リレーシーケンスをアニメーションで解説|a・b接点と5つの基本回路

閉じた制御盤の操作面と学習ノートのイメージ

リレーシーケンスの動きをつかむには、入力、リレーコイル、接点、出力を分けて追うことが大切です。ANDは両方の入力で出力ON、ORはどちらかでON、NOTは入力を反転する動作です。

この記事ではa接点・b接点から始め、AND・OR・NOT・NAND・NORを動く図で説明します。各図のチェックを切り替えると接点が動き、ランプの点灯・消灯が変わります。実際の装置を操作するものではなく、論理を確かめる学習用モデルです。

入力の1は通常の非ラッチ形リレーが励磁した状態、0は非励磁の状態とし、出力の1はランプ点灯、0は消灯を表します。図ではコイルを駆動する入力側の配線を省き、入力で動かされる接点と負荷側の回路を示しています。

動画では、入力リレーの接点で中間リレーを動かし、その接点でランプを点灯させる例を扱います。以下の図は途中の段を整理した等価な論理モデルです。機器番号が違っても、どの入力条件でランプへ回路がつながるかに注目すると対応を追えます。

目次

a接点、b接点

a接点はリレーコイルが非励磁のとき開き、励磁すると閉じる接点で、b接点は逆に、非励磁で閉じ、励磁で開きます。開くとは接点間が離れて非導通になること、閉じるとは接触して導通することです。[1]

コイルが励磁してもb接点は開いてランプが消灯するため、「リレーがON」と「接点がON」を同じ意味で使うと混乱します。説明やメモでは、コイルは励磁・非励磁、接点は閉・開と書き分けると読み違いを減らせます。

図1 同じ入力で、aとbは反対に動く

入力Rにチェックを入れると励磁状態の1になります。左はa接点のランプ、右はb接点のランプです。

制御電源(負荷側の模式図)R-aR-bL-aL-bR=0:a開・b閉R=1:a閉・b開

R=0:L-a(左)は消灯、L-b(右)は点灯。

R=1:L-a(左)は点灯、L-b(右)は消灯。

灰実線:配線 青:可動接点 黄:点灯したランプ。チェックなしは非励磁0です。

電源があり、接点とランプが正常な理想状態を表します。動きを減らす設定では接点の移動効果を省き、状態だけを切り替えます。

接点が閉じたことだけで、ランプが必ず点くわけではありません。負荷側の電源から接点、ランプ、戻り側まで回路がつながる必要があります。接点を閉じる働きと、負荷へ電力を供給する働きは区別して読みましょう。

この違いは無電圧接点と有電圧接点を理解するときにも重要です。a接点という名称は開閉の動作を表し、無電圧という名称は信号の受け渡し方を表します。同じ分類の言い換えではありません。

ここで扱うのは入力を除くと元の状態へ戻る通常のリレーなので、状態を保持するラッチングリレーなどは、同じ前提で判断できません。実際の機器を読むときは、形式と接点構成を合わせて確認します。[1]

入力の名前を付けるときは、ボタンを押した状態を1にするのか、正常な状態を1にするのかも決めます。同じb接点でも、入力が表す意味を変えれば装置としての説明が変わるためです。図中のAはコイルの励磁状態、と固定して読んでください。

AND回路

AND回路は、入力Aと入力Bが両方1のときだけ出力が1になる回路です。二つのa接点を直列に接続すると、どちらか一方が開いている間は、ランプへつながる経路が途中で切れます。

Aだけ1にするとB側は開いたまま、Bだけ1にするとA側は開いたままで、両方の接点が閉じて初めてランプが点灯します。入力を入れる順序ではなく、その時点の二つの状態で結果が決まるモデルです。

図2 AND:二つとも閉じて初めてつながる

Aだけ、Bだけ、両方の順に切り替え、直列経路の切れ目を追ってください。

電源側Aのa接点Bのa接点出力ランプY戻り側Y=0(消灯)Y=1(点灯)

入力のチェック=励磁1。灰実線:配線/青:接点/黄:点灯。状態は下の真理値表でも確かめられます。

運転の許可条件を複数そろえる場面はANDを考える例ですが、「条件が二つあるから安全」とは判断できません。条件の検出方法や故障時の動作は別に設計するため、ここでは論理の組合せとして捉えます。

インターロック回路にも条件の組合せが使われます。ANDはその部品となる考え方ですが、正逆転の禁止や装置全体の停止条件までを、一つのANDだけで表せるわけではありません。

回路の直列・並列という表し方に迷う場合は、ラダー図の読み方と対応づけます。このページでは全体の記号を増やすより、入力四通りでランプがどう変わるかに絞って確かめてください。

例えばAを「運転要求あり」、Bを「運転許可あり」と定義すれば、両方そろったときの出力をANDで表せます。要求だけあっても許可がなければ0、許可だけあっても要求がなければ0です。入力の名称を実際の条件へ置き換えると、直列にする理由を説明できます。

OR回路

OR回路は、入力Aと入力Bの少なくとも一方が1なら出力が1になります。a接点を並列に置くと、片方の経路が開いていても、もう片方が閉じていればランプへつながります。

ORは二つとも1の場合も点灯するので、「どちらか一方」という言い方を、片方だけに限定して読まないようにしましょう。片方だけ1で出力する排他的論理和のXORとは、両方1のときの結果が異なります。

並列回路では枝の片方がつながっただけで経路が完成し、二つ目の入力を入れてもランプを消す動作は含まれていません。まず各枝を単独で追い、その後に両方を閉じた状態を見ると、ORとXORの違いが明確になります。

図3 OR:どちらかの枝がつながれば点灯

接点の前で分岐し、後で合流します。両方の入力にチェックを入れてもランプは点灯します。

電源側Aのa接点Bのa接点戻り側Y=0(消灯)Y=1(点灯)

灰実線:配線/青:a接点/黄:点灯。中央の点は枝の合流点で、入力どうしの短絡を表すものではありません。

複数の条件のどれかで表示灯を点ける例は、ORで整理できます。AとBを別の異常の成立信号と定義したなら、いずれかの成立で表示灯を点ける関係です。正常信号を入力にする場合とは、信号の意味が違います。

現場の近接センサなどを、図の接点と同じ感覚で直接並列につなぐ話とは区別してください。センサには出力方式や接続条件があるため、論理が同じでも実配線は製品の仕様に従います。入力機器の違いは近接センサと光電センサの比較でも整理できます。

NOT回路

NOT回路は、入力が0なら出力1、入力が1なら出力0と、状態を反転する回路です。通常のリレーのb接点で負荷を開閉すると、この関係を作れます。コイルを励磁したときに接点が開く動きが、反転に相当します。

図4 NOT:励磁するとb接点が開く

チェックなしでランプ点灯、チェックありで消灯です。入力1と出力1が同時になる回路ではありません。

電源側Aのb接点ランプY戻り側Y=0(消灯)Y=1(点灯)

灰実線:配線/青:b接点/黄:点灯。ランプの電源は供給されている前提です。

「コイルがONだから、ランプもON」と読み替えず、動画のように途中のリレーを追加した場合も、最後にランプを開閉する接点の種類を追いましょう。a接点かb接点かで、入力と出力の関係が変わります。

接点が開いたことと、制御電源自体が失われたことも同じではありません。電源が無ければ、b接点が閉じていてもランプは点灯しません。論理表の1と0は、電源正常などの前提をそろえたうえで比較する値です。

「入力がないから点灯する」という表現も、入力側と負荷側の電源を分けて考える必要があります。コイルが非励磁でも負荷側の電源が残っていれば、閉じたb接点を通じてランプへ電力を供給できます。入力の0を、回路全体の無電圧と同一視しないことが要点です。

導通の確認方法はテスターでの接点確認で扱っていますが、この動作図を見ながら通電中の盤を操作することは避けてください。本記事は原理の説明に絞り、実機の点検や配線変更の手順とは分けています。

非通電のリレー部品を並べたイメージ
リレーはコイルと接点を区別して読みます。写真は部品のイメージで、配線や選定の見本ではありません。

NAND回路

NAND回路はANDの結果をNOTで反転した動作なので、AとBが両方1のときだけ出力0となり、ほかの三通りでは出力1になります。ANDと比べると、四通りの結果がすべて逆になります。

例えば、AとBのa接点を直列にして中間リレーを励磁し、そのb接点でランプを開閉する構成で実現できます。両入力1で中間リレーのコイルが励磁され、b接点が開くのでランプが消灯します。コイルが非励磁だから消える、という意味ではありません。

図5 NAND:b接点の並列でも同じ論理になる

ANDの後に反転する動作を、二つのb接点の並列で表した等価回路です。両入力1のときだけ両枝が開きます。

電源側Aのb接点Bのb接点戻り側Y=0(消灯)Y=1(点灯)

灰実線:配線/青:b接点/黄:点灯。図3のORと枝の形は似ていますが、接点が逆に動きます。

Aだけ1にするとBのb接点が閉じているため点灯を続け、Bだけ1の場合はAのb接点が閉じているので点灯を続けます。両方1になって初めて、ランプへつながる二つの経路がともに切れます。

NANDの論理式と、b接点並列の対応
Y = ¬(A ∧ B)
Y = (¬A) ∨ (¬B)
A・B:入力、Y:出力。各値は0または1の無次元値です。¬:NOT、∧:AND、∨:OR。¬AはAのb接点が閉じる条件に対応します。

この式は、AとBを先にANDしてから反転する結果が、AとBをそれぞれ反転してORする結果と一致することを示します。接点の言葉にすると、a接点の直列の結果を反転する形と、b接点を並列にする形の対応です。

この等価関係は、四通りの入力に対して出力が一致する、という意味です。中間リレーを使う実回路と、接点を並列にした実回路とでは、動作時間や故障時の振舞いまで同じとはいえません。学習モデルの等価と、装置の設計上の置換を区別します。

NOR回路

NOR回路は、ORの結果をNOTで反転した動作です。AとBが両方0のときだけ出力1で、いずれかが1になると出力0になります。二つのb接点を直列にすれば、片方でも励磁したときに経路が切れます。

ORのa接点並列で中間リレーを動かし、そのb接点でランプを開閉する形でも考えられます。この場合も、入力のどちらかが1なら中間コイルは励磁され、最後のb接点が開くことで消灯する、と順に読みます。

図6 NOR:どちらかが開けば直列経路が切れる

両入力0では二つのb接点が閉じています。Aだけ、Bだけ、両方1を試し、NANDとの違いを確かめます。

電源側Aのb接点Bのb接点ランプY戻り側Y=0(消灯)Y=1(点灯)

灰実線:配線/青:b接点/黄:点灯。直列のため、どちらか一つの開路で出力0になります。

NANDとNORの区別は片方だけ1のときを見るとはっきりし、NANDはまだ1、NORは0になります。名前の文字を暗記するだけでなく、どちらの経路が残るかを動く図と表の両方で追ってみてください。

NORの論理式と、b接点直列の対応
Y = ¬(A ∨ B)
Y = (¬A) ∧ (¬B)
A・B:入力、Y:出力。0と1の無次元値で表します。¬:NOT、∧:AND、∨:OR。両入力が0で、二つのb接点が閉じる場合に出力1です。
二入力の真理値表(1=成立、0=不成立)
ABANDORNANDNOR
000011
010110
100110
111100

異常信号A・Bを1と定義し、どちらも成立していないときだけ表示灯を点けたいなら、論理の形はNORになります。ただし、その表示灯が点いていることだけで、装置全体の安全を保証することはできません。

真理値表は、AとBが0・0、0・1、1・0、1・1の四通りを漏れなく並べたものです。動く図でも同じ四状態を作り、閉じている枝と出力欄を照らし合わせます。点灯する行だけでなく、消灯する行も調べると、回路の取違えに気づきやすくなります。

例えば入力配線が断れたとき、故障したセンサが0を出したとき、リレー接点が溶着したときの結果は、この表には含めていません。サーマルリレーのトリップのような保護動作も、信号の成立条件と実際の機器の動作を分けて読む必要があります。

論理回路を装置へ組み込む段階では、制御盤設計の進め方に沿って、仕様・負荷・保護・検証の条件を整理します。電動弁のリレー付き構成なども、論理が合うことと、実機の電気仕様が合うことは別の確認になります。

PLCでもAND・OR・反転の考え方を使いますが、プログラム上の接点は物理接点そのものではありません。入力の取り込みと演算の仕組みはPLCの基本原理へ進み、このページの四通りの関係と対応づけると理解を整理できます。[2]

よくある質問

コイルがONなのにb接点がOFFになるのはなぜですか?

b接点はコイル非励磁で閉じ、励磁で開く接点だからです。コイルの励磁と、接点の導通を別の状態として読みます。ランプは、その接点を含む負荷回路が電源へつながるかで点灯が決まります。

ORは両方の入力がONでも点灯しますか?

点灯します。ORは少なくとも一方が1なら出力1で、両方1も含みます。片方だけ1のときに出力するXORとは別なので、A=1・B=1の行で確かめると区別できます。

NANDとNORはどこを見ると区別できますか?

片方だけ1にした状態を見ます。NANDは出力1のまま、NORは出力0です。b接点で表す等価回路では、NANDは並列、NORは直列なので、閉じた経路が残るかを追えます。

動く図で入力を入れた順序は記憶されますか?

このページのモデルは、その時点の入力だけで出力を決め、過去の入力順序を記憶しません。自己保持やタイマを加えた回路では、状態や時間の条件も必要になります。基本論理と、記憶を含む回路を分けて学びましょう。

この図をそのまま安全回路の配線に使えますか?

学習用の論理モデルなので、実機の配線図や安全機能の設計図としては使いません。電源・定格・負荷・故障の検出などを省略しています。必要な安全機能は対象設備の条件に合わせ、適用する基準と機器の資料に基づいて設計します。

まとめ

a接点は励磁で閉じ、b接点は励磁で開きます。この動作を直列・並列に組み合わせると、AND・OR・NOTと、その結果を反転するNAND・NORを表せます。

名前から推測するより、入力を一つずつ切り替え、ランプへつながる経路を追うと違いが見えてきます。コイルの励磁、接点の閉開、出力の点灯を分け、真理値表の各行と動く図を対応させてみてください。

動きを見たあとに、入力の順序を覚える回路へ進むときは、自己保持回路の書き方と停止b接点の役割を確かめてください。

電気の基礎を資格の勉強として順に学びたい方は、第二種電気工事士の講座と受講料も比べられます。

出典・参考資料

確認日:2026年10月28日。動く図は論理の説明用に作成した模式図です。

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プラント機器メーカーとプラントメーカーで約10年、設備の提案・設計・試運転に携わったのち、Webマーケターに転身。現在はBtoB製造業専門のWebコンサルタントとして、メーカーの情報発信を支援しています。エネルギー管理士/第三種電気主任技術者。工業技術ブログを2017年から運営(500本以上執筆)、YouTube登録者約2万人、Xフォロワー約1万人。

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