二又試験管の使い方と突起(くびれ)がある理由|気体の発生を止めるしくみ

ドラフトの中で試験管から気体を水槽の集気びんへ導く実験

二又試験管(ふたまた試験管)は、突起のある側の枝に固体、もう一方の枝に液体を入れ、傾けて液体を固体の側へ流すと気体が発生し、逆に傾けて戻すと発生が止まる器具です。突起は、液体を戻すときに固体だけをせき止めるストッパーの役目をしています。

亜鉛と希塩酸のように加熱のいらない固体と液体の反応は、触れた瞬間から勝手に進み、火を消すような止め方ができません。そこで反応する物どうしを物理的に離して止めるのが二又試験管の考え方で、少量の気体を手軽につくる場面で使われてきました。

後半では、研究室や品質管理、工場で反応を「始める・止める」考え方と、器具に使われるホウケイ酸ガラスの性質も取り上げます。

目次

二又試験管の使い方:固体と液体を分けて入れ、傾けて出し止めする

二又試験管は、上の口から下が2本の枝に分かれた試験管で、片方の枝の付け根近くには内側へ出っ張った突起(くびれ)があります。固体は突起のある枝、液体はもう一方の枝に入れ、口には気体を導くガラス管付きのゴム栓をはめて使います。

図1:二又試験管の構造

固体は突起のある枝の底、液体はもう一方の枝の底に入れ、口はガラス管付きのゴム栓で気体の出口を確保します。

突起(くびれ)固体(粒・塊)ガラス管:気体の出口ゴム栓液体(希塩酸など)固体を入れる枝突起のない枝

※形は代表的な例を簡略化したものです。突起の形や位置は製品によって違います。

操作は、固体と液体を入れて栓をし、傾けて気体を出し、逆に傾けて止める、という5つの段階に分けられます。どの段階でも気体の出口をふさがないことが、安全に使うための前提になります。

図2:二又試験管の使い方(5つの操作)

入れる順番は「固体→液体→栓」。あとは傾ける向きだけで、気体を出したり止めたりします。

準備する

1固体を入れる突起のある枝に、すり抜けない大きさの粒や塊を入れる
2液体を入れる突起のない枝に、固体へ流れ込まないよう注ぐ
3出口付きの栓をするガラス管を通したゴム栓をはめ、管の先まで通ることを確かめる

出す・止める

4固体の側へ傾ける液が固体に触れて泡が出る。初めの気体は空気を含むので捨てる
5逆に傾けて戻す液だけが戻り、固体は突起に残って発生が止まる

※戻した直後は、固体にぬれて残った液でしばらく小さな泡が続きます。

突起のある方に固体を入れる

最初に、突起のある枝に固体を入れます。亜鉛の粒や石灰石の小さな塊のように、突起のすき間をすり抜けない大きさのものを選び、ガラスを割らないよう試験管を傾けて枝の底まで静かに滑らせます。

粉末の固体は突起をすり抜けて液体の枝へ流れ込み、戻しても液に浸かったままになるので、出し止めができなくなります。どのくらいの粒なら止まるかは突起の形で変わるため、液を入れる前に乾いた状態で傾けて確かめておくと確実です。

もう一方に液体を入れる

次に、突起のない枝に希塩酸などの液体を入れます。注ぐ途中で固体の枝へ流れ込まないよう、試験管をやや液体の枝の側へ傾けておき、量は傾けたときに口や栓まで届かない程度にとどめます。

気体の出口が付いた栓をする

液体を入れたら、口にガラス管を通したゴム栓をはめ、ゴム管で集気びんや水槽へつなぎます。「栓をする」といっても口を密閉するわけではなく、発生した気体の通り道を必ず残すのが要点です。

出口のない栓で閉じたり、ゴム管がねじれたり折れ曲がったりしていると、中の圧力が上がって栓が飛ぶおそれがあります。教科書会社の啓林館も実験の安全資料でこの点を挙げているので、つなぐ前に管の先まで気体が抜けることを確かめておきます。

傾けて液体を固体の側へ流し込む

準備ができたら、二又試験管を固体の枝の側へ傾けて液体を流し込みます。液体が固体に触れると表面から泡が出始め、できた気体はゴム栓のガラス管を通って外へ出ていきます。

出始めの気体には、試験管と管の中に残っていた空気が混ざっています。純粋な気体が要るときは初めの分を集めずに捨て、水蒸気や酸のしぶきが困る用途では乾燥剤に通してから使い、組み合わせは乾燥剤の選び方と気体との相性で確かめられます。

逆に傾けて液体を戻し、反応を止める

気体が要らなくなったら、今度は液体の枝の側へ傾けて液を戻します。液体は突起のすき間を通って戻りますが、固体は突起に引っかかって残るので、固体と液体が離れて新しい気体の発生が止まります。

ただし、固体の表面にはぬれた液が残るため、戻した直後もしばらくは小さな泡が続きます。泡が収まることと、出てきた気体を安全に始末し終えることは別で、管の中や集めた容器に残った気体の処理までが操作の一部です。

二又試験管に突起(くびれ)がある理由:固体を止めて液体だけ戻すため

突起がある理由は、液体を戻すときに固体まで一緒に戻らないようにするためです。突起がなければ、傾けた拍子に固体も液体の枝へ滑り落ちてしまい、固体と液体が離れず反応が止まらなくなります。

図3:傾けて流す・逆に傾けて戻す

同じ試験管でも、傾ける向きで液の居場所が変わります。戻すときは突起が柵になり、液だけが元の枝へ帰ります。

突起で止まる固体の側へ傾ける逆に傾けて戻す液が固体に触れ、気体が出る液だけ戻り、発生が止まる

※水色が液体、灰色が固体です。液の動きを見やすくするため、試験管の傾きは矢印で示し、本体はまっすぐ描いています。

最初に固体を突起のある側へ入れるのも、この仕組みに合わせた順番です。突起は固体を受け止める柵のようなもので、液体は柵のすき間を通れるため、傾ける向きを変えるだけで液だけを2本の枝の間で行き来させられます。

止める手段がそこまで大事なのは、加熱のいらない反応だからです。加熱して進める反応なら火を止めれば反応はゆるやかになりますが、固体と液体を混ぜただけで進む反応は、反応する物どうしを離す以外に止める方法がありません。

固体は反応しながら少しずつ溶けて小さくなるので、使い続けるといずれ粒が突起をすり抜けるようになります。生成物が固体の表面を覆う組み合わせも途中で反応が鈍るため、二又試験管には、粒が残りやすく加熱なしで適度な速さで気体が出る反応が向いています。

キップの装置・三角フラスコ+滴下漏斗との使い分け

固体と液体から加熱せずに気体をつくる器具には、二又試験管のほかに、キップの装置と、三角フラスコに活栓付きの漏斗(滴下漏斗)を組み合わせた装置があります。3つの違いは、どうやって反応を止めるかと、扱いやすい気体の量です。

観点二又試験管キップの装置三角フラスコ+滴下漏斗
気体の出し方傾けて液を固体の枝へ流す活栓を開くと液が上がって固体に触れる活栓を開いて液を固体に滴下する
止め方逆に傾けて液を戻す活栓を閉じると、気体の圧力が液を押し戻す滴下を止めても、入れた液と固体が触れている間は続く
扱いやすい量少量多め。同じ気体を何度も出し止めできる加える液の速さと量で調節する
向く場面少量の気体を手軽に、短時間だけ使う同じ気体を繰り返し使う発生の勢いを液の加え方で加減したい
表1:固体と液体から加熱せずに気体をつくる3つの器具。三角フラスコの装置の特徴は岩手県立総合教育センターの資料による

キップの装置は、活栓を閉じると発生した気体の圧力が液を押し戻して止まるので、同じ気体を何度も出し止めできます。構造と止まる原理はキップの装置の使い方と気体の発生を止める原理が詳しく、二又試験管は同じ「離して止める」操作を手で行う小型版です。

三角フラスコと滴下漏斗の組み合わせは、液を加える速さで発生量を調節できる反面、一度入れた液と固体は離せません。岩手県立総合教育センターの資料も、この装置の課題として、初めの気体に空気が混ざりやすいことと、始まった反応を止められないことを挙げています。

酸化マンガン(IV)と濃塩酸から塩素をつくるような加熱の要る反応には、3つとも向かず、加熱できる丸底フラスコの装置を使います。器具を選ぶときは、加熱が要るか、途中で止める必要があるか、どれだけの量が要るかを順に確かめると迷いません。

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二又試験管で発生させる気体と安全:硫化水素・水素・圧力

二又試験管でつくるのは、少量の水素・二酸化炭素・硫化水素・酸素などです。どれも固体と液体が触れるだけで室温で進む反応で、反応させる固体を粒のまま突起の側に置けることが共通の条件になります。

気体固体(突起の側)液体空気と比べた重さ主な注意
水素亜鉛の粒希塩酸・希硫酸約0.07倍空気と混ざると点火で爆発する。初めの気体は捨てる
二酸化炭素石灰石の小さな塊希塩酸約1.5倍希硫酸だと硫酸カルシウムが表面を覆って止まりやすい
硫化水素硫化鉄(II)希塩酸・希硫酸約1.2倍有毒。ドラフトの中で扱い、余った気体は吸収させる
酸素酸化マンガン(IV)の粒うすい過酸化水素水約1.1倍酸化マンガン(IV)は触媒。粉末は突起をすり抜ける
一酸化窒素銅希硝酸約1.04倍有毒。空気に触れると二酸化窒素に変わる
表2:二又試験管で発生させる気体の例。重さは分子量を空気の平均分子量28.96で割った値(H2 2.016、CO2 44.01、H2S 34.08、O2 32.00、NO 30.01)
水素(亜鉛と希塩酸)
Zn + 2HCl → ZnCl2 + H2
二酸化炭素(石灰石と希塩酸)
CaCO3 + 2HCl → CaCl2 + H2O + CO2
硫化水素(硫化鉄(II)と希塩酸)
FeS + 2HCl → FeCl2 + H2S
酸素(過酸化水素の分解。酸化マンガン(IV)は触媒)
2H2O2 → 2H2O + O2
検算:水素の式はZn 1、H 2、Cl 2、二酸化炭素の式はCa 1、C 1、O 3、H 2、Cl 2、硫化水素の式はFe 1、S 1、H 2、Cl 2、酸素の式はH 4、O 4で左右が一致します。

空気より重い二酸化炭素や硫化水素は下方置換、水に溶けにくい水素や酸素は水上置換で集めます。気体が空気より重いか軽いかは分子量を約29と比べると見当がつき、その理由は平均分子量と空気が約29になる理由が詳しいです。

二酸化炭素は石灰水に通して白く濁るかで確かめられ、濁りが消える理由まで石灰水と二酸化炭素の反応にまとめています。銅と希硝酸から出る一酸化窒素は空気に触れると赤褐色の二酸化窒素に変わり、硝酸の濃さで出る気体が変わる理由は濃硝酸と希硝酸の反応の違いで扱っています。

図4:二又試験管を安全に使う4つの確認

事故の多くは、出口・火・換気・後始末のどれかの見落としから起きます。操作の前後で順に確かめます。

出口をふさがない栓にはガラス管を通し、ゴム管のねじれや折れを確かめる。ふさがると圧力で栓が飛ぶ
水素に火を近づけない初めの気体は捨て、管の口に火を近づけない。点火は発生装置から離れて
有毒な気体は排気の中で硫化水素や一酸化窒素は、試験管ごとドラフト(局所排気装置)の中で扱う
余った気体と液を始末する止めても残った気体は消えない。吸収液に通し、使った液は廃液として分ける

※試薬の量は、反応が激しすぎたときにすぐ戻して止められる程度にとどめます。

硫化水素は腐った卵のような臭いの有毒な気体で、特定化学物質障害予防規則の第2類物質に当たります。厚生労働省のモデルSDSによると、作業環境評価基準の管理濃度は1 ppm、日本産業衛生学会の許容濃度は5 ppmで、この許容濃度は2025年度の勧告でも変わっていません。

少量でも部屋の空気を基準以上にしうるため、二又試験管ごとドラフトの中で扱うのが基本です。

硫化水素は吸い込むと嗅覚が麻痺して臭いを感じにくくなるので、臭いで安全を判断できません。余った気体は水酸化ナトリウムなどのアルカリの水溶液に吸収させて処理し、強い塩基の性質は水酸化ナトリウムの性質と工業での使われ方で扱っています。

硫化水素は、金属イオンを硫化物の沈殿として見分ける分析にも使われてきた気体です。どの金属がどんな条件で沈むかは硫化水素の沈殿一覧で色とあわせて整理しています。

水素は空気と混ざると、体積で水素が4.0〜74.2%の範囲にあるとき点火で爆発します(啓林館の安全資料)。初めに集めた1本分は捨て、点火を試すときは発生装置から離れた場所で行い、工場の水素設備で使う電気機器の考え方は防爆機器の種類と選び方が参考になります。

圧力の面では、出口を確保するのに加えて、試薬の量を少なめにしておくことが大切です。濃い酸や細かすぎる固体は泡立ちが激しくなり、液が管へ吹き上がる原因になるので、反応が強すぎるときにすぐ戻して止められる量から始めます。

研究室・品質管理の現場では:反応を「始める・止める」考え方

研究所や工場の品質管理室では、気体の多くを高圧ガスのボンベで買い、二又試験管でつくる場面は限られます。ボンベのほうが純度が高く乾いた気体を必要な量だけ安定して取り出せるためで、反応でつくる方法は教育や原理の確認、ごく少量で足りる試験に残っています。

反応で少量の気体をつくる手法が品質管理で使われてきた例に、ヒ素の検査があります。グットツァイト法は、試料中のヒ素を亜鉛と酸で気体の水素化ヒ素(アルシン)に変えて追い出し、臭化第二水銀を含ませた試験紙の色の変化で調べる方法です。

この方法は食品添加物公定書のヒ素試験法に装置Aとして載っていましたが、検出に使う臭化第二水銀が有害なため、2017年に答申された第9版で試薬ごと削除されました。

第9版のヒ素試験法は、亜鉛でヒ化水素を発生させて吸収液の色を標準色と比べる装置Bと、テトラヒドロホウ酸ナトリウムで発生させて原子吸光で測る装置Cです。気体を発生させて測る考え方は残しつつ、水銀を使わない方法へ置き換わりました。

工場の反応器でも、反応する物をいつ触れさせ、どう離すかは安全の中心にあります。英国安全衛生庁(HSE)の手引きは、原料をまとめて入れるバッチ式の代わりに、原料の1つを時間をかけて加えるセミバッチ式にして、反応器の中の未反応の原料を減らす方法を本質安全の例に挙げています。

図5:反応を「始める・止める」考え方の広がり

二又試験管は反応物を離して止め、滴下漏斗や工場の反応器は加える量で反応を加減します。

離して止める少しずつ加える供給を止める二又試験管滴下漏斗セミバッチの反応器実験室(少量)から工場(大量)へ。規模と設備は違っても「触れさせ方を握る」点が共通

※セミバッチ式は、原料の1つを時間をかけて加える運転方法です(HSE「Chemical reaction hazards and the risk of thermal runaway」)。反応器の安全は、冷却・圧力の逃がし・停止の手順などを組み合わせて確保します。

加える量を絞っておけば、異常のときに供給を止めるだけで反応の材料がそれ以上増えません。二又試験管とは規模も設備もまったく違いますが、反応物の触れさせ方を人が握っておく発想は共通で、事故の型は化学プラントの暴走反応事故から学ぶで詳しく読めます。

ガラス器具の材質:ホウケイ酸ガラスが選ばれる理由

実験台に並ぶ洗浄済みのホウケイ酸ガラスの試験管とフラスコ

二又試験管をはじめ、いまの実験用ガラス器具のほとんどはホウケイ酸ガラスでつくられています。代表的な組成は二酸化ケイ素が約80%、酸化ホウ素が約13%です。

ISO 3585は、20〜300℃の平均線膨張係数が(3.3±0.1)×10−6 K−1のガラスを「ホウケイ酸ガラス3.3」と規定しています。この膨張係数は、窓や瓶に使うソーダ石灰ガラスの約3分の1と小さく、温度が急に変わっても割れにくいのが一番の特長です。

反応で発熱したり、洗ったあと乾燥器で乾かしたりする器具には、この熱の変化への強さが欠かせません。

図6:ホウケイ酸ガラスとソーダ石灰ガラスの比較

実験器具に求められる「熱の急変」と「薬品」への強さで、ホウケイ酸ガラスが選ばれます。

観点
ホウケイ酸ガラス
ソーダ石灰ガラス
主な成分
二酸化ケイ素 約80%、酸化ホウ素 約13%
二酸化ケイ素に、酸化ナトリウム・酸化カルシウム
線膨張係数
(3.3±0.1)×10−6 K−1(20〜300℃、ISO 3585)
ホウケイ酸ガラスの約3倍
急な温度変化
割れにくい。加熱する器具に使える
割れやすい
薬品への強さ
酸に強い(耐酸性クラス1)。フッ化水素酸・熱いリン酸・熱く濃いアルカリには侵される
ホウケイ酸ガラスより弱い
主な用途
試験管・フラスコなどの実験器具、耐熱の食器
窓ガラス・瓶・食器

※膨張係数はISO 3585、組成はLabboxの製品仕様とWikipedia「Borosilicate glass」、膨張係数の比もWikipediaによります。

酸への耐性も高く、ISO 3585は耐酸性をISO 1776の試験で定めており、メーカーの仕様では最良のクラス1です。一方で、フッ化水素酸、高温のリン酸、濃く熱いアルカリはガラスの表面を侵すので、これらを扱う反応ではプラスチックなど別の材質の器具を選びます。

なかでもフッ化水素はガラスの成分の二酸化ケイ素と反応して溶かすため、ガラスの目盛り付けやつや消しに使われるほどで、しくみはフッ化水素の性質とガラスとの反応にまとめています。

試験管そのものも、米国のASTM E982などの規格で、ホウケイ酸ガラス製とソーダ石灰ガラス製が区別されています。加熱する、薬品に長く触れる、繰り返し洗って使う器具ほど、ホウケイ酸ガラス製を選ぶ理由がはっきりします。

二又試験管のよくある質問

二又試験管のどちらに固体を入れますか?

突起(くびれ)のある側の枝に固体、突起のない側に液体を入れます。突起は液を戻すときに固体をせき止めるので、逆に入れると固体と液が離れず、発生を止められません。

粉末の固体は使えますか?

向きません。粉末は突起のすき間をすり抜けて液体の枝へ流れ込み、戻しても液に浸かったままになるので、気体の発生を止められなくなります。

二又試験管とキップの装置はどう違いますか?

どちらも固体と液体を離して反応を止める器具ですが、二又試験管は手で傾けて液を移す小型の器具です。キップの装置は活栓を閉じると気体の圧力で液が押し戻されるので、多めの気体を何度も出し止めできます。

加熱が必要な反応にも使えますか?

使いません。二又試験管は加熱しなくても進む固体と液体の反応のための器具で、加熱が要る反応は、加熱できる丸底フラスコなどの装置で行います。

中に何を入れたか分からなくなったときは?

突起の位置を見れば固体を入れる枝は分かりますが、中身が分からない試験管は傾けて試さないことが先決です。入れた人や実験の責任者に試薬を確かめ、分からなければ未知の廃液として扱います。

まとめ

この記事のまとめ
  • 二又試験管は、突起のある枝に固体、もう一方に液体を入れ、傾けて液を固体側へ流すと気体が出て、逆に傾けて戻すと止まる
  • 突起(くびれ)は、液を戻すときに固体をせき止める柵。粉末はすり抜けるので、粒や塊の固体を使う
  • 栓は口を密閉するのではなく、ガラス管で気体の出口を残す。ゴム管のねじれや折れも圧力で栓が飛ぶ原因になる
  • キップの装置は活栓で何度も出し止めでき、三角フラスコ+滴下漏斗は加える量で調節できるが途中で止められない。加熱が要る反応には丸底フラスコの装置を使う
  • 水素は火気、硫化水素は排気と吸収が要点。器具はホウケイ酸ガラス製が主流で、フッ化水素酸などには使えない

二又試験管は、傾ける向きだけで反応を始めたり止めたりできる、単純でよく考えられた器具です。反応物を離して止める考え方は、キップの装置にも、工場で原料の加え方を管理する反応器の運転にも通じています。

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プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

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