人・キャリア

製造業で働く人

設計室から製造現場まで、製造業には多様な職種と働き方がある。本カテゴリでは、実際に働く人へのインタビューを通じた仕事の実像に加え、キャリアの選択肢、職場環境、技能伝承や人材育成といった組織側の取り組みまでを扱う。働く側と育てる側の双方に役立つ情報を届ける方針とする。

02FIRST STEPS

製造業への転職を考え始めた方へ

製造業への転職を考え始めたら、職種を知るところから順に進めると迷いにくくなります。ここでは4つの手順と、それぞれの段階で役立つMONOSCOPEのページをまとめました。

  1. STEP 01

    職種を知る

    製造業には設計や生産技術、品質保証など多くの職種があり、仕事同士のつながりも複雑です。まず職種同士のつながりを地図で眺めてから、気になる職種の仕事内容を読んでみましょう。

  2. STEP 02

    自分に合う仕事の候補を見つける

    いくつかの質問に答えていくと、向いている職種の候補や、転職準備の進み具合がわかります。この段階で候補を2〜3個に絞っておくと、次の経験の整理がぐっと進めやすくなります。

  3. STEP 03

    経験を整理する

    前職で担当した業務や使った道具、数字で示せる成果を、思いつく順に書き出しておきます。下の棚卸しシートに沿って書くと、製造業で近い職種と面接で話す材料が見えてきます。

  4. STEP 04

    求人票・支援サービスを比べる

    求人票は仕事内容と配属先、勤務形態を並べて比べ、気になる点は応募前に確かめます。社外の仕事の調べ方や転職サービスは転職・キャリアガイドに、資格の学習や仕事の道具は目的別の紹介ページにまとめています。

経験の棚卸しシート

5つの項目について、左の記入例を参考に、右の空欄へ自分の経験を書き込んでみてください。印刷するか、手元のメモに写して使うと、応募書類や面接の準備にそのまま生かせます。

項目記入例記入欄
前職の業務記入例:家電量販店の売場責任者として、在庫管理と5人のスタッフのシフト作成を担当
使った道具・ソフト記入例:Excel(関数・ピボットテーブル)、POSレジ、在庫管理システム
数字で言える成果記入例:発注の見直しで欠品を月20件から5件に減らし、在庫金額を1割減らした
製造業で近い職種記入例:生産管理(在庫・発注の経験)、技術営業(接客と製品説明の経験)
応募先に確認したいこと記入例:未経験者の研修期間、交替勤務の有無、配属される工場の場所

※記入例は架空の人物の例です。数字や職種名は、ご自身の経験に置き換えてください。

06ORGANIZATION

人材・組織を知る

07DATA

数字で見る製造業で働く人

気になる給与や休みから、製造業の働き方を公的統計で見てみましょう。全国の人数・割合・平均値で、対象の年や調査の範囲は項目ごとに違います。

01賃金の水準と違い

短時間労働者以外の「一般労働者」(いわゆるフルタイム)の、2025年6月分の平均です。所定内給与は、毎月決まって払われる給与から残業代などを除いた額で、基本給のほか家族手当・通勤手当などの手当を含み、賞与は含みません。平均年齢44.1歳の人たちの平均なので、入社したときの給与や特定の職種の給与を表すものではありません。

所定内給与(月)33.0万円2025年6月分・全産業は34.1万円
年間賞与など113.8万円2024年の1年間・全産業は101.0万円
平均年齢44.1歳全産業は44.4歳
平均勤続年数15.3年全産業は12.7年

年齢別の所定内給与(万円/月)

製造業全産業

縦軸は20万円から始まっています。各年齢層で働く人の平均をくらべたもので、同じ人の給与がこの線のとおりに上がるわけではありません。50代前半までは全産業よりやや低め、賞与は製造業のほうが多めです。

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和7年)

製造業の中の仕事別 所定内給与(万円/月)

管理的職業従事者58.4万円
専門的・技術的職業従事者39.1万円
販売従事者38.7万円
事務従事者34.4万円
輸送・機械運転従事者28.6万円
生産工程従事者28.5万円
運搬・清掃・包装等従事者24.7万円

製造業の会社で働く人を、職業の大きな区分で分けた平均です。年齢や勤続年数の違いも含んだ数字です。

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和7年)

技術者・技能職の所定内給与(万円/月・全産業)

機械技術者37.6万円
電気・電子・電気通信技術者39.8万円
輸送用機器技術者38.9万円
化学技術者37.6万円
金属技術者34.8万円
自動車組立従事者32.8万円
機械検査従事者31.1万円
機械器具組立従事者(はん用・生産用・業務用)31.0万円
金属工作機械作業従事者28.9万円
金属溶接・溶断従事者27.7万円
金属プレス従事者27.6万円
電気機械器具組立従事者27.3万円

統計上の職業区分(小分類)で、製造業以外の会社で働く人も含みます。MONOSCOPEの職種(機械設計・生産技術など)とは区分が一致しません。気になる職種の仕事内容を見る →

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和7年)

02働く時間と休み

月間の総実労働時間162.3時間2025年平均・一般労働者。全産業は160.5時間
月間の残業など(所定外)14.7時間2025年平均・全産業は13.2時間
年間休日(1人平均)119.3日2025年調査・全産業は116.6日
年次有給休暇の取得率72.8%取得13.7日/付与18.8日。全産業は66.9%

月間の所定外労働時間の推移(時間・一般労働者)

製造業全産業(調査産業計)

所定外労働時間は、決められた勤務時間を超えて働いた時間(残業・休日出勤など)。事業所規模5人以上の年平均です。

出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」(年平均)

休みの数字の読み方

  • 年間休日は、会社が決めている休日の1人あたり平均で、製造業は119.3日です(全産業は116.6日)。
  • 有給休暇の取得率は、付与された日数のうち実際に使った割合で、製造業は72.8%と全産業より高めです。
  • どちらも従業員30人以上の会社が対象の平均で、2024年(または2023会計年度)1年間の実績です。交替勤務の職場などでは休みの取り方が違います。

勤務形態や休日についての記事を読む →

出典:厚生労働省「就労条件総合調査」(令和7年)

08MORE DATA

採用・安全・働く人の構成を数字で知る

入る人と辞める人、職場の安全、どんな人が働いているかを、公的統計でくらべます。

03採用・入職・離職の動き

入職率・離職率の推移(%)

製造業 入職率製造業 離職率全産業 離職率

2025年の製造業は入職率9.6%・離職率9.8%で、全産業(離職率13.7%)より低め。離職率は1年間に辞めた人の割合で、定年退職なども含みます。離職率だけで職場の良し悪しは判断できません。

出典:厚生労働省「雇用動向調査」(年次別推移 第2表)

職業別の有効求人倍率(倍)

製造技術者(開発)生産工程の仕事全体(季節調整値)

ハローワークで扱う求人の数と、仕事を探す人の数の比率です。1を超えると求人のほうが多い状態ですが、勤務地や経験などの条件は反映しきれず、個人の採用されやすさを表すものではありません。職業別は製造業以外の会社の求人も含み、季節調整をしていない原数値(2026年08月まで)、全体は季節調整値です。

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」(第21表-7・第3表-1)

04職場の安全

製造業の労働災害(休業4日以上の死傷者数)

製造業の死傷者数(休業4日以上)

2025年は26,371人(死亡115人)で、全産業の死傷者の19.5%。新型コロナの罹患によるものを除いた数です。人数は働く人の数に左右されるため、人数だけで安全かどうかは判断できません。

出典:厚生労働省「労働災害発生状況」(令和7年確定)

事故の型別の死傷者数(製造業・2025年・上位6)

はさまれ・巻き込まれ5,992人
転倒5,732人
動作の反動・無理な動作3,144人
墜落・転落2,917人
切れ・こすれ2,216人
飛来・落下1,625人

「はさまれ・巻き込まれ」が最も多く、死亡も47人います。転倒や「動作の反動・無理な動作」も多くを占めます。

出典:厚生労働省「労働災害発生状況」(業種・事故の型別)

労働時間あたりの労働災害(度数率)

製造業全産業(調査産業計)

上の人数とは対象と条件が違います。度数率は、対象の事業所(従業員100人以上)で、のべ100万時間働くあいだに休業1日以上の死傷者が何人出たかを表します。2025年の製造業は1.33で、全産業(2.01)より低め。個人が事故にあう確率を表すものではありません。職場環境・安全衛生の記事を読む →

出典:厚生労働省「労働災害動向調査」(事業所規模100人以上)

05働く人の構成

製造業の就業者数1,033万人2025年平均・就業者全体の15.1%
女性の割合30.8%2025年平均・全産業は45.8%
15〜34歳の割合25.0%2025年平均・全産業は25.4%
55歳以上の割合28.4%2025年平均・全産業は32.8%

製造業の就業者数の推移(万人)

製造業の就業者うち女性

2013年の1,041万人から、2025年は1,033万人。女性は308万人から318万人になりました。就業者は、会社に雇われている人のほか、自営業者なども含みます。

出典:総務省統計局「労働力調査」(長期時系列表5、年平均)

年齢別の構成(%・2025年平均)

製造業全産業

15〜24歳6.8%8.5%
25〜34歳18.2%16.9%
35〜44歳20.4%18.3%
45〜54歳26.1%23.5%
55〜64歳20.1%19.0%
65歳以上8.2%13.8%

製造業は25〜64歳の割合が全産業より高く、15〜24歳と65歳以上は低めです。年齢の区分は、統計の5歳きざみを10歳きざみに足し合わせた編集部の計算です。

出典:総務省統計局「労働力調査」(基本集計 第II-2-1表)

外国人労働者の人数(万人・各年10月末)

製造業の外国人労働者

2025年10月末は635,075人で、外国人労働者全体の24.7%。人数は増えていますが、ほかの産業がそれ以上に増えたため割合は下がっています。事業主からの届出の数で、上の就業者数とは集め方が違うため、割り算して割合にはしていません。

出典:厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」(令和7年10月末)

製造業で働く外国人の在留資格の内訳(%・2025年10月末)

専門的・技術的分野の在留資格31.3%
特定活動3.0%
技能実習35.0%
資格外活動5.2%
身分に基づく在留資格25.5%

技能実習が約3分の1。「専門的・技術的分野」には、技術者などの在留資格や特定技能が含まれます。

出典:厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」(別表6)

数字はいずれも全国の人数・割合・平均値です。会社の規模、雇用形態、職種、地域によって条件は大きく違うため、個別の会社の待遇を表すものではありません。