MES・ERPとは?生産管理システムの仕組みと違いを図解でわかりやすく解説

工場でノートパソコンを操作する作業員

「MES」「ERP」と聞くと、多くの方は情報システム部門が扱う大がかりなソフトウェアや、工場の現場とは縁遠いパソコンの画面を思い浮かべるのではないでしょうか。

実際には、MESとERPは、工場で「何を、いつ、いくつ作るか」を決め、その結果を記録してお金や在庫の動きにつなげる、ものづくりの情報の背骨にあたる仕組みです。一方で、両者の役割の境目や、「生産管理システム」「SCM」との違いはわかりにくく、導入に苦労する企業も少なくありません。

この記事では、MESとERPを、それぞれの定義、ISA-95という階層モデルで見た仕組み、MESの機能と関連システムの違い、メリットと限界、導入の流れやクラウド化などの現場での使われ方、関わる職種・スキルという順で整理します。

目次

MES・ERPとは?工場と経営をつなぐ2つのシステム

工場でノートパソコンを操作する作業員

ERPの定義

ERP(Enterprise Resource Planning)は、会計、販売、購買、在庫、生産、人事など、企業の基幹業務を1つのデータベースで統合して管理するシステムです。日本語では「統合基幹業務システム」と訳されることもあります。

オラクルは、ERPを会計、調達、サプライチェーンなど日々のビジネス活動を管理するソフトウェアと説明し、複数の部門のデータを重複なく1か所に集め、「単一の信頼できる情報源」にすることを特徴に挙げています。受注が入れば在庫と生産計画に反映され、出荷すれば売上と売掛金に反映される、というように、部門をまたいだ業務がつながるのがERPの価値です。

ERPのルーツは製造業にあります。オラクルの解説によると、1964年に資材所要量計画(MRP)が企業で使われ始め、1983年に製造資源計画(MRP II)へ発展し、1990年に「ERP」と名付けられました。部品の必要量を計算する仕組みが、企業全体の資源を管理する仕組みへ広がってきた歴史です。

MESの定義

MES(Manufacturing Execution System)は、日本語で「製造実行システム」と呼ばれ、工場の現場で製造を実行・管理するためのシステムです。ERPから受け取った生産計画を、設備や作業者への具体的な作業指示に落とし込み、現場で起きたことを記録して上位に返します。

富士電機は、MESを「生産現場に最も近いところで動くシステム」と位置づけ、製造プロセスを可視化し、特定の社員の経験に頼らずに人・モノ・カネを無駄なく使えるようにする仕組みと説明しています。どの製品を、どの設備で、誰が、どの材料を使って、どんな条件で作ったのかを記録するのがMESの基本的な役割です。

整理すると、ERPは企業全体の「計画と経営管理」、MESは工場の「実行と記録」を担うシステムです。両者の間で計画と実績をやり取りすることで、経営の数字と現場の実態がつながります。

なぜ2つのシステムが必要なのか

「ERPに生産管理の機能があるなら、MESは要らないのでは」と感じる方もいるかもしれません。実際、ERPの生産管理機能は、どの品目をいつまでにいくつ作るか、そのためにどの部品をいつ手配するかを計算するのが得意です。

しかし、工場の現場では、設備の故障、材料の不良、作業者の欠勤、急な割り込みの注文など、計画どおりにいかない出来事が毎日のように起こります。こうした変化に分・時間単位で対応し、その結果を正確に記録するには、現場に近い位置で動くシステムが必要です。この役割を担うのがMESです。

MES・ERPの仕組みと基本原理(ISA-95の階層)

出荷待ちのCNC工作機械が並ぶ組立工場

ISA-95の5つのレベル

MESとERPの位置づけを理解するうえで欠かせないのが、ISA-95という規格です。ISA-95は米国に本部を置く国際計測制御学会(ISA)が策定した、企業の業務システムと工場の制御システムを統合するための規格で、国際規格としてはIEC 62264として発行されています。IEC 62264-1は2003年に初版、2013年に第2版が発行されました。

シーメンスの解説によると、ISA-95は工場と企業の活動をレベル0からレベル4までの5つの階層に分けています。レベル0は実際の物理的なプロセス、レベル1はセンサーやアクチュエータによる検知と操作、レベル2はPLCやSCADAなどによる監視と制御、レベル3は製品を作るためのワークフロー、レベル4は事業の管理に必要な活動です。

このうちレベル3の中心にあるのがMES、レベル4の中心にあるのがERPです。レベル1〜2の制御を担うPLCについてはPLCとは?で解説しています。

図1:ISA-95の階層とMES・ERPの位置づけ

MESは、経営を担うERPと、設備を動かす制御システムの間に位置します。

レベル4:ERP受注、購買、在庫、会計など事業の管理
生産計画 ↓ / ↑ 生産実績
レベル3:MES作業指示、進捗、品質、トレーサビリティを管理
作業指示 ↓ / ↑ 稼働・計測データ
レベル2SCADAやHMIによる監視・制御
レベル1PLC、センサー、アクチュエータ
レベル0実際の物理的な生産プロセス

出典:シーメンス「ISA-95のフレームワークと階層」をもとに作成

計画は上から下へ、実績は下から上へ

ISA-95の考え方で大切なのは、情報の流れる向きです。ERPで立てた生産計画は、MESで工程ごと・設備ごとの作業指示に分解され、制御システムを通じて設備を動かします。反対に、設備で発生した稼働状況や計測値はMESで集計され、生産実績としてERPに返されます。

扱う時間の単位も異なります。ERPが月・週・日単位の計画を扱うのに対し、MESは時間・分・秒単位の現場の情報を扱います。この時間軸の違いこそが、ERPだけでは工場を管理しきれず、MESが必要になる理由です。

ISA-95が普及した背景には、ERPとMESを別々の会社が開発するケースが多いという事情があります。どの情報を、どちらのシステムが持ち、どの形式でやり取りするかという「境界」を標準化することで、接続にかかる費用や誤りを減らすことが規格の目的とされています。

実務では、この境界の決め方がシステム導入の成否を左右します。たとえば、作業の順番を決める詳細な日程計画をERPで持つのか、MESで持つのかによって、現場で計画を変更したときの手順が変わります。在庫を「ERPの在庫」と「現場の実在庫」の二重で管理してしまい、数字が合わなくなるのもよくある問題です。どちらのシステムを正とするかを最初に決めておくことが重要です。

MESの機能とシステムの種類

モニターに映る自動車工場の生産ライン

MESAが定めた11の機能

MESの機能を整理した代表的なモデルが、業界団体MESA International(Manufacturing Enterprise Solutions Association)の「MESA-11」です。MESAによると、このモデルは1996年に発表されたもので、MESに求められる中核機能を11に分類しています。

図2:MESA-11が定めるMESの11機能

MESの機能は、計画・指示、実行・記録、品質・分析の3つのまとまりで捉えると理解しやすくなります。

計画・指示
01資源の割当と監視設備・工具・材料などの割当と状態を管理
02作業スケジューリング工程ごとの詳細な作業順序を決める
03作業の指示ロットや作業の着手を現場に指示する
04仕様・文書管理作業手順書や図面、レシピを管理
実行・記録
05作業者管理作業者の配置や勤務、資格を管理
06データ収集設備や作業の実績データを集める
07工程管理工程の流れを監視し、異常時に対応
08保守管理設備の保全計画や履歴を管理
品質・分析
09品質管理検査データを分析し品質を管理
10製品追跡と履歴製品ごとの製造履歴をたどれるようにする
11実績分析稼働率や歩留まりなどを分析する

出典:富士電機「MES(製造実行システム)とは?」、MESA International「History of the MESA Models」をもとに作成。まとまりの分け方は編集部による

現場で特に重視されることが多いのが、「製品追跡と履歴(トレーサビリティ)」です。不良品が見つかったときに、同じ材料ロットや同じ設備で作られた製品を素早く特定できるかどうかは、リコールの範囲や顧客の信頼に直結します。食品、医薬品、自動車部品などでは、取引先から製造履歴の提出を求められることも一般的です。

なお、MESAは11機能モデルの後も、2004年に企業全体との連携を重視したc-MESモデル、2008年に戦略から現場までを結ぶモデルを発表しており、MESの考え方は工場の中だけでなく、サプライチェーン全体へ広がっています。

MESの提供形態

MESには、幅広い業種で使える汎用のパッケージ製品のほか、半導体、医薬品、食品、自動車部品など特定の業種向けに機能をそろえた製品があります。医薬品のように製造記録の管理に厳しい規制がある業種では、規制対応の機能を備えた専用製品が使われることが一般的です。

一方で、日本の工場では、自社の業務に合わせて独自に開発したシステムや、表計算ソフトと紙の帳票を組み合わせた仕組みで、MESに相当する機能をまかなっている例も多く見られます。MESA-11のすべての機能を1つの製品でそろえる必要はなく、自社の課題に合わせて必要な機能から整えていく考え方が現実的です。

ERP・生産管理システム・SCMとの違い

MESとERPのほかにも、製造業にはよく似た名前のシステムがいくつもあります。混同されやすいのが「生産管理システム」です。日本でいう生産管理システムは、受注から生産計画、資材の手配、工程管理、在庫、原価までを扱うシステムを指すことが多く、ERPの生産管理機能とMESの一部の機能をあわせ持つ製品もあります。中堅・中小企業では、ERPとMESを分けずに、生産管理システム1つで工場の業務をまかなう例も少なくありません。

SCM(サプライチェーン・マネジメント)は、自社の工場だけでなく、調達先、物流、販売先までを含めたモノの流れ全体を最適化する考え方や、それを支えるシステムを指します。ERPが「自社の中」の資源を管理するのに対し、SCMは「会社をまたいだ流れ」に目を向ける点が違いです。

図3:ERPとMESの違い

ERPは企業全体の計画と経営管理、MESは工場の実行と記録を担います。

ERP
MES
ISA-95での位置
レベル4(事業の管理)
レベル3(製造の実行)
主な対象
会計、販売、購買、在庫、人事
作業指示、進捗、品質、設備
時間の単位
月・週・日
時間・分・秒
主な利用者
経営層、管理部門、営業
製造、品質保証、生産技術
扱う情報の例
受注数、在庫金額、原価
ロット履歴、検査結果、稼働状況
導入の単位
全社(グループ)
工場・ライン単位が多い

※製品によって機能の範囲は重なっており、境界は企業ごとに設計されます。

図4:製造業で使われる主な業務システム

それぞれのシステムが担う範囲を知ると、全体像が整理しやすくなります。

ERP会計・販売・購買・在庫など基幹業務を統合管理
生産管理システム受注から計画、手配、工程、原価までを管理
MES工場での作業指示、実績収集、品質・履歴管理
SCM調達から販売までのモノの流れ全体を最適化
PLM設計データや部品表など製品情報を一元管理
SCADA・HMI設備やプラントの状態を監視・操作する

※PLMは製品ライフサイクル管理、SCADAは監視制御システムの略です。

MES・ERPのメリットと限界

工場を背景に市場データを確認する会議風景

導入によるメリット

ERPを導入する最大のメリットは、部門ごとにばらばらだったデータが1つにまとまり、経営の状況をすばやく正確に把握できることです。受注、在庫、生産、会計の数字がつながるため、月末に各部門の表計算ファイルを集めて突き合わせるような作業が減ります。

MESを導入するメリットは、現場の状況がリアルタイムで見えるようになることです。紙の日報やホワイトボードで管理していた進捗や不良の情報がデータとして残り、どの工程で遅れや不良が起きているかをその場で把握できます。作業手順や検査項目をシステムで指示することで、作業者による品質のばらつきを抑える効果もあります。

さらに、ERPとMESを連携させると、計画と実績の差がすぐにわかり、計画の見直しや納期回答の精度が上がります。蓄積したデータは、改善活動や予知保全、工場全体のデータ活用の土台にもなります。こうした考え方はスマートファクトリーとは?で詳しく解説しています。

導入で失敗しやすい点

一方で、MESやERPの導入は、費用も期間もかかり、うまくいかない例も少なくありません。よく指摘される失敗のパターンは次のとおりです。

  • 導入の目的が「システムを入れること」になり、解決したい課題が曖昧なまま進む
  • 現場の業務に合わせて追加開発(アドオン)を重ね、費用が膨らみ更新も難しくなる
  • 品目や部品表、工程などのマスタデータが整っておらず、正しい結果が出ない
  • 現場の入力負担が大きく、データが入力されなくなって形だけのシステムになる
  • 古い設備がネットワークにつながらず、実績データを自動で集められない

とくに注意が必要なのが、マスタデータと現場の入力負担です。システムは入力されたデータ以上のことはできません。部品表や工程の情報が実態と違っていれば、計画も原価も正しく計算されません。現場の作業者にとって入力の手間ばかりが増えると、データの抜けや遅れが常態化します。

システムの限界

MESやERPは、あくまで業務を支える道具です。工程の組み方や段取りの方法そのものが非効率であれば、システムを入れても生産性は大きく変わりません。多くの現場では、業務の流れを見直したうえでシステムに乗せることが、成果を出すための前提になっています。

また、システムは導入した時点の業務を前提に作られるため、製品や工程が変わるたびに設定の見直しが必要になります。運用を続ける体制や、変更に対応できる社内の人材を確保しておかないと、数年後には現場の実態とシステムがずれてしまいます。導入時だけでなく、運用・更新まで見据えた計画が欠かせません。

現場でのMES・ERPの使われ方

クリーンな工場でタブレットを確認するエンジニア

導入の一般的な流れ

MESやERPの導入は、ソフトウェアを買って終わりではなく、業務の見直しを含む数か月から数年がかりのプロジェクトになります。一般的には次のような流れで進みます。

図5:MES・ERP導入の一般的な流れ

システム選びの前に、現状の把握と目的の整理に時間をかけることが重要です。

構想・計画
01現状の把握業務の流れと課題、既存システムを整理する
02目的と範囲の決定解決したい課題と対象の工場・業務を決める
03製品の選定パッケージやクラウドなど候補を比較する
構築・稼働
04要件定義と設計業務とシステムの合わせ方を決める
05データ整備とテストマスタ整備、設備接続、現場での試行
06本稼働と定着教育と運用ルールづくり、効果の検証

※規模や製品によって期間や進め方は大きく異なります。

導入を進めるうえで大切なのは、いきなり全工場・全機能を対象にしないことです。まずは特定のラインや、トレーサビリティ、進捗の見える化といった特定の機能から始め、効果を確かめながら広げていく方法がよく取られます。

クラウド化の動き

近年は、MESやERPをクラウドで利用する動きが広がっています。自社でサーバーを持つ必要がなく、初期費用を抑えられ、システムの更新も提供者側で行われるのが主な利点です。

ただし、中堅・中小企業の生産管理システムでは、自社内に設置する形がまだ主流です。ノークリサーチが年商500億円未満の中堅・中小企業を対象に2024年7〜8月に行った調査では、導入済みの生産管理システムの運用形態は「パッケージ(社内設置)」が47.1%で最も多く、「SaaS利用」は9.7%にとどまりました。今後の予定ではSaaS利用が10.9%と、1割に達する見込みとされています。

図6:中堅・中小企業の生産管理システムの運用形態

社内設置のパッケージが中心で、SaaS(クラウドサービス)は約1割にとどまります。

パッケージ(社内設置)47.1%
パッケージ(データセンタ設置)35.2%
パッケージ(IaaS/ホスティング)13.7%
SaaS利用9.7%

※年商500億円未満の企業で生産管理システムを導入済みの452社、複数回答。出典:ノークリサーチ「SaaSが中堅・中小向け生産管理システムにもたらす変化」(2024年)

生産管理は工場の稼働に直結するため、ネットワーク障害時の影響や、設備とのリアルタイムな連携を考えて、社内設置を選ぶ企業が多いと考えられます。一方で、大企業のERPでは、旧システムの保守期限をきっかけにした更新が大きなテーマになっています。

たとえば、独SAPは、従来のERP製品「SAP ERP 6.0」のメインストリームメンテナンスを2027年末まで、追加料金付きの延長保守を2030年末まで提供すると2020年に発表しました。この期限を前に、新しい製品への移行やクラウド化を検討する企業が多く、いわゆる「2027年問題」として注目されています。

業種による使われ方の違い

MESやERPの使われ方は、業種によって大きく異なります。自動車や電機のような組立型の製造業では、多数の部品を組み合わせるため、部品表をもとにした資材の手配や、工程ごとの進捗管理、製品のシリアル番号による履歴管理が重視されます。

化学、食品、医薬品のようなプロセス型の製造業では、原料を配合して反応や加熱を行うため、配合(レシピ)の管理、温度や圧力などの製造条件の記録、原料ロットから製品ロットまでをたどる管理が中心になります。同じMESでも、どの機能を重視するかは業種と製品によって変わります。

工場のデータ活用の中での役割

IoTの普及により、設備から直接データを集めることは以前より容易になりました。ただし、集めた稼働データを「どの製品の、どのロットのデータか」と結びつけなければ、品質の分析や原価の把握には使えません。製品・ロット・工程の情報を持つMESは、設備データと経営データをつなぐ結節点として、改めて重要性が見直されています。

MES・ERPに関わる職種・スキル

製造業の会議スペースで製品サンプルを前に話し合うエンジニア

ユーザー企業側の職種

製造業の社内でMESやERPに最も深く関わるのは、生産管理の担当者です。生産計画の立案、資材の手配、進捗管理を日々システムで行い、導入プロジェクトでは業務要件をまとめる中心的な役割を担います。仕事の内容は生産管理とは?で紹介しています。

生産技術の担当者は、設備とMESの接続や、現場で使いやすい入力方法の設計に関わります。品質保証の担当者はトレーサビリティや検査データの管理、購買・調達の担当者はERPの購買機能を日常的に使います。製造業の情報システム部門は、システムの企画、ベンダーの選定、運用・保守を担います。

品質保証の担当者にとっても、MESは検査結果や製造履歴を確認する重要な道具です。顧客からの問い合わせや不具合の調査では、MESに残された記録が原因究明の手がかりになります。品質保証の仕事は品質保証とは?で紹介しています。

ベンダー・SIer側の職種

システムを提供する側では、ERPやMESのパッケージを顧客の業務に合わせて設定・導入するコンサルタントやシステムエンジニア、設備とシステムをつなぐ制御系のエンジニアなどが活躍しています。製造業の業務知識とITの知識の両方を持つ人材は少なく、転職市場でも評価されやすい領域です。製造業の採用動向は製造業の転職・採用市場で整理しています。

求められるスキル

  • 生産計画、在庫、原価、品質管理など製造業の業務知識
  • 部品表(BOM)や工程表などマスタデータの考え方
  • 現場の業務を整理し、システムの要件に落とし込む力
  • データベースやネットワーク、設備データ連携の基礎知識
  • 現場・管理部門・ベンダーの間で調整を進めるコミュニケーション力

システムの操作方法そのものよりも、「現場で何が起きていて、どの情報が必要か」を理解していることが、この分野では重視されます。製造現場での経験を持つ人が、生産管理や情報システムの仕事に移り、MESやERPの導入で力を発揮する例も多く見られます。

未経験から関わるには

学生や他業界からの転職を考えている方にとって、MESやERPの分野は、製造業とITの両方に関われる入り口の1つです。製造業の企業に入社して生産管理や製造の現場を経験してから情報システムの仕事に移る道と、ITベンダーやSIerに入社して製造業向けの導入プロジェクトを担当する道があります。どちらの道でも、在庫や原価、工程の考え方など、製造業の基本的な業務の流れを学んでおくと、現場の担当者と話が通じやすくなります。

まとめ

この記事のまとめ
  • ERPは企業全体の基幹業務を統合管理し、MESは工場での製造の実行と記録を担う
  • ISA-95(IEC 62264)ではERPがレベル4、MESがレベル3に位置づけられる
  • MESの機能はMESA-11で11に整理され、トレーサビリティが特に重視される
  • 導入では目的の明確化、マスタデータの整備、現場の入力負担の軽減がカギになる
  • クラウド化やERPの更新需要が進む中、業務とITの両方がわかる人材が求められている

MESとERPは、PLCなどの制御システムと経営の間をつなぎ、工場のデータ活用を支える仕組みです。設備の制御についてはPLCとは?、工場全体のデジタル化についてはスマートファクトリーとは?もあわせてご覧ください。

生産管理の仕事に関心がある方は、生産管理とは?から仕事の内容を確認すると、MESやERPが日々の業務でどう使われているかがイメージしやすくなります。

出典

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この記事を書いた人

BtoB製造業特化のWebマーケター。プラント業界にてエンジニアを10年経験した後、マーケティングの分野へ。工業技術ブログ「エネ管.com」を2017年から運営し、月間20万PVを達成。保有資格はエネルギー管理士、第三種電気主任技術者。

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