決めます。

着色のある水では、粒子が増えた場合と溶存色素が増えた場合を分けて評価します。補正のある方式でも対象の色や粒子が変わると応答が変わるため、通常水と変動時の両方を試します。

油滴や凝集した粒子を含む試料では、攪拌の強さによって状態が変わることがあります。実試料の試験条件を記録し、採水から測定までの扱いをそろえることが比較の基本です。

採水から測定セルまでの流れを整える

採水配管と流通形の水質測定セル
採水・水質測定設備のイメージ(生成画像)。

オンラインの濁度計は、検出部へ届いた水を測っています。配管から分岐した採水系統で粒子が沈んだり、途中で付着したりすれば、プロセス本体とは違う水を見てしまいます。

採水点は、評価したい工程の水が代表的に流れる位置から選びます。槽の隅と出口配管では粒子の状態が違うため、設置しやすさに加え、よどみや沈降を調べます。

細長い採水管は、試料が届くまでの遅れを増やし、沈降や付着の機会も増やします。距離、管径、流量を合わせて計画し、洗浄や詰まり点検のための経路も確保します。

図5:採水系統では、粒子の代表性と気泡対策を両立させる

プロセス水の分岐から排水までを一つの測定系として管理します。沈降・気泡・滞留が値に影響します。

工程の代表点流量調整気泡対策部濁度セル排水空気を分離記録へ

機器固有の流量・圧力範囲に合わせる概念系統です。分離部の滞留で粒子まで沈まない構成にします。

減圧で溶けていた気体が出たり、ポンプや継手から空気が混入したりすると、気泡が光を散らします。液体の粒子が増えていなくても、値が一時的に高く見える原因になります。

気泡を除く方法は、流れや圧力を整えること、機種に合った分離構造を使うことなどです。ただし、長く静置して粒子まで沈めると、測定したい濁りそのものを変えてしまいます。

流量を増やせばすべて解決するわけでもなく、過大な流れは気泡や不安定な水面を招きます。検出器の指定流量と圧力を守り、その状態で試料が安定して供給されるよう調整します。

採水系統の遅れは、異常を検知する時間にも影響します。配管とセルの保有水量が大きい場合は、計器自体の応答が速くても、工程の変化が表示されるまで待ち時間が生じます。

手分析とオンラインの値を比べる際は、同じ採水時刻の組を比較します。採水点からセルまでの遅れも考慮し、変動中の別の水を比べて「計器の誤差」と判断しないようにします。

標準液で校正し、日常の状態を確かめる

校正は、決めた標準と計器の応答を対応させる作業です。試料の数値を希望する値へ合わせる作業とは違うため、標準液の種類と値、ロットを残して実施します。

最初に光学部と試料経路を清浄にし、指定されたゼロ水で安定を待ちます。窓の汚れが付いたままゼロを合わせると、その汚れを基準に取り込んでしまいます。

スパン校正には、指定された標準液や標準板を使用します。水道の連続自動測定では標準板による校正も規定されており、標準液との整合性を確かめて使います。

液を薄めて標準列を作る場合は、原液の濁度と採る体積、最終体積を対応させます。希釈後の体積は、水を加えて標線まで合わせた全量です。

図6:100度の標準液から10度の標準列を作る計算

計算上は原液10mLを採り、全体を100mLにすると10度です。実作業は規定された標準液と手順に従います。

均一な懸濁と体積による希釈を仮定
C2 = C1 × V1V2
C2 = 100 × 10100 = 10 度
C₁:原液の値[度] C₂:希釈後の値[度] V₁:採取した原液[mL] V₂:希釈後の全量[mL]。標準液の調製計算であり、実試料の方式間換算ではありません。

原液10mLへ水100mLを加えると、全量は100mLではなく約110mLになります。標線まで薄める操作と、一定量の水を加える操作を区別します。

懸濁液は、保管中の状態を見ずに上澄みだけを採ると、表示された値と違うものを使う原因になります。指定の混和方法と使用期限を守り、容器や器具から異物を持ち込まないようにします。

ホルマジンを原料から調製する場合には、試薬の危険性も管理対象です。一般の保守説明だけを基に調製せず、指定試験法と安全データシート、所属先の試薬管理手順に従います。

校正後は、校正に使った点だけでなく、必要な管理値付近でも応答を点検します。ゼロと高い値の二点が合っていても、その間の測定が目的に合うことまで自動的に証明されるわけではありません。

定期点検では、洗浄前後と校正前後の値を分けて残します。清掃で復帰したのか、ゼロや感度も変化していたのかを追い、保守時期の見直しに使います。

値の異常を症状から切り分ける

短時間の針状の上昇では、まず気泡や大きな粒子の通過、外来光などを調べます。工程の流量や圧力の変化と同じ時刻に出ていれば、採水系統の影響を絞り込む手掛かりになります。

値が徐々にずれる場合は、光学窓の汚れや付着、標準の状態、光源の変化を順に見ます。一度にゼロとスパンを合わせ直す前に、洗浄前の状態を保存すると原因を失いません。

洗浄直後だけ低くなる場合は、洗浄水が残って試料を薄めていないかを調べます。試料へ切り替わった時刻と安定までの時間を残し、洗浄中の値を工程の測定値から区別します。

手分析と一定の比率でずれる場合は、標準液の基準や光学方式、出力レンジの違いを先に点検します。単純な感度調整で合わせる前に、比較している量が同じかを確かめます。

同じ試料を繰り返しても値がそろわない場合は、沈降や凝集、セルの向き、気泡を切り分けます。均一化の手順と測定までの待ち時間を固定すると、再現性を評価しやすくなります。

工程を変えた後だけ関係が崩れる場合は、粒子の性状や色の変化が疑われます。計器の故障と決め付けず、実試料の濁度と必要な別の指標を対にして測り直します。

連続監視の値と警報を設計する

計器から制御盤へ値を送る場合は、濁度の表示範囲と伝送範囲を対応させます。例えば4-20mAを使うなら、両端が何度に当たるかを計器側と受信側で同じにします。

出力0~20度を4~20mAへ割り付けた仮例では、12mAは範囲の中間である10度です。受信側を0~100度に設定したままだと、同じ12mAを50度として誤表示します。

線形出力で0~20度を割り付けた場合
C = 20 × I − 420 − 4
C = 20 × 12 − 416 = 10 度
C:濁度[度] I:電流[mA]。計器の内部で測った濁度と、その伝送の換算を区別します。

伝送の端点と中間値を確かめる方法は、4-20mA信号の測定と換算と共通です。出力信号が正しくても採水や光学測定が正しいとは限らないので、試料側と信号側を別々に点検します。

監視システムでは、濁度そのものに加え、計器異常や洗浄状態を記録することも重要です。DCSの監視画面に正常値と保守中の値が同じように残ると、後から水質変化を誤解する原因になります。

平均化や気泡除去の演算を強めると、一時的な乱れは目立たなくなりますが、本当の濁度変化にも遅れが出ます。警報の目的を決め、応答の速さと誤警報の抑制を合わせて調整します。

濁度はその時点の水の状態を示す値で、時間積算しても粒子の質量にはなりません。瞬時値と積算値の違いを区別し、汚濁物質の量が必要なら流量や濃度の定義もそろえます。

冷却水やボイラー給水で水質を管理する場合も、濁度だけで溶けた成分を把握することはできません。濃縮の管理は冷却塔の濃縮倍数など、目的に対応した指標と組み合わせます。

ボイラーのブロー管理では、缶水の濃縮や水質条件に合う管理が必要です。給水や缶水の品質は、濁度に加えてそれぞれの管理項目で評価します。

濁度のよくある質問

濁度の1度は何NTUですか?

どの水にも使える一定の換算値はなく、標準液と光学方式をそろえて比べます。同じ計器の表記切り替えと、別の光源・受光角の計器への交換は、別の条件として扱います。

濁度のmg/LはSSのmg/Lと同じですか?

カオリン基準の濁度をmg/L相当で示す場合と、浮遊物の質量を測るSSは別の量です。濁度からSSへ換算する場合は、対象の実試料で得た相関と、その有効範囲を使います。

濁度が2度以下なら飲んでも安全ですか?

濁度だけで飲用の安全性は判断できず、水道水の基準は微生物や化学物質など複数の項目で構成されます。2度以下という濁度の基準を満たすことと、飲用に適した水であることは同義ではありません。

色の付いた水は濁度を測れませんか?

着色の影響を小さくする光源や比演算を使う機器があり、測定できる条件はあります。目的の範囲の実試料で応答を評価し、色や粒子の変化が値へどの程度重なるかを確かめます。

濁度計が急に高くなる原因は何ですか?

粒子の増加に加え、気泡や浮遊ごみ、外来光、採水の変化が原因になります。時刻をそろえた工程データと再測定を使い、水の変化と測定系の異常を分けて調べます。

校正液で合っているのに現場の値が違うのはなぜですか?

標準液で一致しても、実試料の粒径や色に対する応答は方式によって変わります。採水時刻や試料の沈降も関係するため、同じ試料を同じ条件で測ってから比較します。

まとめ

この記事のまとめ
  • 濁度は標準液との比較で表す光学的な濁りの指標
  • 度・NTU・FNUは標準と測定条件まで合わせて読む
  • 透過・散乱・積分球などは検出する光が異なる
  • 比演算は共通の影響を抑えるが、気泡などの影響は残る
  • 適用方法と測定範囲を決め、採水・洗浄・校正・伝送まで管理する

濁度計は、範囲の広さや分解能だけで選ぶより、測定する水の性質と判断の目的から選ぶと整理できます。標準液と方式、採水条件を記録に残せば、数値が変わったときの原因も追いやすくなります。

出典

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プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

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