三菱ケミカルはどんな会社か|利益の柱・強み・事業再編を決算で読む

作業台に積み重ねた透明なアクリル板の断面

三菱ケミカルグループは、樹脂・フィルム・炭素繊維などをつくる化学事業と、酸素や窒素を供給する産業ガス事業を持つ素材の企業グループです。2026年3月期の連結の数字を見ると、本業の利益を示すコア営業利益2,250億円のうち約9割を産業ガスが稼いでいました。

社名から想像する化学の事業は売上の6割を占める一方で、利益はわずかでした。そこで会社は医薬品子会社の売却やコークス事業からの撤退を進め、化学を再び稼ぐ柱に戻す計画を走らせています。

この記事では、事業構成と利益の偏り、強み、業績、事業再編、中期経営計画を決算資料やニュースリリースから整理します。最後に、就職・転職先と取引先の目線で確認したい点もまとめます。

目次

三菱ケミカルはどんな会社か

「三菱ケミカル」という名前で呼ばれる会社は2つあります。東証プライムに上場する持株会社の三菱ケミカルグループ株式会社(MCG)と、その100%子会社で化学品を実際につくって売る事業会社の三菱ケミカル株式会社です。

持株会社のMCGは2005年に設立され、連結の従業員は56,678人、関係会社は489社にのぼります(2026年3月31日現在)。事業会社の三菱ケミカルは2017年に三菱化学・三菱樹脂・三菱レイヨンの3社が統合して発足し、創業は1933年までさかのぼります。

MCGの下には、産業ガス大手の日本酸素ホールディングス(旧大陽日酸)も入っています。MCGは同社の議決権の50.7%を持つ親会社で、産業ガスの売上・利益はグループ連結の数字にまとめて入ります。

図1:三菱ケミカルグループの構造

上場しているのは持株会社で、その下に化学と産業ガスの2つの事業の柱があります。

三菱ケミカルグループ株式会社(MCG)持株会社。東証プライム上場。グループ全体の戦略と資源配分を担う
100%・50.7%
三菱ケミカル株式会社化学の事業会社(100%子会社)。連結36,223人。樹脂・フィルム・MMA・炭素繊維・基礎化学品
日本酸素ホールディングス産業ガスの上場子会社(議決権50.7%)。旧大陽日酸
2025年7月に譲渡
田辺三菱製薬(現 田辺ファーマ)医薬品事業。ベインキャピタル傘下へ移り、グループを離れた

※人数は2026年3月31日現在、議決権比率は日本酸素ホールディングスの2026年6月の開示によります。

2025年7月までは、医薬品の田辺三菱製薬も100%子会社でした。化学と医薬の相乗効果が十分に出なかったとして、MCGは2025年2月に同社を約5,100億円で米投資会社ベインキャピタルへ譲渡すると決め、グループは化学と産業ガスの2本柱になりました。

化学業界の中での位置づけは「総合化学」と呼ばれる大手の一角です。総合化学と機能性化学の違いや業界全体の分類は、化学業界の企業の種類と仕事の流れで整理しています。

事業構成と売上・利益の柱

2026年3月期の連結売上収益は3兆7,040億円でした。事業は「ケミカルズ事業」の3セグメントと「産業ガス」の計4つに分かれ、ケミカルズ事業の合計は2兆3,515億円と全体の6割強を占めます。

一方でコア営業利益(本業の利益から一時的な損益を除いたもの)を見ると、順位はまったく変わります。産業ガスが2,007億円を稼いだのに対し、ケミカルズ事業の合計は243億円にとどまり、売上の大きさと利益の柱が一致していません。

図2:セグメント別の売上収益とコア営業利益(2026年3月期)

売上はスペシャリティマテリアルズと産業ガスが大きく、利益は産業ガスに集中しています。

売上収益
産業ガス
1兆3,525億円
スペシャリティマテリアルズ
1兆596億円
ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ
7,907億円
MMA&デリバティブズ
3,519億円
コア営業利益
産業ガス
2,007億円
スペシャリティマテリアルズ
323億円
ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ
42億円の損失
MMA&デリバティブズ
15億円の損失

※棒の長さは各項目の最大値(産業ガス)を100としたときの比率。ケミカルズ事業の合計(売上2兆3,515億円、コア営業利益243億円)には、3セグメント以外の事業も含まれます。

図3:グループのコア営業利益を10としたときの内訳

10のうち9を産業ガスが稼ぎ、化学の事業は残りの1ほどでした。

連結コア営業利益2,250億円のうち、産業ガスが2,007億円(約89%)

※2026年3月期、三菱ケミカルグループの連結の数字です。事業会社の三菱ケミカル単体の利益構成ではありません。

ただし、この偏りは化学の事業が赤字体質だという意味ではありません。2026年3月期は英国の設備の減損やMMA市況の下落が重なった年で、中期経営計画の策定時には、MMAのサブセグメントだけで2024年度に430億円のコア営業利益を見込んでいました。

スペシャリティマテリアルズ

機能性フィルムや高機能樹脂、炭素繊維とその複合材料、半導体関連の材料を扱う、ケミカルズ事業の中で最も大きなセグメントです。中身はフィルム・樹脂、各種ソリューション、コンポジット・成形品の3つのサブセグメントに分かれます。

2026年3月期は売上1兆596億円とほぼ横ばいでしたが、コア営業利益は前期比35%増の323億円に伸びました。半導体関連製品の値上げや、半導体製造装置に使うエンジニアリングプラスチックの需要増、炭素繊維の複合材部品の販売増が効いています。

MMA&デリバティブズ

MMA(メタクリル酸メチル)は、透明なアクリル樹脂や塗料、接着剤の原料になる化学品です。三菱ケミカルは自社の製品サイトで、MMAとメタクリル酸の「グローバルトップメーカー」と説明しています。

ただ市況の影響を受けやすく、2026年3月期は売上が16%減の3,519億円、コア営業損益は15億円の損失でした。中国の大規模な増設でアジアの競争が厳しくなり、MMAモノマーの値下がりと塗料・接着剤向けの需要減が重なったためです。

ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ

ナフサ(粗製ガソリン)を分解してエチレンなどの基礎化学品をつくり、ポリオレフィンなどの樹脂に加工する部門と、製鉄向けのコークスなどを扱う炭素の部門からなります。石油化学コンビナートを土台にした、グループの「川上」の事業です。

2026年3月期の売上は20%減の7,907億円、コア営業損益は42億円の損失でした。子会社の株式譲渡やコークスの生産縮小で売上が減った一方、樹脂の原料と製品の価格差が広がり、損失の幅は前の期より縮みました。流れの全体像は化学業界のサプライチェーンと利益構造で図解しています。

産業ガス

日本酸素ホールディングスが担う、酸素・窒素・アルゴンなどの産業ガスの事業です。製造業をはじめ幅広い顧客にガスを供給し、2026年3月期は売上1兆3,525億円、コア営業利益2,007億円でともに前期を上回りました。

国内外で販売量は軟調でしたが、地域ごとの価格の見直しとコスト削減で利益を伸ばしています。欧州のプラントエンジニアリング会社や、オーストラリア・ニュージーランドの産業ガス事業を買収して連結したことも、売上の上積みにつながりました。

三菱ケミカルの強み

作業台に広げた炭素繊維の織物と成形した炭素繊維板

三菱ケミカルが取引先から選ばれる理由を、公開資料で確かめられる事実から4つに絞って整理します。

図4:三菱ケミカルグループの4つの強み

化学の幅広さと、景気に左右されにくい産業ガスの両方を持つのが特徴です。

MMAの世界大手複数の製法と世界の拠点を持つグローバルトップメーカー
素材の幅基礎化学品から樹脂・フィルム・炭素繊維まで自社で手がける
半導体向け材料装置用エンプラ、研磨材原料、パッケージ材料に広がる
産業ガスの安定収益2026年3月期のコア営業利益2,007億円を稼いだ

※「グローバルトップメーカー」は三菱ケミカルの製品サイトの表記です。

MMAで複数の製法と世界の拠点を持つ

三菱ケミカルは自らを「複数のMMA製造技術を有し、グローバルに拠点を展開するMMAメーカー」と説明しています(2026年3月のリリース)。製法が違えば使う原料も変わるため、原料価格や立地に合わせて拠点を選べる点が、市況の波が大きいMMAで効いてきます。

いまは中国の増設で競争が厳しく、会社は競争力の高い拠点への集約を進めている段階です。2026年3月には台湾の製造合弁から手を引き、拠点の絞り込みに踏み出しました。

川上から川下まで素材の幅が広い

エチレンなどの基礎化学品から、ポリオレフィン、機能性フィルム、エンジニアリングプラスチック、炭素繊維と複合材料まで、素材の層をまたいで製品を持っています。炭素繊維は比重が鉄の4分の1で、軽さと強さが求められる自動車部品やスポーツ用品に使われます。

取引先から見ると、樹脂の選定から複合材の設計まで1社に相談できるのが利点です。3社統合で樹脂・フィルム・繊維の技術が1つの会社に集まったことが、この幅の土台になっています。

半導体・データ通信向けの材料

スペシャリティマテリアルズの増益を支えたのは半導体関連でした。2026年8月には、最先端の半導体の研磨に使う超高純度コロイダルシリカと、半導体パッケージの反りを抑える負膨張フィラーの事業化を相次いで発表しています。

負膨張フィラーは、三菱ケミカルが培ってきた無機材料の設計技術から生まれた製品です。生成AIやデータセンター向けの投資が続く中で、装置・前工程・後工程のそれぞれに材料を出せることが強みになります。

景気の波に強い産業ガスを持つ

産業ガスは、工場の配管やタンクを通じて長く同じ顧客に供給する商売で、化学品より値動きが小さい傾向があります。2026年3月期も、ケミカルズ事業が市況に押されるなかで2,007億円のコア営業利益を確保しました。

この安定した利益があるため、化学の事業が苦しい年でもグループとして投資を続けられます。中期経営計画でも、産業ガスとケミカルズ事業の協業分野を広げる方針が示されています。

業績の現在地

トレーに並べた白・透明・黒・水色の樹脂ペレット

2026年3月期(2025年4月〜2026年3月)の売上収益は前期比6%減の3兆7,040億円、営業利益は79%減の301億円でした。一時的な損益を除いたコア営業利益は2%減の2,250億円と、本業の利益はほぼ前の期並みを保っています。

営業利益が大きく落ちたのは、コークス・炭素材からの撤退に伴う損失(会社は合計約850億円と見込みました)など、事業を整理するための費用が重なったためです。撤退や減損は一時的な損失で、本業の稼ぐ力とは分けて読む必要があります。

2027年3月期の会社予想は、売上収益3兆8,000億円、コア営業利益3,050億円(36%増)です。2026年4〜6月期の第1四半期はコア営業利益が1,141億円と前年同期のほぼ2倍になり、会社は上期の予想を引き上げました。

一方で、通期の予想は据え置かれています。会社は中東情勢を予想に織り込んでおらず、足元の情勢が9月末まで続けばコア営業利益が約180億円下振れすると試算しました。うち約100億円は、中東に生産拠点を持つMMAで生じると見ています。

ナフサの値上がりも続いています。会社は岡山事業所のエチレン設備を稼働率約8割で動かしつつ、上がった原料費は顧客にもある程度負担してもらう前提です。原油・ナフサ高が樹脂の価格に波及する仕組みは、原油高の製造業への影響で解説しています。

事業再編の流れと選別の考え方

三菱ケミカルグループの20年は、統合と切り離しの繰り返しでした。2005年の持株会社設立、2014年の大陽日酸(現 日本酸素ホールディングス)の連結、2017年の3社統合で事業を広げ、2022年に今の社名になりました。

2024年11月に発表した「中期経営計画2029」で、方向は「広げる」から「選ぶ」へ変わりました。事業を「ビジョンとの整合性」「競争優位性」「成長性」の3つの基準でふるい分け、基準に満たない事業は整理の対象にする方針です。

計画では、2024年度から2029年度にケミカルズ事業で約30件・売上規模約4,000億円の事業を整理・売却するとしています。計画策定までに実行済みの約10件・約2,000億円に続く規模で、2025〜2026年の撤退や譲渡はこの計画に沿った動きです。

図5:手放した事業と、強める領域

市況に左右される事業を減らし、半導体やグリーン化に資源を移しています。

手放した・縮めた
強める・始めた
医薬
田辺三菱製薬をベインキャピタルへ譲渡(2025年7月)
注力領域「新しい治療に求められる技術や機器」で素材・機器の側から関わる
炭素・基礎化学
コークス・炭素材から撤退を決議(2026年2月)。水島のエチレン設備を2030年度めどに停止し大阪へ集約
西日本3社の共同事業体(出資比率は三井化学45%・三菱ケミカル45%・旭化成10%を前提に検討)
樹脂・MMA
台湾のMMA合弁を解消(2026年3月)、生分解性樹脂PBSから撤退(2026年5月)
競争力の高いMMA拠点への集約
半導体・通信
―
超高純度コロイダルシリカ、負膨張フィラー、米NLM社への出資(2026年8〜9月)
物流
三菱ケミカル物流をSBSホールディングスへ譲渡すると決定(2026年9月)
物流機能は協力関係を続けて確保

※各社・各年のニュースリリースと適時開示から作成。日付は発表・決議の時期です。

コークスの撤退理由として会社が挙げたのは、中国の過剰生産やインドネシアの大型設備の稼働による世界的な供給過剰です。コークスについては、品質の優位があっても中長期の成長は難しいと判断し、生産を止める決断に至りました。

エチレンの集約は、西日本の製造設備のグリーン化と生産体制の最適化を目的にしています。3社の合意の中身や樹脂ユーザーへの影響は、次の記事で詳しく扱っています。

中期経営計画2029の目標と注力領域

ラボの台に置いたシリコンウエハと研磨用スラリーの瓶

中期経営計画2029は、2035年のありたい姿「KAITEKI Vision 35」に向けた5年間の計画です。めざす姿として「グリーン・スペシャリティ企業」を掲げ、2035年にはケミカルズ事業の利益をグループ事業の合計より大きくするとしています。

図6:中期経営計画2029の経営数値目標

5年で利益を約2倍、利益率を6%から12%へ上げる計画です。

2024年度(計画策定時の予想)
2029年度(目標)
売上収益
4兆4,700億円
4兆9,500億円
コア営業利益
2,900億円
5,700億円
コア営業利益率
6%
12%
ROIC
5%
8%
スペシャリティマテリアルズのコア営業利益
340億円
1,440億円

※2024年11月13日の経営方針説明会資料より。計画策定時は医薬品事業を含んでおり、譲渡後の数字とは前提が異なります。2035年度のコア営業利益は約9,000億円のイメージが示されています。

利益を伸ばす中心はスペシャリティマテリアルズで、2029年度のコア営業利益を2024年度見込みの約4倍に引き上げる目標です。2026年3月期の実績は323億円なので、計画の達成には、半導体などの高成長領域をどこまで伸ばせるかが問われます。

5つの注力事業領域

会社は、素材の力とものづくりの力を生かせる分野として5つの注力事業領域を定めています。土台になるのは「グリーン・ケミカルの安定供給基盤」で、ほかの4つの領域を原料・素材の面から支える位置づけです。

  • グリーン・ケミカルの安定供給基盤(ケミカルリサイクル、植物由来の化学品など)
  • 環境配慮型モビリティ(軽量化素材、電池・熱マネジメント材料、炭素繊維強化プラスチック)
  • データ処理と通信の高度化(半導体の製造・実装を支える材料)
  • 食の品質保持(包装材など)
  • 新しい治療に求められる技術や機器

2026年に動いた主な取り組み

注力領域ごとに、2026年に入ってから具体的な事業化や出資の発表が続いています。とくに「データ処理と通信の高度化」の動きが目立ち、半導体の前工程と後工程の両方に新しい材料を出す計画です。

図7:2026年に発表された主な取り組み

半導体材料とグリーン化の2方向で、事業化や出資が進んでいます。

超高純度コロイダルシリカ(8月)半導体の研磨剤(CMPスラリー)の原料。北九州市に設備を新設し、2028年10月に営業運転の予定
負膨張フィラー(8月)温めると縮む充填材で、半導体パッケージの反りを抑える。2027年度下期に量産品の販売開始
米NLM社に出資(9月)AIデータセンターの光通信に使う有機電気光学材料の開発会社。社内のベンチャー投資子会社を通じて出資
グリーンケミカル事業推進室(4月)社長直轄で発足。鹿島のプラスチック油化(ケミカルリサイクル)などの事業化を2027年に見込む

※月は発表・発足の時期(2026年)。

コロイダルシリカは、超高純度の原料から一貫生産して不純物を抑え、顧客に合わせて粒子の大きさや密度を調整できる点を売りにしています。同じ研磨材の分野では他社も増強を進めており、CMPスラリーが半導体製造で要る理由とあわせて読むと市場の動きがつかめます。

グリーン化では、2026年10月にJFEスチール・三菱ガス化学と組んだ実証の開始も発表されました。岡山県倉敷市の水島コンビナートで、製鉄所から出る副生ガスをメタノールに変え、そこから樹脂の原料になるプロピレンをつくる流れを9月から試しています。

図8:水島コンビナートでの炭素循環の実証

異なる業種の3社が、製鉄の副生ガスを化学品の原料に変える流れを試しています。

副生ガスメタノールプロピレンJFEスチール三菱ガス化学三菱ケミカル

※2026年9月に開始、10月22日に3社が発表。三菱ケミカルは既設の実証設備でメタノールからプロピレンをつくります。

鹿島で進めるプラスチック油化のように、使用済みの樹脂を化学品の原料へ戻す取り組みも注力領域の柱です。素材の再生方法の違いはプラスチックのケミカルリサイクルで比べています。

働く会社・取引先として見るポイント

机に並んだ色違いの樹脂試験片とノギス

就職・転職を考える人と、購買や営業で付き合う人とでは、確かめたい点が違います。読者ごとに、公開情報から読み取れる点を挙げます。

就職・転職先として見るポイント

事業会社の三菱ケミカルは単独で12,579人が働き、国内の製造拠点は茨城、岡山(倉敷市)、三重(四日市市)、福岡(北九州市)、富山、広島、香川など全国のコンビナートや工業地帯に広がっています。どの事業に配属されるかで、勤務地も扱う製品も大きく変わる会社です。

事業の入れ替えが続いている点も押さえておきたいところです。撤退・譲渡の対象になった事業の従業員への対応は、会社の個別の発表で確かめられます。志望する事業が中期経営計画で「伸ばす側」か「見直す側」かを、決算説明資料で確かめておくと安心です。

一方で、半導体材料やケミカルリサイクルなど、新しい事業の立ち上げが相次いでいます。新規事業に関わりたい人にとっては、配属の希望を伝える際の材料になる動きです。

化学メーカーへの転職も考えたい方へ、求人の探し方と相談先を転職・キャリアガイドにまとめています。

取引先として見るポイント

購買の立場で最も気をつけたいのは、撤退・集約が決まった製品の扱いです。コークス・炭素材、PBS、MMAの一部拠点、水島のエチレンなど、自社が使う品目が対象に入っていないかを早めに確認し、代わりの調達先や品番の切り替えを検討しておくと慌てずに済みます。

逆に、半導体関連の材料やエンジニアリングプラスチック、炭素繊維複合材は会社が伸ばす分野です。営業の立場では、決算説明やニュースリリースの発表を手がかりに、提案を持ち込む余地を探せる領域です。

2026年度はナフサ高が続いており、会社は上がった分の一部を顧客にも負担してもらう前提を示しています。価格改定の時期と幅は、四半期ごとの決算説明で追うのが確実です。

三菱ケミカルのよくある質問

三菱ケミカルの本社はどこにありますか?

持株会社の三菱ケミカルグループと事業会社の三菱ケミカルは、どちらも東京都千代田区丸の内1-1-1のパレスビルに本社を置いています。

三菱ケミカルの株は買えますか?

上場しているのは持株会社の三菱ケミカルグループで、東証プライム市場に証券コード4188で上場しています。事業会社の三菱ケミカル株式会社はその100%子会社のため、株式は市場で売買されていません。

三菱ケミカルと三菱ガス化学は同じ会社ですか?

別々の会社です。どちらも三菱の名を持つ化学メーカーですが、三菱ガス化学は三菱ケミカルグループの傘下ではありません。2026年10月に発表された水島コンビナートの実証でも、独立した参加企業として並びました。

三菱ケミカルは炭素繊維もつくっていますか?

つくっています。炭素繊維の糸の束(トウ)から、樹脂をしみ込ませたシート状のプリプレグ、成形した複合材料まで扱っており、主にスペシャリティマテリアルズのセグメントで扱っています。

まとめ

この記事のまとめ
  • 三菱ケミカルグループは、化学の三菱ケミカルと産業ガスの日本酸素ホールディングスを持つ持株会社
  • 2026年3月期は売上収益3兆7,040億円、コア営業利益2,250億円で、利益の約9割を産業ガスが稼いだ
  • 強みはMMAの世界大手としての地位、素材の幅、半導体向け材料、安定した産業ガスの収益
  • 医薬品の売却、コークスやPBSからの撤退、エチレン集約など、事業の選別が続いている
  • 中期経営計画2029では、半導体やグリーン化を軸に化学の利益を伸ばす方針

三菱ケミカルは、売上の大きさだけでは実像が見えにくい会社です。事業ごとの利益と再編の方向を押さえると、志望先や取引先としての見方がはっきりします。関連する職種では研究開発や購買・調達の仕事が、この会社の変化と深く関わります。

化学業界のほかの企業との比較や、プラントを支える技術者の仕事については、プラントエンジニアの仕事と役割もあわせてご覧ください。

出典

出典・参考資料(18件)を開く出典・参考資料を閉じる

NEWSLETTER

研究開発・化学・樹脂・ゴムの記事を、週1回まとめてメールで受け取る

週刊MONOSCOPEは、登録時に選んだ職種・業種に合わせた記事を週1回お届けする無料のメルマガです。

実際に届くメールの例を見る

件名:今週のあなた向け記事|週刊MONOSCOPE 10/9号
登録内容:品質保証・品質管理 × 食品・医薬・日用品

週刊MONOSCOPEの見本(品質保証・品質管理 × 食品・医薬・日用品)

職種3本・業種3本・製造業で働くすべての方へ2本・今週よく読まれた記事3本が届きます。記事は毎週入れ替わります。ほかの見本を見る

研究開発を選んだ状態で登録へ ›

無料・週1回。登録後に届く確認メールのリンクを押すと登録が完了します。配信はメール内のリンクからいつでも停止できます。

WEEKLY NEWS

今週の製造業ニュース10選

メルマガは職種・業種に合わせた記事。LINEとnoteでは、全員共通の10本を毎週土曜の朝にお届けします。

LINEでニュース10選を受け取るnote今週のニュース10選をnoteで読む ›
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

MONOSCOPEの運営者

プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

▶ お仕事のご依頼はこちら

目次