CT変換器とは、変流器(CT)から受けた交流電流を、4〜20mAなどの監視用信号へ変える機器です。大電流を小さくするCTと、信号を監視装置へ渡す変換器を分けると、原理と選定の条件が整理できます。
たとえば電力ケーブルの100AをCTで5Aへ変え、変換器で直流信号にしてPLCへ送ります。途中のどこでも同じ電流が流れるわけではなく、CT比と変換器の入出力レンジを対応させることが要点です。
CT変換器の役割、巻数比の原理、電流監視の用途、負担の計算と選定の順で見ていきます。二次側を開放してはいけない理由と、PLCの電力計測ユニットを使う場合の違いも整理します。
CT変換器とは?
CTはCurrent Transformerの略で、日本語では変流器と呼びます。一次側の電流をそれに比例する小さな交流電流へ変え、計器や変換器が受けられる大きさにするための機器です。
一方のCT変換器は、交流電流変換器や電流トランスデューサとも呼ばれます。CTの二次側に接続し、電流の大きさを直流の電流・電圧信号に置き換えて、監視や記録に使いやすくします。
盤図で「CT」とだけ書かれていると、ケーブルに付ける変流器なのか、盤内の変換器まで含めるのかが曖昧になります。機器記号と形式、入力・出力の単位を追うと、どちらを指すかを区別できます。
工場の電源回路では、数十Aや数百Aの電流を測定する場面があります。その電流を遠くの指示計や制御装置へそのまま引き回さず、計器用の回路へ変換して扱うことにCTの役割があります。
CTと変換器の構成は、監視する機器ごとに選びます。ポンプの運転状態を読む場合は、電流の増減が負荷とどう関係するかをポンプの電流値が高い時と低い時から押さえると、測定する目的が明確になります。
一次導体の電流をCTで小さくし、その交流電流を変換器で直流の監視信号へ変えます。
※機能を示す模式図です。実際の端子番号、極性、接地、保護部品は採用機種の接続図に従います。
CTとVT、電流と電圧の変換を分ける
CTは電流の測定に使い、VTはVoltage Transformerの略で計器用変圧器を意味します。どちらも計器用変成器ですが、入力の扱いと二次側の使い方が違うため、同じ配線方法では扱えません。
CTの二次側は、計器などを接続した低いインピーダンスの回路として使います。VTの二次側は電圧を受ける回路であり、CTの開放防止とVTの短絡防止は別の注意事項です。
電流の監視信号をPLCへ送るとき、受信側ではアナログ入力を使います。機器から見れば出力、制御盤から見れば入力になる関係は、DI/DO・AI/AOの違いと同じ考え方です。
変換器の出力が1〜5Vなのに、PLC側を4〜20mAの設定にすると、値は正しく対応しません。ケーブルがつながっていることだけで判断せず、形式コードと入力回路、設定レンジまで照合します。
直流電流を測りたい場合は、交流用CTの巻数比の説明をそのまま当てはめられません。測定対象が交流か直流かを最初に分け、直流対応の電流センサと変換方式を選ぶことが出発点になります。
二段階のレンジを一次電流へ換算する
CTの銘板が200/5Aなら、定格一次電流200Aに対して定格二次電流5Aを対応させます。変換器が0〜5Aを4〜20mAへ変える場合、一次側0〜200Aが監視側の4〜20mAに相当します。
この構成で一次側に80Aが流れたとすると、定格の40%なので二次側は2Aになります。変換器の出力は16mAの幅の40%を4mAへ加えた値で、10.4mAです。
受信側は、この10.4mAを80Aと表示するようにスケーリングします。CTを100/5Aへ交換したのに表示設定を0〜200Aのままにすると、表示が実際の二倍になるため、CT比変更時は設定も追います。
ゼロ電流に対応する出力が4mAなら、4mAは運転電流ゼロという正常な測定値です。断線や電源断をどう判定するかは受信設定と機器仕様に基づき、4mAという値だけで異常扱いしません。
4mAを下限に置く意味や、電流ループの基本は4〜20mA信号を使う理由で詳しく整理しています。CTのAと監視信号のmAを、図面と設定表の両方で分けることが大切です。
CT変換器の原理
CTは、交流電流で生まれる磁束の変化を二次巻線へ伝える原理を使います。一次側の電流が変化すると鉄心の磁束も変わり、つながった二次側の回路に交流電流が流れます。
貫通形CTでは、穴の中へ通す電力ケーブルが一次側の巻線に相当します。ケーブルを一回通す構成なら一次巻数は一巻と考え、鉄心に巻いた二次巻線との巻数比で電流を変成します。
CTの二次側に流れるのは、一次側と対応する交流電流です。これを直流の統一信号へ変える演算や出力回路はCT変換器の仕事で、磁気的な変成と電子回路による変換を分けて理解します。
環状鉄心を用いた貫通形の模式図です。中央の丸と点は手前へ貫通する一次導体で、一回の貫通が一次一巻に相当します。
※巻き方と巻数を簡略化しています。取付け・接続を指示する図ではなく、現物作業は採用機種の手順に従います。
巻数比から一次・二次電流を求める
理想的なCTで励磁電流を無視すると、一次と二次のアンペアターンが釣り合う関係になります。一次電流と一次巻数の積が、二次電流と二次巻数の積に等しいという近似です。
一次一巻、二次二十巻の理想例なら、二次電流は一次電流の二十分の一です。100Aの入力に対して5Aとなる関係で、100/5Aという定格比のCTを理解する基礎になります。
実際のCTには、磁束を作るための励磁電流や鉄心の特性による誤差があります。比の式だけで精度まで保証できるわけではなく、定格負担と使用条件の範囲内で使うことが必要です。
貫通回数を増やせば、一次側のアンペアターンも変わります。電線を穴へ複数回通した構成は、一回貫通の設定と同じ換算では読めないため、採用する構成と表示のCT比を一致させます。
変成器の基本は、メーカーのエムジー「CTについて」でも説明されています。式の近似を学ぶ資料と、採用する型式の仕様書を併用して設計します。
実効値を取り出す変換器の役割
交流電流は一周期の間でも大きさと向きが変わるため、そのまま一つの直流値にはなりません。変換器は入力波形から電流の大きさを表す値を取り出し、監視側で扱う信号へ変換します。
実効値は、抵抗に流したとき同じ発熱を生む直流電流に対応する値です。波形の最大値であるピークとは違うため、実効値のトレンドを見ているのか、瞬間のピークを見ているのかを区別します。
整流平均値を測って正弦波の実効値へ換算する方式と、真の実効値を演算する方式では、ひずんだ波形の扱いが異なります。測る回路の波形に合わせ、仕様書の演算方式と適用周波数を選びます。
真の実効値方式にも、測定できる波形や周波数の範囲が仕様で定められています。インバータ回路などでは、対応周波数や許容入力を含め、CTと変換器の両方の適合性を照合します。
信号がPLCへ届くまでには、変換器の応答とPLCの取込み周期も関係します。短い突入電流を捕まえる目的なら、定常電流をゆっくり監視する構成とは別に、必要な時間分解能から機器を選びます。
一次通電中にCT二次側を開放しない
CTで特に重要なのは、一次電流が流れている状態で二次側を開放しないことです。二次巻線の端子に高電圧が生じ、絶縁破壊や焼損、感電につながるおそれがあります。
計器を外しても一次の負荷電流は流れ続けるため、普通の電圧信号線と同じ感覚では外せません。保守や交換は停電と安全確保を前提に、有資格者など作業に必要な権限を持つ担当が設備の手順に従います。
プラグイン形のCT変換器には、本体をソケットから抜く際の開放を防ぐCTプロテクタを備えた製品があります。ただし内蔵か外付けか、付属か別手配かは機種と仕様コードで異なります。
保護部品があっても、二次配線のどこでも外せるわけではありません。保護の対象となる位置を接続図で読みます。
※四角は保護機能の概念表示で、常時短絡する配線ではありません。取付けや交換は停電・設備手順に従います。
プロテクタが保護する箇所よりCT側の配線を切れば、その保護は役立ちません。図面には保護部品の形式と取付位置を残し、本体だけ交換すれば安全が保たれるという思い込みを避けます。
CT用の開放防止という考え方をVTへそのまま持ち込むと、短絡事故につながり危険です。VT二次側の短絡は過大電流の原因になるため、電流回路か電圧回路かを端子と接続図で区別します。
停止した機器の盤でも、制御電源や別系統から電圧が来る構成があります。安全な隔離を考える際は、ロックアウト・タグアウトの考え方に沿い、対象設備の全エネルギー源を整理します。
CT変換器を設置する目的は?

CT変換器を使う主な目的は、負荷電流を監視装置へ取り込み、運転状態の変化を記録することです。盤面の電流計を人が読むだけでなく、トレンドとして残すと、運転条件との関係が見えてきます。
電流が流れているかを見ると、運転指令に対して実際に通電したかを照合できます。負荷が急に変わった場合や、通常より高い状態が続く場合も、異常を調べるきっかけになります。
電流から分かるのは、機械やプロセスの状態を反映した結果です。増加を見つけたら、流量や圧力、回転数などと合わせて、負荷変化と機械的な異常を切り分けます。
- 通電・停止と運転指令の照合
- 定常負荷の増減と過負荷傾向の監視
- 始動時の変化や異常ピークを記録する構成の検討
- 噛み込み、摩耗などを調べるための状態データ収集
- 複数機器を同じ監視装置へ集約した稼働管理
正常な始動時の増加と、運転中に負荷が変わった場面では意味が違います。運転の時刻と重ねて読みます。
※数値のない説明用トレンドで、特定機器の実測ではありません。短いピークの記録には、CT・変換器・記録側の応答が対応する構成を選びます。
異常の兆候と原因の断定を分ける
ギアの損傷や異物の噛み込みで機械負荷が増えると、モーター電流にも変化が現れることがあります。ただし電流増加だけで故障箇所が決まるわけではなく、運転条件と他の測定値を合わせて判断します。
たとえばポンプの電流が変わったときは、弁開度や流量が変わっていないかも見ます。処理量の増加で正常に負荷が上がった場合と、機械的な抵抗が増えた場合では、対応が違うためです。
比較するデータは、同じ機器の同じ運転条件でそろえると意味が明確になります。回転数や製品条件が違う日を一つの警報値で判定すると、正常変化を異常として扱う原因になります。
電流の監視は、振動や温度などと組み合わせると状態の説明力が上がります。何を測るかは予知保全センサーの選び方を参考に、検出したい故障の現れ方から決めます。
警報値を設定したら、出した警報と実際の点検結果を対応させて残します。誤警報や見逃しの原因を追い、条件ごとの基準を整えることで、単なる電流表示から保全に使える情報へ近づきます。
電流監視と電力・電力量の測定は違う
CT変換器だけで電流を測っても、その値から有効電力が一意に決まるわけではありません。交流の有効電力は電圧や力率にも関係するため、待機電力を把握したい場合は電力を測る構成が必要です。
電流が小さい設備ほど省エネとは、設備条件をそろえずには判断できません。同じ仕事量で比べるのか、同じ時間で比べるのかを決め、測定値が何を表しているかを先に整理します。
電力はその時点のエネルギーの使用速度、電力量は時間にわたり積み上げた使用量です。電流のトレンドを積算した値を、そのまま電力量のkWhと読まないように単位を分けます。
回路全体の電力を管理する場合は、電圧と電流を同じ回路から取り込む計器を使います。単相・三相などの相線式に対応した接続が必要で、電流一入力の変換器とは機能と配線の範囲が異なります。
省エネの効果を見たい場合は、計測地点と生産量などの比較条件もそろえます。測定から改善へ進む流れは工場の省エネとエネルギー管理にまとめています。
PLCの専用計測ユニットを使う方法
PLCには、専用の電流センサから信号を受ける電力計測ユニットもあります。これを使う構成では、外付けの4〜20mA変換器を経由せず、計測した値をPLCで扱える場合があります。
三菱電機のMELSEC iQ-Rシリーズにも、電流や電圧、電力などを扱う専用ユニットが用意されています。専用センサの接続と、一般的な5A二次CTの接続は同一ではないため、指定の組合せで設計します。
既設CTの二次電流を使う場合は、対応する専用センサを介した二段構成になる製品例があります。「PLCに直結」という言葉だけを見て、一般のアナログ入力へCT二次の5Aを入れないようにします。
従来シリーズを調べる入口として、MELSEC-QのCPU製品情報も参照できます。計測機能の可否やセンサ条件は、CPUの概要ではなく採用ユニットの仕様書で判断します。
変換器を個別に置くか専用ユニットへ集約するかは、点数と保守の範囲でも変わります。既設設備への後付けでは、既存の計測回路へ影響を与えず、必要な信号を取り出す方法から検討します。
CT変換器の選定方法
選定は、一次側で何を測るか、CTでどこまで変成するか、変換器から何を出すかの順で整理します。最後に二次回路の負担と安全、受信側の条件を照合すると、途中の単位違いを見つけやすくなります。
CTの定格だけを決めても、変換器の入力が一致していなければ使えません。逆に変換器が合っていても、配線や計器を含む使用負担がCTの条件を超えると、規定どおりの精度を期待できなくなります。
一次定格と二次入力を合わせる
一次定格は、通常の負荷電流だけでなく、最大負荷や始動時に何を記録するかを踏まえて決めます。大きい定格を選ぶほどよいわけではなく、普段の測定値がレンジのどこに来るかも見ることが必要です。
CTの二次定格には5Aや1Aがあり、変換器の入力仕様もそれに合わせます。盤の改造で1A品へ変える際は、CTだけ交換せず、接続する計器と変換器が1A入力に対応するかを一式で見直します。
貫通穴の大きさや取付け方式は、通せる導体の太さと盤内スペースへ影響します。定格が同じでも一体形と分割形で施工条件が違うため、既設導体をどう扱うかまで含めて計画します。
電流の測定用と保護用では、求められる特性や用途が異なります。監視用の変換器で表示できることを根拠に、過電流保護まで代用できると考えず、用途に適合する構成を選びます。
過負荷を監視して停止させる装置との関係は、ショックリレーの役割でも整理しています。監視データを記録する回路と、設備を保護する機能は目的を分けて設計します。
CTの定格負担と使用負担を計算する
CTには10VA、15VA、40VAなどの定格負担があり、規定の特性を満たす二次側の負担条件を表します。計器や変換器と往復配線の負担を合計し、メーカー指定の負担範囲と力率条件に照らします。
負担はVAで表し、二次電流と回路のインピーダンスに関係します。抵抗だけの回路とみなせる例では、電流の二乗に合計抵抗を掛けると、必要なVAを求められます。
たとえば100/5AのCTで100Aを測り、計器と配線の合計抵抗を2Ωと仮定します。二次電流5Aを流すために10Vを要し、負担は50VAとなる計算です。
この構成は、定格負担10VAのCTでは指定範囲を超えてしまいます。負担の大きいCTへ替えるだけでなく、配線長を短くする、計器構成を見直すなど、回路全体から原因を減らします。
計器や変換器の仕様に入力負担がVAで示されている場合は、その値を使って合計します。定格電流での入力負担を抵抗へ換算する際も、配線抵抗と単位を混ぜないように整理します。
往復配線と1A・5Aの違いを読む
CTから変換器まで片道だけの長さを使うと、配線負担を小さく計算してしまいます。二次電流が往復する回路の長さを使い、途中の端子や接続する機器も含めて条件をそろえます。
導体抵抗がΩ/kmで示される場合、長さをmで入れるなら単位換算が必要です。採用ケーブルの仕様書から抵抗を取り、温度など計算条件をそろえて、計器の入力負担と合算します。
同じ抵抗の配線に流す電流を5Aから1Aへ変えると、配線の負担は二十五分の一です。電流の二乗で効くためで、遠隔計測で1A系を検討する理由の一つになります。
往復配線の合計抵抗を0.2Ωと仮定した比較です。ここでは計器や変換器の入力負担を別にしています。
※1A化ではCT・計器・変換器の入力定格をそろえます。5A用の機器をそのまま残してよいという意味ではありません。
一方、4〜20mAの出力側では、受信抵抗と配線抵抗の合計が変換器の許容負荷を満たす必要があります。こちらはCT入力の定格負担とは別の条件で、同じ「負荷」という言葉でも回路を分けて扱います。
1〜5Vの電圧出力では、受信側の入力抵抗が低すぎると出力へ影響します。電流入力と電圧入力の違いは4〜20mAと1〜5Vの信号変換も参考に、出力仕様と受信仕様を対にして見ます。
入出力以外の条件も仕様書で照合する
変換器を駆動する補助電源は、測る電力回路とは別に必要な機種があります。盤の電源が直流か交流か、電圧が合うかを調べ、入力5Aという条件だけで形式を決めないようにします。
入力、出力、電源の絶縁条件も、接続する装置と設備の使用条件に合わせます。定格耐電圧という一つの数値を見て、設置する回路の全条件に適合すると判断しないことが重要です。
盤内の温度や密着取付け、周囲の磁界も測定へ関係するため、取付け条件を仕様書から拾います。盤を閉じた状態の使用環境を考え、機器単体を室温で置いた条件だけで選定しません。
電流表示の精度は、CT、変換器、受信側それぞれの特性を経て決まります。表示桁が多くても系全体の精度が同じだけ高いとはいえず、必要な判定精度から各段の条件を確認します。
一次側、CT二次側、直流出力側、機器の設置条件に分けると、負担と負荷の取り違えを防げます。
| 見る範囲 | そろえる仕様 | 主な照合先 |
|---|---|---|
| 一次側 | 交流・直流、電流範囲、周波数、導体 | 回路条件・CT仕様 |
| CT二次側 | 5A/1A、使用負担、極性、保護 | CT・計器・変換器の接続図 |
| 直流出力側 | mA/V、許容負荷、受信レンジ | 変換器・PLC入力仕様 |
| 機器・盤内 | 電源、絶縁、温度、取付け、応答 | 形式コード・使用条件 |
※計器用CTの一般的な確認例です。規格適合や作業条件を含む最終選定は、採用機種と設備の要求に基づきます。
試運転では換算値と実電流を対応させる
試運転で見るのは、信号が動くかだけでなく、一次電流と表示が対応しているかです。CT比、変換器の入力・出力、PLCの下限・上限を一枚の設定表へまとめて照合します。
停止時と運転時の値を比べ、指令と計測の時刻を合わせると、タグの取違いも見つけやすくなります。隣のモーターを動かしたのに対象タグが変化する場合は、設定や結線の対応から調べます。
値のずれが一定の倍率ならCT比やスケーリング、下限側からのずれならゼロ点や出力レンジが手掛かりになります。原因を一つに決めつけず、どの段階からずれているかを順に切り分けます。
信号試験のためにCT二次線を安易に外すことは避けます。設備の隔離と承認された試験方法を前提に、電力回路の計測と監視入力の模擬試験を分けて実施します。
取付け後の図面と設定値は、交換や増設に備えて完成記録へ残します。センサだけの更新で表示倍率が変わることもあるため、制御盤設計の手順に沿って、試験と図書の更新まで結び付けます。
CT変換器のよくある質問
CT変換器とCTセンサーは同じものですか?
通常は役割が異なり、CTは電流を変成し、変換器はその電流を監視装置へ渡す信号に変えます。センサと変換回路を一体にした機器もあるため、名称だけで判断せず、入力と出力の仕様で区別します。
CTの二次側を開放すると、なぜ危険ですか?
一次電流が流れたまま二次回路を開くと、二次端子に高電圧が生じ、絶縁破壊や焼損のおそれがあるためです。計器交換は停電・設備手順を前提にし、保護部品がある場合もその取付けと保護範囲を把握します。
5A用と1A用のCT変換器は置き換えられますか?
CTの二次定格と変換器の入力定格が一致する構成へ、計測回路全体を変更します。配線負担は1A系で小さくなりますが、接続する計器、CT比、監視側の表示設定まで合わせて見直します。
CT変換器の電流値から消費電力を求められますか?
電流だけでは有効電力を一意に求められず、電圧や力率などの条件も必要です。待機電力や電力量を把握する目的なら、対象回路の相線式に対応する電力計測機器を使います。
電流のピークが記録に出ないのは故障ですか?
変換器の応答や記録周期より短い変化なら、ピークを十分に捉えられない場合があります。故障の判断前に、実効値か波形瞬時値か、各段の応答と更新周期が目的に合うかを照合します。
PLCにはCTをそのまま接続できますか?
専用の電力計測ユニットと指定の電流センサを組み合わせる構成なら対応する製品があります。一般の4〜20mA入力へCT二次の5Aを直接接続する意味ではなく、ユニットの指定接続に従います。
まとめ
- CTは一次電流を小さな交流電流へ変え、CT変換器は監視用の直流信号へ変える
- 巻数比の式はCTの近似で、CT比・入出力レンジ・表示設定を対応させる
- 一次通電中のCT二次開放は危険で、保護部品の有無と範囲を機種ごとに把握する
- 電流監視は稼働や負荷の変化に役立つが、電力測定や故障原因の断定とは分ける
- 定格負担、往復配線、出力負荷、補助電源と受信条件を一式で選定する
計測系を一次電流、CT二次電流、直流信号の三つに分けると、仕様や設定の取り違えを減らせます。保全へ使う際は時間基準と状態基準の設備保全も踏まえ、測った変化を点検と判断へつなげます。
出典
出典・参考資料(5件)を開く出典・参考資料を閉じる
- 利昌工業「変流器(CT)選定のポイント」:定格負担の値、確度階級と用途の区別
- 横河計測「ディジタルマルチメータの使い方」:整流平均値と真の実効値の違い
- 横河計測「単相電力計と電力基礎知識」:実効値・電力・力率の関係
- オムロン「監視リレー アプリケーションガイド」:異物の噛み込みと過負荷電流の監視
- 横河電機「MCT7 取扱説明書」:配線時の電源遮断とCTプロテクタの取扱い
- エムジー「CT変換器(CE対応形、実効値演算形)」仕様書:変換器の入出力と製品例
- 富士電機テクニカ「CTの二次側をオープンにしてはいけない理由」:CT開放とVT短絡の危険
- 富士電機テクニカ「変成器の定格負担」:計器と二次配線の負担
- 富士電機テクニカ「二次電流5A品と1A品の違い」:遠隔計測と配線負担
- 横河電機「MCT7 CT信号変換器」仕様書:保護部品、入力・出力・使用条件の機種例
- 三菱電機「計器用変成器」カタログ:CTの選定項目
- 三菱電機「MELSEC iQ-Rシリーズ 電力計測ユニット」:専用センサと既設CTを使う構成
NEWSLETTER
機械設計・プラントエンジニアリングの記事を、週1回まとめてメールで受け取る
週刊MONOSCOPEは、登録時に選んだ職種・業種に合わせた記事を週1回お届けする無料のメルマガです。
機械設計を選んだ状態で登録へ ›無料・週1回。登録後に届く確認メールのリンクを押すと登録が完了します。配信はメール内のリンクからいつでも停止できます。
WEEKLY NEWS
今週の製造業ニュース10選
メルマガは職種・業種に合わせた記事。LINEとnoteでは、全員共通の10本を毎週土曜の朝にお届けします。
LINEでニュース10選を受け取るnote今週のニュース10選をnoteで読む ›
