アルキル基は、メタンやエタンのようなアルカン(単結合だけの鎖状の炭化水素)から水素原子を1個除いた部分で、一般式は CnH2n+1− です。炭化水素基との違いは、二重結合・三重結合・環を含まないところにあり、ビニル基やフェニル基は炭化水素基ですがアルキル基ではありません。
アルキル基は単独の物質として瓶に入っているわけではなく、分子の一部として別の原子や原子団に付いています。その長さや枝分かれによって沸点や油へのなじみやすさが変わるため、洗剤の主成分、樹脂の可塑剤、ガソリンの成分の設計でも、アルキル基の炭素数が性能を左右します。
後半では、炭素数で性質が変わるしくみ、洗剤・可塑剤・アルキル化での使われ方、成分表示や化学物質の法令名でのアルキル基の読み方まで確かめます。
炭化水素基とは?炭化水素から水素を1個外した部分
炭化水素基は、炭素と水素だけでできた炭化水素から水素原子を1個取り除いた原子団です。たとえばエタン C2H6 から水素を1個外すとエチル基 C2H5− になり、外した位置に結合の手が1本空くので、その手でほかの原子とつながります。
外した水素の位置に結合の手が1本空き、その手で別の原子や原子団とつながります。
※炭素の手は4本、水素の手は1本。エチル基の空いた手は、構造式では末尾の「−」で表します。
エチル基がベンゼン環に付いた分子がエチルベンゼン C6H5−C2H5 で、名前も「エチル」+「ベンゼン」の組み合わせになっています。このように「〜基」は分子の部品の名前で、付いた相手の名前と組み合わせて化合物名をつくるのが有機化合物の命名の基本です。
元の炭化水素に二重結合や環があっても、水素を1個外せば炭化水素基です。エチレン CH2=CH2 から水素を外したビニル基 CH2=CH− や、ベンゼンから外したフェニル基 C6H5− も、炭素と水素だけでできているので炭化水素基に入ります。
有機化学の式でよく見る R は、こうした原子団をまとめて表す記号です。R−OH と書けばアルコール全般を指し、R にメチル基を入れればメタノール、エチル基を入れればエタノールになるので、R の中身を入れ替えて性質の違いを比べるときに便利な書き方です。
アルキル基とは?炭化水素基との違い
アルキル基は、炭化水素基のうちアルカンから水素を1個外したものだけを指す呼び名です。アルカンは CnH2n+2 で表される鎖状の飽和炭化水素なので、水素が1個減ったアルキル基は CnH2n+1− になり、炭素どうしはすべて単結合でつながっています。
炭化水素基との違いは、含んでよい構造の範囲にあります。炭化水素基は炭素と水素だけでできていれば二重結合も環もかまいませんが、アルキル基は単結合だけの鎖に限られるため、エチル基はアルキル基、ビニル基はアルキル基ではないと区別できます。
| 比べる点 | 炭化水素基 | アルキル基 |
|---|---|---|
| 元になる分子 | 炭化水素(C と H だけの分子)すべて | アルカン(鎖状の飽和炭化水素)だけ |
| 炭素どうしの結合 | 単結合・二重結合・三重結合のどれでもよい | 単結合だけ |
| 環 | 含んでもよい(ベンゼン環・シクロ環) | 含まない |
| 一般式 | 決まった形はない | CnH2n+1− |
| 例 | エチル基、ビニル基 CH2=CH−、フェニル基 C6H5− | メチル基 CH3−、エチル基 C2H5−、tert-ブチル基 |
アルキル基は炭化水素基の一部で、二重結合・三重結合・環のどれか1つでもあればアルキル基の外に出ます。
※シクロヘキシル基のように飽和の環からできた基は、ふつう「シクロアルキル基」と呼んで区別します。
ビニル基のように二重結合を含む基は「アルケニル基」、ベンゼン環を含むフェニル基は「アリール基」と、別の名前でまとめられます。二重結合をつくるσ結合とπ結合の違いを知ると、ビニル基が単結合だけのエチル基より反応しやすく、樹脂の原料に使われる理由も見えてきます。
アルキル基の一覧:メチル基から tert-ブチル基まで
よく出てくるアルキル基を、炭素数の少ない順に並べました。表の「書き方」の列は縮めた構造式で、末尾の「−」が結合の手を表し、手が鎖の端の炭素から出ていて途中に枝がないものが直鎖です。
| 名前 | 式 | 書き方(縮めた構造式) | 手が出る炭素 | 含む化合物の例 |
|---|---|---|---|---|
| メチル基 | CH3− | CH3− | (ほかの炭素なし) | メタノール CH3OH |
| エチル基 | C2H5− | CH3CH2− | 第一級 | エタノール、エチルベンゼン |
| プロピル基(n-プロピル基) | C3H7− | CH3CH2CH2− | 第一級 | 1-プロパノール |
| イソプロピル基 | C3H7− | (CH3)2CH− | 第二級 | 2-プロパノール(イソプロピルアルコール)、クメン |
| ブチル基(n-ブチル基) | C4H9− | CH3CH2CH2CH2− | 第一級 | 1-ブタノール |
| イソブチル基 | C4H9− | (CH3)2CHCH2− | 第一級 | 2-メチル-1-プロパノール(イソブチルアルコール) |
| sec-ブチル基 | C4H9− | CH3CH2CH(CH3)− | 第二級 | 2-ブタノール |
| tert-ブチル基 | C4H9− | (CH3)3C− | 第三級 | 2-メチル-2-プロパノール(tert-ブチルアルコール) |
炭素数5以上の直鎖も、ペンチル基 C5H11−、オクチル基 C8H17−、ドデシル基 C12H25− のように、アルカン名の「-ane」を「-yl」に変えて呼びます。アルカンの分子式を覚えていれば、分子式から水素を1個引くだけで基の式も書けます。
イソ・sec-・tert- は枝の付き方を表す
同じブチル基 C4H9− でも、結合の手が出ている炭素の位置で4種類に分かれます。接頭語の sec-(セカンダリー)と tert-(ターシャリー)は、手が出ている炭素に、ほかの炭素が何個結合しているかを表しています。
- 第一級炭素:ほかの炭素1個と結合(n-ブチル基、イソブチル基の手が出る炭素)
- 第二級炭素:ほかの炭素2個と結合(sec-ブチル基、イソプロピル基の手が出る炭素)
- 第三級炭素:ほかの炭素3個と結合(tert-ブチル基の手が出る炭素)
n- は「ノルマル」の略で枝のない直鎖を、イソ(iso)は鎖の末端が (CH3)2CH− の形に分かれたものを表します。IUPAC の系統名では、イソプロピル基をプロパン-2-イル基(1-メチルエチル基)、tert-ブチル基を 1,1-ジメチルエチル基と書くこともあります。
試薬や SDS では同じ物質が「2-プロパノール」と「イソプロピルアルコール」の両方で書かれるので、慣用名と系統名を対応させて読めると取り違えを防げます。第一級・第二級・第三級の区別は、アルコールの級数と性質や酸化のされ方を考えるときにもそのまま使います。
実際の工場では:アルキル基の長さと枝分かれで性質が変わる
アルキル基は炭素と水素だけでできていて、C−H 結合の電子の偏りが小さいため、それ自体はほとんど極性をもちません。そのためアルキル基が長いほど分子は油に近い性質になり、沸点・水への溶けやすさ・粘度が炭素数に合わせて規則的に変わります。
比べる条件をそろえ、直鎖アルカンどうし、同じ炭素数の異性体どうし、直鎖アルコールどうしで比べます。
沸点:炭素が増えるほど高く、枝分かれすると低い
直鎖アルカンの沸点は、メタン約 −162℃、エタン −88.6℃、プロパン −42.1℃、ブタン約0℃と上がり、ペンタン 36.1℃からは常温で液体です。分子どうしが引き合う力(ファンデルワールス力)は表面積が広いほど強いため、アルキル鎖が長いほど沸点が高くなります。
直鎖アルカンは炭素が1つ増えるごとに沸点が上がり、C5 を境に室温で液体になります。
※NIST Chemistry WebBook の沸点(K)を℃に換算。下段の枝分かれの棒は上段の2倍の目盛りで描いています。
同じ炭素数5の C5H12 でも、直鎖のペンタン 36.1℃に対して、枝が1本の 2-メチルブタン 28.0℃、枝が2本の 2,2-ジメチルプロパン 9.5℃と下がります。枝分かれした分子は丸くまとまって触れ合う面積が小さくなるので、分子量が同じでも沸点が下がるのです。
原油を沸点の違いで LPG・ナフサ・灯油・軽油に分ける原油の分留は、この炭素数と沸点の関係をそのまま使った工程です。プロパン・ブタンが LPG に、C5〜C10 前後がナフサやガソリンに集まるのも、アルキル鎖の長さが沸点を決めているからです。
水への溶けやすさと粘度:油に近づくほど水から離れる
アルキル基の長さの影響は、水への溶けやすさに最もはっきり表れます。25℃の水にメタノール・エタノール・1-プロパノールはどの割合でも混ざりますが、炭素4個の1-ブタノールからは混ざりきらなくなります。
水1 L に溶ける量は、1-ブタノール約63 g、1-ヘキサノール約5.9 g、1-オクタノール約0.54 g で、炭素が2個増えるごとに一桁近く溶けにくくなります。
水と水素結合をつくれるのはヒドロキシ基 −OH だけで、アルキル基の部分は水の水素結合の網目を押しのけてしまいます。分子の中で無極性のアルキル基が占める割合が増えるほど、分子全体は無極性分子に近い振る舞いになるので、水には溶けにくく油には溶けやすくなります。

粘度も鎖の長さで大きく変わり、20℃のヘキサン(C6)は約0.33 mPa·s、ヘキサデカン(C16)は約3.5 mPa·s で、約10倍の差があります。長い鎖どうしは絡み合って動きにくくなるため、溶剤には短い鎖、潤滑油の基油には長い鎖という使い分けが生まれます。
- 短い鎖(C5〜C8 前後):揮発しやすく粘度が低いので、溶剤や洗浄剤に向く。引火しやすさにも注意が要る
- 中くらいの鎖(C10〜C14 前後):油をつかむ力と水への分散のつり合いがよく、洗剤の油になじむ部分に使われる
- 長い鎖(C16 以上):揮発しにくく粘度が高いので、潤滑油やワックス、樹脂の添加剤に向く
実際の工場では:洗剤・可塑剤・アルキル化でのアルキル基
工業製品のラベルに「アルキル」と書かれていても、その製品がアルキル基そのものというわけではありません。アルキル基を部品として含む化合物が製品の主成分です。
洗剤の LAS:C10〜C14 の直鎖が油をつかむ
洗濯用洗剤の代表的な界面活性剤である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)は、アルキル基・ベンゼン環・スルホン酸ナトリウムの3つの部分からなります。油になじむアルキル鎖が汚れの油をつかみ、水になじむスルホン酸の部分が水側に向くことで、油汚れを水の中へ引き離します。
LAS は1つの物質ではなく、アルキル鎖の長さとベンゼン環の付く位置が違う分子の混合物です。
※分布は環境省「化学物質の環境リスク評価」第6巻の表をもとに、各鎖長の幅を横棒で示しました。
市販の LAS のアルキル基は炭素数10〜14で、C12 が20〜50%、C11 が19〜39%と中心で、平均の鎖長は11.8です。混合物の成分を平均で表すこの考え方は、空気を約29として扱う平均分子量と同じで、LAS は鎖長と結合位置が違う分子の混合物として扱われています。
環境省のリスク評価では、LAS の約8割が家庭の洗濯用洗剤に、2割弱がクリーニングや厨房・車両洗浄などの業務用洗浄に使われています。水の中では LAS の分子が尾を内側に向けて集まり、油汚れを包み込む会合コロイド(ミセル)をつくります。
「直鎖」が名前に入っているのは、かつて使われたアルキルベンゼンスルホン酸塩(ABS)と区別するためです。下水を使った分解試験では、直鎖の LAS は分解されやすく、ABS とは対照的だったと報告されています。
可塑剤とシランカップリング剤:枝分かれと長さで効き方を変える
軟らかい塩化ビニル樹脂の可塑剤に使われてきたフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHP)は、フタル酸に炭素数8のアルキル基が2本付いたエステルです。
2-エチルヘキシル基はヘキシル基の2番目の炭素にエチル基が付いた枝分かれ型で、樹脂の分子鎖の間に入り込み、鎖どうしの引き合いを弱めて樹脂を軟らかくします。
DEHP の沸点は約384℃、20℃の蒸気圧は1 Pa と低く、揮発しにくい物質です。主にシート・レザー・電線被覆などの塩化ビニル樹脂製品に使われ、化管法の第一種指定化学物質でもあるため、一定量以上を取り扱う事業者は排出量と移動量の届出の対象になります。
ガラスや無機フィラー(充てん材)の表面処理に使うシランカップリング剤でも、ケイ素に付いたアルキル基の長さで表面の性質を選びます。
表面処理剤メーカーの選定資料では、メチル基は水をはじく力が強く耐熱性も高く、C8 は疎水性と経済性のつり合いがよく、C18 は疎水性に加えて油となじむ膜をつくると整理されています。
アルキル化:ガソリンとクメン・エチルベンゼン
分子にアルキル基を付ける反応をアルキル化と呼び、製油所と石油化学の工場で大量に使われています。製油所のアルキル化装置では、硫酸かフッ化水素酸を触媒にしてイソブタンとプロピレン・ブテンなどのオレフィンを結合させ、枝分かれの多いパラフィン(アルキレート)をつくります。
イソオクタンはガソリンのノッキングのしにくさを表すオクタン価の基準物質で、その値は100と決められています。直鎖のヘプタンの値は0なので、同じ炭素数のアルカンでは枝分かれの多いものほどノッキングしにくい傾向があり、詳しくはオクタン価とセタン価の違いで整理しています。
石油化学では、ベンゼン環にアルキル基を付けるアルキル化が基幹の工程です。ベンゼンとプロピレンからイソプロピル基の付いたクメンをつくる反応は、フェノールとアセトンを生むクメン法の第一段で、現在はゼオライト触媒が主流になっています。
どの例も、酸や固体の触媒の上でオレフィン(二重結合をもつ炭化水素)が相手の分子に付いて、アルキル基になります。
※OSHA Technical Manual(石油精製)と EU の BREF「Large Volume Organic Chemicals」(2017)をもとに作成。
エチルベンゼンのエチル基から水素を2個抜くとビニル基になり、ポリスチレンの原料のスチレンができます。前の章で見た「エチル基はアルキル基、ビニル基はアルキル基ではない」という違いは、工場では単結合を二重結合に変えて重合できる原料にする工程として現れているのです。
アルキル化の反応では、一度アルキル基が付いたベンゼン環にさらにアルキル基が付きやすく、ジイソプロピルベンゼンのような多置換体ができます。アルキル基が電子を押し出して環を反応しやすくするためで、オルト・パラ配向性と同じ考え方で説明できます。
工場ではベンゼンを過剰に入れて多置換体を抑え、できた分はトランスアルキル化でクメンに戻しています。
成分表示や化学物質の名称でアルキル鎖を読む
アルキル基を含む製品は鎖長の違う分子の混合物であることが多く、ラベルや法令では「アルキル」の範囲をどう書くかに決まりがあります。同じ LAS でも、製品ラベル・法令の対象名・CAS 番号では、そこから分かることが違います。
同じ LAS でも、製品ラベル・法令の対象名・CAS 番号では「アルキル」の範囲の書き方が変わります。
※名称の例は環境省「化学物質の環境リスク評価」第6巻と消費者庁「雑貨工業品品質表示規程」による。
家庭用の合成洗剤では、消費者庁の雑貨工業品品質表示規程により、「界面活性剤」の後の括弧に含有率と種類の名称を書き、種類の名称は含有率3%以上のものに付けます。
種類の名称は「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム」「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」などの決まった用語なので、ラベルからは界面活性剤の種類と量が読めますが、鎖長までは分かりません。
法令の対象名は炭素数の範囲で書かれます。化管法(PRTR 制度)の第一種指定化学物質は「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩(アルキル基の炭素数が10から14までのもの及びその混合物に限る。)」で、範囲の外の鎖長のものは同じ名前に見えても対象から外れることになります。
化審法の既存化学物質名簿でも「直鎖アルキル(C=6~14)ベンゼンスルホン酸及びその塩(K,Na,Li,Ca)」のように、炭素数の範囲と塩の種類を書いた名称で登録されています。
一方、CAS 番号は C10 のナトリウム塩が 1322-98-1、C12 が 25155-30-0 と鎖長ごとに別なので、SDS の組成欄では名前と CAS 番号の両方を見比べます。
SDS で原料を確かめるときは、成分名にある「C10-14」などの炭素数の範囲、直鎖か分岐か、塩の種類の3点を見ると、法令の対象に入るかを判断しやすくなります。
化学物質を扱う作業のリスクアセスメントや、新しい物質の化審法の届出でも、アルキル鎖の範囲の読み違いはそのまま判断の誤りになります。
アルキル基のよくある質問
アルキル基とアリール基の違いは?
アルキル基はアルカンから水素を1個外した鎖状の基で、アリール基はベンゼン環などの芳香環から水素を1個外した基です。メチル基やエチル基がアルキル基、フェニル基がアリール基の代表で、どちらも炭化水素基に含まれます。
シクロヘキシル基はアルキル基に入る?
ふつうはシクロアルキル基と呼んでアルキル基とは分けます。シクロヘキシル基 C6H11− は単結合だけでできていますが環をもつので、一般式も CnH2n+1 ではなく CnH2n−1 になります。
アルキル基とアシル基の違いは?
アシル基は R−CO− のように炭素と酸素の二重結合(カルボニル基)を含む基で、アセチル基 CH3CO− が代表です。酸素を含むので炭化水素基ではなく、アルキル基とは別の分類になります。
アルキル鎖とアルキル基は同じ意味?
ほぼ同じ部分を指しますが、アルキル鎖は界面活性剤や可塑剤など大きな分子の中の「長い炭素の鎖」の部分を指して使うことが多い言い方です。LAS の「C10〜C14 のアルキル鎖」は、ベンゼン環に付いた炭素数10〜14のアルキル基のことです。
まとめ
- 炭化水素基は炭化水素から水素を1個外した原子団で、二重結合や環を含んでもよい
- アルキル基はアルカンから水素を1個外した CnH2n+1− で、エチル基は該当し、ビニル基・フェニル基は該当しない
- イソ・sec-・tert- は結合の手が出る炭素の位置を表し、tert-ブチル基は第三級炭素から手が出る
- アルキル鎖が長いほど沸点・粘度が上がって水に溶けにくくなり、枝分かれすると沸点が下がる
- 洗剤の LAS は C10〜C14 の直鎖、可塑剤 DEHP は2-エチルヘキシル基をもち、表示や法令では炭素数の範囲で書かれる
アルキル基は「水素を1個外した部品」という単純な定義ですが、炭素の数と枝の付き方が沸点や洗浄力、ガソリンのノッキングのしにくさまで決めています。製品名や SDS で「アルキル」を見たら、炭素数の範囲と直鎖か分岐かを確かめると、原料の違いが読み取れます。
ベンゼン環に付いたアルキル基の働きはベンゼン環の構造、炭素数で成分を分ける考え方は蒸留・分留の原理で解説しています。
出典
出典・参考資料(11件)を開く出典・参考資料を閉じる
- OpenStax「Organic Chemistry」3.3 Alkyl Groups
- NIST Chemistry WebBook(ペンタンほか各アルカン・異性体の沸点)
- PubChem「Hexadecane」(ヘキサン・デカン・各アルコールの粘度・水溶解度も PubChem による)
- 環境省「化学物質の環境リスク評価 第6巻」直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩
- 坂口ほか「衛生化学」21巻2号(1975)LAS の生分解
- 消費者庁「雑貨工業品品質表示規程」合成洗剤
- 厚生労働省 職場のあんぜんサイト モデルSDS「フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)」
- Gelest「Hydrophobicity, Hydrophilicity and Silane Surface Modification」Hydrophobic Selection Guide
- OSHA Technical Manual Section IV Chapter 2「Petroleum Refining Process」
- コトバンク「オクタン価」
- European Commission JRC「Best Available Techniques (BAT) Reference Document for the Production of Large Volume Organic Chemicals」(2017)
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